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特別試写会「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」 イタリア文化会館 [芸能]

 4月26日(金)より全国順次公開されるイタリアの巨匠マルコ・ベロッキオ監督最新作『エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命』の試写会に行った。上映後には、押場靖志氏(学習院大学講師)のトークがあった。
 日本は江戸末期の1859年、ボローニャで暮らすユダヤ人一家の男児エドガルドが、乳児期にキリスト教の洗練を授けられていたというアクシデントが、7才になって発覚し、教皇のもとに強制的に連れ去られるという実話に基づいた映画。
 ローマに連れて行かれ、他の改宗を強いられる境遇の男児達と寄宿舎生活を送り、司祭へと成長する。両親に対しては、子供を取り戻したければ、キリスト教に改宗せよと迫り、両親は、教皇の誘拐事件として、世界中に情報発信する。
 映画は、誘拐されたエドガルドが、初めは家に帰りたくて、ラテン語でキリスト教の教義を丸暗記しつつ、次第に服従していく複雑な心境を描くと同時に、教皇在位期間31年以上という最長記録を持つ、教皇ピウス9世の話でもあり、中世から市民運動が勝利する迄のカトリック権力の変遷の一コマを覗いた気がする。
 押場先生の解説によると、ピウス9世はヨハネパウロ二世により、聖人の称号を受けたとのこと。
 後でウィキペディアで見たら、聖人に次ぐ地位の列福となっていた。また日本との関係においては、秀吉の時代、長崎での「26聖人殉教者」全員を列聖した教皇でもある。
 ベロッキオ監督の、怒りの拳が、見る側の心をせつなく苦しめる。
 ショスタコーヴィッチの音楽が使われている。オープニングクレジットで確認できた文字は、Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks だったと思う。
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