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金澤威史さんマスタークラス 原宿カーサ・モーツァルト [その他]

 バイロイト音楽祭オーケストラの、唯一人の日本人メンバーである、Vn奏者金澤さんのマスタークラスを聴講した。金澤さんが演奏されるお姿は、何度も拝見しているが、Vnの音色を実際間近で聞くのは初めての事で、流石の美しさだった。金澤さんは早稲田大学卒業後にケルン音大に留学し、現在は、南オランダフィルハーモニーのコンサートマスターを務めている。そんな経歴から日本では殆ど知られておらず、このマスタークラスをどのように宣伝したのかは知らないのだが、自分が偶然知ったのは、他アマチュアオケFBに投稿があったとのことで、当団のオケ通信に投稿してくれたからだ。ものすごく驚いたが、当団では一切話題に上らず、実際聴講者は、10人程度だった。
 バイロイト仲間を3を人誘い、4人で聴講したが、他にバイロイト関係者は居なかった。受講生は、全員アマチュアで、始めの一人を除き、2組目、3組目ともに、講師の関係団体メンバーだった。時間は、1組1時間。
 一人目は、とても上手なVlaの方で、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏K423を弾かれた。指導内容は、音楽の方向性を考え、最低4小節単位で音楽を運ぶほうがよいと。そしてデタシェの弾き方は、弓と弦の接点の問題で、様々音楽が作れるので、右手だけで音楽や旋律をイメージして、遊ぶとよいと。
 私位の年齢になると、色々なマスタークラスを聴講しれおり、大体言われることは同じだ。唯、言い方は様々で、講師の言葉そのものを記憶しているわけではないが、指導はとても分かり易く、説得力がある。
 2組目は、Vn3人で、曲はモーツァルトのディヴェルティメント1番ニ長調、近々本番で演奏するためのレッスンだ。これは、演奏する音楽に相応しい弓の使い方の指導だった。確かに、アマチュアは音符を追う事が第一になってしまうことが多く、どんな音楽を表現したいのかが二の次になってしまうのは、つまらないと。
 3組目は芥川也寸志のトリプティーク、3楽章の弓を飛ばすコツを学びたいとのことだった。皆良く弾けているが、音楽の変化を楽しむ余裕がまだないようだと。3楽章の弓の飛ばしも、遊びのように、どう弾きたいか、やっているうちに、自然に慣れてくると言われた。
 金澤さんのご指導は、表現したい音や音楽に向かって遊び感覚で楽器を練習すれば、楽しいというような、日本人プロオケ奏者のお仕事感は微塵も感じられない、心底音楽好きな方の魅力的なお話しだった。
 海外で活躍するには、あのような、ひたむきな情熱と自然に湧き上がるエネルギーが必要なのかもしれないと思った。もっと多くの方に金澤さんの美しいVnを聴いてもらいたいし、日本のプロオケのゲストコンマスもやって頂きたいものだ。
 主催者は、海外で活躍する日本人を国内で紹介したいというような考えで、サロンを企画している。
https://freelance-farmer.jp/
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ワーグナー協会例会 2022年バイロイト音楽祭報告(リング新演出他) [その他]

 今年新演出のリングについて、東急文化村で営業企画の要職にあった長谷川修氏の解説があった。また今年バイロイトに行った会員からの報告もとても良かった。
 今年の演出家ヴァレンティン・シュヴァルツ氏は33歳。コロナ禍でなければ2020年に新演出が始まる予定だったため、通常5年続く演出は、2026年バイロイト音楽祭150周年記念時に新演出となる。
 シュヴァルツ氏自ら、Netflixリングと呼んでいるそうで、今回のリングは世界観ではなく、一族の連続ドラマの扱いとのこと。前提はヴォータンとアルべリヒが双子であることで、リングは子供、4作をつなぐのはハーゲン。ラインゴルトでアルべリヒの義理の子としてヴァルハラに連れていかれ、その後巨人族が略奪したリングとして、ジークフリートでは青年の黙約のハーゲンとしてファーフナーの側にいる。
 ジークリンデとジークムントが幼少期を回想する場面の家は、後のジークフリートとブリュンヒルデの住まいとなり、フンディングの家がミーメの家となり、ヴァルハラはファフナーの居る介護施設、グンターの屋敷になるなど、場面が引き継がれていく。ジークフリートの父はヴォータンだとドラマトゥルグから直接聞いたという会員の話もあり、これでかなり、内容がすっきりしてきた。
 ただし、実際の舞台では一度に細部まで見えないので、全作が映像化され、場面を静止画で見られるようになり、演出家の意図を理解できれば、観客からのブーイングは無くなるだろうと思う。舞台は毎年進化するので。とはいえ、場面ごとの音楽は舞台と対応していない。
 個人的には、現地でご時世だと感じたところは、ヴァルキューレ最後、ヴォータンはフリッカと離婚して、さすらい人になるところと、黄昏冒頭、ジークフリートがブリュンヒルデと既に不仲で旅立つのだろうかと思わせるところ、そして大切なグラーネを、大切な男性にしてしまったところだ。
 観客の何割が新演出の予習をして実演に臨んだか分からないが、音楽祭のHPのNEWSの項目に、堂々と4作品の演出解説が出ている。私同様、見終わってからこの解説を聞いて、溜飲を下げた人もいるのではないだろうか。
https://www.bayreuther-festspiele.de/festspiele/podcast/podcast-ring-des-nibelungen/

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ドイツの荷物到着 [その他]

 8/17にバイロイトで送った荷物が1か月経って、9/17やっと到着した。いつもなら5日から1週間ほどだが、諸事情で時間が掛かるようだ。書留で63.99オイロ、重量は7.5キロ、殆どがプログラムなどの紙類だが、今回ライプツィヒ、ベルリンなどあったため、増えてしまった。
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バイロイト郵便局にて
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羽田空港にて [その他]

 今回旅行で一番懸念されたのが、日本の水際対策だが、結局往路の羽田→フランクフルト→ミュンヘン、復路のニュルンベルク(バス)→ミュンヘンまでは検疫、いわゆるコロナチェックのようなものは一切無く、ワクチン接種証明やPCR検査の結果を求められることさえ全く無かった。
 前述のとおり、バイロイトではPCR検査受診とMySOSでの結果の承認にバタバタした訳だが、肝心な飛行機に乗る際チェックを受けることは無いので、(例え陽性だろうが、もっと言えば検査を受けていなくても)誰でも羽田までは来ることはできる。当初結果が無いと飛行機に乗れないと言う話だったが、チェック自体受けないのでそれは無く、考えてみれば全く変な話だ。
 ただ、羽田空港では結構時間を取られた。飛行機を降りて、通常の入国審査や乗継の方へは行かず、逆のL字になったターミナル建屋の一番突先の部分まで延々歩かされる。角角に係員が居て、お早うございますとか、お疲れ様ですなど声を掛けてくる。無人の動く歩道が何故か逆方向に動いているが、これは戻って来る時に使う訳だ。最後にかなり広いスペースが用意され、80くらい椅子と机があって、チェックの要員が1人ずつ座っている。学生風もいれば、英語その他の言語対応なのか外国人もいる。
 そこで初めてスマホでMySOSのアプリを開いてチェックを受けるのだが、バイトの学生?が、端末の画面と突き合わせるだけで、1分ほどで青い用紙(写真)を渡され、要所で提示してくれと言われるだけ。拍子抜けした。
 朝一番の飛行機(午前8時着)だったので、チェックの待ち時間は無かったが、混んでいる時間なら大変だったと思う。大変な労力と人件費を掛けて日本だけがやっている、本当に無駄なことだ。
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ワクチン接種3回目 [その他]

 2月2日に接種券が届き、すぐにサイトに接続すると、システムは全て新しくなっており、日時と市内の接種場所を、個人のクリニックも含め、全て自由に選べるようになっていた。書類に印刷されている開始日が2週間前倒しされおり、2月15日14時に滞りなくモデルナのブースター接種を受けることができた。
 選んだ場所は1、2回目と同じ大宮の桜木駐車場。仮設の建物はそのままだが、A、Bあった2会場は、一つだけ使用されていた。接種ブースは5つ。結構お年寄りが多く、タクシーで来ている車椅子の方もいた。建物内はどこも撮影禁止になっていた。
 3回目はモデルナで、交互接種となったためか、接種時、注射器を見せられ、量は半分ですと確認された。接種後、番号札を渡され、15分の健康観察が終わるとその番号が呼ばれ、係りの方が席まで来て、接種記録を渡してくれる。以前は、15分後にカウンターに並ぶ仕組みだったので、改善されていた。ワクチンパスポートはどうなるのかと聞くと、それはデジタル庁にきいてほしいといわれた。
 大宮でシャトルバスに乗ってから、会場で帰りのシャトルバスに乗るまでちょうど1時間だった。
 副作用としては、3時間後ぐらいから倦怠感が出て就寝時には関節痛、18時間後には発熱し、今回も38.2度まで上がった。ファイザーとモデルナの違いなのか、3回目だからなのかは不明だが、同じ38度の熱でも、2回目のファイザーの時とは体感が違った。前回ファイアザーで感じられた、苦しい熱の上昇や、ピークを越えた感覚は無く、今回は38度の割に息苦しさは無いが、体の痛みと頭痛があり、夜の外出予定を決行したものの、まさか12時間も「ねちねちと」発熱が続くとは思わなかった。接種前の問診時、発熱するかどうかは人によると言われていた。夜分帰宅後の熱は37度、翌朝は平熱、48時間後腕の痛み以外は平常に戻ったが、発熱後俄かに衰えた視力は、まだ復活しない。
 デジタル庁の接種証明アプリには、接種から二日後に反映された。と言っても再度マイナンバーカードやパスポートを読み込まねばならない。最初は途中で止まってしまい、デジタル庁のサイトには市町村により数日から数週間かかるとあるので、念のため市の接種証明の係に電話すると、再度紙で申請するのだと思うと言われた。アプリからマイナンバーカードをスキャンすることになっているので、正確なことを伺いたいというと、担当部署に回され、個別に調べてくれ、個人データは上がってきてると確かな対応だった。もう一か所問い合わせ先を紹介してくれたが、その後もう一度トライしたら、すんなり進み3回目の接種記録が反映された。受け入れる市側にも、何らかのひと手間があるのだろうか。
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上尾でワクチン実証試験体験 [その他]

 最近になってコロナ感染者が激減しているが、上尾でのワクチン実証試験(正式には、「ワクチン/検査パッケージ」技術実証と言うそうだ。)は実施するということなので、初日に行ってみた。
 18時過ぎに上尾駅の改札を出ると、早速幟を立てて参加受付をやっている。案内のお兄さんは大変親切だ。週明け月曜から埼玉県も規制が撤廃されるが、実証試験は続けるのか聞いてみると、データを取って今後に備えることは必要なので、予定通りのスケジュールで行なうとのこと。
 予防接種証明書(ワクチンパスポート)と身分証明書(免許証)を見せると、上尾の実証試験参加42店舗で提示する赤いカードを貰える。予約した店へ行くと個室を用意していてくれた。
 お店の方も、やっと普通に営業ができるということで、大変気合が入っていると言うか、店員さんも明るい雰囲気で生き生きとしており、いろいろサービスもして貰って、久しぶりにひと時楽しんだ。
 コロナ禍既に1年半、専門家と言われる方々(TVに出てくるお医者さん)は相変わらず飲食を避けろとしか言わず、感染者減の理由すら分析できないが、専門家を名乗るなら自分たちの利益だけを追求せず、いい加減に科学的な知見を結集して、何らか具体的な対応策を出して貰いたいものだ。(B)
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NHKも取材に来ている
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帰る頃には「出店」も撤収作業中
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近所の農園で 朝採りシャインマスカット [その他]

 近くの農園で、朝採りのシャインマスカットを、三度目でやっと購入できた。徒歩圏内に梨やブドウの農園があるのを知ったのは、昨年コロナ禍で暇にまかせて地元を散策した時だ。コロナ禍でも連日駐車場が満杯の河川敷ゴルフ場の前にこの農園があった。何十年も住んでいて、購入するのは初めて。畑の間の道が駐車場になっており、土日は混むらしい。
 8/31が発売初日。9:30の発売開始時間より30分前から並んでみたが、9時半前に農園の方が出てきて、前から順番に購入する房数を聞き、私のはるか前方で、今日販売できる数に達したと言われた。さらに、もし、まだ袋をはがしていないものが、販売できれば、あと数人くらいの分はあると。何せ初日なので、皆、どよめいた。ワクチン接種と同じだという声も聞こえた。その後、発送の人は受け付けますと言われた。
 私は物見気分だったので、行く途中、農家の軒先無人販売の、全て100円の台からナスを買い、帰り道、そういえばナシ園の看板があったなと思い、矢印に従って、農家の庭へ入っていった。農家は広いので、門の中まで車で乗り付けている男性が、残りすくない幸水を三つ買っていった。籠の中には殆ど見えないが、私もほぼ最後の二つを購入し、400円払った。
 ぶどう農園が、その日営業するかどうかは、当日朝、FBで発表される。雨で中止が4日つづき、9/5(日)やっと雨が上がり、FBに気づいてすぐ家を出たが、9時少し前にはもう長蛇の列、キャンプ用の大きな折り畳みイスに、どっかり座っているお父さんたちが、かなりいた。前に並んでいる人から聞こえた話では、早い人は8時から並ぶそうだ。
 今年の発送件数100件は、初日で受付が終わったと、翌日FBに載っていた。
 そして、三度目の挑戦は9/7(火)8:18に到着し、5番目だった。この日はチケットを買うときのように、小さな折り畳みイスに座り、幸い気候もよく、読書しながら畑の中で1時間待つのは、どうということは無かった。チケット以外、食べ物の為に並ぶのは、初めてかもしれない。気づけば、建物入り口にイスは二脚だけ用意されていた。
 9時10分くらいになると、前から順番に購入房数を聞かれる。シャインマスカットは一人4房までで、ほとんどの人が4房買うので、前から15番目くらいで終わりになり、また、袋をはがしてみて、、と説明していた。この日は落ち着いた通常の雰囲気をとりもどしたようで、毎日通りかかるらしいお爺さんが、今日は人が少ないなと言っていた。販売開始は早まり、9:20に来た人にはお帰り願っていた。
 販売所の中にはテーブルの上にブドウが並んでおり、入り口で試食でき、この甘さと比較して希望の味を選ぶことができる。中には二世代のご主人がいて、二人でいろいろ説明してくれる、大旦那さんの方は確かに白い袋をはがして、ぶどうをビニール袋に入れ替えていた。
 ここで教えてもらったのは、9月下旬になるとシャインマスカットがもっと甘くなること。今は糖度20くらい。並べてある中では色が白(黄色)ぽい方が甘い。黄緑色がシャインマスカットの色だと思っていたが、白っぽいと普通のマスカットに似ている。
 列に並んでいたとき、奥さんが大きなザルにシャインマスカットを入れて、これは売れないので、と二度くらい運び出していたが、なるほど、売り物になるのは美しいものだけなのだ。多分運び出した房の中で綺麗なものだけ粒でパックにして売るのだろう。赤いヌーベルローズ(1,000円)とここで栽培している青パパイヤ(500円)も売っていた。私の前の人が、4人目でもう2,500円のものは売り切れかと残念そうだった。なるほど、高い方から売れるのだ。前の人たちを観察していたところ、一房ずつのサービス箱と、有料の贈答用箱各種あるようだ。
 実はスーパーなどで、シャインマスカットを買ったことがないので、何も比較出来ないが、スーパーでは重さは表記されていないので、目で判断するしかない。
 採りたてのブドウと、サラダでしか味わったことのない青パパイヤを好きなだけ食べられて、贅沢三昧だ。
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お店の値段表写真拝借
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初日
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2回目
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3回目
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購入品
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新宿でPCR検査 [その他]

 8月31日昼休みに新宿西口地下道を歩いていたら、イベント広場の催事場(裏側)で無料PCR検査をやっている。ほとんど誰も並んでいないし、5~10分でできるならと試してみた。
 それでもスマホにアプリをUPして、何やら必要な個人情報を入力したりするのに意外に手間取る。粗末なパーティションにWebページからコピーしたようなA4の不親切なマニュアルが貼ってあるだけで、説明係のバイトの学生さん(?)も要領を得ず、ここで時間を取ってしまって結局30分ほど。
 以前GWの時大宮駅前で受けたPCR検査は、内閣官房と埼玉県の共催で、キットを家に持って帰って郵送するシステムだったが、今回は東京都主催で川崎重工のロボットを使った自動システムだそうで、その場で被験者自身で試料を摂取するやり方だった。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2021-05-04
 Webでの情報入力が終わると、選挙で良く見る敷居のあるブースみたいなものが20くらいあって、キッチンタイマーを渡されて、前に貼ってある梅干しとレモンの写真を見ながら3分綿棒を咥えていた。
 2~3日したらメールが来ますとのことだったが、ちょうど24時間後の1日の昼過ぎに陰性の結果到着。ごく簡単だった。
 相変わらずテレビで専門家の先生方は、都内は制御不能の感染状況だとか、実際の感染者は発表の何倍もいるとか根拠の無いホラーストーリーばかり吹聴するが、こういう検査はどんどんやって、結果を公表して科学的に分析して欲しいものだ。
 会社に戻って同僚に話したら、いつまでやっているのか聞かれ、そう言えば何も書いてなかったなと、コールセンターに電話してみたら、密を避けるため期間は言えない、一切広報もしていないとのこと。どうりで影の方でひっそり目立たないようにやっていて、空いているのに呼び込みひとりいなかった。何か変だ…。(B)
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covid19 ワクチン接種 二回目 接種証明(ワクチンパスポート)申し込み [その他]

 3週間経ち第二回目、朝9時から大宮の特設会場でファイザーのワクチン接種を受けた。前回より人は多かったが打ち手のボックスも全6室使用していたようで、9:19に接種を終えた。
 その場で体調に変化はなく、帰りがけに区役所にワクチン接種証明(ワクチンパスポート)の申請に行った。連れ合いは前日にモデルナを職域で受けていたので、ふたり分の接種証明交付申請 必要書類チェックリストに従い、用意した書類を提出した。区役所では、書類を受け付けるだけで、市のワクチン対策室に書類を渡すと言う。申請を受け付けた証明が何か欲しいと言うと、申請書をコピーし、受領印を押して返してくれた。あとは結果を待つばかり。
 さて副反応は、接種12時間後位から出てきた。体の節々が痛くなったが就寝し、翌朝5時頃から熱が出た。体の芯が熱く、赤外線体温計では平熱だが、デジタル体温計では38度まで上がった。薬を用意していなかったので、いよいよ近所の医者に電話しようかと思ったら、11時ごろ少し覚醒してきて、多分峠は越したと思い、ひと眠りし、午後3時頃からは、はっきり動けるようになり、夕食準備の頃は正常に戻って安心した。
 二日目の朝はもう平常で、節々の痛みは取れ、若干の腕の痛みも、一回目の時ほど気にならない。
 余談だが、2回目の接種は乱暴だった。2回とも女性だったが、2回目の人はまず、腕の皮を突き破るブチッという音が聞こえ、薬を注入する勢いがものすごく、その圧で体が右に傾いてしまった。これは痛かった。健康観察の間、じんじんと痺れた腕をさすっていた。
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幻のオリンピック観戦チケット [その他]

 7/10朝9:00きっかりにメールが届いた。前日、東京都の会場(一都三県)は無観客に決定という報道があったばかりで、随分手回しが良い。チケットは見ぬまま自動的に代金は払い戻しされるという。
 そもそも復興五輪と銘打ったオリンピックだったのに、週明けには、東京が緊急事態宣言下に入り、福島も無観客となった。観客から直接祝福を受けられない選手たちは、やはり孤独感があるのではないだろうか。海外では家族が同行できなので、五輪出場を辞退する人がいるとのこと、厳しい選択だ。
 当家は幸運にも、第一回目の抽選で、私の申し込み分の陸上競技が当選した。連れ合いが会社で、偉い人に、どうやって手に入れたのか聞かれたという笑い話も今は昔。平日の早朝で、一番安い席だが、とりあえず、あの新国立競技場に入れる!ということがとても楽しみだった。
 過去には2002年日韓サッカーワールドカップのチケットが、埼玉スタジアムオープン埼玉県民枠で当選し、2019年ラグビーワールドカップは連れ合いの会社のスポンサー枠で見ることができた。
 色々な立場はあるが、個人的には、ふたりとも7月中にワクチン接種2回を終える予定なのに、現地に行かれず、残念な思いは残る。世界を語る気は無いが、せめてオリパラ開催の間に東京の感染が縮小し、地方に飛び火しないようにと願っている。
更新後のTOKYO2020のHPより
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7/10のメール
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covid19 ワクチン接種 一回目 [その他]

 7/1にさいたま市からファイザーワクチン接種のクーポンが届いた。浦和と大宮の特設会場だけ、本来7/5からのはずが前倒しで7/2から予約受付開始となり、9時にアクセスして希望日時を申し込んだ。2回目は自動的に3週間後の同時刻の予約となるので、先の予定も確認しておかなければならない。
 朝一番の9時の枠を予約した。会場は大宮駅から徒歩10分程度、鉄道博物館方面で、駅からのシャトルバスも10分間隔で出る。市営桜木駐車場はとても広く、敷地の奥の方にプレハブがたくさん並んでいた。
 建物は予約時間ごとにA.B二つのブロックに分かれており、早めに来ても、前の予約時間の人と混ざることは無い。第一便のバスは大宮駅8時30分発で12人位しか乗っていなかったが、会場に着くと、すでに受付が始まっていた。待合室も何室かあり、受付後9時の開始時刻まで、10分少し座って待った。私の前には25人以上いたが、各ブースで順番に問診を受け、移動して9:15接種完了、別棟に移り、15分間9:30まで健康観察のため待機し、2回目の予約日の紙をもらって滞りなく終了。バスで駅まで戻った。
 会場係の方はたくさんいて、受診前の待合室では人が移動すると椅子をアルコール消毒していた。
 さいたま市は接種が遅れていたが、これで、連れ合いの、モデルナの職域接種とほぼ同時に、終了できることになる。モデルナは二回目接種まで、4週間間隔を空けるので。
 接種後の個人的症状については、接種後15分待機している間に、少し頭がふらついて、後ろに髪を引っ張られているような感じがした。おとなしく帰宅したが、接種2時間後、外出すると、どうも足に力がはいらず、足が前に出ない感じで、全身の筋肉が弛緩したような感じだった。そして接種した左手だけ温かく、いつもこわばっているのに、右手と違って、柔らかく動き、不思議だった。
 8時間後夕方5時になると、左手接種部位周辺が筋肉痛になってきた。日常生活に支障はないが、夜になると痛みは増し、触っても動かしても痛く、頭が触れない位で、チェロを弾く姿勢だと筋肉がねじれて相当痛いだろう。こういう筋肉痛は初めてだ。
 翌朝は平熱、筋肉痛は、朝から日常通り動いているうちに和らいで、接種25時間後には、前方向なら水平から45度位、左腕が上がるようになった。一日半たち、まだ痛い動作も、ゆっくり何回か繰り返すと、慣れて出来るようになっていく。触って痛いのは接種部だけとなり、あと一息だ。
 落ち着いてきたら、ある程度体を動かした方がよさそうだ。
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PCR検査体験 [その他]

 備忘のため書いておくと、初めてPCR検査というものを受けてしまった。
 東京で緊急事態宣言期間中に開催予定だったアマオケ本番が中止になり、連休中の練習もなく、つまらないGWの初日4/29、大宮での用事を終え、小雨が降る中、駅東口付近の繁華街の人出を何となく見に行った。
 すると東口のまさに飲み屋街(いわゆる南銀)入り口で、唾液PCR検査のモニター勧誘の人たちが、ほとんど無言で立っていた。献血のような呼び込みはなく、5~6人揃いのジャンバーを着て2,3mの距離をとり立っており、小声で勧誘しているのは一人だけ、持っている看板に気づかない限り、通り過ぎてしまう。連れ合いと二人でこちらから近づき、誰でも良いというのでモニターになることにした。
 テントに案内され、説明を受けた。手続きは全てiPhoneアプリで行う。QRコードを読み込み、まず埼玉県の唾液PCR検査の同意項目に応じ、次にPCR検査アプリを読み込み、個人情報入力、採取日を決め、その日に検体を発送する約束に同意し、検査キットを受け取った。翌日は越谷駅でやるとのこと。
 唾液採取当日一時間前からは、水とお茶しか口にしてはいけないとうので、朝一番の検体を送ることにした。とても簡単で今回はゆうパックの着払いの伝票付きで、郵便局へ持参するだけでよかった。
 すべて終えてからHELPOという検査アプリを検索してみると、無症状者を対象としたスクリーニング検査とオンライン診療の会社だった。
https://store.helpo.jp/
 結果が出るまで通常2日かかるが、場合によっては連休明けになるかもしれないことを了解済みということで受けたのだが、2日後の夜、ショートメールが届き、アプリで結果確認可能とのこと。二人それぞれ陰性という結果で安堵した。
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2021GWまた緊急事態宣言 [その他]

 コロナ変異ウィルスの脅威が拡大しており、4/25(日)~5/11東京、大阪他などに緊急事態宣言が出て、コンサートやテーマパーク、スポーツ、美術展博物館等の中止発表が相次いでいる。今日誘われていた三菱一号館美術館「コンスタブル展」も急遽中止(当面の間休館)になってしまった。あるアマチュアオーケストラでも、今日本番のはずが、ホール閉鎖の通知とともに、一昨日コンサートは中止になったそうだ。24日朝の時点では、区立のコンサートホールの閉鎖状況には差があり、公共施設は閉鎖してもホールは使用可というところもあったが、一日経ち、足並みを揃えて、自粛、もしくは無観客となっている感じだ。私も去年の秋から延期となっている公演を5/8に控えているが、どうなることか…
 楽しみにしていた鳥獣戯画展も5/9までの予約は払い戻し、その後の発売は見合わせ。空港の動く歩道のようなところに乗り、人との距離を取って鑑賞するという工夫も、報われなかった。新国立劇場はルチア楽日が中止、緊急事態宣言は5/11までだが、延長を見込んでか、当面閉館休館という表示があちこちに見られる。そんな中、「寄席は、社会生活の維持に必要なもの」と公言し、観客アリで引き続き開催されるとのこと。
 去年は、せっせとチケットぴあやホールにコンサートのキャンセルチケットを送り返し、年内にようやく全ての入金が終わったのだが、今回の鳥獣戯画展は、発券したコンビニですぐ返金されるとのこと。私としては驚きの速さで、この一年間で返金方法は進化したようだ。
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ドイツ大使館夏祭り [その他]

 ドイツ大使主催の日独協会の「夏祭り」が大使公邸で催された。昨年着任された大使が女性であり、どんな感じかと思い応募してみた。応募方法は結構面倒で、先ず申込書を申請し、フォーマットに従って必要事項をすべてドイツ語と日本語で記入し、3日以内に返信するという、私には敷居の高い、記念受験だった。
 招待者は大使館の基準に基づき選考される。今年はコロナ禍の中での開催ということで、招待者は例年の半数の50名になった。
 招待の連絡は、開催前一週間前位に届き、行ってみると、ガーデンパーティーだった。大使が入場され、皆と一通り挨拶が済むと、マイクの前で通訳付で、大使のご挨拶があり、ドイツと日本の友好の絆をさらに強めて欲しいということを強調された。
 参加人数は、スタッフ含めての50人、庭にドイツのビアガルテンにあるような長テーブルとベンチを並べ、3人ずつ離れて座り、大使館で作られたドイツ風お弁当が供された。
 大使はマスクはされず、さすがドイツ、皆さんもどうぞご自由にして下さいと言われても、参加者皆ウェルカムドリンクを手にし、少し戸惑ってしまった。
 大使は各テーブルを回り、座って皆と話された。ドイツとの関係について聞かれるのだが、皆さん全国の日独協会から来ており、若い方は、交換留学経験者など、ドイツで生活されていたり、ビジネスをされていたり、残りは私のようなドイツへの情熱を持つ人のようだった。
 日独の架け橋になって欲しいと強く期待されているのだと認識した、楽しい体験だった。
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緊急事態宣言2週間 [その他]

 今週から連れ合いが在宅勤務となり、実質自宅待機のようなもの。長期戦の構えで、二人別の部屋で過ごす時間を長くした。しかし、私の雑用は増える一方。一緒に散歩に行きたがり、外に出るのはマズイとは思うのだが、歩いてみて改めて、住まいの周囲がど田舎であると知った。荒川土手以外で人に出合うことは殆ど無いが、緑一杯の河川敷のゴルフ場は営業全開、打ちっぱなしや、釣りが好きな人には最高の季節、自主規制無し。国有地に迷い込み、黄色い菜の花が咲く新緑の草むらから土手に上がると、空は青く遠くには山並みを望み、ここまで徒歩30分圏内とは、今まで気付かなかった。
 飲食店のアルコール提供が18:50までとなり、所帯を持って初めて、夫の家呑み習慣が始まろうとしている。食後に通販で買ったSchlenkerla Rauch Weizen を一本位なら良いかなとも思うが、コロナ後は止めてもらいたい習慣の一つだ。私の世代だと、この自宅勤務体制は、老後生活前倒しのように感じる。
 一方で、ドイツのニュースは気になって毎日ネットで見ている。この5月下旬から6月初めにかけて行くはずだった主要都市のオペラ公演は中止が決まった。州により緩和政策が違うので、まだ中止の発表が無いコンサートもオペラもある。国内のチケット払い戻しは一段落し、これからドイツ各地の払い戻しをし、やがて6月新国立劇場のマイスタージンガーも結局中止になるのだろうか。
 ニューヨークで感染防止より経済活動の自由を求める人々の行動には胸が痛む。医療従事者への敬意と感謝の気持ちを抱きつつも、行動制限により飢え死にするかもしれない恐怖がそこまで来ているのだ。ドイツでも州によっては、経済活動再開に踏み切る勢いも異なる。日本も同じこと。一時閉店した店がすべて再開できるわけではないだろう。長い歴史の中で、飢饉も感染症も乗り越えてきたとはいえ、この半世紀あり得なかった事態に適応することが、やはりどこかで現実離れしている感が拭えない。
 生活の不便さにはふと昭和の頃を思い出す。日々コロナの悲しい事件が起こるが、2020年に生きあわせた一人として、命を大事にしたいと思う。
 ミュンヘン在住の友人情報によると、Oktoberfestは中止になったけれど、最近暖かくなってきて、晴れた日には街中は本当に人だらけで、アイスを食べながら散歩したり、大笑いしたり、警察が来るまで路上でサッカーをやり出したり、大分緩んできているようだ。日本もGWは大丈夫なのだろうか?
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2020年復活祭 [その他]

 Covid19の勢いが収まらない状況下で復活祭を迎えるキリスト教世界の人は、どんな気持ちなのだろう。毎日ネットでARDやZDFのニュースを見ているが、春を祝い心弾む最高の時期に、外出禁止、祖父母の家ででのお祝いも、ミサもすべて中止、旅行もキャンセル、それぞれの人が我慢と工夫でこの1週間を過ごすことになる。バイクに乗って村をまわり、ホルンを吹いて到着を知らせ、道端で復活祭の説教を行う牧師さんのニュース映像も見た。音楽家のネット配信も早かった。行動力のある皆さんを尊敬する。
 神にひたすら祈る、ローマ法王の疲弊したお姿に心が痛むが、コロナは宗教を問わず人類平等に訪れた試練なのだ。ローマ、バチカン、フィレンツェ、ベルリン、ニュルンベルク、NYなど、実際自分が行ったことが場所が閑散としている映像には目を疑うが、実際に旅はできずとも、現時点の世界をとても身近に感じせてくれる。日本では見ない、コロナ犠牲者の映像もありのままに出てくる。日本でも海外のニュースをもっと流して好いのではないかと思う。
 ドイツでのオペラ公演、コンサートは、4/19まで全て休止だが、既にイタリアは期日を延長している。そんな中で、ついにKarfreitagとなり、ネット配信を観ずにはいられなかった。今まで、自宅でWagner をYouTubeで見るのは新演出の予習が必要な時だけで、日常見る習慣は無い。しかし、公然と”家でオペラを観よう!”と劇場の誘いに、つい見始めるとコロナの感染を忘れ、気を紛らわすことができる。
 聖金曜日には、連れ合いも在宅勤務となり、私はおとなしく朝から、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、夜はベルリン国立歌劇場の公演、それぞれ1幕だけだが、見てしまった。
 どうもウィーンは指揮者、配役の違うパルジファルを今後も何種類か配信するようだ。凄い。私が観たのは、2015.4.5 Adam Fischer /Michael Volle, Ryan Speedo Green, Stephan Milling, Johan Botha,Boaz Daniel, Angela Denoke この演出はずっと前ティーレマンの指揮で聴いていた。
 バイエルンKirill Petrenko /Jonas Kaufmann (Tenor), Christian Gerhaher (Bariton), Bálint Szabó (Bass), René Pape (Bass), Wolfgang Koch (Bariton), Nina Stemme (Sopran)Anfortas Christian GerhaKaufmann,
 ベルリン国立歌劇場 Daniel Barenboim/Parsifal, 2015 Gurnemanz - René Pape Amfortas - Wolfgang Koch Parsifal - Andreas Schager Kundry - Anja Kampe
 バイエルのペトレンコは2018年の映像で、当時生で聴く機会が無く、YouTubeに上がった時には、小さいiPadで見た。今は60インチのテレビで見られて有難い。
 私の好みは断トツにペトレンコ。人の心の細部に入り込み、心の動揺を誘う。歌や言葉より先に音楽が人の心に入り込み、取りつき、秒刻みで音を膨らませ心を揺さぶる。どうして、こんなことができるのだろう。
 バレンボイムは控えめで美しい。後から言葉を補って音楽が付いてくる感じで、余韻が何ともいえず心を満たしてくれる。
 アダム・フィッシャーは現実的で、今が一番楽しく美しい、まとまった音楽は、安心感を与えてくれる。
 ペトレンコのパルジファルはかなり長くYouTubeに出ていたので、色々な劇場のパルジファルをつまみ食いした音、結局お口なおしで聴きたくななり、途切れ途切れで聴いても、やはり別格だと思う。そういえば、ティーレマンのパルジファルは最近聞いていない。
 こうなると、日本は舞台芸術のネット配信は少ないので、ドイツの友人に、歌舞伎座・義経千本桜の期間限定のYouTubeを紹介した。https://www.youtube.com/watch?v=az2wWl4AY9U
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4月を迎えて [その他]

 1アマオケ奏者としての音楽生活は、昨年12月の第9、2月初めのショスタコ10番の本番で休止となった。2月当時でもクルーズ船問題は既に発生していたが、まだ遥か他人事でしかなく、3月8日自分の所属オケの定演が中止となった当日は、のんびり琵琶湖リングのネット中継を観ていた。しかし、あれよあれよと言う間に新国立劇場、東京の春など期待していた公演が次々中止、ついに3月末、今年の夏のバイロイト音楽祭も中止の発表があった。バイロイトは10年目にして、初めて一般申し込みで当選し、新Ringを含め全演目チケットを入手出来ていた。チケットは来年まで持ち越しできるが、Ringの新演出は2022年まで延期となってしまい力が抜ける。
 3月半ば、ヨーロッパにもコロナウィルスが広がり、ドイツの各劇場、ベルリンフィルなど公演中止となり、すぐに無料ネット配信が始まり驚いた。バレンボイムの決断は早かったと思う。昨年のベルリンシュターツオパーのトリスタンをすぐさま配信してくれて慰められ、復活祭休暇後4/19まで、各劇場の配信を色々見られると、当初は少し嬉しかった。しかし、待ち遠しかった4/2のウィーンの影の無い女を見終えた今、もう十分、早く現実にもどりたい。
 今年は寒暖を繰り返し、突然桜が咲いてしまったようで現実感が無く、ちゃんと珈琲の香はするが、春の気配も香も感じなかった。何年か続けて、復活祭毎にドイツに出かけていた時期があり、日本の桜を見られない寂しさは知っている。それでも今年は桜に喜びを感じなかった。
 Oberammergauの受難劇も、バイロイトのRingと同じく2年延期になっていた。17世紀ペストの流行時、村に死者が出なかった感謝の意から始めたそうだが、2年後の再開はコロナウィルス終息の感謝の意を捧げる、原点回帰となるのだろう。
 10年前の夏、初めてバイロイトに立ち寄り、宿もないのにチケットをゲットしてしまったり、土砂降りの中オーバーアマガウの受難劇を見るために当日券に並んだり、ARD国際コンクールを聴いたりと、良くも悪くも、ひとりで結構な冒険をした。あのコンクールで一位になったチェリストに、今岡本侑也さんが師事しているのも感慨深い。10年ひと昔、次の10年はどんな ”まさか” が待っているのか分からないが、まず今を乗り切らねばならない。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-09-02
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「愛の死」への道行き《トリスタンとイゾルデ》試し読み [その他]

 ワーグナー協会例会で、池上純一郎先生のトリスタンとイゾルデの講演があった。前回先生のトリスタンの話を聞いたのは、4年以上前のようで、その時も感じたことだが、凡人はテクストを読み、不思議だと疑問を持っても、つい読み流して、いつしかそういうものだと受け入れてしまう箇所を、徹底的に追究するのが学者先生なのだ。
 トリスタンとイゾルデは”Handlung"であり、”Musikdrama"楽劇でも、Parsifalの”Bühnenweihfestspiel ”舞台神聖祝祭劇でもない。Handlung とは何か、日本語では「行為」「筋立て」と訳され、ここでは愛の死へ(心中、情死)向かうプロセスであり、「道行き」と捉える。
 一幕には、二人がお互いの愛を自覚するというドラマがあるが、薬を飲んで2幕以降は、二人の対話はなく、各々のモノローグだけで、これが、2幕が退屈だと言われる要因と想像される。行為というものがあるとすれば、トリスタンの自殺行為だけだ。また二人とも外界への反応は無く、マルケの長い独白や問いにもトリスタンは答えず、イゾルデに対し、自分についてくるかと問うあたりは、異次元の二人を感じるところだ。3幕に入っても、トリスタンはクルヴェナールの声に反応することなく、モノローグが続く。愛の死は、イゾルデの最後のモノローグである。
 近松の心中天網島の「道行き」も確かに異次元空間に身を置いてのモノローグ。
 説明しがたい、トリスタンとイゾルデがいる時空と、場面の現実世界が共存している、難しいテクストを、道行という概念で読み解く鍵が、奥深い講義の中で伝授された。
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日独協会-クリスマスの集い [その他]

 去年に続き、二年目の参加。今年は場所がホテルニューオータニにになり、雰囲気がとても良かった。今年はドイツ大使は出席されず、日独協会会長の挨拶の次に、大使館の首席公使が日本語でご挨拶された。続いて協会の副会長が乾杯のご発声。それ以降は会食、懇談とミニコンサート。
 今回私が楽しみにしていたのは、「ミニケストラ」。ポップカルチャーの世界、アニメやゲームの音楽を生演奏し、メンバーは一定ではないのかもしれないが、Vn・Fl・Vc・ Cb・Pfの5人の素晴らしいプロフェッショナルな演奏を楽しませて頂いた。演奏会ではなく、パーティーのバックグラウンド音楽としてはとても贅沢で、これだけでも、出席してよかった。
 昨年の場所は広すぎて、交流する雰囲気に乏しかったが、さすが、ホテルのパーティー会場、皆さんと話しやすく、顔見知りも増えた。
 お料理はちょっと不足気味だった感じもするが、飲み物は豊富だった。恒例の福引で、今年もSteiffの熊さんが登場、今年流行のシロクマ。みんなのドイツ愛を試すクイズも楽しかった。問題もさすが、ユニークだ。笑ってしまったのは、ドイツ人がクリスマスイヴに食べる料理で一番多いのは何か?答えは、結局ソーセージとのこと。
 帰りの出口で皆にスポンサーのお土産と、くじ引きで、ちょっとしたプレゼントが当たる。私はやはりルフトハンザに縁があるのか、LHグッズが当たった。景品にはドイツワインも並んでいた。
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シンポジウム「バイロイトに未来は、有りや、無しや?」 [その他]

 日本ワーグナー協会の第400回記念の例会ということで、標記テーマのシンポジウムが行われた。会員以外にも興味がある内容なので、100名を越える参加者があり、立ち見も出た。
 最近の運営データや、運営史の資料が配布され、祝祭の独自性について、考えさせられた。一時ナチズムのプロパガンダになった祝祭を、戦後、公的助成を受けて、ゼロから立て直したヴィーラントの舞台や、ヴォルフガングが招聘した演出家たちが前衛的であったのは、過去を打ち消し、ワーグナーの意志を守り、時代を先んじる祝祭を運営しようとする姿だった。現在のカテリーナが導入したチケットのインターネット販売、子供向けワーグナーオペラ、有名指揮者、演出家の採用等は、定款にある、作品についての理解を広め、客層を開拓するための試みという一面はある。
 個人的には、あの祝祭劇場の音がある限り、例え様式は変わっても、祝祭は存続する気がするが、未来の継承者は、時代を超えて、作品の中に新しさを見出すことを続けられるだろうか。余計なお世話だが。
 北川先生の力強いお話から、生涯バイロイトに関わるだろう当事者としての情熱と覚悟が伺え感動した。読み替え演出から、観客に考えさせる演出の時代になり、次にどんな時代が到来するのだろう。もう少し聞いてみたい。

司会進行 : 池上純一(埼玉大学名誉教授)
パネリスト: 北川千香子(慶應義塾大学准教授/演劇学)東条碩夫(音楽評論家)岡田安樹浩(国立音楽大学ほか講師/音楽学)
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演劇についての新たな考察 – ペーター・コンヴィチュニーを迎えて [その他]

 コンヴィチュニー氏を見て最初に感じたのは、懐かしさだった。氏は痩せて歳も取って、誰にも時が過ぎたと実感する。このブログで数えてみたら2005〜12年まで氏の舞台を10作品は見た。それ以前にも見ているし、複数回見たものもあるが、随分前の気がする。当時、人の普通の感情を音楽に合わせて、表現できる舞台が凄いと思った。この日、解説のあった、ドン・カルロの「エボリの夢」は、もう一度見たい。あれほど音楽が場面にピッタリマッチした舞台は、傑作だ。笑い転げた。氏はプログラムに演出コンセプトを小難しく書いていたが、この会場では、とても平易な言葉で卒直に話された。そもそも、inszenieren(演出)とは、音楽をSzene にin(入込む)する事だと。そう言われ、はたと、魔笛のある場面の演出意図に思い当たる節があった。当時は疑問に思ったことだ。勿論意図が分かっても、全てに賛同する訳ではないが。
 コンヴィチュニーが、人の気持ちを揺さぶり、観客を啓蒙しようとするのは、現代演出とは違う。本来音楽は場面やその場の心情を表現しているはずだが、それを眼前に見せることは難しい。コンヴィチュニーは、個々の作品のスコアも、広く音楽が物事、心情を描写する本質的機能についても熟知しているから、まるで魔法がかかったように、音楽と場面が相互にマッチしてしまうのだろう。
 もう一つ、気づかされたことは、原作の結末を変えてしまう理由だ。例えば、今回二期会の「魔弾の射手」はもう20年近くまえの演出を、少し日本風にアレンジしたそうだ。氏曰く、この作品の舞台で、よく、ザミエルの悪魔がおとぎ話のように扱われるのは、最後唐突に隠者を登場させ、話をまとめるところに理由があると。作品成立の時代背景から、原作通りでは、検閲に通らないからの妥協策とのこと。だから、自分は、ザミエルを本来社会に存在する、悪魔的なものとして正しく扱い、結末と変えたと。結末を変えたり、作品中には居ない役作ったりする演出は、例えば原作に政治的制限があったと感じたり、時代の変化の中で、違和感を感じ、現代の一般大衆の感情や価値観に適合させようと、演出家が、独自性を加味するという意味で、ポジティブなことなのか。作曲家は音楽に妥協は無くとも、台本は手加減したかもしれないことは、なるほど想像できる。
 観客も演出家も、十人十色。相性の良い演出家に出会いたいものだ。
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ザムエル役、宝塚、大和 悠河さんと
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文化の日ー東京巡り [その他]

 快晴の文化の日午前中、神楽坂を散策、まずJR飯田橋駅が変わりつつあるのに驚いた。名物ホームに続くだらだら斜面が失くなっていた。まだ工事中だが、最終的にどうなるのだろうか。
 昼食を摂ってから通りに出ると、消防署のブラスバンドが行進中だった。さすが上手で、爽やかな気分になった。
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 飯田橋から南北線で溜池山王まで移動。骨髄バンクを支援する東京の会の、25年続いているチャリティーコンサートで、ピアノトリオを聞いた。ザルツブルクのモーツァルテウムの放射性物質を含んだ建材が原因で、先生方が癌を発症したという話は聞いたことがあったが、まさにその当時、仲間を失った方がコンサートを続けているのだ。ドナーの善意を受けた患者さん、ドナーとして骨髄を提供した方のシンポジウムもあり、生の体験談を聞き感動した。個人的に私も30年前、友人を白血病で亡くしている。突然発症する白血病も、型の合うドナーが見つかれば、新しい血液をつくることができる。素晴らしいことだ。
 会場は昭和の香りのする古い会議場のようなところで、演奏者には少し気の毒だった。
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 恒例、弦楽器フェア、行くと必ず友達に会える。今年は、友人のコントラバス演奏を聴くつもりが、間に合わなかった。初めてみたチェロの弦、セットで6千円と、とても安いので、購入してみた。ドイツ・ミュンヘン製で、主にマンドリンやギターの弦を作っている会社だそうだ。
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 ドイツフェスティバル2017、初めて行ったが、広々した青山公園で、お天気もよく、弦楽器フェアから流れてきた友人に出会い、気づけば、9時を回っていた。
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日本ワーグナー協会 バイロイト報告 マイスタージンガー [その他]

 ワーグナー協会のバイロイト報告会、今年は、既にNHKBSで放映された、新演出のニュルンベルクのマイスタージンガーについて、説明された。
 演出家バリー・コスキーは、オーストラリア生まれの50歳、祖父母の代に移民してきたユダヤ人。ヴァーグナーの反ユダヤ思想が顕著に現れているマイスタージンガーの演出をカタリーナから依頼され、半年考えさせて欲しいと言ったそうだ。コスキーは、ミュージカルとオペラを区別していないとのこと。(私個人的にも第一印象は、ミュージカルのようだということだった。)
 前奏曲と同時に舞台が始まり、場面はヴァン・フリート、そこにリスト→ポークナー、コジマ→エーファ、ヴァーグナー→ハンス・ザックス、ヘルマン・レヴィ→ベックメッサーが登場する。そして、劇中の→の人物になる。ベックメッサーは、初めから、差別的に扱われる。
 一幕終わりで、証言台や、連合軍4カ国の国旗が舞台に登場し、ニュルンベルク裁判の法廷への伏線が見られる。二幕の舞台は法廷の壁に囲まれた芝生、最初寝転んでいるのは、ヴァーグナーとコジマであり、すぐにザックスとエーファに移っていく。最後乱闘の場面で、ベックメッサーはやっつけられ、ユダヤ人を誇張したワシ鼻の模写絵のような面を被され、隣で膨らむ、面と同じ顔の風船の頭にユダヤの星が大きく描かれ、観客に見せつける。夜警は姿を現わさないが、直後に、アメリカのMP(憲兵)の白いヘルメット姿の黙役が立つ。
 3幕はニュルンベルク裁判の法廷のセット、その中で、作品の筋書き通りの劇が演じられる。5場(NHKでは2場)ではコアが大活躍し、舞台を駆け回る。最後までベックメッサーは差別され、ひどい歌を歌い、摘み出された後、二度と舞台に戻らず、追放されたという扱いだ。ザックスの大演説の後、舞台上にオケ(の演技)が残り、後ろへ下がってフェードアウトする。ザックスの芸術についての訴えの後、音楽が残り、その判断は、聴衆に委ねる、と解釈できるかもしれない。
 ベックメッサーは、どんなプロダクションでも、大概一番人気となるものだ。コスキーはヴァーグナーに批判的であったはずだが、結果として演劇的に面白すぎるベックメッサーを描いてしまった。
 全幕とも始まりに、字幕が出て、1幕は、場面説明、2幕はコジマの日記からだが、3幕のシュレーゲ・ナハトムジークというのが、シュレーゲ・ムジークという、双発の戦闘機で、英国軍機を斜め下から攻撃する作戦のことを言っているようだが、劇中の場面とは関係なさそうだ。また、時計がぐるぐる反対回りすることなど、まだあちこちに、疑問点は残る。
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アンドレアス・シャーガ―氏に訊く [その他]

 東京春音楽祭のジークフリート役で来日中のAndreas Schager氏へのインタヴューがあった。
http://ebravo.jp/harusai/archives/1721など、東京春音楽祭HPに掲載されている通り、歌手になったいきさつや、ベルリンのシラー劇場での代役の逸話を語ってくれた。
 頭で考えず、音楽から生まれる感情に身を任して歌うという、自然体の歌手のようだ。10年オペレッタを歌ってきているので、ジークフリートは、ジプシー男爵2回分の長さで、1日2公演こなしていたから、体力は大丈夫と判断したそうだ。実際ジークフリート1幕を代役で歌った日は、午後黄昏のリハーサルがあり、丁度終わった16時からジークフリート、夜はベルリンフィルでラトルの魔笛があり、十分ウォーミングアップできたと、笑って話せるほど強靭な体力の持ち主のようだ。
 自分は農家出身なので、ジークフリートの環境と似ているとか、オペラを見たことない村の人たち招待し、音楽に身を任せ、5時間座っていれば大丈夫と話したなど、気負わず、ユーモアがあり、カッコつけないところが好感を持てる。
 YouTubeで聞く彼の声は、太くビリビリと振動し、際限なく、歌え続けられそうに頼もしい。私には、初めて生で接するヘルデンテノールとなりそうだ。
 今年のバイロイトにオランダ人のエリックでデビュー、来年からはフォークトのパルジファルを引き継ぐが、噂では今後10年の出演オファーがあるとのこと、バイロイトでのジークフリートデビューも近いかもしれない。
 ヤノフスキに関する質問は出なかった。
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パーヴォ・ヤルヴィ~指揮公開マスタークラス [その他]

 東京音大でパーヴォ・ヤルヴィーの指揮公開マスタークラスがあり、各音大から5人の学生が、ジュピターから一つ楽章を選んで指導を受けた。指揮のレッスンを見るのは初めてだ。個人的には、ヤルヴィーの躍動感があって簡潔な音楽作りは好きで、あくまで、自分は指揮してもらう側、客席で指揮者の姿を観賞する側の人間として聴講させてもらった。
 ヤルヴィーのスタイルは、身体に縦の軸をつくり、背筋を伸ばし、膝を曲げたり、爪先立ちしたりしない。5人全員が拍を打ちすぎると注意された。マエストロは、ダウンビートのみで、打点を示し、後は音楽的に必要なパートへの指示を送るだけ。オケに必要な情報を簡潔に伝えることが大事で、指揮者があまり動き過ぎると、奏者は注意を向けてくれないと。また、呼吸で誘い、アウフタクトをインテンポで振ることは、全員が難儀していた。降り始めは、タクトを低い位置から上へ上げたほうが、オケも呼吸についていきやすいと。また、よく見かける指揮者のスタイルだと私は感じるが、頭が少し前へ出て、左手の掌が見え、タクトと平行に制止するような格好で、オケに注視するよう促すのではなく、アイコンタクトで注目してもらうのが好ましいと。オケ奏者の立場で思いだすのは、大昔、アウフタクトで呼吸してくれない音大生指揮者が来て、出られなかった経験がある。指揮者が自分の顔の前で振り続ける姿には今もよく出合う。
 左右の手の使い方も難しい。右手で拍、左手で長いフレーズやレガートを表現する。音符に価値を持たせ、音のキャラクターを振り方で表現するのが指揮者の仕事だと。
 指揮者が、パートに合図を出すのは普通のことだが、ヤルヴィーは、そのタイミングが絶妙だと思った。これは、経験的に思うことだが、奏者が次を意識する直前のタイミングで指示が出ないと、手遅れとなり、形だけの指揮パフォーマンスとなる。
 モーツァルトは、全てがオペラだというのも、なるほどと思った。音のキャラクターは歌であり、繰り返される旋律には変化をつける。2楽章はアリアであり、長いフレーズを歌うので、拍を刻む必要はない。

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《ジークフリート》を読む-lachender Tod の意味 [その他]

 池上純一先生のジークフリートテクスト解釈の講座があった。主題は、幕切れのlachender Tod の意味を解きほぐすこと。
 3幕、ヴォータンはエルダを目覚めさせ、自分の望みを語る。神々の黄昏についてはラインの黄金で既にエルダが予言しており、ヴォータンも覚悟しているが、エルダの知恵を受け継いだブリュンヒルデが、ジークフリートとともに、この世(世界)に救いをもたらすことを望んでいる。
 ブリュンヒルデがジークフリートを受け入れるまでの、覚醒しない現実でない想念を語るのは、エルダとヴォータンの話が聞こえていたかもしれないと、先生は解読される。テクストの最後 ; をはさんで、ブリュンヒルデが、輝く愛、笑いかける死であると読むとのこと。最後二人のLeuchtende Liebe, lachender Todは、彼らの叫びであり、死んでも愛を遂げるという意味でなく、愛へ突き進む二人に、死(世界)が口をあけて笑いかけているいうなニュアンスではないかというお話だった。
 エルダの始原の知恵が、ブリュンヒルデに引き継がれ、世界に救いをもたらすというヴィジョンが記されていた。いつもながら、先生のお話は奥深く、興味をそそられた。(G)
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初演150年『トリスタンとイゾルデ』講座Liebestod [その他]

 トリスタンとイゾルデに限らず、ワーグナー作品の第一印象の段階で、場面の音楽や台詞が、直感的に何か矛盾しているような、よく分からないと疑問に感じたことは、これまで何度かあった。でもいつの間にか、そういうものだと受け入れてしまったように思う。特にトリスタンは、深入りせずに来たため、今年になって、いろいろ学んだことがある。
 ワーグナー協会での、池上純一先生(埼玉大学名誉教授) のご講義は、毎回感動的で、興奮してしまう。今日のテーマはLiebestodのsの意味の分析。個人的には、初めてLiebestodという言葉を聞いたとき、なんて悲しく美しく怖い言葉だろうと思った。そして、いつしか現世で成就しない愛=死を意味することだと一応受け入れてきた。初めて台本を読んだ時、一幕は強い愛を感じたが、2幕になると意味不明で、文の構成が解読できず、その単語が主語か目的語なのかわからず、翻訳について行けなかった。これもいつしか諦めるようになった。少なくともこの二点について、今日先生のお話を聴いて、納得できた。
 まず、二幕が分かりにくい理由は、台詞が「思想詩」であるからとのこと。出てくる夜の概念はニーチェと共通する。日本語でも詩は、読む人によっていろいろな解釈があることには馴染んでいるが、外国語の翻訳だと、どうしても意味をはっきりさせたくなるので、言葉を補わねばならず、曖昧のままの翻訳は難しいと、先生は仰る。母国語であれば、文法的に説明できずとも、何となく分かるものだ。またドイツ語特有の動詞と連動したsich3格の使い方があるが、それとは違うワーグナーの使い方に注目し、心の内を探る試みは、興味深い。また、dirは自分とあなたがいっしょであることを強調しているというのも、なるほどと思った。他に、言葉の放り出しや、造語、意外な連想を導く言葉など、幾つもの特徴を紹介して下さった。

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Patric Seibert 氏カストルフ演出についてのインタビュー(ワニの話) [その他]

 カストルフのリングに、あちこち登場する、演出助手の、Seibert氏は、とてもオープンなお人柄のようで、初め参加者が日本人とドイツ人が4人ずつだったので、英語で話を進めてくれた。
 カストルフは、話の本筋に、色々面白い話題ををモザイクのようにはめこみ、横道にそれながら、舞台を進行させる。そういう面白そうな話題をSeibert氏がリストアップし、Castrof が採用する内容を決めるそうだ。
 リングは石油をテーマにしており、今日人類に必要不可欠な石油の歴史をだどると、各時代の役割が明らかになる。ラインゴルトのガソリンスタンドは、当時の軽薄無知な自由を謳歌する象徴だと。ヴァルキューレでは、石油は天然の生産物(資源)であり、バクー油田は、労働者の歴史を物語る。スターリンが若い労働者を雇い、ダイナマイトの大爆発事故があったり、大きなストライキも起きた。ヒットラーもバクーが欲しかったそうだ。
 カラシニコフについては、20世紀最高の武器で、水に浸しても壊れない、完璧な武器であり、ノートゥングに匹敵するということだ。
 ジークフリートでは、色々な階層の人間が登場する。作品にはないが、Siebert は虐げられた人の役、ミーメは、読書したり、ネットで調べたり、情報収集に励むが、結局ノートゥングを鍛える術が見つからない。ラシュモア山には、政治を武器として歴史を変えていく指導者たちの顔が並んだ。18世紀にオイル相場も関係し、ドルが下がった時代背景がある。
 一つ、まさかのワニの話題が出た。幕切れを飾るワニの一家、一幕のアレキサンダープラッツにも、ちらっと姿をあらわす。何故ワニなのかという理由、一つはドストエフスキーにワニという題名の小説、人がワニに飲み込まれる話がある。もう一つは、第二次大戦の爆撃で破壊されたベルリン、街や地下壕の実話。動物園から逃げ出したワニが、地下で生きのび、本当にアレキサンダーブラッツに現れ、とても危険だったとのこと。カストルフは、ベルリンで他でも演出にワニを用いているそうだ。
 個人的には、ベルリンの地下ツアーに参加したことがあるが、あの広い空間で、水道管が爆発したりすれば、水も十分あり、動物が生き延びることもあるのかなあと、とても驚いた。
 黄昏では、汚れた世界に焦点が当たる。東ベルリンの安いプラスチック製品の銘柄は、ドイツ人なら皆知っているそうだ。また、ハーゲン役が韓国人だったのが、特別な魅力があってよかったと。シェークスピアにもあるような、権力があっても王になれないアジアの王様みたいなキャラクターを想定した演出効果があったようだ。 フォスターは今年三年目で、とっても自由にブリュンヒルデを演じていると、やはり言っていた。
 来年は、今のところ28人位の歌手が交代する予定で、また人間関係づくりを一から始めることになると。
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友の会総会とトリスタン(プレミエ)の記事 [その他]

 友の会総会に、ティーレマンとカテリーナは意気揚々と登場して、トリスタンについて話した。
 プレミエのカーテンコールで、カテリーナは受け入れられ、一方ティーレマンは初めてブーイングを受けたようだが、これは、エヴァに対する、"Huegel-verbot"(祝祭劇場に立ち入り禁止)の噂の責任を課せられたということらしい。開幕前のティーレマンのインタヴュー記事でも読んだが、とにかく音楽を邪魔せず、最高の効果を得るため、舞台上で、いつ誰がどこで歌うか、カテリーナと舞台芸術家(Handwerker)と一年以上綿密に打ち合わせしたことを、強調していた。三幕で、メロートとクルヴェナルが舞台左端に引っ込み聞こえず、見えないという苦情に対しては、舞台技術の都合だと答えていた。
 エヴァの"Huegel-verbot"について、友の会幹部の発言が関わっているという記事が新聞に載ったとのことで、かなり追及を受けていた。エヴァは、Berater(相談役)になり、ポジションとしては、ティーレマンと交代したことになる。
 一方プレミエに関する記事は、27日(月)に新聞に載った。私はまだ、舞台を見ていないが、公演自体はネットラジオで聞いていた。ティーレマンの音楽は、完璧への挑戦、過去から未来全てのトリスタン演奏全てに対する挑戦状のような、卓越した自己表現だった気がする。2003年ウィーン以降ティーレマンはトリスタンを指揮していない。バイロイトのオケはマエストロの音楽に傾倒しているだろうし、ここで最高の演奏をしたかったのだろうと、勝手に想像しながら、単にiPhonできいただけなのに、これは凄いと感じた。
 新聞によると、カーテンコールで、カテリーナは単独では出て来ず、他の舞台技術スタッフと一緒に現れた。マイスタージンガーの奇抜な演出が記憶に新しいので、聴衆からは何を言われれても、覚悟の上のプレミエだったが、誰もが意外に感じたようだ。
 一つ特徴的なのは、マルケ王がいい人ではなく、かなり強い性格として登場し、トリスタンを責めたり、最後トリスタンを残してイゾルデを連れて行ってしまうらしく、冷たい人間関係になっているようだ。個人的には、先月のベルリンシュターツオパーのアリアドネを思い出した。ちょっと安易に思えるオリジナルの人物像を、そんなのあり得ないでしょと、現代の普通の感覚に置き換えてしまう。マルケ王のような、そんないい人、今時なかなか居ないだろうというところを、えぐり出してしまった感じがした。
 アメリカ人シュテファン・グールドは、かなり頑張ったようだ。3幕途中で、生き返ったという記述もあった。ヘルリツィウスは、会場では相当な金切り声だったようだ。放送ではちょうど良くミックスされているので分からなかったが、やはり、ラジオはラジオということだ。
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トリスタンとイゾルデにおけるエニグマ [その他]

 慶應義塾大学名誉教授三宅幸夫先生の、音楽学の立場からの、トリスタンにおける謎めいたものについてのお話を聞いた。個人的には、危険な香りのするトリスタン..という作品にはあまり深入りせず、心酔しないよう心がけてきた。トリスタン..には「陶酔」という言葉が似合う。自分を見失うことが怖い。しかし年内に、当事者として「前奏曲と愛の死」を演奏することになり、たがが外れた。トリスタン和音の中に入り、謎めいたものを堪能しても良いと覚悟した。
 三宅先生は、パルジファルのときのように、高揚する和声進行と転調を淡々と解読して下さる。複雑にからみあった和音と幾つかの動機が同時進行し、それらの相互のぶつかり合いが、謎めいている(エニグマ)ということだそうだ。
 例えば2幕夜の歌の伴奏のリズム、聞いていていつも拍がとれなくなり気持ちに不協和を起こすのは、三連符と二連符が組み合わさっているからだった。聴覚の錯覚を誘う和音展開も明確に定義される。日本語訳について、原語でも曖昧なものに、分かりやすい日本語を無理にあてがうのは如何なものかというお話もあった。
 オケの中で、心揺れる和声のパーツを分担し、最高の効果を得られるよう、期間限定で、この曲と深く付き合っていこうと思う。トリスタン和音をもっと身近に味わえるよう、自分のタブレットにピアノアプリを入れた。(G)
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