SSブログ
ネット配信 ブログトップ

コロナ禍 アマオケのライヴ配信 [ネット配信]

 コロナ禍で、自分の所属するアマチュアオーケストラの活動は殆ど休眠状態だ。このほぼ1年半の間、工夫しながら少人数で活動を続ける団体もあったが、感染が拡大し、無観客なら演奏会はやらないという方針で、私たちは練習も休止している。
 9月になり、幸い他団体の方からお誘いを頂き、2か月練習して、昨年2月以来、久しぶりの本番を経験することができた。しかもブルックナー2番という大曲、無観客のライヴ配信の本番だった。
 この年齢になって、初めてのオーケストラのネット中継体験だったので、しばらく会っていない遠くの友人や、ドイツの友人何人かには知らせた。するとドイツとの8時間の時差が功を奏し、ちょうどブランチ時の家族は、お茶を飲みながら聴いてくれた。そして終了後すぐメールが来て、私の姿が映っていないと指摘されてしまった。固定カメラでオケ全体を映しているので、内側配置のチェロが見えないのは仕方ないのだが。
 また、別の音楽好きの友人は、こちらの練習状況を、僅か2か月だからと念を押していたため、真剣に聴いてくれて、プロの演奏と変らないと褒めてくれた。もうひとり子供たちにVnを教えている友人は、レベルが高いじゃないかと言ってくれた。ドイツで評判が良かったことは、お世辞でも嬉しい。
 生の音とは違い、ネット配信は途中で音が止まったりするが、一方では、たとえ演奏中失敗しても粗があまり目立たない場合もある。でも、コミュニケーションの一助として、音楽の流れはしっかり伝わると思った。
 自分は、いつもの本番のように、指揮者、コンマス、トップの3人がしっかり視界に入るスペースを確保したのだが、配信のため撮影するカメラのことは全く気にしておらず、私の姿を見たかった、海外の友人には申し訳ないことをしてしまった。
 初めての生配信コンサートで感じたのは、プロの演奏会とは違う、アマチュアが配信する意味があることだ。よく耳にする、コロナ禍で会えない田舎の親類、海外の友人などへ消息を伝える、コミュニケーションの良いチャンスだろう。
 演奏する側の立場としては、通常プローベで空のホールがとても良く響くことは経験しており、お客さんが入る前のステリハは結構気持ちよく弾けるものだ。本番は観客に音を吸い取られるのが常なのに、今回はちょっと不思議な、貴重な経験をさせてもらった。
 今後、あらゆるイヴェントが、お客さんに足を運んでもらうのと同時に、普通に生配信されるようになりそうな気がする。アフターコロナに生き残るアマチュアオーケストラの在り方を考えさせられた。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

シティ・フィル定期無観客ライブ配信 [ネット配信]

 数々の実証実験を経て、各地のプロオーケストラが6月定期を機に、活動を再開した。都内のオケはやはり感染防止対策が厳しく求められ、周囲の音を認識できる演奏者間の距離を測りながら、飛沫対策の上に、客席のソーシャルディスタンスを考慮すると、演奏は一時間、まず観客なしでネット配信するというのが安全確保のためには仕方ないのだろう。実はチケット購入できそうだった時期が一瞬あり、先週金曜に電話で問い合わせていたのだが、結論としてのネット配信が苦渋の決断だったことがよくわかる。
 幾つもオケの再開映像を見ているわけではなく、勿論生演奏もずっと聴いていない。コロナ以前になるが、最近はシティフィル、モルゴーア・クァルテット繋がりの先生方が、とても身近な存在となり、この再開の日も、6人の懐かしい方の熱演する姿を目の当たりにし、嬉しかった。
 シティフィルの弦楽器は二人で一つの譜面を見ていた。譜面台一人一台にしたオケが海外でも多いので、これは意外だった。選曲については、皆暗譜しているような、余裕を持って演奏できるポピュラーな曲になるのは当然で、指揮が無くても演奏できるような規模のモーツアルト、ベートーヴェン、ドヴォルザークなどになるのだろう。ベト7という曲は、若者がエネルギーを爆発させる姿に聴衆が共感する、若さの象徴のように私には感じられ、たまに聴く(弾く)と元気がでる曲No1だ。
 この日、プロオケがここまで燃えるのかと、エネルギー溢れる音と演奏姿に感動した。流れているのは汗か涙なのか、魂を込めた演奏はたとえ映像でも素晴らしい。
 ベートーヴェン生誕250年の今年、別な意味で演奏の機会が増えるかもしれない。内容が深く、
演奏規模が丁度よいベートーヴェンシンフォニー、願わくば、これを機に全曲、改めて生体験したい。果たして第九の大合唱が聴ける日は来るのだろうか。
ベートーヴェン 交響曲第7番
指揮:藤岡幸夫
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
01EEE5DA-F6E7-42A7-92C6-C141E7D195B6.jpeg

続きを読む


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ベルリン・フィル八重奏団ーシューベルト:八重奏曲 D803他 [ネット配信]

 本来なら5月の来日公演で演奏するはずだったプログラムが、デジタルコンサートでライブ配信された。細川俊夫先生の新作”texture”(織物)はツアー中10回演奏する予定だったそうだが、この配信が世界初演となった。
 ステージ中央、指揮者の位置に設置された大きなモニター画面には細川先生、それを8人で取り囲んでの練習があったのだろう。配信映像では、樫本さんが細川先生にインタビューする場面もあった。気のせいか、樫本さん、コロナお休み中に痩せて若返ったように見えた。
 textureは、二本、三本と糸を織り込んでいき人類を一つにするという音楽。樫本さんは、とても感動されたと。予期しなかった今という時に希望を持たせてくれて、最初と違う人間になって、自分に戻るとおっしゃていた。私の理解では、それぞれの人が世界と交わり理解し合い、新しい自分に変わるというようなことだと思う。
 演奏者はなるほど音楽から感じ取れるものがあるだろうが、作曲家としては、音楽家自身が醸し出すものを生で体感できないのは残念だというようなことを、おっしゃっていた。
 シューベルトの八重奏は、さすが、素晴らしい演奏だった。Clのフックス氏は、コロナ後の小編成の演奏になって、存在に気づき、今回も堪能させていただいた。
 この作品をTV等で聴いていると、大概途中で飽きてしまう。同じフレーズが繰り返され、冗長に聴こえてしまうのだ。自分も一度若いころ、今思えば60歳近いClの男性の方に、人生の集大成としてやりたかった...誘われ、人前で弾いたことがある。4楽章は長すぎて、本番はカットしたと思うが、若いころ弾いた曲は、恐ろしくなるほど、当時の風景がハッキリ蘇ってくる。残念ながら、あの頃は、この穏やかな、人を包み込むような優しい歌心は分からなかった。歌心のない人は、自己満足でシューベルトを演奏してはいけないと時折思い出すのだが、正に、八重奏もそういう作品だと思う。

フーゴ・カウン:八重奏曲
細川俊夫:八重奏曲(委嘱新作)
フランツ・シューベルト:八重奏曲 D803
ベルリン・フィル八重奏団 Philharmonic Octet Berlin
樫本大進 Daishin Kashimoto (第1ヴァイオリン,1st Violin)
ロマーノ・トマシーニ Romano Tommasini (第2ヴァイオリン,2nd Violin)
アミハイ・グロス Amihai Grosz (ヴィオラ,Viola)
クリストフ・イゲルブリンク Christoph Igelbrink (チェロ,Cello)
エスコ・ライネ Esko Laine (コントラバス,Contrabass)
ヴェンツェル・フックス Wenzel Fuchs (クラリネット,Clarinet)
シュテファン・ドール Stefan Dohr (ホルン,Horn)
モル・ビロン Mor Biron (ファゴット,Fagott)
054EA59F-6435-4807-B713-5EA7B5812A19.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽

ヨーヨー・マ バッハ無伴奏組曲全曲web配信(Live Memorial and Tribute: Yo-Yo plays Bach ) [ネット配信]

 新型コロナウィルス大流行の中、ヨーヨー・マ演奏による犠牲者の追悼を祈念し、医療従事者に感謝し、人々を励ます、ボストンからのweb配信があった。
 日本時間で早朝4:00、我が家は平常の起床時間で、最初から見ることができた。正直素晴らしかった。氏の人間愛を感じる。
 氏の休憩無しのバッハ全曲演奏は、ちょうど一年前ウィーンムジークフェラインで聴いていた。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2019-05-29
 その時の印象では、音楽がとても高貴でさらさら流れ、曲毎の拍手も静止するほど没頭していて、聴衆と音楽を共有するというより、教会の祈りのように、高いところから、下々の者へ降り注ぐ恩寵のような感じだった。ところが、今日の音楽は違ってた。1番のプレリュードを弾きはじめると、意外とテンポが遅く、丁寧に語るように、また言葉を噛み締めるように弾いている。これだと多分途中で、休憩か中断があるだろうと思っていると、中断というより、時折本人によるちょっとした曲の解説が入った。
 バッハ無伴奏6曲とも人の自然な感情をよく表現していると私は感じる。穏やかな喜怒哀楽から、神と自然に対する畏れと感謝のような素直な気持ちを共有できる。
 Tribute…コロナ禍の中でのあらゆる立場の人の気持ちに寄り添い、語りかけ、励ます、温かく力強い演奏だった。作品の後半に行くに従って、人生の苦しみがあらわになってくる(5番)が、苦難を乗り越え、最後まで、救われるよう精一杯努力すること(6番)、それを目指すのが人生なのだというメッセージを私は受け取った。
 私個人としても、この6曲には若い頃からの人生の様々な記憶が潜んおり、サンルームでバッハを弾く老後の自分の姿を若い頃からイメージしてきた。今日しみじみと思うことは、いつか認知症になるまでバッハとともに在りたいと願う。
788C460B-ABC6-4748-BED7-CA10837D227D.jpeg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:音楽
ネット配信 ブログトップ