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びわ湖ホールプロデュースオペラ『神々の黄昏』ライブストリーミング2日目 [映像・放送]

 今回の思いがけないネット配信によって、池田香織さんのBrünhirde が全世界に配信させたこが、何より嬉しい。近い将来、この配信のお蔭で、海外からオファーが来たと語れる日が来ると良いと願っている。
 初日のBrünhirde は、若く毅然とし、冷徹な目を持つ女性、2日目は憂いを秘めた心の動きが見える女性。ト書きに近い舞台なので、歌手の個性も自由に表現できるのは好いことだ。
 2幕のハイホーの場面、合唱が素晴らしいと思ったら、三澤先生の新国立歌劇場合唱団だった。このおかげで、以降2幕がぐんぐんと盛り上がり、三重唱もオケもテンションが最高潮に達し、感動的だった。3幕Brünhirde の自己犠牲はさすが、池田さんの風格で美しく締めくくられ、余韻が残った。
 懐かしいフランツは裏声がダメになってから苦しい時期を乗り越え、太い声の方で復活してきたようで嬉しい。ケイヴズはもう5年近く前、読響のトリスタンで聴いていたが、そつが無い。個人的には、初日のグンター石野繁生さん、グートルーネ安藤赴美子さんがとても好かった。
 とにかく、家で2日間、真昼間に黄昏を見る機会は、もう恐らく無いだろうと思い、自分のアマオケの本番が中止になったために、びわ湖の黄昏公演を見られたことは、新コロナウィルス感染対策の記念になる。
 
指揮:沼尻竜典 演出:ミヒャエル・ハンぺ
京都市交響楽団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、新国立劇場合唱団
2日目 キャスト
ジークフリート  エリン・ケイヴス
ブリュンヒルデ  池田香織
アルベリヒ    大山大輔
グンター     髙田智宏
ハーゲン     斉木健詞
グートルーネ   森谷真理
ワルトラウテ   中島郁子
ヴォークリンデ  砂川涼子
ヴェルグンデ   向野由美子
フロスヒルデ   松浦 麗
第一のノルン   八木寿子
第二のノルン   齊藤純子
第三のノルン   田崎尚美

1日目キャスト
ジークフリート  クリスティアン・フランツ
ブリュンヒルデ  ステファニー・ミュター
アルベリヒ    志村文彦
グンター     石野繁生
ハーゲン     妻屋秀和
グートルーネ   安藤赴美子
ワルトラウテ   谷口睦美
ヴォークリンデ  吉川日奈子
ヴェルグンデ   杉山由紀
フロスヒルデ   小林紗季子
第一のノルン   竹本節子
第二のノルン   金子美香
第三のノルン   髙橋絵理
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びわ湖ホールプロデュースオペラ『神々の黄昏』ライブストリーミング1日目 [映像・放送]

 所属のアマチュアオケの定演が新型ウィルスで中止になり、慌ててヤフオク、オケピでチケットを探し出したら、この公演も中止となってしまった。ただ、ネット中継+DVD発売ということで、家で配信された黄昏を見た。日本が世界に黄昏をネット発信した記念すべき日だ。
 率直な感想として、オケはどうしたのだろうか?歌手はみなさん存分に力を発揮しているように見えたが、オケは何か理由があって練習できなかったのだろうか。舞台として一番まとまっていたのは2幕、ハーゲンの館の合唱の場面などオケの音量が上がるところは、とても良いのだが、オケ単独になると、はまらない、ハモらない音程が目立ち、Hr.が不調だと、全体の出来栄えが左右される。Hr.のアシの音程が合わないのは珍しい。きっと明日は上手くいくだろう。
 マイクの位置が気になった。歌手の声量がとても大きく入っており、3幕のラインの乙女それぞれの声が独唱のように聞こえてしまい驚いた。このホールに行ったことはないし、空席での公演で、音響を利用はどんなものか、オケの楽器ごとの音はクリアながら、全体の音が曇った感じで、響いている感じは伝わって来なかった。
 歌手は皆さんとても上手で満足だったが、ハーゲン役妻屋さんのとき、プロンプターの声がかなりはっきり聞き取れてしまう。全体的にマイクの使い方にに、もう少し改良が必要だろう。
 固定カメラでオペラを観る機会は珍しい。舞台のプロジェクションマッピングは美しく、ナマで見たら、何年前かのMETのRingを思い出すだろう立体感だった。ただ、舞台いっぱいに広がるセットを枠に据えると歌手はとても小さく、表情が全くわからない。固定カメラ一台で映像にできる演出とできない演出とありそうだ。
 舞台演出はト書きに忠実で、ステファニー・ミュターさんのブリュンヒルデは、毅然とした強い
女性像だった。2幕後半、3幕での怒り心頭の歌唱は素晴らしい。久しぶりのフランツは、数年前落ち込んだ後復活しており、裏声がダメで、太い声の方が得意になっていた。
ジークフリート  クリスティアン・フランツ
ブリュンヒルデ  ステファニー・ミュター
アルベリヒ    志村文彦
グンター     石野繁生
ハーゲン     妻屋秀和
グートルーネ   安藤赴美子
ワルトラウテ   谷口睦美
ヴォークリンデ  吉川日奈子
ヴェルグンデ   杉山由紀
フロスヒルデ   小林紗季子
第一のノルン   竹本節子
第二のノルン   金子美香
第三のノルン   髙橋絵理
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METライブビューイング「ジークフリート」 [映像・放送]

 お盆休みに、METのジークフリート映像を、連れ合いが見たいとのことで、東銀座の東劇へ行った。私は8年前にこのリングチクルス映像は新宿の大画面で見ており、当時の感想を今読み返しても、違和感は無い。なぜか、幕間のインタヴューは良く覚えていた。
 ただ、今回感じ入ったのは映像の中のジークフリートだった。この8年の間に、バイロイトでカストロフのリングを何度も見て、その他、シラー劇場や、ライプチヒ、パリ、エッセンでもジークフリートを見ている。どうも場面や舞台に気を取られてしまい、或いはカストロフを何度も見て慣れすぎてしまったのか、大前提であるジークフリートの、本来感動的な成長物語が、いつの間にか付けたしのようになっていた。しかし、大抜擢のモリスのインタヴュー効果も相まって、久しぶりに接する、台本通りのジークフリートに感情移入してしまった。歌手各々が自分の役について話すことで、舞台の魅力が増す。
 好きな場面は言葉を聞き、後は日本語字幕で楽しむのも悪くない。以前は、歌手の表情がアップになり、声量が補強され、オケの音量をしぼる「METライブビューイング」は気に入らなかったが、歳とともに、何事にも期待感が減ってきており、映像で、必要以上に感情をを出す効果も良しとしようと思った。ジーゲルのミーメ役は久ぶりに見て、やはり最高の演者だと思う。生の舞台と映像は全く違うもので、代用にはならないが、理想の上演を探す旅もそろそろ終わりに近づき、執着を捨てることにも慣れて来たこの頃だ。
指揮:ファビオ・ルイジ
演出:ロベール・ルパージュ
出演:ジェイ・ハンター・モリス、デボラ・ヴォイト、 ブリン・ターフェル 、パトリシア・バードン
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METライブビューイング 《ばらの騎士》 [映像・放送]

 Wagner 以外のライヴヴューイングは初めてだが、フレミングとガランチャがこの役は最後ということで、見に行った。映画作品として、歌と演技のレヴェルの高さに感嘆した。もう演じている感じがせず、作品中の人物を全人格的に体現して、どこから見ても、100%マーシヤリン、オクタヴィアン、オックスという人間だった。
 去年夏、バイエルンのペトレンコ指揮のばら騎士で、グロイスベックは、初めてオックスを演じたのではなかっただろうか。歌より自転車競技が良いと言うほどのスポーツマン、高貴な雰囲気の漂うグロイスベックが、どんなオックスを演じるかと話題になったが、metでは、カッコいい残像すらよみがえらないほどの、ダメ男を演じた。設定が19世紀末ハプスブルグ家崩壊直前で、オックスは、よくある、バイエルンの田舎者ではなく、軍服を脱ぐと下品さがみなぎる軍人だった。インタヴューでは、楽譜に沿って役を演じたと。特に下品にという指示はないと、新たなオックス像を樹立したようだ。
 ロバート・カーセンの演出では、3幕が驚きの娼婦の館。衣装は当時のものなのか、よく分からないが、上下に分かれたコルセットに靴下止め、ガウンを羽織るスタイル。オクタヴィアンもそのスタイルで、オックスに迫り、オックスの方が、たじたじになる。お化けが出る場面は、壁の絵画が下がり、女性の飾り窓となり、オックスが怯える。お決まりの鬘の場面も良くできている。一幕で、マルシェリンの髪を整えるのは、かつら担当の技術者で、衣装をつけて舞台に登場した。
 一幕の最後も、三幕の見せ場も、フレミングは素晴らしく、活発なゾフィーのキャラクターも、劇の進行に矛盾なく、最後はやはり涙を誘う。ガランチャは、本当に男性に見えるときもあり、さすがmetのばらの騎士、殿堂入り、恐れ入りました。

2017年5月13日楽日の上演
元帥夫人 :ルネ・フレミング
オクタヴィアン: エリーナ・ガランチャ
ゾフィー:エリン・モーリー
オックス男爵:ギュンター・グロイスベック
ファーニナル:マーカス・ブルック
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METライブビューイング 《トリスタンとイゾルデ》ラトル [映像・放送]

 さいたま新都心に、METライブビューイングがやってきた。さいたまアリーナの反対側に大きなショッピングモールとシネコン等がある。これまで、METのワーグナー作品が出ると、新宿まで行って見ていたので、地元の113席のホームシアターのような小さなスクリーンは、音質も含め、少し物足りなかった。この場所は、老後の楽しみにとっておこう。
 何年も前、ベルリンフィルデジタルコンサート初期のころ、ラトルの黄昏を夜中に頑張って聴いたのに、自分の好みでなかったことがあり、ラトルのワーグナーを聞くのは、それ以来だった。やはり、結構意表を突かれる演奏だった。映画は音量調節されているので、生演奏とは別物として聞くのだが、オケへの要求は、3幕だけ特別に激しく、こんな不満爆発的な3幕は聞いたことがない。後から思えば、出だしのチェロや、その後もVn、金管も2幕までは、おやおやと思うところを許容していたのは、3幕のエネルギーを蓄えるためだからだとうかと勘ぐってしまう。実験好きのラトルらしい演奏だと思う。3幕のイングリッシュホルンの音も、歌い方も、意外なものだった。
 この映画の恒例として、幕間に出演者のインタヴューがある。3幕前には、クルヴェナール役ニキティンのインタヴューもあり、その内容に驚いた。あまり重要な役ではないので、断ろうと思ったが、最終的には、先々役に立つと思い引き受けた、というニュアンスだった。司会のD・ヴォイトとブランゲーネ役のグヴァノバの表情が一瞬こわばった。ニキティンは、ハーケンクロイツ刺青問題でバイロイトを下ろされた人、自分の発言を世界の人が聞くことを、知っていたのかどうか。結局、クルヴェナールの役どころを理解できていなかったのか、彼以外の歌手は皆素晴らしかったのに、彼の音程の悪さで公演の質が下がったように思われた。
 ベテランのステンメは磐石、、スケルトンは初めてのトリスタン役、演出は近代的海軍の船だろうか、モロルトを討つ武器もトリスタンを傷つける武器も剣ではなくピストルだった。演技も表情もカメラのアップも特に怒りを覚えるようなものはなかった。

指揮:サイモン・ラトル 演出:マリウシュ・トレリンスキ
出演:イゾルデ:ニーナ・ステンメ、トリスタン:スチュアート・スケルトン、マルケ王:ルネ・パーペ、ブランゲーネ:エカテリーナ・グバノヴァ、クルヴェナール:エフゲニー・ニキティン
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ライプツィッヒ パノメーター [映像・放送]

 詳しくは知らないが、面白いと言うので行ってみた。雨もぱらつく中、中央駅から市電で15分、停留所から歩いて10分、スマホのgoogle map使用で全くまごつかない。地元の人は殆ど車で来ている。
 町はずれの円筒形の大きな古い建物で、元々はガスタンクとして使用されていたらしい。内壁を利用して巨大なパノラマ景観画を描いて展示施設としている。11時前に着いたが結構人がいて、日本のように整列はしないので、入口付近は混乱していた。ドイツ語解説付きのツアーで入場、展示内容は時折変えているようだが、現在はGREAT BARRIER REEF(The magical world of the coral reef)をやっている。
http://www.asisi.de/panoramas/great-barrier-reef/photo-gallery.html
 まずは若いお姉さんの説明で、サンゴなど海底の生物の説明をたっぷり聞いてから、いよいよ展示スペースに入るとびっくり、高さ30メートル360度一杯に海底の世界が描かれている。写真かと思うほど精密で臨場感がある。中央にある見学者用の見晴台に登ることもできる。
 大人気施設らしく、退場時には益々人も増えて入口は大混雑だった。(B)
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入口
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まずは説明を聞く(ドイツ語)
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中は素晴らしい
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外観(帰り時)
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ルートヴィヒ [映像・放送]

 ルードヴィヒⅡといえば、長大なヴィスコンティの作品イメージが強かったが、もう40年前の映画だった。実際私が見たのはずっと後、ワーグナーを聞くようになってからのことで、2012年製作の映画との時代の差はあまり感じない。ヴィスコンティの描くルードヴィヒⅡ像は、浪費家で大食漢、最新技術を駆使してローエングリンの洞窟を作ったりと具体的だ。言葉はイタリア語だったような気がするが、新作はドイツ語なので、私には身近で想像力が膨らむ。視点も、文化や芸術を通して人々を幸せにするという夢のような構想を持った王、ローエグリンを理想とした王という、ポジティヴな明るさが強調されているようで、馬鹿げた夢というより、理想を求めるロマンティックさが心地よい。批判的視線は強くないので、観客側はストレスを感じずに済む、お楽しみ映画で、映像も風景も綺麗だ。
 監督がローエングリンファンというだけあって、各所に音樂が出てくる。始まるとすぐmein lieber Swanのフォークトみたいな声が聞こえ、どきっとしたり、後の方になると、カウフマンのような張った歌声もあり、詳しい人なら歌手がわかるのかもしれないと思う。アニャ・カンペも一瞬登場し歌っている。
 これからも、何度でも映画化される題材なのだろうが、今回は全てに於いて、刺激が少ない、穏やかで優しい感じに仕上がっているようだ。
監督脚本マリー・ノエル、ピーター・ゼアー
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Richard Wagner. Diario veneziano della sinfonia ritrovata.映画 [映像・放送]

 映画の前に Dr. Frank Piontekの公演が30分あった。ヴェネチアの日記では、初めてのヴェネチアが神話の世界のようだったと強調されていた。ゴンドラに揺られて、沢山のイメージがわき、トリスタン2幕のロマンチックな旋律は、ヴェネチアで得たらしい。
 映画内容はは、解説の通りで、出てくる写真は、URLと同じ。ヴェネチアのコンセルヴァトワールの生徒たちにより、 交響曲第一番が演奏されたとのこと。 最後に交響曲第一番が流れた。(上演一時間) 。ウィーンのムジークフェラインのように、ゴンドラで、ピアノが立てて運ばれる映像が印象的だ。
http://wagnerinvenice.com/
http://www.imdb.com/title/tt2630314/
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MET パルジファル―ライブビューイング [映像・放送]

 新宿まで行ってMETパルジファルの映像を見た。序奏では、復活祭最初のパルジファルみたいに練習不足で、弦楽器の音の変わり目が合わないと思ったが、その後も度々そう聞こえたので、動きが早いのではなく、遅れる人がいるのかとの認識を改めた。
 2幕以降、映画館の巨大な音量に耐えられず、何度も耳を覆ったが、どんどん舞台は盛り上がり、とても真面目な取り組み方で、歌手一人一人が役づくりにとても真剣なので、ぐいぐい劇中に引き込まれた。強い信念を躊躇なく押し出し、こんなに2幕を哲学的に感じたのは初めてだ。余計な演出が無いので、じっくり考えながら見ることができる。音楽もゆっくり目だったが、演出にあったテンポのように感じる。結構色々な演出を見てきたが、作品に対し、真摯に取り組んだプロダクションだと、安堵と感謝の気持ちだ。
 カウフマンがパルジファルを歌うのは、7年ぶりで、チューリッヒ以来とのこと。私は、それを現地で聞いている。当時まだ、そんなに太い声ではなかった。この頃声が老けたように感じていたが、映画館のボリュームでは、強靭な美声はサイボーグ並み、多分これは、映像の感動であり、生の舞台はもっと繊細なのではないかと思う。そう分かっていても、アップの映像の迫力は凄い。(G)
指揮:ダニエレ・ガッティ 演出:フランソワ・ジラール
パルジファル:ヨナフ・カウフマン 、グルネマンツ:ルネ・パーペ 、アンフォルタス:ペーター・マッティ 、クンドリ:カタリーナ・ダライマン 、クリングゾル:エフゲニー・ニキティン
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METライブビューイング-神々の黄昏 [映像・放送]

 4作の中で、私は一番気に入った。だんだんと映画に対する要求水準が下がってきたこともあるかもしれないが、オケよりも歌手が全員、とにかく素晴らしい。歌だけでなく、細かい演技や、顔の表情は俳優のレヴェルだ。一人一人が役になりきっていて、グンターや、グートルーネも存在感があり、生身の人間を表現している。ジークフリートの死で、舞台で本当に涙を浮かべる演技は初めて見た。どの場面も違和感を感じるところは無かった。例えば、いつも気になる場面、ジークフリートが刺されるとき、ノートゥングはどうなっているんだろうと思うのだが、舞台上に放置されていたり、舞台端に立てかけてあった舞台も見た。でも今回はジークフリートがノートゥングを振るおうと手にとったが、力及ばず倒れるという風に、腑に落ちる、当たり前のような分かりやすさを目の前で見せてもらった。
 毎度残念なのは、METのお客さんが、舞台転換場面で歌がなくなると、あからさまに咳をはじめることだ。幕が下がる前の拍手もお国柄で、どうも馴染めない。
 ジークフリート役に抜擢されたモリスの声が、早くも嗄れていたようだったが、3幕は滑らかで素晴らしかった。撮り直ししていることはないと思うので、今回全体を通して、ミスの少なさが見事だとつくづく思う。(G)
指揮:ファビオ・ルイージ 演出:ロベール・ルパージュ
出演:デボラ・ヴォイト、ジェイ・ハンター・モリス、エリック・オーウェンズ、ヴァルトラウト・マイヤー
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METライブビューイング ジークフリート [映像・放送]

 G.ジーゲルの演じる最高のミーメを、アップで隅々まで見られたことは、映像ならではの嬉しいメリットだ。
 でも一番の話題は、ジークフリート役が二人降板し、10月末になってカヴァー歌手のJay Hunter Morris にチャンスが巡ってきたことだろう。ドレスリハーサル(GP)が彼にとって3度目のリハだったそうだ。HPにも載っているGPの日のメイキングヴィデオを見ると、彼は自然体で、素直な意欲と清々しいエネルギーで一杯だ。モリス はテキサス出身、METまで長い道のりだったと言う。金髪で眼光鋭く、昔の写真より逞しくなった今、日常の姿より、ジークフリートの鬘の方がずっと良く似合う。声をつぶさないよう、ヘルデンテノールとしての評価を得て、長く活躍してもらいたい。
 ジークフリートを終わりまで歌い切ることが、どんなに過酷な条件なのか改めて痛感した。以前は大声量が自慢だったらしいことがインタヴューから伺えるが、今は綺麗に歌うことを心がけていると言うだけあって、モリスの歌はリリックで、広音域美しく、演技も精一杯表現し、3幕でもほとんど崩れず、とても素晴らしかった。一幕でハンマーを打つ時の乗りが、軽妙なアメリカンだったり、他のベテラン歌手に比べ、指揮を見る視線や、立ち姿など、初々しさを隠せない面はあるが、今回はジークフリート役というより、モリス氏自身の姿が全世界に配信されたような心象で、大きな前進だろう。
 モリスは今年サンフランシスコでジークフリートを歌ったらしい。2007年東京オペラの森のタンホイザーで、ヴァルターを歌っていたと知り、録画を見たら、張った声で声量も凄かった。外見は意外と大きくない。
 インタヴューで、ルイージは音楽が重くドイツ的にならないよう気をつけたそうで、モリスの才能がMETで開花しそうだ。黄昏も期待できそうだ。
 ハイテク技術・映像を駆使した舞台は、やはり、映画では詳しくわからない。ワーグナー生誕200年を前に、ト書きに近い演出を見たいなら、METが一番かもしれない。MET流の聴衆マナーや、オケの事故など気にせず、一連のハイテク舞台を生で見てみたいものだ。(G)

指揮:ファビオ・ルイージ 演出:ロベール・ルパージュ
出演:ジェイ・ハンター・モリス、デボラ・ヴォイト、ブリン・ターフェル、パトリシア・バードン
※ギャリー・レイマンは病気のため降板、ジェイ・ハンター・モリスがジークフリート出演


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METライブビューイング ヴァルキューレ [映像・放送]

 序夜の巨大な舞台装置がどのように変身するのか楽しみに半年待った。細い板をつなぎ合わせた舞台セット(マシン)に、一幕では薄暗い森の木々の幹やトネリコ、三幕では岩山などを投影したり、細い板がヴァルキューレたちの馬になったりする。投影された映像の手前に人が割って入っても、あまり気にならないような光だった。セットを動かす騒音を小さくする工夫は随分行なっているそうだが、静かな場面ではっきりと音が入ってしまう。
 カウフマンはジークムントでMet初登場。舞台では前の方の席でしか見ることができない歌手の表情が、アップで見られるのは、やっぱり楽しいものだ。バイロイトのジークリンデ、ヴェストブルックもカウフマンも見目麗しく、一幕の若い二人の純粋な役柄にぴったりで、とてもしっくり行っていた。
 私が初めてカウフマンを聴いたのは2005年チューリヒのパルジファルで、まだ注目株という感じだったが、2009年秋にバイエルンのローエングリンを聴いたときは、何だか声が老けてしまったようで驚いた。その前年頃からベルリンのフォークトが明るい甘い声でローエングリンを歌っていたので、それに比べると暗い感じがしたのかもしれない。
 映画のジークムントは初めからやはり太い声でドキッとしたが、すぐに慣れ、皆演技も上手なので、見ることに夢中になっていった。音楽も出だしのチェロのソロがポルタメントだらけで、その後しばらくぬるっとした感じが続き、これは参ったと思ったが、それもほんの束の間、隣の人がうるさいことに気をとられ、映画館だから仕方ないと自分に言い聞かせて、大きな映像を存分に楽しんだ。
 幕間のインタヴューも面白いし、METライブビューイングは本当によくできている。あと2作も是非見たいと思う。(G)

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ドン・カルロ METライブビューイング [映像・放送]

 メトロポリタン歌劇場のライヴ録画シリーズ、2010年12月11上演(新演出) ヴェルディ ドン・カルロ5幕イタリア語版を見た。ドン・カルロは元は仏語、4幕版5幕版など色々ある。新国立劇場は4幕、ドレスデンも4幕、コンヴィチュニー演出のハンブルグは5幕版でIntermezzo(寸劇)が入り、これが大笑いするほど面白かった記憶がある。
 ドン・カルロ役のロベルト・アラーニャはイタリア系フランス人で、仏語でドン・カルロを歌ったこともあるとインタヴューで言っていた。これだけ大画面で歌手の顔をが映し出されると、やはりどんな人なのかなと興味がわいてくる。鼓膜がビリビリ振動するほどの音量で放映されるので、せっかくの美声を聴くのも難行となる。なんで映画はいつも大音量なのだろう。
 エリザベッタ役のマリーナ・ポプラフスカヤは初めは地味目だったが、上り調子で最後の「世のむなしさを知る神」アリアは素晴らしかった。皆映像に耐える演技派だ。ルックスも良く、歌は勿論、映画として楽しめる大作だ。オケの音はラインの黄金でも感じがことだが、割と軽視されていて、4幕のチェロのソロの裏のVnはかなりぐちゃぐちゃ、5幕でも細かいところは同様に崩れていたが、所詮バックグラウンド音楽なので気にしてはいけない。それより、登場人物がみな主役級の実力を要求され、難しい重唱も多く、隅々まで満足のいく舞台に出会うこが少ない大作をMETの実力と技術で堪能できて、たまっていた不満が解消できた。宗教裁判長も恐怖もフィリッポ2世の嘆きも迫りくるものがあった。
 ヴェルディ特有の話の飛躍が、やはりこころもとなく感じるが、史実と虚構が混在する作品構成は仕方ない。幕切れはカルロ5世が墓から現れ、フィリッポ2世と王妃を見てその間に立つシーンだった。オリジナルはドン・カルロが墓の中に連れて行かれるのだが、今回は敢えて当然の結末を見せず、決定的に全てを失くす一瞬前の警告で時間を止めたということだろうか。或いは改心してやり直せる望みを誰かに残しているのだろうか。
 映画として面白かったのは、幕間の舞台裏で、実際本番中であるかのような雰囲気で出演者にインタヴューするところだ。映画館の休憩時間まで映像で設定されているのか、METの3階席あたりから舞台に向かっている位の視界の映像が流れており、オケピットで練習する音など聞こえて、臨場感が味わえる。休憩残り時間のタイマーも右下に出ている。インタヴュアーが次の演目「西部の娘」の出演者で興味を繋ぐように出来ているのもさすがだ。客席の有名人たちをアップで映し出ので、収録の日にサイモン・ラトルご夫妻がこの同じ舞台を見たのかなと想像するのも楽しい。(G)
 
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ラインの黄金 METライブビューイング [映像・放送]

 メトロポリタン歌劇場のリング新演出の映像(映画)を見に行った。MET開幕初日には、最後のヴァルハラ入場のところで、コンピューターが壊れ、セットが動かなかったという事故があったとのこと。とにかく大掛かりなハイテク舞台らしい。
 演出家ロベール・ルパージュの意図は、ワーグナーが作りたかった理想の舞台を実現したいという、コンサバな一面がある。残されたワーグナーのスケッチには確かに宙吊りのような、空間を移動するような舞台に工夫をこらしたが痕跡がある。
 METの舞台の上にさらに可動式の「すのこ」のような板を置き、それが壁のように移動するのだが、その置き舞台は巨大な「南京玉すだれ」のように、「つり橋」の板のように奥から手前へ何枚もの板が接合して作られており、ワゴンの足に取り付ける車輪が各板に付いているのが見える。多分客席からでは分からないだろうが、映像で歌手の顔がアップになった横に、ワゴンの車輪が見えるのには違和感があった。
 その他の舞台道具は少ないが、衣装はト書きに近い古風なものだ。最初のラインの流れの演出のこだわりはかなり凄いと思った。人魚のような姿の3人のラインの乙女を舞台上方まで引き上げ宙吊りにし、歌うときは足か体が後ろの板に接して安定を得られるようになっている。また歌手の声量に反応してブクブクと泡の映像が出るようプログラムされており、声が大きいと泡もたくさん出るらしい。
 オケは映像のバック音楽になっており、必ずしもワーグナーが意図した盛り上がりとは一致しない。演出上歌手がアップになる場面や、ラインの乙女が3重唱するとことなど、思いっきり音量が上がる。かと思えば、普通オケが盛り上がる、歌がない場面転換の部分ではオケはすーっと引いた感じなり、観客は小休止の心持になり、ぞろっと、トイレに立つ人が出る。
 実際METの舞台の巨大さを体験しているおかげで、私はこの演出の大掛かりなことをに驚きを感じるが、映像を見るだけでは、演出に大した目新しさは感じないかもしれない。むしろ映像で細部を観察できる方が面白みがあるかもしれない。例えば、アルベリヒが捕まって、地下から財宝を持ってこさせるよう指輪に指令を送る場面など、口の動きまで見えるし、隠れ頭巾で姿の見えないアルベリヒにミーメがやっつけられるときの一人芝居の顔の表情まで見ることが出来る。映像を発信するということは、大劇場ならではの理由があり、劇場に実際足を運んでも見えないところを、映像が補ってくれるという長所もある。METのオケは上手で、あれほどの大空間でもずれることは無いという印象を持ってるが、ハイテクを駆使したMETリングの音楽は実際にはどんな盛り上がりを体験できるのか、チクルスが完成したら、実物を聴いてみたい。
 午後は「弦楽器フェア」に行ってきた。(G)
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意志の勝利(Triumph des Willens) [映像・放送]

 1935年ナチス党大会のプロパガンダ・フィルムを渋谷で見た。記録映画というより、カメラを30台使った迫力ある芸術作品として、1937年パリ万博でブランプリを得ており、現代の多くの芸術家に影響を与えたと言われているそうだ。
 写真ではなく眼前で動いている人間として、ヒトラーをまじまじと見て、声を聞いたのは初めのことで、改めて初対面の感に戸惑ってしまった。スクリーンの中ではほとんど無表情なサイボーグのようだったが、映画の中でも使われているように、ワーグナーに傾倒しているのだと思うと、何だか嫌悪感を覚える。演説は確かに上手い。良いことばかりでなく必ずマイナス面を挙げながら話すので、妙に説得力がある。
 演説の手法は研究し尽くされているのだろうが、不用意にこの映画を見てしまったことで、そろそろ足を洗おうかと思っていた「ドイツ」の負の部分を見過ごすことができなくなりそうだ。最近までドイツでこのDVDは入手不可だったとのこと。ヒトラーの下、あんなにも純粋で希望に溢れた当時の人々の様子を見るのは、今のドイツ人にとって辛いだろう。(G)
監督:レニ・リーフェンシュタール
撮影:ゼップ・アルガイヤー
音楽: ヘルベルト・ヴィント

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ベルリンフィル・ラトル 「神々の黄昏」抜粋 Digital Concert Hall [映像・放送]

 ベルリンフィルハーモニーで始まった、インターネットで演奏会を生中継する、Digital Concert Hallのお知らせメールが時々来る。ペトレンコ・ベルリンフィルの時聴いてみたいと思ったが、先週アバドの知らせも来ていた。初めて試した3月のワセオケの時はマチネーで、日本は夕刻、皆で聞くには楽しいイヴェントだった。でも日常生活の中、夜中の3時にパソコンに向かい、ヘッドフォンで生中継を聴くのは相当な覚悟が必要だ。
 今回はラトル・ベルリンフィルがエキサンプロヴァンスで来月公演する「神々の黄昏」の抜粋を、コンサート形式で演奏する日、試しに聴くには良いプログラムだった。
 率直に言って、音に臨場感を期待してはいけないというのが感想だ。夜が明けて幕切れの10分はステレオのスピーカーにつないで普通に聴いたが、それまで、パソコン器材のせいか、音が途切れたり、映像が止まったりして、テンションを上げて聴くのは難しかった。「サービス」と思って気楽に聞くのが良さそうだ。現地生中継は夏のバイロイトまで我慢しよう。(G)
Berliner Philharmoniker  Sir Simon Rattle/ Dirigent
Katarina Dalayman/Brünnhilde  Karen Cargill /Waltraute
Berliner Philharmonische Bläsersolisten:
Andreas Blau Flöte Albrecht Mayer Oboe Wenzel Fuchs Klarinette Stefan Schweigert Fagott
Radek Baborak Horn

Siegfried Matthus:
Konzert für Fünf für Bläserquintett und Orchester Uraufführung eines Auftragswerks der Stiftung Berliner Philharmoniker
Richard Wagner:
Götterdämmerung: Auszüge aus dem 1. und 3. Aufzug
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フランス映画を見て・・「勝手にしやがれ」 [映像・放送]

 ベルリン映画祭に居合わせたことで、映画にも少し興味が湧き、この頃ケーブルテレビで古い映画を見てしまうことがある。しかもこれまで、全く良さがわからなかった、日本映画やフランス映画を。
 今日はゴダールの「勝手にしやがれ」。ジャン・ポール・ベルモントがあまりに若く驚いた。相手役の女性がショートヘアで、アメリカ人ジャーナリスト役。仏語と英語を使い分け、魅力的だった。また、せりふが、普通の会話スタイルで、パリの風景も懐かしく、50年近く前の作品なのに、私にはとても新鮮だった。ドイツものに比べ、フランスものは感情を素直に言葉に表しているので、分かりやすいことに気づいた。
 この題名、原題は「息切れして」とか「へたばって」とかいうニュアンスで、虚しくfinとなる類の映画だった。この前早朝見た映画は問題ある子どもの寄宿舎のようなところで、合唱指導し、乱暴なこどもたちが、更正する現代の映画だったが、これも虚しいfinという手法で、全部見ていたわけではないが、途中盛り上がって、最後虚しいのは、私はまだ馴染めない。ずっと空虚な方が親近感が持てる。(G)


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バイロイト「ヴァルキューレ」生中継 [映像・放送]

 昨晩ニ幕の始めまで聴き、今朝PCをつけたら、ちょうど最後の美しい"Le'b wohl, du kühnes, herrliches Kind !"のところだった。放送前に旦那がベームのバイロイト録音のワルキューレ一幕を掛けていて、その荒々しいイメージでティーレマンを聴き始めると、何と、ロマンティックなことか、意外なほど、とがったところが無く、丁寧に、一幕の場面にふさわしい、甘い音楽だった。ティーレマンといえば、「利かん坊のごとく・・」と思っていたのが、違って聞こえた。ラインゴルトでも、ちょっとそんな印象をもったのだが、今度は確かにそう感じた。一幕終わりにきて、ジークムントの声がかすれてきたが、その後はどうだったのだろう。ヴォータンも最後は喉がおかしかった。熱演ありがとうと言いたい。バイロイトの代用品は無いのだとやっと気づいた。もう、リング行脚はやめて、いつの日か聖地で本物の音を聴きたい。(G)


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バイロイト「ラインの黄金」+ザルツブルク「フィガロの結婚」の生中継 [映像・放送]

 インターネットで海外のラジオ放送が聞けるようになり、目下バイロイト音楽祭と、ザルツブルグ音楽祭を家で楽しんでいる。幸せだ。今も早朝からアーノンクールの「フィガロの結婚」の生中継を聴きながら書いている。とても美しい。ちょうど、ZDFでステージ映像も流れ、臨場感たっぷりだ。知り合いの達人が現地から誰より早く情報を送ってくれてありがたい。ネトレプコがオーストリアの国籍を取得できたと、昨日ネット上で見たが、彼女はかわいくて、声が透明で、インタヴューも気取らず、素敵な人なのだろうと想像している。
 朝3:30までは、ティーレマンの新演出「ラインの黄金」を聴いていた。

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ルツェルン音楽祭-アバド・ ブルックナー7番 (NHK・教育) [映像・放送]

 昨年夏のルツェルン音楽祭での録画。ブレンデルのベート-ヴェンの後、ブルックナーは、オケ人数が非常に多い。チェロが8プルトもいる。1プルトはバルトロメイやグートマンというベテランだが、後ろの方は若手もいて、結構鳴らしていて気持ちが良い。他のパートも名手揃いで、ワグチューも簡単な楽器に聴こえるほどだ。
 ただ、普通に聴くブルックナーと違い、テンポも早くあっさりしている。1楽章や4楽章の終結部など、あっけないものだ。(だからか、ブーも出ていたように聴こえた。)その分各声部がはっきり聞き取れる。
 別プロでマーラー7番もやったようだが、このオケならむしろマーラーが合っているか?(マーラーユーゲント管が母体だから当然だけど)
 いずれにせよ、今年の来日公演が楽しみだ。(チケット買ってないが) (B)

 珍しく、家で旦那と同じものを聴いた。私にとってはエネルギーに満ちた、新鮮なブルックナーだった。清清しく、音自体明るく、希望にあふれた、前向きな、ねちっこくなく、陰鬱でなく、暗いやるせなを感じさせない演奏だった。つまり私の中のブルックナーと全く逆の印象だったのだ。アバドの表情もとてもすてきだった。こんな演奏を生で聴いてみたい。(G)


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パルジファル-バーデン・バーデン祝祭劇場(テレビ) [映像・放送]

 帰国後の週末、真夜中のNHK・BS放送で、つい朝まで見てしまった。2004年夏の録画で、DVDとして市販もされている。今回生で見てきた6公演(ベルリン、ライプチヒ、ミュンヘン、チューリッヒ、ウィーン、ハンブルク)と比べると、録画するだけあって、音楽も歌も説得力があったと思う。オケが音楽的でフレーズがメロディシュ、音の語尾も丁寧、音楽だけで、物足りなさを感じるものでは無い。これは、ケントナガノの魅力だろうか?そもそもマイヤーをもう一度聴きたくて、見ていたのだが、演出が品良く、人物キャラクターが理解し易く、歌手の演技にも好感が持てる。クリストファー・ヴェントリスとトマス・ハンプソンにはMitleidも感じた。クリングゾルは歌舞伎の悪役の隈取をイメージさせる出たちで、3幕冒頭、鎧姿のパルジファルの背中の弓矢は、戦国武将のようだった。最後は台本とは違い、アンフォルタスは死によって救われ、クンドリは生きながらえることによって救われると言えるのだろうか、さすがに3幕後半は睡魔との闘いで、大事なことを見落としているかもしれない。(G)
指 揮 : ケント・ナガノ
管弦楽 : ベルリン・ドイツ交響楽団
演 出 : ニコラウス・レーンホフ
アンフォルタス : トマス・ハンプソン
ティトゥレル : ビャーニ・トール・クリスティンソン
グルネマンツ : マッティ・サルミネン
パルシファル : クリストファー・ヴェントリス
クリングゾル : トム・フォックス
クンドリ : ワルトラウト・マイア
合 唱 : バーデン・バーデン祝祭合唱団


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ペレーニ・バッハ無伴奏チェロ組曲DVD [映像・放送]

 会社帰りに買ってきたDVDに唖然仰天、ペレーニが桁外れのチェリストということは当然認識しているが、実際映像でバッハを現実に演奏していることが見れることに感激!
 ともかく、プロのチェリストにとっては衝撃だろう、完璧なボーイング(殆ど全弓を使っていない!)それでいて、全ての音が均一に発音されている!
 10年くらい前の映像のようだが、どのような経緯で撮られたのか?ともかく今日は酒も入っているので、明日以降じっくり見ることとしよう・・(B)


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コンヴィチュニ-の黄昏 [映像・放送]

 Stuttgartの予習として、黄昏のDVDを飛ばしながら見た。話には聞いていたが、最後はやはり素晴らしい。分かっていても、毅然としたブリュンヒルデに涙が出てきた。彼の演出はドイツで4作品しか見ていないが、どれも登場人物が生き生きと表現され、演技が音楽にぴったりあっていて感動的。特に指輪はMotivが明確なので、音楽と演技の相乗効果に胸を打たれる。ブリュンヒルデが全てを清算して舞台は終了、誰も居なくなった後はト書通りというのも、なるほど自然だ。
 音楽も舞台も、表現されたものを通して、演奏家や演出家の人間味を想像できるところが楽しい。(G)


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