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日本ワーグナー協会例会「《マイスタージンガー》におけるヴァルターの詩・歌唱」 [講演会]

 《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の主人公、騎士ヴァルター・フォン・シュトルツィングは、第1幕ではマイスターになるための試験で〈資格試験の歌〉を、第3幕第2場と第4番ではザックスの導きに従って〈夢解きの歌〉を、最終場ではこれを大胆に昇華させた〈栄冠の歌〉を歌います。(講師記の案内文より)
 今回はバール形式に則ったシュトルツィングの「マイスターゲザング」の説明と、ベックメッサーの記録係としての判断は正しかったのか、また。三幕で盗作した結果についての考察もあった。
 岡田先生の解説は、資格試験の歌は、バールの形式は整っていたのだが、途中歌が盛り上がったところで第一シュトレンが終わったと判断され、その後は形式から逸脱していると判断され、チョークでバツがつけられて行ったのではないかと。
 栄冠の歌は、三幕夢解きの歌の三つのバールからの引用を発展させ、一つのバールに仕上げられている。オーケストラの楽器を重ねていき、複雑な音、重唱となり、もはやシュトルツィングの声が聞き取れないほど音楽は盛り上がる仕掛けがある。次第に歌より音楽が主体となり、歌い納めで最高潮に達する素晴らしいオーケストレーションに皆感動すると。
 ベックメッサーが三幕で嘲笑を浴びる本選歌は、無理やりセレナーデのメロディーを当てはめ、うろ覚えの歌詞で歌ったのが失敗の要因ではないかと分析された。よくあの様な歌詞をつけられたものだ。韻律も弱始まりで強弱強と続き、シュトルツィング強弱強と逆である。
 とてもニッチなテーマで、マイスタージンガーが喜劇である点をピックアップしたような講演だった。
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