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トゥガン・ソヒエフ&NHK交響楽団 高崎公演 [コンサート]

 サントリー定期Bプログラムをそのまま高崎まで持ってきた演奏会。高崎は遠いけれど、駅到着寸前に車窓に開ける山の景色が美しく、遥々やってきた高揚感がある。
 ウクライナ侵攻が始まった1年前、ロシア人芸術家達の立場表明が求められ、ソヒエフは立派なメッセージを残してトゥールーズのオケとボリショイ劇場双方の職を辞し話題となった。その時ロシア寄りの人物として姿を消した芸術家達に、いつの日か明るい未来は訪れるのだろうか。
 アミハイ・グロスのVlaは、音域の低いVnというのも失礼なVlaジョークだが、本当に音が流麗で聞き惚れてしまった。アンコールにN響首席の佐々木さんとデュオを弾いた。
 ダフクロは音の起伏が自然で、ヨーロッパで聞く音のようで驚いた。さすがフランスでのソヒエフのキャリアと、若返ったインターナショナルなN響メンバーの意識、実力が素晴らしい音を作ってくれたと感じる。
 2015年にソヒエフの演奏を、ドイツ・シンフォニーオーケストラ・ベルリンで聴いたときは、軽快な音運びという印象だった。https://gruen.blog.ss-blog.jp/2015-06-29
 個人的にいつも感じるのは、ヨーロッパと日本のオケの音色の違いだ、これまで日本人には、日本の音階、色彩のDNAが染み込んでいて、Vibが暗く地味で控えめの美徳のようなものが残っていた気がする。音色が内向きの印象が拭えなかった。でも、今の中心世代は、体感として欧米の音を知っていて、色彩の躊躇もなく、積極的にカラッとした音が出せるのではないだろうか。
 海の音色も揺れ方も、さすが3回目の本番、会場全体を取り込んで鳴り渡っていた。カーテンコールの写真撮影はOKとなっていた。オケが去った後ソヒエフだけ舞台に出てきて、何度も大きな拍手を受けていた。良い演奏会だった。
指揮:トゥガン・ソヒエフ
ヴィオラ:アミハイ・グロス(ベルリンフィル首席)
バルトーク/ヴィオラ協奏曲(シェルイ版)
ラヴェル/「ダフニスとクロエ」組曲 第1番、第2番
ドビュッシー/交響詩「海」
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