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日本ワーグナー協会例会「《マイスタージンガー》におけるヴァルターの詩・歌唱」 [講演会]

 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の主人公、騎士ヴァルター・フォン・シュトルツィングは、第1幕ではマイスターになるための試験で〈資格試験の歌〉を、第3幕第2場と第4番ではザックスの導きに従って〈夢解きの歌〉を、最終場ではこれを大胆に昇華させた〈栄冠の歌〉を歌います。(講師記の案内文より)
 今回はバール形式に則ったシュトルツィングの「マイスターゲザング」の説明と、ベックメッサーの記録係としての判断は正しかったのか、また。三幕で盗作した結果についての考察もあった。
 岡田先生の解説は、資格試験の歌は、バールの形式は整っていたのだが、途中歌が盛り上がったところで第一シュトレンが終わったと判断され、その後は形式から逸脱していると判断され、チョークでバツがつけられて行ったのではないかと。
 栄冠の歌は、三幕夢解きの歌の三つのバールからの引用を発展させ、一つのバールに仕上げられている。オーケストラの楽器を重ねていき、複雑な音、重唱となり、もはやシュトルツィングの声が聞き取れないほど音楽は盛り上がる仕掛けがある。次第に歌より音楽が主体となり、歌い納めで最高潮に達する素晴らしいオーケストレーションに皆感動すると。
 ベックメッサーが三幕で嘲笑を浴びる本選歌は、無理やりセレナーデのメロディーを当てはめ、うろ覚えの歌詞で歌ったのが失敗の要因ではないかと分析された。よくあの様な歌詞をつけられたものだ。韻律も弱始まりで強弱強と続き、シュトルツィング強弱強と逆である。
 とてもニッチなテーマで、マイスタージンガーが喜劇である点をピックアップしたような講演だった。
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慶応大学北川千香子准教授のお話 第2回「赤塚の森フォーラム」 [講演会]

 日帰りで名古屋まで行った目的は、北川先生のワーグナー講演の聴講。テーマは二つ、バイロイト音楽祭現地スタッフ10年間の体験と、ワーグナー作品におけるジェンダーの変容。一般人向けのワーグナー企画はとても珍しく、第一部バイロイト祝祭劇場ドア係の仕事についてスライドを見ながら聞いているうちに、バイロイトに一回余分に行ったような臨場感を味わい、楽しかった。
 ドア係はまさに劇場の各扉の鍵を預かる仕事で、ドイツの鍵文化、鍵を預かる誇らしい心情がよく伝わってきた。また、お客さんの声を直に聞く立場でもあり、座席の交換などの要望を、他のお客さんに取りついだりもするそうだ。ドア係の人達は、中立の立場なので、公演後舞台への拍手はできないのだが、ネズミが出るノイエンフェルス演出ローエングリンの最終公演後、お客さんを全員外に出し、施錠してから、どこからともなく湧いたドア係の拍手をきっかけに、プロダクションの最終公演後のドア係の拍手によるカーテンコールが恒例となったそうだ。この話は初めて聞いた。
 第二部、ワーグナーに於けるジェンダーの変容とは、北川先生のご専門分野で、まさか、難解なテーマをこんなに分かり易く、説明して貰えるとは思っていなかった。
 印象に残ったお話は、ヒロインが題名役となっているイタリアオペラは、19世紀の良妻賢母的女性観から逸脱した女性の悲劇の話で、だいたい最後は男に裏切られて死んでしまう。このような同時代のメロドラマと社会そのものににワーグナーは反発し、革命に参加し指名手配を受け、その後は芸術を通しての社会革命活動に方向転換した。そしてもっと深遠なドラマを目指し、壮大な指環の話を書き上げる。女性には救済(献身的自己犠牲)を求めるが、それは、自立した女性でなければならず、女性は男性救済の触媒であり、それにより、男性は英雄、救済者に到達できると。ワーグナー作品の中のヒロインの死は、それ以前の悲劇では無く、よく分からない複雑な救済の姿なのだと。やはり、難しい話だ。
 これを踏まえて、バイロイトではワーグナー批判が繰り広げられているそうだ。
 講演後の懇親会では素朴な疑問なども投げかけられ、そういえば、自分もワーグナーに出会ったばかりのころは、なぜ、そうなるのか疑問に思った点が多々あった。しかし私の場合、何度も見るうちに、音楽の虜となり、話の筋は、そういうものだからと落ち着いてしまった。
会場 美しい深田電機(株)の社屋、案内文書の写真を拝借
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名古屋城本丸御殿 [旅行]

 朝の新幹線で、ちょうど富士山が見える時間に目が覚め、慌てて写真に収めた。広島行きに続き二度目の挑戦だが、天気にさえ恵まれたらiPhonでも結構綺麗に写るようだ。
 JR東海の「ずらし旅」にクーポンが付いており、1000円から2000円くらいまでの飲食か、体験ツアー等に使える。連れ合いの勧めで、名古屋名物矢場とんの味噌カツを選び、名古屋駅直近のお店へ行った。開店前なのに行列ができていたが、待ち時間15分くらいと言われて、それほど待たず、ヒレカツ定食をご馳走になった。
 その後地下鉄で名古屋城に行き、2018年復元工事が完成した新しい本丸御殿を見てきた。歴史を感じる二条城と違い、こちらは新築で、部屋による特徴がはっきり見える。例えば使用されている木材が檜か松かとか、美しい天井や欄間の細工の凝り具合とか、内装はまだ工事の途中の部屋もあった。襖絵は実物写真のコンピューター処理で復元されたものらしい。臨時に入れているのか、後に複製画がつくられるのかは分からないが、このままでは、ちょっと貧弱な感じがする。
 最初に通される部屋は、二条城と同じく虎に睨みつけられ、畏縮する場所だった。古いものを見るのと違い、復元して新築当時を偲ぶ機会はあまりないだろう。
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天井画未完成
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湯殿
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障子をあしらい、最光と通気を得る、湯上りに使う黒木書院
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新国立劇場-ファルスタッフ [オペラ(国内)]

かなり久しぶりにファルスタッフを見た。今回は18才以下を対象に、抽選で692名のご招待があり、定員に達せず二次募集まであったとのこと。家族連れが大勢さんいて、朗らかな雰囲気だった。小さなお子さんもいた。この作品は登場人物は把握できずとも、場面の変化のテンポが早いので、子供でも飽きることはなく、何だかわからないが、大男が窓から川へ落とされたことは記憶に残るだろう。
 ファルスタッフはヴェルディ最後のオペラで、シェイクスピア原作だが、作品について考えたり調べたりしたことはなく、この喜劇作品の意義などは理解できていない。
 2004年がプレミエで再演5回目の人気演目で、舞台演出が17世紀のオランダ、フェルメールの絵画の世界になっている。テムズ川が出てきても違和感なく笑える。
【指 揮】コッラード・ロヴァーリス
【演 出】ジョナサン・ミラー
【ファルスタッフ】ニコラ・アライモ
【フォード】ホルヘ・エスピーノ
【フェントン】村上公太
【医師カイウス】青地英幸
【バルドルフォ】糸賀修平
【ピストーラ】久保田真澄
【フォード夫人アリーチェ】ロベルタ・マンテーニャ
【ナンネッタ】三宅理恵
【クイックリー夫人】マリアンナ・ピッツォラート
【ページ夫人メグ】脇園 彩
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ワーグナー協会例会ー「タンホイザーにまつわるエトセトラ」 [講演会]

 新国立劇場オペラ音楽チーフ・城谷正博氏が、楽日を迎えたばかりのタンホイザーについて、作品和声解説、制作現場の様子、アーティストの話、そしてヴァーグナー愛を語って下さった。
 初めはタンホイザー序曲ではなく、半音低い調で始まる3幕の巡礼の合唱をピアノで弾いてくれて、和声の魅力の話に入った。七度の跳躍、音符のターンが好き、冒頭バッカナールにトリスタンの和音が入っているなど、楽しい話だった。 
 新国立劇場の演出家をどうやって決めているのか、これまで語られたことはないが、このハンス=ペーター・レーマン氏はその経歴を見ても、日本がドイツの劇場と肩を並べるような舞台を期待したことは間違いないだろう。今になって、個人的に想像するのは、初めに日本側が版の指定をしなかったのか、氏がドイツから遠い場所なら1860年版と1888年版をミックスする演出を実験できるかもしれないと冒険したのかのかもしれないという妄想だ。
 現場サイドでは、歌手それぞれの作品への思いは様々あっても、初演の舞台に忠実に再現しているとのことだ。グールドどは1860年版と1888年版どちらの版もマスターしており、歌い間違ったら教えてくれというほど、誠実な歌い手とのこと。指揮者はレパートリーは多いが、タンホイザーが初めてだったらしく、3日日とも全曲通したとのこと。普通は全曲はやらないらしい。でもグールドはマスクをしたまま、3日間全力で本番通り手を抜かずに歌い、周囲も刺激されたようだとのこと。
 細かい話では、指揮者のスコアが珍しく、幕ごとに別冊になっており、左ページはフランス語、右ページはドイツ語で載っており、右ページだけを見てめくっているたとのこと。
 また、この作品はハープが本当に重要で、ハープと歌の場面が多く指揮者でなく、ハープと歌手が直接コンタクトをとるそうだ。そしてコーラスの練習として2019年には男声四部を4人チームで練習させて、他の団員に聴かせたとのこと。これでアカペラの音程が安定して演奏効果が上がったという話。
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新国立劇場-タンホイザー [オペラ(国内)]

 2007年プレミエのプロダクションで今回4回目であり、この演出が好きなわけではないが、とりあえずは行く。前回のタイトロールは、トルステン・ケールだった。グールドは日本でワーグナー全演目練習したのかと勘違いしていたが、タンホイザーはその必要がない得意役だったのだろう、バイロイトで鳴らした後、新国立に戻って来ての初お披露だった。
 指揮者は初めての方で、嫌みはないが、穏やかで、ドラマチックな感情の起伏が音に現れるタイプの方では無いようだ。巡礼の合唱は、やはり素晴らしく、バイロイトの男声合唱を思い出す。
 次は何年後になるのか、新演出の新国立劇場のプロダクションに期待したい。

【指 揮】アレホ・ペレス
【演 出】ハンス=ペーター・レーマン
【領主ヘルマン】妻屋秀和
【タンホイザー】ステファン・グールド
【ヴォルフラム】デイヴィッド・スタウト
【ヴァルター】鈴木 准
【ビーテロルフ】青山 貴
【ハインリヒ】今尾 滋
【ラインマル】後藤春馬
【エリーザベト】サビーナ・ツヴィラク
【ヴェーヌス】エグレ・シドラウスカイテ
【牧童】前川依子
【4人の小姓】和田しほり/込山由貴子/花房英里子/長澤美希
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弦楽四重奏コンサートー悠久の室内楽ー国際音楽芸術振興財団 [コンサート]

 国際音楽芸術振興財団ご招待の無料コンサート、今回は異次元の!演奏を堪能させてもらった。ヨーロッパに行けば、メディアに登場せずとも素晴らしい音楽家にたくさん出会うが、まさに、そんなカルテットを聴いたときのような、満足感があり、雑音が無く、細部まで完璧に作品に忠実な表現者を目指す音楽だと感じた。常設カルテットではないだろうし、申し訳ないがお名前を存じ上げなかったが、とても上手で、皆素晴らしい経歴を持ち、ご活躍されている。芸術家は饒舌に自己PRできる方と、ひたすら創造の世界を通してだけ自己表現する控えめな方に大別できるように最近特に感じている。チェロのマルモ・ササキさんは、何と、ベルリンシュターツオパーの永久正団員とのこと。「サイクロンのように激しくダイナミックで、多彩な音色と素晴らしい響き」と評され、まさにその通り、見事だと思う。演奏にサイクロンという例えは初めて聞いた。楽器も相当なものだと思う。鑑賞する側の好みだが、太い幹が天にのびるように力強く、4人が一糸乱れず、一つの楽器のようなカルテットが自分には理想だ。今ここは本当に日本かと思うほどのヨーロッパの響きに、心底感動した。
 これからも、時々日本にヨーロッパ風の音を響かせていただきたいし、多くの方に聴いていただきたい、めったに体験できないコンサートだった。オペラシティのリサイタルホールに行くのは何年ぶりか、改装後は初めてだが、よく響いて印象が良くなった。

プログラム
F.J.ハイドン:弦楽四重奏曲 第77番 ハ長調「皇帝」Hob.III:77 Op.76-3
F.メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲 第3番 ニ長調 Op.44-1
F.シューベルト:弦楽四重奏曲 第14番 ニ短調 D810「死と乙女」

出演者
1stヴァイオリン:上里 はな子
2ndヴァイオリン:ビルマン 聡平
ヴィオラ:鈴木 康浩
チェロ:マルモ・ササキ
於:東京オペラシティ リサイタルホール

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トゥガン・ソヒエフ&NHK交響楽団 高崎公演 [コンサート]

 サントリー定期Bプログラムをそのまま高崎まで持ってきた演奏会。高崎は遠いけれど、駅到着寸前に車窓に開ける山の景色が美しく、遥々やってきた高揚感がある。
 ウクライナ侵攻が始まった1年前、ロシア人芸術家達の立場表明が求められ、ソヒエフは立派なメッセージを残してトゥールーズのオケとボリショイ劇場双方の職を辞し話題となった。その時ロシア寄りの人物として姿を消した芸術家達に、いつの日か明るい未来は訪れるのだろうか。
 アミハイ・グロスのVlaは、音域の低いVnというのも失礼なVlaジョークだが、本当に音が流麗で聞き惚れてしまった。アンコールにN響首席の佐々木さんとデュオを弾いた。
 ダフクロは音の起伏が自然で、ヨーロッパで聞く音のようで驚いた。さすがフランスでのソヒエフのキャリアと、若返ったインターナショナルなN響メンバーの意識、実力が素晴らしい音を作ってくれたと感じる。
 2015年にソヒエフの演奏を、ドイツ・シンフォニーオーケストラ・ベルリンで聴いたときは、軽快な音運びという印象だった。https://gruen.blog.ss-blog.jp/2015-06-29
 個人的にいつも感じるのは、ヨーロッパと日本のオケの音色の違いだ、これまで日本人には、日本の音階、色彩のDNAが染み込んでいて、Vibが暗く地味で控えめの美徳のようなものが残っていた気がする。音色が内向きの印象が拭えなかった。でも、今の中心世代は、体感として欧米の音を知っていて、色彩の躊躇もなく、積極的にカラッとした音が出せるのではないだろうか。
 海の音色も揺れ方も、さすが3回目の本番、会場全体を取り込んで鳴り渡っていた。カーテンコールの写真撮影はOKとなっていた。オケが去った後ソヒエフだけ舞台に出てきて、何度も大きな拍手を受けていた。良い演奏会だった。
指揮:トゥガン・ソヒエフ
ヴィオラ:アミハイ・グロス(ベルリンフィル首席)
バルトーク/ヴィオラ協奏曲(シェルイ版)
ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲 第1番、第2番
ドビュッシー/交響詩「海」
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スペース・ゼロ新春寄席Vol.31 ~動物・ほっこり・落語・たっぷり~ [芸能]

 チケットは年末、昼休みに会社周辺をうろうろ散歩していたところ、発売中の張り紙を見つけ、会場ビルの通用口にある事務所で直接購入した。正月に新作落語の会をやっているプーク人形劇場の並びの大きなビルで、私は初めて中に入った。
 人気の喬太郎師始め、協会・芸協・立川流横断の若手・中堅の出演で、当然大入りかと思ったが、そういう訳でもなかった。ただ、正月寄席の顔見世興行とは違い、ひとり2~30分の持ち時間があり、ネタ出しで予習していたこともあり、楽しめた。
 ベテランの皆さんもちろん持ち味を生かして個性的だが、前座のはち水鯉(8ミリと読む)さん、舌足らずと言うか、若干滑舌が悪いのが味で却っておかしい。オタク(古いか?)風の見た目とともに今後注目か?コマの三増師匠はテンション上がり過ぎ。
 喬太郎師の「お若伊之助」は圓朝作と言うが、人情噺なのか怪談なのか何か奇妙な噺で、後味が少し悪い。「親の因果が子に報い」で続きがあるらしい。(B)

開口一番 瀧川 はち水鯉 「寄り合い酒」
落  語 三遊亭 わん丈 「動物園」
落  語 笑福亭 羽光  「46億の妄想」
落  語 立川 談笑   「猫の女郎」
~仲 入 り~ (15分)
曲 独 楽  三増 紋之助
落  語 柳家 喬太郎  「お若伊之助」
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モルゴーア・クァルテット 演奏活動30周年 Vol.1 モルゴーアの証言 [コンサート]

 後から思えば、 NHKのカメラが入っていたからだったのか、メンバー4人とも、冒頭からいつもより表情が堅かったように見えた。そして真面目な演奏だった。
 オール・ショスタコーヴィチ・プログラムで、どれも綺麗な曲のせいか、客席もほぼ満員で、コロナ前の熱気が戻ったようだ。モルゴーア30年の軌跡という冊子をつくり、第一回目からの全定期演奏会のとても個性的なフライヤーが掲載されている。価格は1000円、連れ合いが当然の如く、購入していた。
 ピアニストとの息もピッタリ合い、落ち着いた雰囲気は、30年のショスタコキャリアが、巨匠の域に来たことを語っているようだ。
 いつもの荒井先生のお話で、来年度の定演2回のプログラムは、過去演奏したのショスタコ以外の曲で、お客さんが聴きたい作品をアンケートとして募集し、参考にされるとのこと。インターネットでも投票に参加できるとのことだ。
http://www.millionconcert.co.jp/interview_topcs/topcs/230123topic.html
プログラム
交響曲 第9番 変ホ長調 Op.70より第1楽章(荒井英治編曲)
ピアノ五重奏曲 ト短調 Op.57(ピアノ:野田清隆)
弦楽四重奏曲 第5番 変ロ長調 Op.92
アンコール:ピアノコンチェルト2番 2、3楽章
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トッパンホール ニューイヤーコンサート 2023 シュテッケル [コンサート]

 ユリアン・シュテッケル氏は2010年ARDミュンヘン国際コンクールで一位になったチェリストで、私は現地で二次予選と本選を聴いていた。今は岡本侑也さんの先生だが、ようやく東京で演奏を聴くことができた。2019年には名古屋まで行ったが、音のインパクトとしては今回の方が絶大だ。つまり、作品により表情を変化させる、正統派チェリストなのだと思う。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2019-04-30 https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-09-03-2
 コダーイを弾き始め、音の太さ、幅広い響きに驚いた。シュテッケルは長身なので、右腕に余裕があり、激しく首を振っても、身体をよじっても、音に悪影響ぜず、常に音が美しい。速いパッセージで力をかけているように見えても、音は軽快に粒立って聞こえる。
 一曲終わると、ホールプログラミング・ディレクター西巻氏が新年のご挨拶に舞台に現れた。日本では珍しいパフォーマンスだ。そして新年のサプライズとして、弟子の岡本侑也さんを呼んで、パガニーニのモーゼの変奏曲をデュオで聴かせてくれるという。これは非常に珍しい。シュテッケル氏は日本ではあまり知名度が高くないので、コンサート紹介に、最初から岡本さんの先生として紹介されている。師弟というより兄弟みたいな演奏だと前触れがあり、まさにその通り、二人で楽しそうにスーパーテクニックを披露してくれたのが印象的だった。たまに、師弟共演で各段の差が出てしまったり、弟子が必死になってしまったりする演奏があるが、この組み合わせは二人それぞれが素晴らしい。先生はスケールが大きく、大胆に寄り道やルバートもする。岡本さんは、常に誠実でストレート、完璧だ。お二人とも自然体で、こちらの気持ちが温かくなる演奏だった。
 後半は打って変わり、弦楽トリオ用に編曲されたゴルトベルク変奏曲。バロック奏法にチェロの弾き方も音色も変え、三人で一つの楽器を理想としているのだろう、神経が行き届き、よく集中力を維持できるものだと思う。常設トリオでないのにこれほどの一体感を保つには、何回くらい練習できたのか気になる。
 シュテッケル氏はサプライズ企画含め出ずっぱりで、全くスタイルの違う超難曲3つ、正味1時間半は弾いていたことになる。
 ※2024年春、トッパンホールで、岡本侑也さんの二度目のソロ・リサイタルが催されるとのことです。

ユリアン・シュテッケル(チェロ)
山根一仁(ヴァイオリン)
原ハーゼルシュタイナー麻理子(ヴィオラ)
コダーイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.8
J.S.バッハ(D.シトコヴェツキ編):ゴルトベルク変奏曲 BWV988
トッパンホール
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再臨「桑田歩の英雄」 [コンサート]

 SNSでコンサートのことを知り、これほどのメンバーが集うとはただごとでは無いと思い、友人と4人分チケットを申し込んだ。全席自由なので、開場40分前から並び、希望の席で聴くことができた。
 プログラムにはなかったが、初めにソリスト桑田さんを囲んで「鳥の歌」が小さな弦楽アンサンブルで演奏され、桑田さんのお人柄をしみじみと感じ、胸が詰まった。
 エロイカは凄かった。昨今ベートーヴェンの交響曲が、原曲の指示通りだとアップテンポででサラサラ演奏さられることが多いが、今回の演奏は、一音一音に魂のこもった、本当は自分達はこう弾きたいのだと言わんばかりの情熱的な演奏だった。エロイカはベートーヴェンの画期的な交響曲で、桑田さんもプログラム上で、ビックバン、文明開花の象徴と書かれている。この年齢になって、長い間の迷いから解き放たれ、こう演奏して良いのだと実感でき、生涯忘れられないエロイカとなった。
 指揮する桑田さんの左手が力強くオケの音を引き出し、指揮者も奏者も渾身の力を振り絞って音楽を創り出しているようで、胸が熱くなった。
 来場していた知人たち皆が口を揃えて皆素晴らしい、凄い演奏だったと。会場全体が深い感動の余韻に浸った年の始めのコンサートだった。
めぐろパーシモン大ホール
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鈴本演芸場 正月初席 第1部 番組詳細 [芸能]

 元旦朝一の鈴本、年末に急遽飛び込んだ末広亭と違い、ネットから予め予約していた。何しろ正月初席の第1部で、めでたい顔見世興行なので出演者多く仕方が無いが、持ち時間ひとり6~7分の忙しさで、漫談で終わる人も多く、ネタをやる人も端折った短縮版だ。一之輔師など、めくりが終わる前に高座に出てきてウロウロ、思わず笑ってしまった。年末末広で注目した「おしどり」も、中身は同じだが手間の掛かるテルミンは省略、トリの市場会長はお約束の歌で締めた。
 はねてまだ午後1時、天気も良く不忍の池から湯島に出て天神様に初詣に向かうが、地下鉄湯島駅から男坂へは通行止めで、ぐるっと正面参道まで廻ることになる。警備のお巡りさん総出で、元日からご苦労様だ。翌2日からは駅伝警備もあるだろうから大変だ。境内には、20名程度に分けて順繰りにはいる。
 湯島から更に神田明神に向かう。こちらは敷地も広いし、裏参道の階段を登って普通に境内に入れるが、本殿にお参りするためには、正面の鳥居のところから並ばなければならない。結構な人出だ。
 その後神田から地下鉄に乗って銀座へ。ライオンのビアホールは意外と空いていた。
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奇跡のチェロ・アンサンブル2022 [コンサート]

 2016年から始まった「6人の若獅子が集う奇跡のチェロ・アンサンブル」はコロナ禍の映像配信などを経て再開、久しぶりで演奏を聴いた。曲の合間に奏者たちのお話が入るが、最年長の辻本さんが仰るに、ご自身が40歳、一番若い上野さんが27歳になり、いつの間にか、「若獅子が集う」という枕詞が、無くなっていたと。
 コロナ禍で音楽家が飛躍した例はたくさん見てきたが、今日の6人も色々な人生模様があっただろう。
上野さんはジュネーヴの国際コンクールで一位を取ったし、伊東裕さんは正式に都響の首席になり、先日は岡本さんのエルガーの伴奏をしてくれた。6人がお互いの個性を認め合う演奏は、聴いていて楽しい。奏者自身も、楽しくてたまらないと言う。自主公演は彼らにとっては息抜きの場、仕事ではないようだ。聴衆より自分らの楽しみを全面に出すコンサートに物申す人もいるかもしれないが、年末に「奇跡的に集合した6人」といっしょに音楽を楽しむ年忘れは悪くない。
 上野さんの音は明るく響き、辻本さんのストラドの音は重くて、粒が立つ。葵トリオの伊東裕さんは昔から端正なチェリストで、首席として信頼されるだろう。アレンジャーとしての小林さんの存在は貴重だ。伊藤悠貴さんも日本にはいないので久しぶりだ。岡本さんは、やはり安定している。
 アンコールをTwitterで募集したそうで、ポッパーのハンガリー狂詩曲とピアソラの現実との3分が演奏された。6人均等にソロパートを配分しているところが心憎い。
 来年も同じ日に同じところでやるそうだ。
出 演:辻本玲、伊藤悠貴、小林幸太郎、伊東裕、岡本侑也、上野通明
曲目
クレンゲル:賛歌
グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
——————–
R.ワグナー:歌劇ローエングリンから エルザの大聖堂への行進
ボロディン:中央アジアの草原にて
チャイコフスキー:バレエ組曲「くるみ割り人形」
編曲:小林幸太郎
紀尾井ホール
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新宿末広亭 [芸能]

 27日が旅行支援の最終日ということで、新宿3丁目のビジホを予約し、会社は半休にして末広亭で半日過ごした。大分久しぶりで、椅子は豪華になって座りやすいが、入り口をいちいち全部開け放して空気を入れ替えるので寒い。それでも客もそこそこ入っている方か?もっとも中席は伯山がトリで、ネット予約になっていたが。
 今回、ベテランは定番の古典を手堅くまとめ、女流も3人3様でそれぞれ個性的。その中では新作派は伸び伸びやっていて楽しめた。
 駒治師の都営vs東京メトロ地下鉄対決、きく麿師のカッパの手の出汁の話は、馬鹿バカしくて大笑いだ。もちろんトリの彦いち師の「青畳の女」、協会から高座の座布団を使うのを禁止されたそうで、自宅から持ってきた?座布団で大熱演!
 それと男女組の「おしどり」が気になった。これまで知らなかったが、アコーディオンと紙切りならぬ針金切りで作った作品をお客さんに渡すパターン、それとテルミンを高座に持ち出してパントマイム含みで操る。時間が無いのに詰め込み過ぎで少し消化不良気味だが、なかなか面白く期待できるのでは?
 昼の部トリの扇辰師は代演(扇好師←左竜師)、翌28日の楽日も通りすがりに見たら代演だったようで、どうしたのだろう。(B)
新宿地下道にて
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秋山かえでwith Her Friends [コンサート]

 珍しいタイプの室内楽演奏を聴かせていただいた。奏者3人とも芸大・院ご出身、チェロの先生にお誘い頂き伺ったのだが、クラリネット、ピアノの先生方も恐らく、長い間プロとして真剣にソロ活動を続けて来られたのではないだろうか。驚いたのは、私たちは絶対にミスはしない、しかもはったりもかけないという強い意志が感じられたこと。普段ご縁があって聴きに行く室内楽は、オケ奏者だったり、ソリスト同士の仲間だったり、限られた時間の中で本番を効果的に遂行するというスリルと華やかさがある。しかし、今回はこの演奏会のために8月から練習されたという。地味だが聴いていて、危うさがまったく無く、誠実で、アマチュアにとっては、素晴らしいお手本になる演奏だった。個人の想像でしかないが、恐らく各先生方、ご家庭と両立しながら、日常に埋没せず、演奏の質を落とさず、誇り高く生きてこられたのだろうと、若い音大生の将来に一つの道を見た気がした。
 今回気づいたのは、歌曲は息を使うので、管楽器に合っているということだ。特にクラリネットは音域が声に近い感じがして、ドラマチックなR.シュトラウスはメロディだけでも語ってくれると感じた。
 しかし、新大久保のこのスタジオ、夜は暗くて場所が非常に分かりにくく、Gマップでストリートヴューまで見たが、到着しても違う映像が出て見つからなかったのは、私一人ではない。路地裏なのに、HPには施設の宣伝ばかり、場所の案内が非常に不親切だと思う。

出演:秋山かえで(クラリネット)、三界晶子 (ピアノ)、牧野ルル子(チェロ)
ベートーヴェン : ピアノ三重奏曲「街の歌」作品11
フォーレ : ピアノ三重奏曲 作品120
R.シュトラウス : 歌曲より 「 夜」/最後の花びら「響け!」/5つの歌曲 クラリネット演奏
ブラームス : クラリネット三重奏曲 作品114
文化庁令和3年度補正予算事業
ARTS for the future! 2 コロナ禍からの文化芸術活動の再興支援事業
会場:スペースDO(ドゥ)管楽器専門店DAC地下
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広島の食べ物 [旅行]

 今回、旅行支援のクーポン券が2泊分6000円も出たので、初めての広島で大変ありがたかった。
 まず初日、新幹線で広島に着いたのは11時、ちょうどお昼時なので、「あなご丼」を食べに、調べておいた三越地下の「うえの」へ行ってみた。あなごは大好きだが広島名物とは全く知らなかった。私はまだホテルにチェックインしていないのでクーポン入手前だが、後に来た5人組のサラリーマン男女は、クーポン券使えますかとまず質問、ゆっくりランチしたい様子で、カウンター席しかないのに、5人一緒に座りたいから待つと言い、お店側は少し困っていた。穴子丼小サイズで2200円。広島三越には30年前の東京三越本店の上品な雰囲気が、何となく残っていて、懐かしかった。
 貰ったクーポン券1000円は駅のお土産フロアで、自分用におやつを買った。テレビで見た八朔の大福と、フィナンシェのようなレモンスティックを少々。(写真なし)
 翌日は宮島で、10時に開店する「牡蛎屋」に行き、色々な牡蛎が載っている定食に、生ガキをつけて、クーポンを利用し、おなか一杯いただいた。寒かったがオリジナルのレモンソーダも美味しかった。
 二日間ともボリューミーなランチで、結局一日1食しか食べる気にならなかった。
 もみじ饅頭は試さなかったが、色々ヴァリエーションがあった。若者に人気の、粉をつけて揚げた、揚げもみじ、中の小豆あんこの味変色々、さらにチーズ味、キャメル味、チョコレートコーティングなど、完全な洋菓子もあり、もみじの形だけは残ったようだ。残りのクーポン2000円はロープウェイ代として使い、山頂から瀬戸内海の風景を拝んできた。
 最終日クーポンは無くなったが、駅で広島風お好み焼きの店を覗くと、焼くのに30分かかりますと念を押され、一人で待つのもちょっとなぁと思いやめた。お好み焼きは、新幹線に乗る前にさっと食べるものではないことがよく分かった。お土産は、連れ合いに頼まれたブランデーケーキを、やっと新幹線改札内で見つけ購入。ブランデーケーキと言っても、カステラに洋酒がしみていて、地元では誰もが知っている人気のおやつとのこと。
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広島市郷土資料館 [美術・博物館]

 最終日は冬の雨、酷く寒い。
 旧陸軍で使用していた、明治の煉瓦造りの建物が郷土資料館になっているので、広電で行った。地場産業の歴史展示と、書籍類があるが、地味な施設だ。
 広島の産業といえば、牡蠣の養殖が頭に浮かぶが、それだけではなく、筆づくり、縫い針の歴史的産地であったとは、全く知らなかった。江戸時代の国替えが、地域の産業の交流や発達の原動力にもなっていた。昔の殿様たちは産業による領民の生活向上を本気で考えていたのかと認識した。
 近代では、カルビーとアヲハタが広島の企業だった。これも知らなかった。
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広島駅
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往路新幹線車窓から見えた
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岡本侑也&北村朋幹 デュオリサイタル JMSアステールプラザ [コンサート]

 全国旅行支援のおかげで、広島まで岡本さんのチェロを聞きに来ることができた。
 JMSアステールプラザでは作曲家細川俊夫氏を音楽監督として、Hirosima Happy New Ear(耳)と銘打ち、馴染みの薄い現代音楽に出会う機会を提供している。細川氏の作品も地元では存分に上演できる。この会場は立派なオーケストラ練習場で、音響も良い。広島交響楽団の公演スケジュールを見ると、広島にはたくさんの音楽ホールがあるようだ。とても優雅な文化都市という印象を受けた。
 細川先生のお話がストレートに胸に響く。古楽から現代の最先端の音楽までを「自分たちの音楽」として表現しようとする若者たちが台頭してきていると仰るのは、クラシック音楽という言葉のジャンルで不思議な現象ではないだろうか。確かに岡本さんの現代曲はとても素晴らしい。共演者の北村さんも、そう仰った。前例のないものを発見する喜びがあるのではないだろうかと想像している。
 アフタートークで細川先生が仰ったのは、グリッセは初演から聞いているが、岡本さんの演奏は、これまでとは全く違う新しさがあったと。ご自身の作品リートⅢについては、元はフルートとピアノのための曲だったが、Vla今井信子さんや、イッサーリスにはチェロコンチェルオに編曲を頼まれたそうだ。そして今回、岡本さんには自分では気付かなかった、深い表現を探してくれて感謝していると仰った。そうなのかと腑に落ちた。私はこれまで、新作の作曲者にとって、演奏者の音楽は満足できるものなのか、十分思いが表現されているのだろうかと常に気になっていた。新しい作品は演奏者によって、全く印象が変わってしまうからだ。でも先生の言葉を聞き、やはり岡本さんが新作の演奏を頼まれる理由が、作曲家すらわからない、深い表現力、インスピレーション故だと確信できた。本当にNew Earは現代から未来へ私たちが養っていきたい力だと思う。
 選曲について、ベートーヴェンの4、5番はセットであり、ベートヴェンの時代としてはロマン派への懸け橋となった作品なので、これを二人の奏者で相談して決めたそうだ。確かに4番は、ただベートーヴェンのソナタかと思って初めて聞くと大変な消化不良になると思う。混沌として、どこへ向かうのか訳が分からなくなる。自分が多少西洋音楽のことを理解してきたからこそ、ベートーヴェンの苦悩に共感できるが、若い頃は聴いていて動揺してしてしまう作品だった。
 岡本さんは、苦労話として、グリッセの3楽章ではギターピックのようなものを使い、チェロの4弦をギターのように上下からアルペジオを弾くのが難しく、まず自分の指でなくピックを使うと音が際立ってしまい、指で表現するような音を出すこと自体が難しかった話された。さらにチェロの4弦をギターのように上下にじゃかじゃか、響かせ、そのように聞こえることは大変だったと。
 音楽の好みは十人十色でよいと思う。それでないと演奏家が失業してしまう。でも岡本さんのように、ここまで純粋に音楽を追求、探求できる才能は神がかっている感じがする。ピックの話も、音だけ聞いているとあまりに美しく、裏の苦労、至難の業だとは気づかない。岡本さんが苦しそうな表情で弾くのを見たことがない。ミューズに守られているのだろうか。
 昼間、厳島神社で感じた厳かな空気を岡本さんの演奏からも感じとれる。やはり濁りのない音を地上で聞く機会がめったにないせいかもしれない。
 武満徹が日本人作曲家としての道を拓いてくれ、日本の音楽を西洋音楽の形式に当てはめる必要はないという考えだったと細川先生が仰っていた。日本の緩やかに移り変わる自然の良さようなものを先生も表現されている気がする。
 ドイツでよく終演後のアフタートークがあるが、さすがベルリンの細川先生、地元ならではのゆったりと共有できる時間だった。平日の夜東京ではありえない。白熱したトークを最後まで聞きたかったが、私は終バスの関係で、途中で失礼した。

岡本侑也(チェロ)
北村朋幹(ピアノ)
音楽監督・お話/細川俊夫
L.V.ベートーヴェン チェロ・ソナタ第4番 ハ長調 Op.102-1
ユン・イサン Glissées(1970)
J.S.バッハ ヴィオラ・ダ・ガンバ・ソナタ第3番 ト短調 BWV1029
武満 徹 オリオン
細川俊夫 LiedⅢ
L.V.ベートーヴェン チェロ・ソナタ第5番 ニ長調 Op.102-2

JMSアステールプラザ(公式Twitterより借用)
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厳島(宮島) 2022年修復後 [旅行]

 二日目は朝からJR山陽本線とJRフェリーを乗り継いで、世界遺産の宮島へ。朝8時半に到着し、9時になると青空が見えてきた。鳥居はたっぷりの水に姿を写し、足元がゆらゆら揺れている。神殿を見学するうちにかなり潮が引き砂浜が出てきて、鹿も姿を現した。10時から早めに牡蛎を堪能し、鳥居を見るとさらに潮が引いており、これは干潮時に来なければと決意、急いでロープウェイで山頂の獅子岩から瀬戸内海を望み引き返し、13時に鳥居に戻ってきた。今日の干潮は13:17分、鳥居は11月まで補修工事をしており、作業用の桟橋で満潮時も鳥居まで行けたらしい。でも工事が終わり本当に歩いて鳥居の下まで行くことができたのには驚いた。実際行ってみるとその大きさに圧倒される。あちこち見ながら結局6時間も宮島に滞在してしまった。
 帰りは広電で市内にもどり、広島城見学。広島の歴史がわかり、広電やバスの停留所名となっている、難しい読み方の地名を認知し、広島は東京ほど、毛利家や浅野の殿様の時代から時が経っていないような錯覚を覚えた。歴史が失われず、土地に染み込んでいる感じがして、全て新しくなってしまった東京とは比べものにならない。
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昨年夏に見た奈良の鹿より、毛が黒い。
ロープウェイ乗り場のある山中でも出合うが、木の幹の色に同化して、気づかないこともある。

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広島城
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遠くに宮島が見える
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広島原爆ドーム [旅行]

 初めて広島を訪れた。広島駅に降り立つと、かなり冷えており、日差しがあっても雪が舞っている。これは山が近いのだと感じた。老舗のあなご丼でエネルギー補給し、原爆ドームへ向かう。意外だったのが、原爆ドームの大きさ。いつも写真や映像で出てくるドームは同じフォルムで、おそらくベストショットなのだろう。あれだけしか残っていないのかと勘違いしていた。実際はもっと大きく、建物の構造がはっきり残っていて、一層被害が生々しい。
 観光客は外人が結構多く、東洋人は家族揃って、西洋人はカップルは勿論、男性の一人旅、男性グループにも相当行き会った。平和記念資料館は、予想通り、小学生から高校生まで、学校単位で来ているようで、熱心に見学している生徒も多く、廊下で人の流れが完全にストップするほど混雑していた。
 夕方、駅ビルのお土産フロアに寄ると、買いものかごに出張土産を買いこんだビジネスマン風の黒の半コートを着たレジ待ちの人で大混乱しており、全国旅行支援のクーポンがバサバサ出てきた。もみじ饅頭の様々なヴァリエーションには驚く。私はもみじ饅頭は一度も食さず、部屋でお茶するための、小さな八朔大福と、フィナンシェ風のレモンケーキを購入した。
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「わ」の会コンサート vol.8 —Fragen [コンサート]

 約230席の新宿角筈区民ホールで、前2〜3列座席は使用せず、ほぼ満席となった。指揮者は「わ」の会代表の城谷さん。月曜のワーグナー協会例会に続いて連投。
 個人の好みではあるが、一曲目から、友清さんのザックスに引き込まれた。伊藤さんは夏のパルジファルを聴いていないので、昨年のダーヴィット役以来だが、どんどんレパートリーを広げ、ミーメ役が素晴らしかった。演技も役作りも準備万端、全曲上演で歌ってもらいたい。テノールとして、毅然としたローエングリンも良かった。役をはっきり歌い分けて、スターの階段上昇中。楽しみだ。
 池田さんのオルトルートは、役作りも魅力的で、早くも巨匠の風格が漂い、役に対する信念を感じる。池田さんと井上さんは、いつでも代役受けますという勢いが頼もしく、日本人として誇らしい。
プログラム
1)「ニュルンベルクのマイスタージンガー」2幕3場4場~ニワトコのモノローグからエーファとザックスの対話場面。ザックス:友清崇、エーファ:宮城佐和子 、ピアノ:三澤志保
2)「ワルキューレ」1幕3場~ジークムントのヴェルゼ-以降終わりまで。ジークムント:片寄純也、ジークリンデ:鈴木麻里子、 ピアノ:三澤志保
3)「ジークフリート」1幕2場~ミーメとさすらい人との謎かけ問答、さすらい人:大塚博章、ミーメ:伊藤達人、ピアノ:木下志寿子
4)「ローエングリン」2幕2場~城の外に出て歌うエルザに取り入ろうと、オルトルートが近づいて来る場面。エルザ:渡邊仁美、オルトルート:池田香織、ピアノ:木下志寿子
5)「ローエングリン」3幕最終わりの場面 エルザ:渡邊仁美、オルトルート:池田香織、ローエングリン:伊藤達人、残りの出演者全員のコーラス、ピアノ:木下志寿子
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日本ワーグナー協会第421回 例会「お話と演奏」 [講演会]

 例会の司会者が変わり、イベント会場のような和やかな雰囲気の中、ゲストお二方の裏話と演奏を楽しませて頂いた。会場が森下文化センターで、ここは良くアマオケの練習で通っている場所で、自分としては馴染みがあるが、一般の方は駅からgooglemap片手に来られたようだ。建物中にある田河水泡ののらくろ館がニリューアルされていた。この道沿いの商店街はのらくロードと名がついており、コロナ前は、週末に歩行者天国にしてよくお祭りをやっていた。レトロな小売店がまだあり、これ以上は寂れないで欲しい雰囲気ある場所だ。
 大沼さんも城谷さんも普段からSNSなどで情報発信されているが、オフレコの話題もあった。
 コロナ禍による異例の舞台、マスクして歌う弊害の他、大沼さんの留学中のエピソード、城谷さんのコレペティの苦労話は限りなく、世界中からアーティストが集まる初台のオペラの現場が如何に大変か、一端を知ることができた。
 他に初めて認知したのは、お二方とも飯守先生の信奉者だったことだ。飯守先生の引き立てがあったのだと思うが、先生の口真似をしながら、そのお人柄を語って下さった。直接ご指導を受けた人にしか分からない強烈な魅力があるのだと思う。客席で音楽を聴くだけでは分からない。
 城谷さんは、飯守先生から学んだことを、後世に伝えたいと仰った。
 会場の「多目的ホール」には舞台とピアノはあるが、反響板のようなものは無く、単なる集会室で残響が無いため、残念ながら歌もピアノも十分な音楽表現が出来なかった。
お話/演奏: 大沼徹(バリトン)、城谷正博(ピアノ)
演奏曲目:『タンホイザー』より 第2幕第4場 ヴォルフラム『Blick’ich umher in diesem edlen Kreise』(かくも貴き集いを見渡せば)、『夕星の歌』ほか
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新国立劇場ーボリス・ゴドゥノフ [オペラ(国内)]

 このプロダクションはポーランド国立歌劇場と共同制作で、トレリンスキは今活躍中の演出家とのこと。ウクライナ侵攻のためポーランドでのプレミエが中止となり、新国立劇場が初演となる。
 新国立劇場ではまず、HPかプログラムの解説を読んでから観るよう推奨していた印象だ。今年のバイロイトのリングもそうだが、まず演出コンセプトを読んでから見てほしいというのが、昨今のオペラなのだろうか。ムソルグスキーの原典版と改訂版をミックスしたストーリーになっているとのこと。 
 国内でボリス・ゴドゥノフを観るのは初めての機会。特に関心があるわけでもないが、以前2016年に超真面目な舞台をプラハで見た。15年くらい前にはフランクフルトで内容を知らずに立ち寄り、舞台の暗さに苦しくて帰りたくなった覚えがある。過去2回は舞台近くで聴いたため、民衆の合唱が鬼気迫って来て怖かった。
 音楽はロシアの民族音楽のような旋律が聞こえ、劇的盛り上がりは無いが。綺麗だと思う。今回は4階席の端なので、遠くからの印象だが、内容は暗くとも、舞台としては色彩感がありほっとした。合唱は場違いなほど美しい。ロシア人歌手は早期にキャンセルしているが、上演できてまずは、よかったと思う。
 演出家が、いくら戦争というテーマから離れ、ボリスの心理劇のように描きたいと言っても、現在のロシアをイメージする残酷なストーリーを見せつけられる。幕切れなど、まさにそうだ。Pの後に現れる人物がさらに酷い生き物かもしれないと暗示される。まだ公演チケットはかなり残っているが、いつか再演できる平和な時代が来ればよいと思う。
【指 揮】大野和士
【演 出】マリウシュ・トレリンスキ(ポーランド国立歌劇場芸術監督)
【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス
【フョードル】小泉詠子
【クセニア】九嶋香奈枝
【乳母】金子美香
【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン
【アンドレイ・シチェルカーロフ】秋谷直之
【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ
【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真
【ヴァルラーム】河野鉄平
【ミサイール】青地英幸
【女主人】清水華澄
【聖愚者の声】清水徹太郎
【ニキーティチ/役人】駒田敏章
【ミチューハ】大塚博章
【侍従】濱松孝行
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東京交響楽団・岡本侑也&郷古廉ーブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 [コンサート]

  素晴らしいブラームスのドッペルコンチェルトだった。この曲はチェロが聞こえにくく、ヴァイオリンとのユニゾンが多いのに、二人の音程がピッタリ合う演奏を、ライヴではめったに聞くことがない難曲だと思っている。
 でも、岡本さんのチェロは、まるで、近くで録音したかのように、全ての音がくっきり、細かい音も雑音で消されることなく美しく響き、難しい旋律も音楽的だ。郷古さんとも息がピッタリ合い、ユニゾンも完璧。お互いを聞いて合わせられる余裕が素晴らしい。コンチェルトなのに、いかにもブラームスらしく、冷静で綿密に作られた作品だと思う。
 発表されたソリスト二人のアンコール曲は、マルティヌー:二重奏曲 第2番より 第2楽章 アダージョ
 郷古さんと岡本さんは、スダーン指揮で仙台フィルと2017年に、ベートーヴェンのトリプルコンチェルトを共演しており、指揮者に二人とも気に入られたのだろうか。演奏後スダーンが、岡本さんの頬を撫でたのが印象的だった。ソリスト二人は一歳違いだが、想像するに、岡本さんの方がかなり若く見えてしまうので、思わず撫でてしまったような、温かいお人柄を感じる。
 シューマンのラインは、マーラーの編曲版で、自分の知っている楽譜とは大分違っていた。ゆったりとした古風な演奏で、何か懐かしい。指揮棒を持たず、指揮台も使わず、近くでアンサンブルに溶け込むような指揮者のタイプに見受けられた。
 休憩時間に気づいたのだが、終演後のカーテンコールの写真撮影OKの掲示があった。プログラムにも載っており、この話題は知っていたが、実際に見たのは初めてだった。前半のカーテンコールは撮影禁止とのこと。
指揮:ユベール・スダーン
ヴァイオリン:郷古廉
チェロ:岡本侑也
メンデルスゾーン:静かな海と楽しい航海 op.27
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 op.102
シューマン:交響曲 第3番 変ホ長調op.97「ライン」
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フォン・ゲッツェ ドイツ大使をお招きして(日独協会設立111周年記念講演会) [講演会]

 フォン・ゲッツェ大使が赴任されて1年半、本当は昨年日独協会設立100周年記念して企画されていた講演会がコロナで1年延期され、ようやく東京ドイツ文化センターで開催された。
 講演のテーマは、日本の印象や、日独関係の歴史、現在の環境保全、エネルギー政策など、日々ニュース報道で聞く内容であり、特に目新しい事はなかった。
 しかし、本当のメッセージは、世界秩序を守るための両国の信頼関係、パートナーシップ重要性であり、学術分野であれ、経済、デジタル化などあらゆる分野で、国際的つながり、人間関係を大切にして行きましょうということだと受け取った。
 質疑応答では、ストレートな回答は少なめだったが、最後に個人的なこととして、就任後20の道府県を回った中で、奈良が一番気に入られたと話された。お寺や建物と町が緑に包まれ、コンパクトに調和していて、自然公園が素晴らしいと。そして大安寺ご住職が奈良日独協会の会長をされていると。
 若者の人材交流として、学生のホームステイを推進している横浜の日独協会からは、ドイツでも高齢化が進み、受け入れてくれる家族が減っていおり、公的な対策はないだろうかという質問に対し、姉妹都市の制度を利用するのも一つの方法と解答された。
 蛇足ながら、この夏の私の個人的な実感だが、目下ドイツでは、余裕のある若い世代は、ウクライナ人や他の難民援助など、社会的使命感が優先され、同時に物価高騰で、かつては優雅だったお年寄りでも、コロナ禍でのボランティアは難しいのではないかと思った。全て、世の中が平和である前提での文化交流は、変化せざるを得ないという気がする。
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入り口ホールでは、ダンス分野での日独交流の歴史を語るパネル展示があった。
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http://www.jdg.or.jp/pdf/JDG111_j.png
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ワーグナー協会例会 2022年バイロイト音楽祭報告(リング新演出他) [その他]

 今年新演出のリングについて、東急文化村で営業企画の要職にあった長谷川修氏の解説があった。また今年バイロイトに行った会員からの報告もとても良かった。
 今年の演出家ヴァレンティン・シュヴァルツ氏は33歳。コロナ禍でなければ2020年に新演出が始まる予定だったため、通常5年続く演出は、2026年バイロイト音楽祭150周年記念時に新演出となる。
 シュヴァルツ氏自ら、Netflixリングと呼んでいるそうで、今回のリングは世界観ではなく、一族の連続ドラマの扱いとのこと。前提はヴォータンとアルべリヒが双子であることで、リングは子供、4作をつなぐのはハーゲン。ラインゴルトでアルべリヒの義理の子としてヴァルハラに連れていかれ、その後巨人族が略奪したリングとして、ジークフリートでは青年の黙約のハーゲンとしてファーフナーの側にいる。
 ジークリンデとジークムントが幼少期を回想する場面の家は、後のジークフリートとブリュンヒルデの住まいとなり、フンディングの家がミーメの家となり、ヴァルハラはファフナーの居る介護施設、グンターの屋敷になるなど、場面が引き継がれていく。ジークフリートの父はヴォータンだとドラマトゥルグから直接聞いたという会員の話もあり、これでかなり、内容がすっきりしてきた。
 ただし、実際の舞台では一度に細部まで見えないので、全作が映像化され、場面を静止画で見られるようになり、演出家の意図を理解できれば、観客からのブーイングは無くなるだろうと思う。舞台は毎年進化するので。とはいえ、場面ごとの音楽は舞台と対応していない。
 個人的には、現地でご時世だと感じたところは、ヴァルキューレ最後、ヴォータンはフリッカと離婚して、さすらい人になるところと、黄昏冒頭、ジークフリートがブリュンヒルデと既に不仲で旅立つのだろうかと思わせるところ、そして大切なグラーネを、大切な男性にしてしまったところだ。
 観客の何割が新演出の予習をして実演に臨んだか分からないが、音楽祭のHPのNEWSの項目に、堂々と4作品の演出解説が出ている。私同様、見終わってからこの解説を聞いて、溜飲を下げた人もいるのではないだろうか。
https://www.bayreuther-festspiele.de/festspiele/podcast/podcast-ring-des-nibelungen/

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都響-別宮貞雄チェロ協奏曲 [コンサート]

 【別宮貞雄生誕100年記念:協奏三景】予習としてチェロ協奏曲をYouTubeで聞いてみたが、どうもソロの音程が外れているようにぼんやり聞こえた。不思議に思ったが実際ハーモニーがぶつかる曲ではあった。そして別宮氏がミヨーの弟子だったと知り納得、「屋根の上の牛」の中間部が頭に浮かんだ。でも個人的にはコンチェルトであの音程のずれたままの感触は、自分には不協和音を超える違和感があり、この作品はすごい冒険だと思った。あのずれた感じは、そこから解放されたときの喜びがある。でも物悲しい秋のイメージの中で受け入れるのは、自分には苦しい。
 勿論、演奏家とての岡本さんは素晴らしく、なめらかで美しい旋律への思い入れが伝わる。演奏家は作品をを残すという大事な役目があることに気づかされた。
 選ばれたソリスト3人は本当に上手で、音楽への探求心に溢れ、作品の真髄を聞かせてくれたと思う。初演作品も含め、演奏頻度の少ない作品を後世に残すためには、より作品の価値を高めてくれるような演奏者の選択が重要だと思う。良い機会に出会った。
 アマオケ仲間で、大学時代に別宮先生の講義を直に聴いたことのある人がいて驚いた。我々世代にとっては過去の作曲家ではなかった。

別宮貞雄(1922~2012)生誕100年記念:協奏三景】
[出演]
指揮/下野竜也
ヴァイオリン/南 紫音
ヴィオラ/ティモシー・リダウト
チェロ/岡本侑也
[曲目]
別宮貞雄:チェロ協奏曲《秋》(1997/2001)
別宮貞雄:ヴィオラ協奏曲(1971)
別宮貞雄:ヴァイオリン協奏曲(1969)
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高崎芸術劇場 3大コンチェルト [コンサート]

 台風の影響が気になったが、高崎まで岡本さんのエルガーのコンチェルトを聞きに行った。
 後で知ったが、岡本さんがオケとエルガーを演奏するのは初めてらしい。6月にドレスデンで聞いた躍動感のあるガベッタとは対照的で、華やかさとは真逆、渋くて深い精神性を感じる老成した演奏だった。冷静でテクニックは完璧であるのはいつものこと。この作品は暗い印象があり、本気で作品に向き合うと鬱になりそうな気がするが、岡本さんは音楽の真髄をぐっとつかみ、迷いなくその世界に聴衆を連れて行ってくれる。信頼できる演奏家だ。
 ヴァイオリンの新井里桜さんの音色がとても深く豊かで、素晴らしかった。一つの音符で音色が変化していき、音楽が膨らんでいく。ピアノの尾城杏奈さんも、この難曲をミスなく堂々と演奏してくれた。ひと昔前は、チャイコフスキーのコンチェルトは名曲ゆえ、ミスタッチも許される難曲という印象だった。21世紀になって、優れた若者は、どの楽器であっても、音程を外すことがなくなった。素晴らしい進化だ。
 
【曲目】
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調 op.23 尾城杏奈(ピアノ)
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64  荒井里桜(ヴァイオリン)
エルガー/チェロ協奏曲 ホ短調 op.85 岡本侑也(チェロ)
大友直人(指揮)
群馬交響楽団 高崎芸術劇場大ホール
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ドイツの荷物到着 [その他]

 8/17にバイロイトで送った荷物が1か月経って、9/17やっと到着した。いつもなら5日から1週間ほどだが、諸事情で時間が掛かるようだ。書留で63.99オイロ、重量は7.5キロ、殆どがプログラムなどの紙類だが、今回ライプツィヒ、ベルリンなどあったため、増えてしまった。
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バイロイト郵便局にて
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