SSブログ

金澤威史さんマスタークラス 原宿カーサ・モーツァルト [その他]

 バイロイト音楽祭オーケストラの、唯一人の日本人メンバーである、Vn奏者金澤さんのマスタークラスを聴講した。金澤さんが演奏されるお姿は、何度も拝見しているが、Vnの音色を実際間近で聞くのは初めての事で、流石の美しさだった。金澤さんは早稲田大学卒業後にケルン音大に留学し、現在は、南オランダフィルハーモニーのコンサートマスターを務めている。そんな経歴から日本では殆ど知られておらず、このマスタークラスをどのように宣伝したのかは知らないのだが、自分が偶然知ったのは、他アマチュアオケFBに投稿があったとのことで、当団のオケ通信に投稿してくれたからだ。ものすごく驚いたが、当団では一切話題に上らず、実際聴講者は、10人程度だった。
 バイロイト仲間を3を人誘い、4人で聴講したが、他にバイロイト関係者は居なかった。受講生は、全員アマチュアで、始めの一人を除き、2組目、3組目ともに、講師の関係団体メンバーだった。時間は、1組1時間。
 一人目は、とても上手なVlaの方で、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏K423を弾かれた。指導内容は、音楽の方向性を考え、最低4小節単位で音楽を運ぶほうがよいと。そしてデタシェの弾き方は、弓と弦の接点の問題で、様々音楽が作れるので、右手だけで音楽や旋律をイメージして、遊ぶとよいと。
 私位の年齢になると、色々なマスタークラスを聴講しれおり、大体言われることは同じだ。唯、言い方は様々で、講師の言葉そのものを記憶しているわけではないが、指導はとても分かり易く、説得力がある。
 2組目は、Vn3人で、曲はモーツァルトのディヴェルティメント1番ニ長調、近々本番で演奏するためのレッスンだ。これは、演奏する音楽に相応しい弓の使い方の指導だった。確かに、アマチュアは音符を追う事が第一になってしまうことが多く、どんな音楽を表現したいのかが二の次になってしまうのは、つまらないと。
 3組目は芥川也寸志のトリプティーク、3楽章の弓を飛ばすコツを学びたいとのことだった。皆良く弾けているが、音楽の変化を楽しむ余裕がまだないようだと。3楽章の弓の飛ばしも、遊びのように、どう弾きたいか、やっているうちに、自然に慣れてくると言われた。
 金澤さんのご指導は、表現したい音や音楽に向かって遊び感覚で楽器を練習すれば、楽しいというような、日本人プロオケ奏者のお仕事感は微塵も感じられない、心底音楽好きな方の魅力的なお話しだった。
 海外で活躍するには、あのような、ひたむきな情熱と自然に湧き上がるエネルギーが必要なのかもしれないと思った。もっと多くの方に金澤さんの美しいVnを聴いてもらいたいし、日本のプロオケのゲストコンマスもやって頂きたいものだ。
 主催者は、海外で活躍する日本人を国内で紹介したいというような考えで、サロンを企画している。
https://freelance-farmer.jp/
IMG_4425.jpeg
IMG_4427.jpeg
IMG_4426.jpeg
 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

通し狂言 妹背山婦女庭訓 国立劇場さよなら特別公演 [芸能]

 9月にこの通し狂言の前半を見てしまったので、10月の大団円を見ない訳にはいかなくなった。
 オペラも狂言歌舞伎も、見たからどうというものではないが、支離滅裂な筋書きは、イタリアオペラも同じようなもの。女庭訓とは、江戸時代の女性の教訓書もようなもので、命をかけて、愛する人や家を救うという、犠牲の精神は、ヴァーグナーの「救済l」とどこか似ているかもしれない。
 蘇我入鹿に恨みを持つ人々が登場し、最後藤原鎌足の子孫が懲罰するのだが、別に時代考証もなく、漠然と宮中を想像しつつも、基本歌舞伎は江戸のお話しに見える。
 全体を通して、浄瑠璃、三味線が素晴らしく、浄瑠璃の声が舞台上の配役の感情のこもった声を補い、盛り上げる。声色まで似せられのだ。三味線も弾きながら効果音のような声を発する。人形浄瑠璃ではどうなっているのだろう。白熱した演奏だった。
 昔習った、日本舞踊の手や形が繰り返し出て来て懐かしく思われた。この出し物は踊りが多いように感じる。手踊りの意味するところは、女性の細やかな感情表現だが、今回は舞台を近くから見ることができ、踊る姿に特に感動した。
IMG_4412.jpeg
IMG_4413.jpeg"
IMG_4419.jpeg
IMG_4416.jpeg

 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽