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バイロイト音楽祭ーラインの黄金Ⅱ [オペラ(海外)]

 バイロイト友の会総会のときの演出家との質疑応答から、子供が重要な役割を果たすことは想像できていた。最初の映像で血族問題が絡みそうなことは強く感じる。記憶に残った舞台の様子を書き留めておく。
 序奏から幕一杯に双子の胎児の映像、ひとりがもう一方の右目を突き血が噴き出す。ヴォータンとアルベリヒなのか、最初から思わせ振りたっぷりで期待させる。ラインの川底は別荘のプールで、何人かの女の子と男の子ひとりがいて、その男の子がアルベリヒに連れ去られる。黄金は出てこない。
 変わって舞台はどこかのモダンな屋敷の一室、ヴォータン家族のほか黙役の召使女性も多数、エルダも最初からそのひとりの間抜けな女中として登場する。ローゲとヴォータンがお宝を探しに行き、ニーベルンゲンの子供たちの中から一人の男の子を、自分の屋敷に連れて行く。この子供がラインドルトかなと思うが、色々小道具が出てくるので、四角錐の光る箱の中は何だろうとかと思わせて、最後その中からピストルが出てくる。ヴァルハラは出てこない。
 ファーゾルトが殺され、最後フライアが後を追うように死ぬ。色々な謎、伏線が提示され、ジークフリート以降への期待が高まる。
 音楽は伸びやかで、明るい印象。急き立てられるような感覚はなく、どうぞ、安心して聴いてくださいという思いなのか、破綻しないことが今は大事かもしれない。遥々バイロイトまで来て、この劇場の響きを聴けるだけで、まず幸せだと感じる。
 歌手陣は安定している、今年ドイツに来て感じるのは、コロナ禍で交代した歌手が皆素晴らしい。コロナ前は名手でも多少の難が見えた気がするが、ミスが無いことは、この二年間の様々な努力により、成し遂げた結果だろうと感じる。新国立劇場の頑張りは世界の縮図だったようだ。
Musikalische Leitung:Cornelius Meister
Regie:Valentin Schwarz
Bühne:Andrea Cozzi
Kostüm:Andy Besuch
Dramaturgie:Konrad Kuhn
Licht:Reinhard Traub
Video:Luis August Krawen

Wotan:Egils Silins
Donner:Raimund Nolte
Froh :Attilio Glaser
Loge:Daniel Kirch
Fricka:Christa Mayer
Freia:Elisabeth Teige
Erda:Okka von der Damerau
Alberich:Olafur Sigurdarson
Mime:Arnold Bezuyen
Fasolt:Jens-Erik Aasbø
Fafner:Wilhelm Schwinghammer
Woglinde:Lea-ann Dunbar
Wellgunde:Stephanie Houtzeel
Floßhilde:Katie Stevenson
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コメント 1

中野博通

ほぼ、同感です
子供を使ってテーマを伝えるのは評価出来るが、川とプールは本質的に違うでしょう ピストル大いに違和感有ります、召使いの女性が突然にエルダになるの納得感有りませんね
だだオーケ、歌手、は良い音楽を奏良かった良かった
by 中野博通 (2022-09-01 09:02) 

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