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ワーグナー協会例会 2022年バイロイト音楽祭報告(リング新演出他) [その他]

 今年新演出のリングについて、東急文化村で営業企画の要職にあった長谷川修氏の解説があった。また今年バイロイトに行った会員からの報告もとても良かった。
 今年の演出家ヴァレンティン・シュヴァルツ氏は33歳。コロナ禍でなければ2020年に新演出が始まる予定だったため、通常5年続く演出は、2026年バイロイト音楽祭150周年記念時に新演出となる。
 シュヴァルツ氏自ら、Netflixリングと呼んでいるそうで、今回のリングは世界観ではなく、一族の連続ドラマの扱いとのこと。前提はヴォータンとアルべリヒが双子であることで、リングは子供、4作をつなぐのはハーゲン。ラインゴルトでアルべリヒの義理の子としてヴァルハラに連れていかれ、その後巨人族が略奪したリングとして、ジークフリートでは青年の黙約のハーゲンとしてファーフナーの側にいる。
 ジークリンデとジークムントが幼少期を回想する場面の家は、後のジークフリートとブリュンヒルデの住まいとなり、フンディングの家がミーメの家となり、ヴァルハラはファフナーの居る介護施設、グンターの屋敷になるなど、場面が引き継がれていく。ジークフリートの父はヴォータンだとドラマトゥルグから直接聞いたという会員の話もあり、これでかなり、内容がすっきりしてきた。
 ただし、実際の舞台では一度に細部まで見えないので、全作が映像化され、場面を静止画で見られるようになり、演出家の意図を理解できれば、観客からのブーイングは無くなるだろうと思う。舞台は毎年進化するので。とはいえ、場面ごとの音楽は舞台と対応していない。
 個人的には、現地でご時世だと感じたところは、ヴァルキューレ最後、ヴォータンはフリッカと離婚して、さすらい人になるところと、黄昏冒頭、ジークフリートがブリュンヒルデと既に不仲で旅立つのだろうかと思わせるところ、そして大切なグラーネを、大切な男性にしてしまったところだ。
 観客の何割が新演出の予習をして実演に臨んだか分からないが、音楽祭のHPのNEWSの項目に、堂々と4作品の演出解説が出ている。私同様、見終わってからこの解説を聞いて、溜飲を下げた人もいるのではないだろうか。
https://www.bayreuther-festspiele.de/festspiele/podcast/podcast-ring-des-nibelungen/

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