SSブログ
前の30件 | -

特別試写会「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」 イタリア文化会館 [芸能]

 4月26日(金)より全国順次公開されるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督最新作『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』の試写会に行った。上映後には、押場靖志氏(学習院大学講師)のトークがあった。
 日本は江戸末期の1859年、ボローニャで暮らすユダヤ人一家の男児エドガルドが、乳児期にキリスト教の洗練を授けられていたというアクシデントが、7才になって発覚し、教皇のもとに強制的に連れ去られるという実話に基づいた映画。
 ローマに連れて行かれ、他の改宗を強いられる境遇の男児達と寄宿舎生活を送り、司祭へと成長する。両親に対しては、子供を取り戻したければ、キリスト教に改宗せよと迫り、両親は、教皇の誘拐事件として、世界中に情報発信する。
 映画は、誘拐されたエドガルドが、初めは家に帰りたくて、ラテン語でキリスト教の教義を丸暗記しつつ、次第に服従していく複雑な心境を描くと同時に、教皇在位期間31年以上という最長記録を持つ、教皇ピウス9世の話でもあり、中世から市民運動が勝利する迄のカトリック権力の変遷の一コマを覗いた気がする。
 押場先生の解説によると、ピウス9世はヨハネパウロ二世により、聖人の称号を受けたとのこと。
 後でウィキペディアで見たら、聖人に次ぐ地位の列福となっていた。また日本との関係においては、秀吉の時代、長崎での「26聖人殉教者」全員を列聖した教皇でもある。
 ベロッキオ監督の、怒りの拳が、見る側の心をせつなく苦しめる。
 ショスタコーヴィッチの音楽が使われている。オープニングクレジットで確認できた文字は、Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks だったと思う。
 IMG_5172.jpeg
IMG_5170.jpeg
IMG_5175.jpeg

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

東京・春・音楽祭 ワーグナー『ニーベルングの指環』ガラ・コンサート [オペラ(国内)]

 リングの抜粋ではなく、1時間半弱の、歌のガラコンサートは、お客さんの心を掴み、1F席はほぼ満席、ロビーも大混雑で、大変な盛況ぶりだった。
 演奏会形式と言うより、オケが主役の舞台で、大音量のN響に負けず、パンクラトヴァは良く歌ったと思う。最初に彼女を聴いたのは、2018年ティーレマン/ドレスデンのジークリンデで、バイロイトのクンドリで名を上げ、ヴェーヌスも聴き、初めてブリュンヒルデを聴いた。圧倒的な迫力がある。
 今回のプログラムは、ヤノフスキーの置き土産のような気がする。こういう演奏会もできますよと、教えてくれたようで、オケだけの部分は入れず、かなり短いが、普段なら自分がその場面が来るのを待つ身であるのに、向こうから名場面がやって来てくれるガラコンサートは、ちょっと嬉しい初めての気分だった。短い場面であれば、日本人歌手も全力で歌えるので、これを機に、日本人のリングガラの企画にもトライして欲しい。
 N響はヤノフスキーのお蔭で、リングを物にした。ついVcを見てしまうが、藤森さんの熱演ぶりが感動的で、もしかしてヤノフスキーのヴァーグナーでは、今回最後の主席なのかもしれない。楽器を揺らしなが力一杯刻んでいる後ろで、ご子息始め若手メンバーが伸び伸びと弾いており、父は背中で伝えているんだろうなぁと勝手な想像を楽しんだ。更に個人的にはリング抜粋を弾いて1年余、N響の素晴らしい低弦を目の当たりにし、苦労した当時の記憶が懐かしいものに変わって来た。

舞台祝祭劇『ニーベルングの指環』より
序夜《ラインの黄金》より第4場「城へと歩む橋は……」〜 フィナーレ
  ヴォータン:マルクス・アイヒェ(バリトン)
  フロー:岸浪愛学(テノール)
  ローゲ:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
  フリッカ:杉山由紀(メゾ・ソプラノ)
  ヴォークリンデ:冨平安希子(ソプラノ)
  ヴェルグンデ:秋本悠希(メソ・ソプラノ)
  フロースヒルデ:金子美香(メゾ・ソプラノ)
第1日《ワルキューレ》より第1幕 第3場「父は誓った 俺がひと振りの剣を見出すと……」〜第1幕フィナーレ
 ジークムント:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
  ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ(ソプラノ)
第2日《ジークフリート》より第2幕「森のささやき」〜フィナーレ
 第2場「あいつが父親でないとは うれしくてたまらない」―森のささやき
 第3場「親切な小鳥よ 教えてくれ……」〜第2幕フィナーレ
  ジークフリート:ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー(テノール)
   森の鳥:中畑有美子(ソプラノ)
第3日《神々の黄昏》より第3幕 第3場ブリュンヒルデの自己犠牲「わが前に 硬い薪を積み上げよ……」
 ブリュンヒルデ:エレーナ・パンクラトヴァ(ソプラノ)
指揮:マレク・ヤノフスキ
管弦楽:NHK交響楽団(ゲスト・コンサートマスター:ウォルフガング・ヘントリヒ)
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
IMG_1872_Original.jpeg
IMG_5143.jpeg
IMG_1866_Original.jpeg
IMG_1867_Original.jpeg
IMG_5128.jpeg
IMG_5133.jpeg
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

東京・春・音楽祭 《トリスタンとイゾルデ》 [オペラ(国内)]

 東京・春・音楽祭が始まって、今年は第20回、ワーグナーシリーズは第15回だが、その間、東日本大震災とコロナで2年、計3回の公演が中止になった。N響で、毎春ヴァーグナーを聴く楽しみができ、ヤノフスキーの厳しい要求を克服して来た本番の姿は、通常のN響と違う。
 今年の第一印象は、以前ほど、ヤノフスキーのオケに対する強要が激しくないのではないかということ。以前は隅々まで容赦なかった。勿論オケのメンバーが若返り、管弦共に、個人がレベルアップしたと認めたのかもしれないし、教え子たちの自主性に多少は任せるようになったのかなと、勝手に想像している。少なくとも、オケサイドのエネルギーは出しきっていたと思う。
 個人的には、ゲストコンマスが、メットのコンマスになったこと、チェロ主席の辻本さんの奏でる、ストラドの音色が素晴らしく、情熱一杯に演奏してくれたことは、今年の嬉しいポイントだった。
 ヤノフスキーは、作品そのものへの感動というより、あの複雑な音楽をコントロールしている自分に、指揮者としての自負があるのではないだろうかと思ったりする。研究する行為、解き明かす行為が好きな学者先生のように。それで高速でお仕事をし、聴衆に負担を掛けないことも集客の秘訣になるかもしれない。
 老化した自分の耳に自信が無いので、たまたまその日、どう聞こえたかという話になるが、三幕で、1Vnの難所を無事超えた後の2Vnの音が消えた事や、良くできたところと練習されていない所の落差が見受けられたのは、やはり指揮者の加齢に伴うお目溢しなのか。また、一幕の男声合唱が、異様に大きく感じられたが、フリードリヒの指導なのか、指揮者とフリードリヒ共に高齢なので、当然耳も変化してきているだろう。
 東京春のヴァーグナーでは、どちらかと言えば、歌手より、多分オケが主役なので、イゾルデが聞こえなくとも、オケが抑えることはなさそうだ。
 思い起こすと20年以上前は、N響の方々で、自分はヴァーグナーは聴いた事がない、でも済まされていたと思う。初めてN響のトリスタン三幕を聴いた時、イングリッシュホルンが、抑揚なくひたすら譜面通りのリズムで吹いたことに、聴衆の何分の一かは愕然としたと思う。その時から比べれば、東京春祭で、毎年ヴァーグナーを演奏させられたことで、メンバーの意識が変化したことは想像できる。
 今年の木管ソリストの皆様は素晴らしかった。発展途上であっても、N響のトリスタンがここまで来たことは、嬉しい。
 スケルトンのトリスタンは、2016年メットのライブビューイングで初めて聴き、その後2022年、23年のミュンヘンフェスティバルの実演までチャンスがなかった。問題無く、悟ったように歌い尽くしてくれたが、やはり、かなりの体型なので、御身ご大切にお願いしたい。
指揮:マレク・ヤノフスキ
トリスタン(テノール):スチュアート・スケルトン
マルケ王(バス):フランツ=ヨゼフ・ゼーリヒ
イゾルデ(ソプラノ):ビルギッテ・クリステンセン
クルヴェナール(バリトン):マルクス・アイヒェ
メロート(バリトン):甲斐栄次郎
ブランゲーネ(メゾ・ソプラノ):ルクサンドラ・ドノーセ
牧童(テノール):大槻孝志
舵取り(バリトン):高橋洋介
若い水夫の声(テノール):金山京介
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ベンジャミン・ボウマン)
合唱:東京オペラシンガーズ
合唱指揮:エベルハルト・フリードリヒ、西口彰浩
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
IMG_1826_Original.jpeg
IMG_1822_Original.jpeg
IMG_5097.jpeg
IMG_1819_Original.jpeg
IMG_1815_Original.jpeg
IMG_5092.jpeg
IMG_1807_Original.jpeg
IMG_1810_Original.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

津留崎直紀 新境地のバッハ無伴奏全曲 オペラシティリサイタルホール [コンサート]

 バッハ無伴奏チェロ組曲の全曲演奏をこれまで聴いたのは、新しい順に、上森祥平、ヨーヨーマ、クニャーゼフ、藤原真理に次いで5人目だが、5番で調弦を原曲通りAからGに変え、6番は新作の5弦のチェロで、全曲暗譜で弾くという挑戦に立ち会うのは初めてのこと。ボーイングは、アンナ・マグダレーナの販を基本にし、まさに新境地、人生の集大成と言える決然とした演奏会だった。
 ガット弦を張りバロック弓も2種類使い、調弦は415Hzで、できる限り本当の音と奏法を追求したのではないだろうか。
 実際初めは音が小さい印象だったが、耳が慣れてくると、音が綺麗で和音を感じさせる響きが素晴らしい。バッハの無伴奏を聴いていて、和音の美しさを感じる瞬間は最高だ。
 津留崎先生はリヨン国立歌劇場の主席を32年務め、自主退職されたとのことだが、余力を残して、10年以上経ってバッハ全曲弾くという情熱が凄い。自然体で、優しい音色は、お人柄だろう。ブログでご自身の考えを表明しつつ、演奏会で実践するという、誇り高い本気のチェリストだと敬服する。
IMG_1757_Original.jpeg
IMG_1759_Original.jpeg

nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ジャン=ギアン・ケラス無伴奏リサイタル 浜離宮ホール [コンサート]

 大人気ケラスのライブはこれまであまり聞いていなかったが、この日は、ただ、座っているだけで、悲しい心を温めてくれるような、優しさを分けてもらった演奏会だった。特にバッハに心惹かれた。最近YouTubeでバッハの講義を見て、いいなと思っていた。作品の原点回帰を超え、独自の自由な世界観と優しい表現は、きっと飾らない温かいお人柄なのではないかと思う。
 一番の冒頭から、音の演出が素晴らしく、どこか石造りの大きな教会の中で聞いているような透明な響きが美しく、プレリュードの弾き始めで引き込まれた。開放弦をふんだんに使い、ボーイングはスラーが多く、響きを追求した効果的奏法というか、組曲全体が軽やかで、装飾音を入れて楽しませてくれる、コンサートへいざなう理想的な一曲目だった。
 最後の5番は、昨今はオリジナル通りA線をGに調弦して演奏される。C-Mollの暗さ、乗り越えて行かねばならない、辛さ切なさが良く伝わってきた。
 アンコールの6番プレリュードは、生き生きと、楽に弾いてくれて、昇天するイメージ通り、幸福な気持ちで家路に向かわせてくれた。
 若く見えるが、現在57歳、音楽が人を救う事を承知しているなあと感じる。
 たまたま、プログラム2曲目が、岡本さんも同じで、ブリテンの1番だった。ケラスも若い頃からのレパートリーのようだが、今回は、意図的なのかもしれないが、音が今一つはっきりせず、3日前の岡本さんの正確さと音の粒立ち、音色がいかに素晴らしいかったか、先日聞いた友人も同感とのことだった。
 後半は、冒頭から力強く、文楽もケラスのレパートリーで、とても良い演奏だった。リゲティは、テクニック満載で、熱演してくれて、チェロって、こういう音だったと、時々入る移弦の擦れる音を含め、チェロらしい音を満喫した。それでも、弓の毛は一本も切らず、あえて、バッハの奏法の違いを示してくれたと思う。
 アンコールのデュポールの7番では、バロックのテクニックを見せてくれて、一晩で、お客さんのために色々な世界を見せてくれた。優しさに溢れ、使命感をもって演奏、指導している印象を受け、聞いていて気持ちが和んだ。
Program
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007
・ブリテン:無伴奏チェロ組曲第1番 Op.72
---------------』
・黛 敏郎:無伴奏チェロのための「BUNRAKU」
・リゲティ:無伴奏チェロ・ソナタ
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番 ハ短調 BWV1011
 
◆ アンコール
・デュポール:エチュード第7番
・J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番 BWV1012 より「プレリュード」
IMG_1705_Original.jpeg
IMG_1710_Original.jpeg
nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

岡本侑也無伴奏Ⅱ チェロリサイタル トッパンホール [コンサート]

 スケールの大きいチェリストになったなぁと、メジャーリーグの大谷翔平を見る時の眼差しと共通する、誇らしい気持ちだった。
 もう3年前になるが、トッパンホールでの無伴奏リサイタルが、とても素晴らしいものだった。さらにあれから研鑽をつみ、クリスチャンツィメルマンとの海外ツアーに二度誘われ、ヨーロッパでも知名度が上がり、今年1月には、Quatuor Ébène の正式チェリストとなった。
 2月末に曲目を変更し、ペンデレツキ「チェロのための組曲」から、イザイのソナタと文楽になった。当日になると曲順が、下の様になり、むしろ冒頭に美しいイザイが入って、演奏会の流れとしては、良かったと思う。
 この日の印象は、いつもの、正確、繊細の上にスケールが大きく、激しく弾いても、弓の毛は一本も切らなかった。移弦や弾き始めの雑音が一切ないので、目をつぶって聴くと、4弦チェロの音なのか、人の声なのか分からなく滑らかな響きだった。
 後半一曲目のペンデレツキが、最も激しい奏法で、クライマックスで、C線が切れ、一度舞台袖に戻って、初めから弾き直した。この日はカメラが入っていたので、そうなったのかもしれない。
 全ての曲の隅々まで、全ての音が生まれ消えていく時間が愛おしくなる。実は、文楽は何度も演奏されており、プログラムに入れたことに、ちょっとした懸念があったのだが、とんでもなく素晴らしく、きっと作曲家の思いを遥かに超えた名演奏で、暫しお別れの日本への、置き土産ような最高の演奏会を締め括った。
 今回は珍しく楽譜を置いていたが、暗譜の時と何ら変わらず、楽譜は音楽へ昇華され、世界トップレベルの芸術表現を間近で聞かせてもらったと皆驚いたと思う。
 楽器は、今回も本来の自分の物ではなかったが、とてもよく鳴っていて、全く雑音を出さず、どんな奏法も完璧な弓使いだった。弓の毛が切れないと言うのは、無理なく楽器と一体になっているからだろう。
 最後本人の挨拶で、翌朝カルテットの為コペンハーゲンに飛ぶので、今日はアンコールはありませんと、突然変わってしまった自分の環境を、素直に受け入れている風だった。
 ソリストとして大きな飛躍を遂げ、29歳になった岡本さんの就職先とも言えるQuatuor Ébène。この素晴らしい岡本さんを、エベーヌも良く見つけたと思う。人柄は控えめなのに、これほど表現力と技術があり、スケールが大きいチェリストを、拍手一杯で、世界に送り出したい。
 今後は、欧米に留まらずグローバルな旅で活躍するわけだが、カルテットはメンバー交代がつきもの。もし、ポジティブでもネガティブでも、理由ができたら、無理せず、次の道に進んでほしい。まだ人生は長いのだから。

イザイ:無伴奏チェロ・ソナタ Op.28
ブリテン:無伴奏チェロ組曲第1番 Op.72
~~----
ペンデレツキ:ジークフリート・パルムのためのカプリッチョ
細川俊夫:小さな歌
ユン・イサン:グリッセ
尾高惇忠:独奏チェロのための《瞑想》
黛 敏郎:BUNRAKU
IMG_5063.jpeg
IMG_5067.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

タンホイザー 二期会2024 [オペラ(国内)]

 春のコンサートシーズン到来。
 二期会のタンホイザーは行くつもりは無かったのだが、間際になってもまだ残席があるので、平日17:00〜ならばということで、初日のチケットを買ってしまった。
 途中で気づいたのだが、これは、再演で、2021年まだコロナ禍の時、指揮者はヴァイグレで、ダブルキャストでチケット購入し、がっかりしたことを思い出した。今回は仕上がっていて、随分進歩していると思う。
 指揮者のアクセル・コーバーは、2013年バイロイト初登場の時のタンホイザーを舞台上で聴いており、コロナ明けの2022年バイロイトのタンホイザーもコーバーだった。初めて聴いたのは、2006年マンハイムのラインゴルト、あっさりと嫌味のない音楽という印象だった。
 今回初来日とのことで、演奏を聴いて、この指揮者は、タンホイザーが得意で、好きなんだなぁという純粋な思いを感じた。
 何故こんなに、オケの音に厚みがないのか、4階席だからなのか、これは個人的な印象に過ぎないが、むしろ二幕の軽く素直な感情表現が新鮮で、今後もヴァーグナーを聞くかどうか迷う人には、好感を持たれるかもしれない。自分自身、心が平安のまま聞くことができる演奏も、悪くないと思った。
 一方、キース・ウォーナーの演出は、結局3年前、話題になったのかどうか気づかないまま時間が過ぎ、改めて、コロナ禍が去ったからとはいえ、何故あんなに、エリザベートとタンホイザーがベタベタするのか、珍しい舞台に感じられた。
 サイモン・オニールが、タンホイザー役デビューとのことだが、色々あって、順番が巡ってきたのも、人の運命かもしれない。オニールのワーグナーに限って言えば、多分2008年ストラスブールのジークムントが初めてで、2016年バレンボイムのフェストターゲのジークムント、2018年ペトレンコ/ミュンヘンも、ジークムント、そして久しぶりに聞いたのは、2022年ライプツィヒで、何とテルラムントになっていた。そして東京での、初タンホイザー。是非日本を練習場所にして、レパートリーを拡大して頂きたい。
IMG_5030.jpeg
IMG_5027.jpeg
IMG_5025.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

モルゴーア・クァルテット演奏活動開始30周年記念アンケートプログラム [コンサート]

 2023年に行った、再演希望曲のアンケート(ショスタコーヴィッチとロックを除いた曲から)結果に基づき、プログラムが決定された。
 大フーガはまるで現代曲のような音で、初めて聞いた時は、本当に驚いた。自分から聞く作品ではないが、出会う度に、ベートーヴェンの挑戦的な意気込みを感じ、その人柄を想像する。20世紀のシュニトケ
と一緒に聞いても、違和感がない。
 15番は、さすが、上手だと思った。荒井さんのお話では、いつもより、回数多く練習したとのこと。年齢を感じさせないパワーに感服する。
再演総選挙によるプログラム
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲 変ロ長調 作品133「大フーガ」
シュニトケ/弦楽四重奏曲 第3番
ベートーヴェン/弦楽四重奏曲 第15番 イ短調 作品132
出演
第1ヴァイオリン:荒井英治
第2ヴァイオリン:戸澤哲夫
ヴィオラ:小野富士
チェロ:藤森亮一
IMG_4987.jpeg
IMG_1475_Original.jpeg
IMG_1473_Original.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

JAPAN vs. IVY LEAGUE アメフト対戦 国立競技場 [スポーツ]

 アメフトの試合を初めて見ることになったのだが、試合後アマオケの練習があるため、楽器を途中で預けてから行った。これも初体験で、echo cloak というサイトで登録店を探し予約すると、空きスペースで荷物を預かってくれる。今回は美容院だった。特に倉庫があるわけではなく、普通の営業フロアの一角に、楽器を立ててきた。このお店は大きなスーツケース4台まで預かる。出し入れの時間は、営業中であれば、細かく決める必要がなく、前払いで¥800、とてもありがたかった。
 朝から雨だったが、大寒の翌日でも凍えるほどの寒さではなく、出来る限りの防寒グッズを身につけて観戦した。
 一応ルールは読んで行ったが、ボールの色が茶色なので見失ってしまう。ラグビーボールは白なので見やすい。そしてタックルが一対一だったり、あちこちで同時に組み合っているので、真剣にボールを追っていないと、本当にどこにボールがあるのか分からなくなる。でも、試合の実況アナウンスがあるので、パスは成功!というような感じで言ってくれ、素早いパスは、見ていて気持ちがよい。
 もう一つ、選手交代が、集団で頻繁に行われ、いつもワサワサしている感じだ。ボールを奪い取る姿もなかなかカッコよい。やはり、グラウンドを走る姿を見るのは心地よいものだ。
 そして、試合合間に観客にカメラを向けると、皆さん喜んでパフォーマンスするのには驚いた。ラグビーやサッカーでは、ここまでノリノリのアピールしないだろう。日本人だけでなく、外人さんも日本人の真似をして、一気飲みを披露してくれた。こういう雰囲気を、スタンドが温まるという。
 面白い世界を垣間見ることができた。
IMG_4968.jpeg
IMG_4965.jpeg
IMG_4970.jpeg
IMG_4977.jpeg
IMG_1431_Original.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

岡本侑也 プラハ交響楽団 [コンサート]

 まずは演奏の感想。
 二階奥の席だったので自分では明確に確認できなかったが、双眼鏡を持っていた連れ合いは、岡本さんが出て来るなり、いつもと違う新作楽器であることに気づいた。私は、舞台から離れた席で聞いたことが殆ど無いので、音の響きより最初の音程が気になった。今まで、そんなことは、一度も無かったので。
 一般的にドボコンは舞台奥の管楽器の位置まで、ソロの音が聞こえないこともあるらしい。まして、エリザベートコンクールで、西洋人と違う繊細なドボコンの世界を表現した、吠えないドボコンとでも言おうか、囁くように美しく歌うのだから、違う楽器を弾くには理由があるはずだ。どんな理由にせよ、プロの仕事は情け容赦ない。あれも、良い楽器だったと思うが、楽器に馴染む為の苦労は当然あったと思う。大きな拍手と何度もカーテンコールがあったのに、アンコールは勘弁して欲しいと言わんばかりに、最後は手ぶらで登壇した。
 次は3/10トッパンホールでの無伴奏リサイタルだ!
ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調 Op.104 B.191 (チェロ:岡本侑也)
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 Op.95 B.178「新世界より」
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲 第15番 Op. 72-7(アンコール)
指揮 トマーシュ・ブラウネル
IMG_4954.jpeg
IMG_4960.jpeg
IMG_4958.jpeg
IMG_4955.jpeg

 夏のチケット発売日、サントリーホールの2階最後列B席を購入した。チケット代が高いし、サントリーなら2階後方で、岡本さんのドボコンがどう聞こえるか、試してみても良いと思ったからだ。でもその後、秋に来日した、ベルリンフィル、ウィーンフィルのチケット代を知り、唖然。勿論どちらも行っていない。
 12月になって、チケット間近割引なるものが出て、ジャパンアーツは大丈夫かなと心配になった。さらに1月に入り、他の演奏会も新春キャンペーン中と称し、お値引きが始まった。
 ジャパンアーツのアーティストとしての岡本さんは、私の印象では、構われていなかった気がする。今回のプラハ交響楽団でようやく、インタビュー記事を何ヶ所か掲載し、東京新聞夕刊に広告を載せた。また、エベーヌカルテットの代弾きの記事が音友に載り、メディアの話題と値引き効果があってか、最終日のサントリーホールは、沢山のお客さんが来て下さった。ただ我々アマオケ仲間では、後半が新世界ではちょっと…という人がいたのも事実。今回はチェコのオーケストラだし素晴らしい演奏だったが、国内オケでは安易にドボコンと新世界を組み合わせることが多く、残念だ。
 アンコールのスラブ舞曲は、さすが本領発揮の演奏に聴き惚れた。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

青木村の国宝 大宝寺三重の塔、上田安楽寺国宝 八角三重塔、前山寺重要文化財三重塔 [旅行]

 早朝朝風呂の帰り道、青木村を走行中、こんなところに国宝が?と矢印の方向へ。
 大宝寺は飛鳥時代、藤原鎌足の子(僧)により創立され、三重塔は1333年、建武の新政の前年に建てられた。
IMG_4624.jpeg
CD77DE68-DC2E-435D-8D9C-79C7493F65E7.jpeg
 別所温泉にある曹洞宗安楽寺、ここには国宝八角三重塔がある。建立は1290年頃、日本最古の禅宗様建築の可能性あり。
IMG_4672.jpeg
IMG_4678.jpeg
021704B9-4AB5-44B1-A863-0486509E4498.jpeg
IMG_4668.jpeg
 真言宗前山寺は、和様と禅宗様の折衷で、建立は室町時代と推定される。塔は未完成。
IMG_4638.jpeg
IMG_4640.jpeg
IMG_4645.jpeg
IMG_4639.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

上田近郊温泉巡りとお蕎麦 2023 [旅行]

 今回は上田駅で車を借り、青木村の沓掛温泉に2泊し、連れあいの探した周辺の温泉を巡った。
 まずは、青木村のタチアカネ蕎麦。青木村だけで栽培され、門外不出。村内に5店あったお店が、コロナ後、4店になった。今回はお婆さんが、一人気ままに開いている、義民蕎麦へ行った。話好きの女店主で、色々教えてくれた。受粉で品種が、混ざらないよう、細心の注意がはらわれ、粉に挽いた状態で、初めて村外に持ち出せるそうだ。また、蕎麦だれは、自家製醤油で、大豆をしぼるところまでは、近所の方にお願いして、その後の行程は一人でやっている。味と香りがとても良い。お蕎麦を醤油で食すというのは、知らなかった。蕎麦湯は、蕎麦を茹でたお湯ではなく、別に蕎麦粉で作っている。100円のお釣りを辞退したら、りんごとお花を下さった。外まで出てきて、車を見送って下さり、どうぞお元気で頑張って続けて頂きたい。
5867B2AE-E11B-4AC8-98D1-4DCCFA394358.jpeg
326B49A0-9BA5-4ACB-98E4-B78326770DC7.jpeg
0374BD86-1D96-4840-9E7F-F57F09C8EDBB.jpeg
640AF462-8742-4D58-8107-3D2C5B00E4AC.jpeg
70D4C6F2-BA96-44ED-AFE2-ABA7DAF65583.jpeg
 一軒目に寄った温泉は、田沢温泉の共同浴場 有乳湯。コロナ禍以降、旅館の日帰り入浴が殆どなくなり、今は共同浴場しか立ち寄り先が無い。お隣には、国の重要有形文化財で木造4階建、150年の歴史のある、巨大な「ますや旅館」がそびえ建っている。島崎藤村の宿とか。
9304B3B1-AD0B-45B5-A7AF-827DCDEDD927.jpeg
8B9C7103-69A7-423B-B9D5-28DA3A479089.jpeg
 翌朝は、真っ暗の中、上田市の午前5時〜8時営業の朝風呂、室賀温泉ささらの湯へ連れていかれた。とにかく広く、露天風呂も二つ、洗い場と浴槽が分離している。風情を保ちつつ衛生管理されており、サウナ、飲用の温泉もあり素晴らしいお湯だった。昼の部は10時から夜9時の営業で、昼間は蕎麦店や、野菜直売所が開いており、研修施設も併設されている。昼間の駐車場がまた広大で驚いた。宿に戻る途中で大宝寺の国宝三重塔を見つけた。
55E52958-40B0-47A1-BD4F-EBB5971E90A9.jpeg
3CAD42EC-7E03-49F7-933E-AB06477070F9.jpeg
IMG_4616.jpeg
IMG_4615.jpeg
 宿の豪華な朝食を摂り、さあ、出発。まず、鹿教温泉へ行こうとしたが、共同浴場が見つからず、次の霊泉寺温泉に向かった。かなり寂れた温泉地で、これは…と思ったら、一軒だけ玄関を改装した、日本秘湯を守る会の宿があった。歴史的には、霊泉寺が管理していた温泉を民間に移管した。入館するのに躊躇するような外観だったが、ドアを開けると受け付けには、お母さん風の方が炬燵に入ってタブレットを見入っており、向こう側には連れ合いがいて、大昔の銭湯のようだった。女性の脱衣所には、1月に改装すると張り紙があり、建物は傷んでも、温泉が出る限り営業を続けるだろう。
55C255A9-7CF6-4564-91C1-AED1E82C0026.jpeg
31FA6F98-3FA8-4B47-866A-15784C51085F.jpeg
 次は、有名な温泉街 別所温泉、きれいな共同浴場が3軒あり、外の足湯もある。露天風呂がある「大湯」が、年末のせいか、営業しており、運良く入れた。外には飲用の温泉もある。その後、すぐ近くの安楽寺八角三重塔を拝んだ。
A7831CA8-8406-4A0B-8098-DF99070FE644.jpeg
 安楽寺近く、山中で立ち寄った蕎麦店が、上田柳町「おお西」という有名人のお弟子さんのお店だった。発芽蕎麦切りと、3種盛りを注文して、後で生姜を練り込んだお蕎麦をサービスして頂いた。更科蕎麦の白さに驚愕、本物の100%蕎麦粉を味わった。
858B472F-FB78-4553-B369-03473B24EB07.jpeg
E349CEF9-908D-4655-99B9-8CD2ED74F568.jpeg
IMG_4683.jpeg
おお西店主のご子息
84C36BA3-3E53-48E3-9D18-9A23D1F7D320.jpeg




nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

奇跡のチェロアンサンブル2023 [コンサート]

 この一年で、皆さん音楽家としての活動が落ち着かれたのか、皆余裕を持って、それぞれの個性を見せてくれたと思う。
 去年までは、辻本さんと、伊東さんのオケ奏者だけが忙しいと訴えていたような印象だったが、気のせいか皆プロ意識が高まり、潔く、多忙であるという愚痴は一切出なかった。
 伊藤さんが「ラフマニノフ考」を執筆され、ラフマニノフTシャツをつくり、アレンジャーの小林さんは、高額なチェロアンサンブルの楽譜(ラフマニノフ2番、序奏とロンド・カプリチオーソ)を出版された。上野さんは5月にサントリー大ホールで、邦人作曲家の無伴奏リサイタルを、岡本さんは、3月にペンデレツキ他トッパンホールで現代曲の無伴奏の演奏会を開催、そして皆さんのCDが並び、色々花開いた一年だったようだ。
 昼間のプログラムは、前半がソロを四重奏で伴奏する形で、若い順に全員のソロを聴いた。その個性を踏まえた上で後半のアンサンブルを聴くと、一つのメロディーのリレーでも個性が表れ、しかも皆がその各々にピッタリ付けているところが素晴らしい。お互いソリストの立場で、尊重し合えるところが魅力的だ。今後も企画を充実させていくとのことで、若者の華やいだアンサンブルから、次のステップへ、例え年末の息抜きであっても、全員の圧倒的な実力を見せつけるチェロアンサンブルとして、来年も楽しませていただきたい。
 夜の部は、昼間に比べ、精緻さのレベルが下がり、ちょっと学生さんのアンサンブルのような危うい場面もあった。昼夜集中力を保つのは、やはり難しいことだ。

岡本さんの無伴奏リサイタルは、3/10 トッパンホール
https://www.toppanhall.com/archives/voice/bn_094.html

(チェロ):辻本玲、伊藤悠貴、小林幸太郎、伊東裕、岡本侑也、上野通明 (歳の順)
【昼の部 曲目】
パーセル:アリア

ポッパー:アルバムの一葉
フレスコバルディ:トッカータ
ブロッホ:「ユダヤ人の生活」より祈り
ショパン:ノクターン 第2番
メンデルスゾーン:無言歌op.109
ドヴォルザーク:我が母の教え給いし歌
——————–
ポッパー:演奏会用ポロネーズop.14
フンパーディンク:歌劇「ヘンゼルとグレーテル」より前奏曲
ラフマニノフ:交響曲第2番 第3楽章アダージョ
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
【夜の部 演曲目】
パーセル:アリア
ポッパー:ハンガリー狂詩曲
グリーグ:組曲「ホルベアの時代から」
サン=サーンス:序奏とロンド・カプリチオーソ
——————–
ピアソラ:ブエノスアイレスの四季

アンコール(昼、夜) 上着を脱ぎ ラフマニノフTシャツ姿で演奏
ピアソラ: 現実との3分間
IMG_4825.jpeg
IMG_4793.jpegIMG_4792.jpeg69F23C29-FDAB-476B-B095-F86DA03987D3.jpeg532752AF-92DE-4F87-ACD0-ECB7DA432E9D.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

沓掛温泉 満山荘 2023年 [旅行]

 コロナ禍の足掛け3年の間、週末のオーケストラの練習が無い時期があり、時間が自由になったので温泉に行き始めた。途中から「日本秘湯を守る会」に入り、登録宿に10泊すると、その中の好きな宿に一泊招待してくれるという。まあ自分達には無縁の話のつもりが、いつの間にか10泊してしまい、最後に行った、上田市隣の青木村にある沓掛温泉に泊ると連れ合いが決め、年末に再びお邪魔した。
 初日の料理は去年とほぼ同じで、2日目は、ご招待用のメニューを用意してくれた。家族経営で皆淡々と業務をこなす。シェフは奥様。気取らず、でも心配りが行き届いている、静かなお宿。温泉は、ぬる湯。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2022-03-08 (前回のページ)
初日のお献立
IMG_4596.jpeg
朝食、2日目はビュッフェ
IMG_4632.jpegIMG_4631.jpeg
2日目のお献立
IMG_4686.jpeg
IMG_4685.jpeg
IMG_4690.jpeg
IMG_4691.jpeg
IMG_4592.jpeg
IMG_4594.jpeg


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

N響 マーラー/交響曲 第8番 変ホ長調「一千人の交響曲」第2000回定期演奏会 [コンサート]

 N響定期演奏会第2000回記念として、ファン投票で決まった演目。めったに演奏されないので、チケットの売れ行きが良く、ネット上では早々と完売したように見えた。しかし取り敢えずN響に電話してみると、完売ではなく、期限までに入金されず戻ってくるチケットが出る場合があるとのこと。チケットは必ずしも朝一番に出て来るとも限らないと言われ、11月末から、度々電話していた。12/11の昼前の電話で、その日の朝に出たので、朝早く電話する方が良いと、ベストタイミングを初めて教えてくれた。お蔭さまで翌日手に入った。
 席は2階右手の通路の直ぐ後ろの席で、目の前の通路がTp,Trbのバンダの演奏位置だった。開演直前に、譜面台と楽器置、唾液シートが設置され、従って本番では奏者で視野は遮られ、指揮者は見えないのだが、バンダの人達の息づかいが感じ取れる近さだった。どうも上手く吹けず肩を落としたり、手が震えていたり、初日のバンダの方達は緊張しているように見えた。聖母はオルガンの横で歌った。
 演奏についてコメントできるほどのものは持ってないが、心象としては、過去のイメージと比べ、しつこくなく、音が綺麗で、流れていた。合唱は全て暗譜、ソリストの言葉もよく聞こえたと思う。唯、全体の迫力を期待していた人には、この規模では物足りないだろう。歌手の中にはオペラぽく歌う人もいたが、おそらくルイージが選んだ歌手陣なのだろう。
 自分としては、この2年間で、マーラーの交響曲 4,5,6番をアマオケで弾く機会があり、マーラー独特の音にも馴染み、胸に染みいるマーラーの情景となった。
IMG_1018.jpeg

IMG_0999.jpegIMG_0997.jpegIMG_1012.jpegIMG_2147.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

こうもり 新国立劇場 2023 [オペラ(国内)]

 年忘れという言葉はあまり聞かなくなった。1年間の嫌な事を忘れて、ハメをはずすし、英気を養うという行為は、今の世の中、あまり通用しないというか、忘れられないネガティブな現実が多すぎる。前回、こうもりを見たのは、2020年まだコロナ禍の時たが、なぜか、今の方が気持ちが暗い。
 少なくともコロナ禍以降、完全に忘れていた心の動きに、気付かされた。悩んでもどうにもならないなことを忘れられる人は、幸せなりという、19世紀の世紀末感漂う中での願望を身近に感じた。少し早いが、年の瀬の安堵感を束の間味わったので、一旦これを飲み込み、現実の年越しに向かう。
 客席は満席で、今年の演出は、さらに細かい日本語ジョークが増強され、そこだけは大きな笑いが起こっていた。三幕は、今年らしい話題が入ったが、看守のオリジナルの台詞も、もう少し反応してあげたいものだ。新国立劇場では、これまで看守は俳優が演じでいたと思うが、今回の看守役は歌手であり、ちゃんと歌ってくれた。昨今では俳優並みの演技を見せてくれる歌手が増えており、好ましい傾向だと思う。
 ロザリンデ役が、二幕で新国立劇場のバレーダンサーと踊るのも、初めてだと思う。歌って踊って演技できる歌手を、日本人も目指してもらいたい。
 アルフレード役の伊藤さんは適役で、今や日本でトップのテノールとなられ、台詞の中に、ロザリンデが、日本人テノールが楽しみだといったジョークが入っていたのは嬉しいことだ。監獄でとても美しく歌い上げてくれたし、新国立劇場で、こうもりと魔笛は完全にレパートリーになって来て嬉しいことだ。
 演奏は、軽妙だが、金管の音がアメリカのマーチングバンドの様に割れ気味に鳴り響くのが、ちょっと気になった。
[指 揮】パトリック・ハーン Patrick HAHN
【演 出】ハインツ・ツェドニク Heinz ZEDNIK
[ガブリエル・フォン・アイゼンシュタイン】
  ジョナサン・マクガヴァン Jonathan MCGOVERN
【ロザリンデ】エレオノーレ・マルグエッレ Eleonore MARGUERRE
【フランク】畠山 茂 [12/8更新]
【オルロフスキー公爵】タマラ・グーラ Tamara GURA)
【アルフレード】伊藤達人
【ファルケ博士】トーマス・タツル Thomas TATZL
【アデーレ】シェシュティン・アヴェモ Kerstin AVEMO
【ブリント博士】青地英幸
【フロッシュ】ホルスト・ラムネク Horst LAMNEK
【イーダ】伊藤 晴
IMG_4485.jpeg
IMG_4480.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

「わ」の会コンサート vol.9 Leiden [コンサート]

 8月に亡くなられた飯守泰次郎氏の教えを受け継いで、新しいワーグナー歌手を育てるという場が「わ」の会の使命となったと、愛弟子の城谷さんの言。故飯守先生に捧げられた、最後のタンホイザーの巡礼の合唱は素晴らしく、一節だけだったが、池田先生のハレルヤが、力強く響き感動した。
 今年のテーマはLeiden(苦悩)であり、先ずトリスタンとイゾルデを連想するが、前半では、初期作品のリエンツィと恋愛禁制からも苦悩の場面が歌われた。個人的には、恋愛禁制の当該場面は、苦悩に感じられるが、リエンツィの方は、劇全体が困惑しているイメージで、感情表現としては、まだ未開拓な時代だと思う。
 歌手は、皆さんそれぞれ素晴らしく、男声は年々貫禄がついて堂々として来る。やはり経験が歌手を育むものだと感じる。イゾルデ代役の中村真紀さんは、既に全幕制覇されているのだろうか。ブランゲーネ役の高橋華子さんは、演技も慣れていらっしゃるご様子で、安心して聞くことが出来た。其々頑張って活躍していただきたい。
 コーラスが入ると、歌う場面の選択肢が増えて、プログラムも豊かになり、楽しいと思う。
IMG_4489.jpeg
IMG_4476.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

Be Phil オーケストラ ジャパン [コンサート]

 ベルリンフィルの教育プロジェクトの一つとして、ワールドツアー先でアマチュアオーケストラメンバーをオーディションで募集する企画が、今年の日本ツアーから始まった。1200人が応募し、98人が選ばれたという。
 オケに多分知人がいるだとうと、楽しみに行ったのだが、プログラムに知った名前は無かった。そしてオケが舞台に登場すると、即座に若い熱気が伝わってきた。そうかアマチュアの腕自慢も世代交代したのだと、改めて、自分らの年齢に気づかれた。
 オーケストラの応募条件は、日本在住のアマチュアで、ジュニアは不可、選考はビデオ審査だった。コンマス、弦の首席他何人か、ベルリンフィルメンバーがオケの中に入り、一緒に弾いて導いてくれることは、彼らにとって、最高に幸せな体験だろう。舞台後方の客席ではベルリンフィルのメンバーもかなり聞いていた。
 一曲目ブラームスは、ソロを聞かせるために、相当オケの音量を落としていたし、複雑な音の絡みに細心の注意を払っていた。クヴァンツは、たまたまかもしれないが、以前のような力強さは無く、自分が聴く、クヴァンツ引退前、最後のソロ演奏になるかもしれない。樫本大進は、これが日常なのだろうが、本当に素晴らしかった。
 プロコフィエフは、音量が全開になる箇所が多く、音を割らずに、雑音を出さずに、全身で音を作る、ベルリンフィルの真骨頂の響きが伝授されたことが想像できた。ペトレンコの前に、誰がどんな指導をしたのか興味津々だ。最初にパート練習もあり、自分が発する音についての心構えをとことん学んだであろう彼らが、今後全国各地でこの体験を伝授したなら、日本のアマオケも変わって行くだろうなあと誇らしく思う。この機会に全てを吸収しようという姿勢を感じ、特に1Vnの魂のこもった音の美しさはプロオケを凌ぐものだった気がする。どのパートもテクニックは勿論、よく歌っていて素晴らしかった。自分は今回ベルリンフィルの演奏会を聴いていないので、久しぶりにペトレンコを間近で感じられて、気分が高揚した。本気で、大きな音を美しく鳴らすのはオケの醍醐味であり、会場の皆が喜んだと思う。
 現地でベルリンフィルを聴くと、血流が良くなり、血が綺麗になる気がするのだが、この演奏はそれに近い効能が自分にはあった。オケに参加された弦楽器の方の話を伺ってみたいものだ。
 この日隣の小ホールは、日本ウィーン・フィルハーモニー友の会主催のウィーンフィルSteudeTrioのコンサートだった。日本で友の会があるのは知らなかった。 
ラファエル・ヘーガー(ブラームス) Raphael Haeger, conductor/Brahms
キリル・ペトレンコ(プロコフィエフ) Kirill Petrenko, conductor/Prokofiev

【ソリスト】
樫本大進(ヴァイオリン/ブラームス) Daishin Kashimoto, Violin/Brahms
ルートヴィヒ・クヴァント(チェロ/ブラームス) Ludwig Quandt, Violincello/Brahms
[プログラム]
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 Op.102
(指揮:ラファエル・ヘーガー/ヴァイオリン:樫本大進/チェロ:ルートヴィヒ・クヴァント)

プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第1番 Op.64bis、第2番 Op.64terより
1. モンタギュー家とキャピュレット家(第2番)
2. 少女ジュリエット(第2番)
3. 僧ローレンス(第2番)
4. 踊り(第2番)
5. 仮面(第1番)
6. ロメオとジュリエット(第1番)
7. タイボルトの死(第1番)
(指揮:キリル・ペトレンコ)
IMG_4461.jpeg
IMG_4466.jpeg
IMG_4467.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

フロレスタン・トリオ ゴルトベルク編曲弦楽三重奏版(津留崎直紀編曲) [コンサート]

 恥ずかしながら、これまでゴールドベルク変奏曲のを殆ど自分から聴いたことが無く、アリアの美しさだけで満足していた気がする。それでも、今回全曲演奏を聴き、曖昧な知識から想像しても、この編曲はかなり挑戦的なものに感じられる。
 フランス、ドイツで現役として活躍されているプレーヤーのさすがの実力に、まず驚嘆した。私のイメージとしては、現地で聞くヨーロッパの音色だった。Vn、Vlaの先生方は余裕綽綽、まるで一日中でも楽器を弾き続けていられそうな、安定した美しい音色だ。終盤どんどん演奏自体が難しくなるが、Vlaは益々鳴り響き、全体を盛り上げる。そして演奏不可能にも思えるチェロの活躍が驚くばかりで、自ら演奏するからこそ、このような編曲をされたのだろうとアレコレ想像した。
 チェンバロ演奏の技術を弦楽器に移し、例えば2段鍵盤の音を三本の弦楽器で分かち合う大変さはいかばかりだろう。連続したフレーズに聞こえるように奏でる技術も溶け合った音色も素晴らしい。残響を味合うチェンバロに比べ、弦楽器は音を伸ばすことができ、音が広がり、編曲の意図通り、音の立体感を確かに感じる。特にVnとVlaの音は完全に溶け合っていた。カノンは各楽器ごとにテーマが聞こえるので、チェンバロより聞き取り易いと思うが、一度から九度までのカノンが作れるバッハの職人技に、現代人として尊敬の念を新たにした。
 自分にとっては新鮮な出会いで、今更ながら、チェンバロ演奏をYouTubeで聞き、マニアックな技に心動かされた。

J.S.バッハ(津留崎直紀編曲)
ゴルトベルク変奏曲BWV988(弦楽三重奏版)
ゴルトベルク編曲にあたって 
〜より有機的で立体的な弦楽三重奏版を求めて〜 津留崎直記

「フロレスタン・トリオ」
津留崎晴代(ヴァイオリン)
上野なち子(ヴィオラ)
津留崎直紀(チェロ)
市ヶ谷ルーテル
IMG_0744.jpeg



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

フィルハーモニックトリオ ウィーン [コンサート]

 Wiener Phillharmoniker Steude Quartetのトリオでのコンサートがあることを知り慌ててチケットを購入した。会場は日経ホール、残席は最後列だった。ここはコンサート用の会場ではなく、客席が前例とずれていないので、多分私の前の男性も舞台が見えなったのだろうか、5秒に一回くらい、左右に頭を振るので、小柄の身には残念ながら殆ど舞台が見えなかった。
 Vcは先週ロココを聴いた、Wolfgang Härtel氏、VnはコンマスVolkhard Steude氏、Vlaは主席のTobias Lea氏が代理で演奏された。ピアノの三輪 郁さんは、長くSteude氏の伴奏をされているそうで、弦楽器と溶け合う、優しい音だった。
 コンマスのSteude氏はさすがだ。音の軽業師とでも言えるだろうか、あらゆるテクニックを融合させ、曲芸のような軽やかなソロで楽しませてくれた。チェロのHärtel氏の演奏は、ロココの時の印象と同じく、歌心が魅力的だ。ロココの時も音の優しさ、温かさ、優雅さは夢心地の響きだった。ロココヴァリエーションは、腕自慢の若者たちが、よく超絶技巧を披露してくれるが、ヘルテル氏の演奏は、技巧は深いところに音楽の前提としてあり、聞かせたいのは歌う音色である気がする。
 シューマン/アダージョとアレグロはオリジナルはホルンの曲で、とても美しい。でも日本人がチェロで弾くと、アダージョがどうも日本人には合わないようで、名手が弾いても、どういう訳か、音が平面的になってしまう印象がある。ところが、西欧人が弾くと、ごく自然に音が膨らみ、甘いメロディが聞こえてきてうっとりする。Vlaの音色の方が合っているかもしれないと感じる日本人の演奏は聞いたことがある。
 演奏曲順が変更になり、最初に弦楽トリオで会場を温め、ソロを弾いて、後半ピアノ四重奏となった。やはり全て軽やかだ。
 今年の秋、ほぼ同時に来日した、ウィーフィル、ベルリンフィル、ゲヴァントハウス、どれもも聴きは行かないが、ウィーフィルについては、これまでソロでは多分、ヴァルガ氏の美しいバッハ無伴奏しか聞いたことが無かったと思う。でも、その時の空間を漂う音のイメージは、メンバー皆さんに共通する優雅さと美しい音色であることを認識できた。このファジーな心地良さは、ウィーンフィルが世界で愛される理由の一つかもしれない。
 会場でCD販売があり、シュトイデカルテットのCDと、シュトイデ氏と三輪さんのデュオ、三輪さんのソロもあったかもしれない、数種類並んでおり、買った人対象のサイン会があった。

シューベルト/弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D471
ヴィオラ・ソロ ブルッフ/ロマンツェ 作品85
チェロ・ソロ シューマン/アダージョとアレグロ
ヴァイオリン・ソロ R.シュトラウス/「ばらの騎士」より ほか
モーツァルト/ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K478
(アンコール:メンデルスゾーンピアノ四重奏三番、3楽章)
IMG_4445.jpeg
IMG_4455.jpeg
IMG_4452.jpeg

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

金澤威史さんマスタークラス 原宿カーサ・モーツァルト [その他]

 バイロイト音楽祭オーケストラの、唯一人の日本人メンバーである、Vn奏者金澤さんのマスタークラスを聴講した。金澤さんが演奏されるお姿は、何度も拝見しているが、Vnの音色を実際間近で聞くのは初めての事で、流石の美しさだった。金澤さんは早稲田大学卒業後にケルン音大に留学し、現在は、南オランダフィルハーモニーのコンサートマスターを務めている。そんな経歴から日本では殆ど知られておらず、このマスタークラスをどのように宣伝したのかは知らないのだが、自分が偶然知ったのは、他アマチュアオケFBに投稿があったとのことで、当団のオケ通信に投稿してくれたからだ。ものすごく驚いたが、当団では一切話題に上らず、実際聴講者は、10人程度だった。
 バイロイト仲間を3を人誘い、4人で聴講したが、他にバイロイト関係者は居なかった。受講生は、全員アマチュアで、始めの一人を除き、2組目、3組目ともに、講師の関係団体メンバーだった。時間は、1組1時間。
 一人目は、とても上手なVlaの方で、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏K423を弾かれた。指導内容は、音楽の方向性を考え、最低4小節単位で音楽を運ぶほうがよいと。そしてデタシェの弾き方は、弓と弦の接点の問題で、様々音楽が作れるので、右手だけで音楽や旋律をイメージして、遊ぶとよいと。
 私位の年齢になると、色々なマスタークラスを聴講しれおり、大体言われることは同じだ。唯、言い方は様々で、講師の言葉そのものを記憶しているわけではないが、指導はとても分かり易く、説得力がある。
 2組目は、Vn3人で、曲はモーツァルトのディヴェルティメント1番ニ長調、近々本番で演奏するためのレッスンだ。これは、演奏する音楽に相応しい弓の使い方の指導だった。確かに、アマチュアは音符を追う事が第一になってしまうことが多く、どんな音楽を表現したいのかが二の次になってしまうのは、つまらないと。
 3組目は芥川也寸志のトリプティーク、3楽章の弓を飛ばすコツを学びたいとのことだった。皆良く弾けているが、音楽の変化を楽しむ余裕がまだないようだと。3楽章の弓の飛ばしも、遊びのように、どう弾きたいか、やっているうちに、自然に慣れてくると言われた。
 金澤さんのご指導は、表現したい音や音楽に向かって遊び感覚で楽器を練習すれば、楽しいというような、日本人プロオケ奏者のお仕事感は微塵も感じられない、心底音楽好きな方の魅力的なお話しだった。
 海外で活躍するには、あのような、ひたむきな情熱と自然に湧き上がるエネルギーが必要なのかもしれないと思った。もっと多くの方に金澤さんの美しいVnを聴いてもらいたいし、日本のプロオケのゲストコンマスもやって頂きたいものだ。
 主催者は、海外で活躍する日本人を国内で紹介したいというような考えで、サロンを企画している。
https://freelance-farmer.jp/
IMG_4425.jpeg
IMG_4427.jpeg
IMG_4426.jpeg
 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

通し狂言 妹背山婦女庭訓 国立劇場さよなら特別公演 [芸能]

 9月にこの通し狂言の前半を見てしまったので、10月の大団円を見ない訳にはいかなくなった。
 オペラも狂言歌舞伎も、見たからどうというものではないが、支離滅裂な筋書きは、イタリアオペラも同じようなもの。女庭訓とは、江戸時代の女性の教訓書もようなもので、命をかけて、愛する人や家を救うという、犠牲の精神は、ヴァーグナーの「救済l」とどこか似ているかもしれない。
 蘇我入鹿に恨みを持つ人々が登場し、最後藤原鎌足の子孫が懲罰するのだが、別に時代考証もなく、漠然と宮中を想像しつつも、基本歌舞伎は江戸のお話しに見える。
 全体を通して、浄瑠璃、三味線が素晴らしく、浄瑠璃の声が舞台上の配役の感情のこもった声を補い、盛り上げる。声色まで似せられのだ。三味線も弾きながら効果音のような声を発する。人形浄瑠璃ではどうなっているのだろう。白熱した演奏だった。
 昔習った、日本舞踊の手や形が繰り返し出て来て懐かしく思われた。この出し物は踊りが多いように感じる。手踊りの意味するところは、女性の細やかな感情表現だが、今回は舞台を近くから見ることができ、踊る姿に特に感動した。
IMG_4412.jpeg
IMG_4413.jpeg"
IMG_4419.jpeg
IMG_4416.jpeg

 

nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

N響 ルイージ ヴァーグナー リング抜粋(フリーヘル編曲) NHKホール [コンサート]

 ルイージが振るN響の演奏を初めて生で聴いた。N響は年一度東京春音楽祭のWagnerを東京文化会館の5階席で聞く以外は、殆どサントリーで、今年の冬一度だけ高崎でも聞いたくらいだ。
 今日の印象は、今までのN響のイメージと違っていて、木管ソロの音が太くて、歌い方がヨーロッパ的で洗練されて来た。ホルンは完璧とは言えなかったが、歌い方はかなり好いと思う。ルイージの指揮は情熱的でねちっこい。
 今日のリングの編曲は、後半2演目に重きを置いてあり、ブリュンヒルデの目覚めから、猛烈に盛り上がっていく。ルイージの指揮でN響の音色が明るくなっているのだろうか。いつものような、フレーズの途切れがなく、勇猛果敢に突き進む、こんな音が出るのかと、ちょっと嬉しい。
 ゲストコンサートマスター高井さんは、3階席斜め後ろから見ると、弾き方は派手さがなく、着実にオケと一緒に音楽を作っているように見えたのだが、恐らく、キャリアからして、相当のリーダーシップと、美しい音色を兼ね備えた方なのではないだろうか。ここまでN響の音色が、明るくなるとは、私にとっては、まだ、信じられない。NKHホールが変わったのか、ルイージの求める音色なのか、コンマスの力なのか、他の演奏も聴いてみたくなった。
 開演前の室内楽演奏は、知らないうちに、ロビーから舞台上に変わっており、自席で聞くようにとのことだった。クラリネットが美しく響き、美しい演奏だった。
 残念ながら空席が目立つ。渋谷の街は、大雨の後なのに大賑わいだが…

曲目
ワーグナー(Henk de Vliegerフリーヘル編)/楽劇「ニーベルングの指環」-オーケストラル・アドベンチャー-
ゲストコンサートマスター : 髙井敏弘 マインツ州立交響楽団第一コンサートマスター
開演前の室内楽 
曲目:
ベールマン/クラリネット五重奏曲 第3番 変ホ長調 作品23─第2楽章*
(伝 ワーグナー/クラリネットと弦楽のためのアダージョ 変ニ長調)
ブラームス/クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115─第3楽章
クラリネット 松本健司
ヴァイオリン 髙井敏弘 マインツ州立交響楽団第一コンサートマスター
ヴァイオリン 田中晶子
ヴィオラ 飛澤浩人
チェロ 辻本 玲
コントラバス 西山真二*
IMG_0309[1].JPG
IMG_0308[1].JPG
IMG_4353.jpeg
IMG_4356.jpeg
IMG_0312.jpeg
IMG_4355.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

シンガポール乗り継ぎ [シンガポール]

 帰路も、シンガポール、チャンギ空港経由。シンガポール滞在時間は、離陸2時間前までに空港に戻るという規則に則っても、朝7時〜夜9時まで14時間ある。ということで、地下鉄を乗り降りし、市内を回った。メトロは、タッチ式クレジットカードで乗降でき、アムステルダム同様、観光客には便利でありがたい。日本も早く採用してもらいたい。
 私は2006年に、一度シンガポールに来ている。その頃に比べて、地元っぽいホーカーズの賑わいが薄れて、コロナ後からなのかどうか、もはや観光客は、小売店や屋台街を歩いたりせず、美しいベイエリアで、涼しく過ごしているような印象を受けた。そして、世界的鳥インフルエンザの影響なのか、メニューにチキンライスの看板が激減し、豚肉料理が増えている印象だった。
 朝まず、都心のホーカーズに行ったが、まだあまり店が開いておらず、肉まんをひとつ試食、次にチャイナタウンへ行き、食材を選んで調理してもらう店を物色したが、結局タイのグリーンカレーをランチに食べた。そこは、地元の人ばかりで、他に西洋人の同世代のご夫妻が、私たちのように、隅々まで歩いているだけだった。そろそろ綺麗な場所に行きたくなり、オチャードロードへ着くとスコールに合い、人々が続々と建物内になだれ込んできた。我々もホテルのカフェで、アイスカフェを注文した。雨があがり、次はベイエリアへ。ここは、高級ブランド店が並び、レストランもおしゃれで観光客ばかり。マリーナベイ・サンズの展望台に上ろうとしたら、本日分のチケットは完売とのことで、残念だった。対岸にマーライオンが見えるが、そちらには行かず、リトルインディアで、カレーが食べたいと連れ合いが熱望し、かなり町を歩きまわり、最後に良い店を見つけた。香りの良いご飯が、とても美味しかった。
 そもそも、空港でシンガポール用のルーターを予約していたのだが、十分充電がされておらず、頼りのGoogle Mapは一度も接続せず、勘で歩き回ることを余儀なくされた。当然料金は返して貰った。
 シンガポール航空は、丁寧で感じが良い。キャビンアテンダントの更紗のユニフォームを見て、子供の頃、夏はいつも更紗のワンピースを着てたことを思い出し、懐かしかった。空港にもボランティアの案内人がいて、こちらが日本人と分かると片言の日本語で語り掛けてきて、親しみやすくて好印象だ。
IMG_0085.jpeg
IMG_0087.jpeg
IMG_4304.jpeg
IMG_0093.jpeg
IMG_4305.jpeg
IMG_4307.jpeg
IMG_0106[1].JPG
IMG_0110.jpeg
IMG_4310.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

Weihenstephan Freising [ビール]

 Freising はミュンヘン空港からバスで30分位なので、ミュンヘン中央駅に行くより楽で便利だと思う。とにかくミュンヘンのSバーンはよく止まるし、工事をする。前日は、ミュンヘンに一泊したのだが、8/21までSバーンが全線通行止と知り、またここでもかと呆れるばかり。
 最終日をFreising に決めたのは、ドイツに来てからなので、最後は運が良かった。
 昨年は、連れ合いのドイツ到着日にFreising泊にし、やはりWeihenstephan のビアガーデンに行ったのだが、今回は最終日泊にしてみて、こちらの方が落ち着く気がした。
 最後にゆったり美味しいものを食べ、美味しいビールを飲む方が心地よい。ビアガーデンで雷が鳴り始めたので、急いでホテルに戻り、夜な夜な最後ビールだけ飲みにホテルのバーへ行った。Weihenstephan のどのビールがあるのか尋ねたところ、誇らしげに、全部あると言われ、失礼なことを言ってしまったと思った。当然お膝元だから、ビンで全種類用意しているのだ。山の上のビアガーデンより実はビールの値段が安かった。
IMG_4289.jpeg
IMG_4290.jpeg
IMG_4291.jpeg
IMG_4294.jpeg
IMG_4292.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

Bambergでビアガルテン [ビール]

 久しぶりのBamberg、初めて山の上の木々に囲まれたビアガーデンに行った。ホテルで聞いたらKellerとはここではビアガーデンのことだそうだ。一軒目は眺めのよい、Spezialkel Keller、二軒目は、Wilde Rose Keller 。こちらは森の中にあり、地元の人の憩いの場のようで、テーブル一つだけ、ビール樽を囲んで6〜8人座れる、屋根付きの特別席があった。
 夜遅くなって、元祖ラオホビアーのSchlenkerlaへ行った。入り口には立ち飲み用の小売の窓があり、大勢の人が道路で立ち飲みしていて、凄い熱気だった。相当やかましく、近所迷惑にならないのだろうか。レストラン奥に石作りの中庭に通じる通路があり、殆ど真っ暗がりで皆ビールを飲んでいる。自転車で旅行中のお客様さんも代わる代わる来ていた。トイレが改装されていて入り口が自動ドアになっている。
 ホテルは旧市街の川沿いにあり、朝食は外で川を眺めながら、アラカルトで注文する。
 出発前にもう一軒。老舗のfässlaに行った。すると向かいが、Spezialの醸造所で、山の上のビアガーデンは昼間しか開けない理由がわかった気がする。もう10年以上前だろうか、連れ合いがBrauerei の2階に宿を取ったことがあったが、ビールの味が今ひとつだった。この老舗2軒は上階に宿があり、値段もそこそこのようだ。次回は是非泊まって試したい。
IMG_9745.jpeg
IMG_9733.jpeg
IMG_9735.jpeg
IMG_9734.jpeg
IMG_9746.jpeg
IMG_9754.jpeg
Schlenkerla 真夜中になってもまだ、立ち飲み
IMG_9763.jpeg
IMG_9835.jpeg
IMG_9833.jpeg
IMG_9837.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

Bierbrauerfest Badstaffelstern [ビール]

 Badstaffensteinには昨年の夏バイロイト音楽祭の合間にハイキングに来て、岩山へ登った。Badは温泉なので、また来ようと連れ合いが言っていたが、この町でビール祭りがある事を見つけ、やって来た。ここは温泉保養地なので、ホテルは、一年前に次の年の予約をして帰ることが多く、既に一杯だったので諦めて、貸住居に2泊した。Ferienwohnung と書かれた看板あちこちで見られた。今まで泊まったことのある貸し部屋の中では最上級の、内装もしっかりした多分コロナ禍に整備された新しい住まいで、一階は賃貸されており、オーナーとはメールか電話で連絡を取り、入口の暗証番号で入館する非接触型の貸家だった。
 ビール祭り会場は市庁舎前広場、10~22時、1日限りだ。コロナ禍で中断していたが、今年は近郊から11の小さな醸造所が集まり、全て初めて参加する醸造所とのこと。市長の開幕挨拶では、醸造所と、ボランティアの祭り実行委員の協力、そして集まる市民たち、皆の協力があって初めて実現する祭りだと。さぞや、苦労したのだろと、若い市長の感謝の言葉が胸に響いた。ブラスバンドも午前と夜と二団体が入った。
 驚いたのは、開幕後各社が舞台上に自社樽を並べ、開栓するとお客さんが空のジョッキを手に集まって来る。同じテーブルの人に聞いたら無料というので、連れ合いも並んだ。すぐに空になると思いきや、意外と残っており、私達も、何と計4杯もご馳走になった。
 13時でブラバンの演奏が終わったので、一旦退散したが、席を移動しながら出会った方々の話で、8/15マリア被昇天祭の休日はカソリックだけの祝日で、その方は、勤務地がバイロイトでエヴァンゲリッシュなので、休暇をとって来ており、友人たちは働いていると。朝からマイジョッキを持参し、ジュースを飲んでいる年配ご婦人方に合流してきた男性はなんと99歳とのこと。お隣のご婦人に国籍を聞かれた。
 一旦休んで、夜19時頃行ってみると、屋外なのに、物凄い喧しさで、居酒屋状態だった。若い人や家族連れが多く、おしゃべりに夢中で、ブラスバンドの音が聞こえない。立ち席を見つけて、連れ合いがビールを買いに行っている間に、酔っ払った若い女性が傾れ込んできて、隣のご婦人が肘を広げてて、場所を確保するのよと教えてくれた。余りの勢いに困惑していると、連れ合いが戻った時、この人達は前から居たのよと、隣のご婦人が酔っ払いを追い払ってくれた。
 酔っ払いの数に圧倒されて、再び退散、22時閉幕なので、最後20:30過ぎに行くと大分空いており、大人の時間となっていた。日が長いので、21時でようやく電灯が灯り、ブラスバンドも良く聞こえるようになった。
 連れ合いが、もう飲めないと言い出した21:30頃、突然私達のテーブルにジョッキをもって突進してきた男性に、どこから来たのか聞かれた。オーストラリアに住んでおり、ご子息が日本に交換留学に行っていて、宮崎駿のファンだという。なぜ、こんな小さな町のビール祭りに来たのか聞かれ、段々と話が進むと、その紳士はここで生まれ、両親がいるし、オーストラリアでは、ドイツの様に美味しいビールが飲めないので、いつもこの時期にお里帰りすると。ワーグナー協会だと言うと、日本人の協会員に初めて会ったと、隣のテーブルのご両親に大声で報告するので、笑顔のご両親に、遠くからご挨拶した。
 連れ合いがドイツビール好きで、来年も来たいと言うと、こういうビール祭りは沢山あり、周囲5キロ以内でも、毎週何処かでやっており、最低2〜3日から1週間開催されると、週末の近隣のイベントを教えてくれた。次回は別の市町村のビール祭りを回りたいと、連れ合い。
IMG_4225.jpeg
IMG_4222.jpeg
IMG_4248.jpeg
IMG_4250.jpeg
IMG_4238.jpeg
IMG_9936.jpeg
IMG_9937.jpeg
IMG_9938.jpeg
IMG_9940.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

パルジファル MRメガネ付き バイロイト2023 [オペラ(海外)]

 MRメガネ用のデータはチケット購入時に各自申告してあり、必要に応じて視力を矯正する度付きレンズが重ねられて用意されている。公演前に使用方法説明のため当該オフィスに行くよう勧められている。もし時間がなければ当日座席横の袋内にセットされているメガネをかけても、ほぼ混乱は無い。メガネはコード付きで常に電源に接続されている。メガネ使用グループの聴衆は、開場30分前から入場でき、十分試着する時間はある。会場内にメガネ担当者が数人いて、色々教えてくれる。例えば、途中でレンズが外れて、床に落ちてしまったなど。
 映像は、メガネがスクリーンとなり、そこに全てが投影される。従ってメガネ無しで舞台を見ても何も困らない。メガネをかけると情報が増え、別の視点で作品を観ることになり、一方で、メガネを掛けることで舞台は視覚的に暗くなるので、よく見えず、もどかしくも感じられる。私はメガネを半分上にずらし、二つの空間を気分で行き来しながら観た。
 メガネを掛けると、別の世界が見える。舞台の補完になる部分もあったが、三幕冒頭で、潰れたペットボトルが空間を浮遊し、ビニールのゴミ袋がこちらに突進してくるの見て、ああ、これが言いたかったのかなと、安易に思ってしまった。環境破壊への警告だけではないだろうが、ビニール袋は舞台上には一つしか見当たらなかったが、メガネを掛けると、最後まで大小のポリエチレンの袋が目の前をよぎる。
 プログラムも演出家の話も読んでいないのだが、もう一つの目で見せたいもの、考えさせたいことと、観客が見たいものが、食い違ったとしても、そんなことは、オペラの演出ではいつものことなので、評価は専門家にお任せしたい。
 2幕で槍が空中を飛んできたのは、予想通りだが、その直前に、メガネの映像が全て消えて、何も映らなくなるので、壊れたかと不安になったのは、私一人では無かったようだ。
IMG_4130.jpeg
IMG_4125.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

神々の黄昏 バイロイト2023 [オペラ(海外)]

 今回バイロイトに来て、初めて晴れの日、休憩時間の空の下、広場での会話もはずむ。私の中での今年のリングの特徴を言えるようになった。インキネンの指揮は、音楽的というのとは違うが、例えば, ディズニーのファンタジアの動画に、Dukasの魔法使いの弟子の音楽がピッタリはまっている感じに似ている。
 比較は出来ないが、例えばペトレンコのリングは言うまでもなく、音楽と歌は一体になっており、場面の動きに音をあわせる瞬間はあっても、それは途切れることのない音楽の上の一瞬なのだと思う。インキネンは、例えるなら、切り取られた場面に寄り添う音楽で、ページをめくり、次のお話に進むための、繋ぎを大切にしている印象で、これはこれとして新しく、気分を誘導されても、ポジティブに楽しめると思う。
IMG_4055.jpeg
IMG_4057.jpeg
IMG_4048.jpeg
IMG_4042.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

Festspielhaus ガイドツアー 2023 [オペラ(海外)]

 バイロイト友の会のイヴェントで、今年は劇場ガイドツアーがあった。一人25ユーロだが人気が高く、同日に1時間の時間差で二回設定された。コロナ前だったら、会員向け無料のイヴェントではないかと思うが、集合場所で、welcome drink としてSektを提供することで、付加価値を上げている。
 ガイドしてくれるのはオーケストラのメンバーで、内容はガイド役に一任されているようだ。私達のツアーガイドさんは、バスクラリネット奏者だったが、約束を忘れ、呼び出されて自転車で遅刻してやって来た。
 ちょうど1時間前のツアーと入れ替わりで、入口ですれ違うと、前のツアーはコンマスはじめ、何人ものオーケストラメンバーが付き添ってくれたようだった。
 私達のツアーは、まず、倉庫と舞台裏の(パリのテロ前は、一般人も通り抜けできた)通路を見せてくれて、次にオーケストラの控え室、ビオラの部屋に立ち入らせてくれた。楽器を置く棚があり、記念写真、ビールケース、ケーキ、各人の水筒など、物が一杯だった。次に、ラインゴルトの二幕でニーベルンゲンの鉄床を打つスタジオを案内してもらった。指揮者のモニター画面に合わせて、若干早めに叩くそうだ。別室で生演奏していたのだ。
 そして、オーケストラピットへ入り、オランダ人の舞台セットを見あげ、その大きさに驚いた。
ピットには何度か入れてもらったことがあるが、ここから見える景色は、格別、別世界だ。
 1時間前のツアーでは、コンマス自らピット内で、色々な指揮者とのエピソードを語ってくれたとのこと。ツアー内容が違うと、日本だったら苦情が来そうだ。
IMG_4069.jpeg
IMG_4080.jpeg
IMG_4078.jpeg
IMG_4099.jpeg
IMG_4098.jpeg


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽
前の30件 | -