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東京・春・音楽祭 ワーグナー『ニーベルングの指環』ガラ・コンサート [オペラ(国内)]

 リングの抜粋ではなく、1時間半弱の、歌のガラコンサートは、お客さんの心を掴み、1F席はほぼ満席、ロビーも大混雑で、大変な盛況ぶりだった。
 演奏会形式と言うより、オケが主役の舞台で、大音量のN響に負けず、パンクラトヴァは良く歌ったと思う。最初に彼女を聴いたのは、2018年ティーレマン/ドレスデンのジークリンデで、バイロイトのクンドリで名を上げ、ヴェーヌスも聴き、初めてブリュンヒルデを聴いた。圧倒的な迫力がある。
 今回のプログラムは、ヤノフスキーの置き土産のような気がする。こういう演奏会もできますよと、教えてくれたようで、オケだけの部分は入れず、かなり短いが、普段なら自分がその場面が来るのを待つ身であるのに、向こうから名場面がやって来てくれるガラコンサートは、ちょっと嬉しい初めての気分だった。短い場面であれば、日本人歌手も全力で歌えるので、これを機に、日本人のリングガラの企画にもトライして欲しい。
 N響はヤノフスキーのお蔭で、リングを物にした。ついVcを見てしまうが、藤森さんの熱演ぶりが感動的で、もしかしてヤノフスキーのヴァーグナーでは、今回最後の主席なのかもしれない。楽器を揺らしなが力一杯刻んでいる後ろで、ご子息始め若手メンバーが伸び伸びと弾いており、父は背中で伝えているんだろうなぁと勝手な想像を楽しんだ。更に個人的にはリング抜粋を弾いて1年余、N響の素晴らしい低弦を目の当たりにし、苦労した当時の記憶が懐かしいものに変わって来た。

舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』より
序夜《ラインの黄金》より第4場「城へと歩む橋は……」〜 フィナーレ
  ヴォータン:マルクス・アイヒェ(バリトン)
  フロー:岸浪愛学(テノール)
  ローゲ:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
  フリッカ:杉山由紀(メゾ・ソプラノ)
  ヴォークリンデ:冨平安希子(ソプラノ)
  ヴェルグンデ:秋本悠希(メソ・ソプラノ)
  フロースヒルデ:金子美香(メゾ・ソプラノ)
第1日《ワルキューレ》より第1幕 第3場「父は誓った 俺がひと振りの剣を見出すと……」〜第1幕フィナーレ
 ジークムント:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
  ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ(ソプラノ)
第2日《ジークフリート》より第2幕「森のささやき」〜フィナーレ
 第2場「あいつが父親でないとは うれしくてたまらない」―森のささやき
 第3場「親切な小鳥よ 教えてくれ……」〜第2幕フィナーレ
  ジークフリート:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
   森の鳥:中畑有美子(ソプラノ)
第3日《神々の黄昏》より第3幕 第3場ブリュンヒルデの自己犠牲「わが前に 硬い薪を積み上げよ……」
 ブリュンヒルデ:エレーナ・パンクラトヴァ(ソプラノ)
指揮:マレク・ヤノフスキ
管弦楽:NHK交響楽団(ゲスト・コンサートマスター:ウォルフガング・ヘントリヒ)
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
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