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新国立劇場ーボリス・ゴドゥノフ [オペラ(国内)]

 このプロダクションはポーランド国立歌劇場と共同制作で、トレリンスキは今活躍中の演出家とのこと。ウクライナ侵攻のためポーランドでのプレミエが中止となり、新国立劇場が初演となる。
 新国立劇場ではまず、HPかプログラムの解説を読んでから観るよう推奨していた印象だ。今年のバイロイトのリングもそうだが、まず演出コンセプトを読んでから見てほしいというのが、昨今のオペラなのだろうか。ムソルグスキーの原典版と改訂版をミックスしたストーリーになっているとのこと。 
 国内でボリス・ゴドゥノフを観るのは初めての機会。特に関心があるわけでもないが、以前2016年に超真面目な舞台をプラハで見た。15年くらい前にはフランクフルトで内容を知らずに立ち寄り、舞台の暗さに苦しくて帰りたくなった覚えがある。過去2回は舞台近くで聴いたため、民衆の合唱が鬼気迫って来て怖かった。
 音楽はロシアの民族音楽のような旋律が聞こえ、劇的盛り上がりは無いが。綺麗だと思う。今回は4階席の端なので、遠くからの印象だが、内容は暗くとも、舞台としては色彩感がありほっとした。合唱は場違いなほど美しい。ロシア人歌手は早期にキャンセルしているが、上演できてまずは、よかったと思う。
 演出家が、いくら戦争というテーマから離れ、ボリスの心理劇のように描きたいと言っても、現在のロシアをイメージする残酷なストーリーを見せつけられる。幕切れなど、まさにそうだ。Pの後に現れる人物がさらに酷い生き物かもしれないと暗示される。まだ公演チケットはかなり残っているが、いつか再演できる平和な時代が来ればよいと思う。
【指 揮】大野和士
【演 出】マリウシュ・トレリンスキ(ポーランド国立歌劇場芸術監督)
【ボリス・ゴドゥノフ】ギド・イェンティンス
【フョードル】小泉詠子
【クセニア】九嶋香奈枝
【乳母】金子美香
【ヴァシリー・シュイスキー公】アーノルド・ベズイエン
【アンドレイ・シチェルカーロフ】秋谷直之
【ピーメン】ゴデルジ・ジャネリーゼ
【グリゴリー・オトレピエフ(偽ドミトリー)】工藤和真
【ヴァルラーム】河野鉄平
【ミサイール】青地英幸
【女主人】清水華澄
【聖愚者の声】清水徹太郎
【ニキーティチ/役人】駒田敏章
【ミチューハ】大塚博章
【侍従】濱松孝行
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