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新国立劇場-ワルキューレ(ゲネプロ) [オペラ(国内)]

 友人からチケットをいただき、楽しませてもらった。3階正面2列目、舞台は良く見えた。パルケは見える範囲は人を入れておらず、そのため拍手は疎らだった。
 歌手は皆素晴らしい。ブリュンヒルデのテオリンは、優しい感じで、ベルリンやドレスデンで聴いた時と違って、静かだった。ヴォータンも軽い感じ、ジークムントとジークリンデも違和感が無い。いずれにせよ、本気は取ってあると思うので、期待が膨らむ。
 強いて言えば、オケの音量が大き過ぎる。歌手を邪魔しているわけではないが、全体としてダイナミックレンジが狭く、金管が余分にうるさい。バストランペットは今いちで、本番までに改善を求む。
 弦楽器は問題無く、特にチェロはソロ、テュッティとも素晴らしかった。
 平日の昼間なのに、結構知り合いを見かけ、演出については古めかしいという声もあった。音楽を邪魔すること無く、余計なことをしないので、オリジナルのイメージに近い感じがして初めて見る人にはとても良いと思う。歌手も歌い易そうに感じられた。

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トリスタンとイゾルデ-二期会 [オペラ(国内)]

 二期会のトリスタンを9/17に聴いた。去年の今頃、読響はカンブルラン指揮で演奏会型式のトリスタンを演奏した。今回は舞台付き、演出はライプチヒ歌劇場のもの。
 音楽の印象は、去年と今年で全く違った。去年のカンブルランはトリスタンに不慣れなオケをシュトゥットガルトから来る歌手に迷惑がかからぬよう、とにかく引っ張っていかねばという必死さが伝わってきたが、今年は二期会の歌手、請け負いでなく、皆で作り上げた舞台だった。曖昧とも流れる感じとも言えるが、コボスは歌手にも自由さを許しているようで、オケメンバーも去年とはかなり違っていたようだと感じた人も周囲に多く、これは、確かに二期会のトリスタンだった。
 池田香織さんのイゾルデは、とても良く声が出ていて、最後まで素晴らしかった。イゾルデ役が決まった時、これをステップに世界を目指すのかと思ったら、池田さんと親しい方から、全曲歌えたら、後はもうどうなってもよという命懸けの覚悟だと伺い、凄いエネルギーだと思った。夢に向かって池田さんが何年も努力を重ねたことを心から尊敬し、舞台からその幸福感を客席にむかって振り撒いてくれたことにとても感動した。お弟子さんも、ファンも、素敵なご家族も、皆が応援したくなる、愛すべきお人柄も歌の魅力だ。夢をの階段を着実に上り、"できる" ということを体現して下さった喜びが伝わって来る。以前フィギアスケートの浅田真央さんの頑張りから力をもらい、自分も諦めない決意したというように話されたこととがあったが、才能を磨き、たゆまぬ努力をする方たちから幸せを分けて貰うという実感を、初めて味わった。
指揮: ヘスス・ロペス=コボス
演出: ヴィリー・デッカー
トリスタン 福井 敬
マルケ王 小鉄和広
イゾルデ 池田香織
クルヴェナール  友清 崇
メロート 村上公太
ブランゲーネ 山下牧子
牧童 秋山 徹
舵取り 小林由樹
若い水夫の声 菅野 敦
東京文化会館
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新国立劇場ーローエングリン [オペラ(国内)]

 フォークトのローエングリン最終日を聞いた。去年の夏までは、何万回歌っても、美しい声は変わらないように思えたが、私が認知していているだけで5年目くらい、声の変化を感じても不思議ではない。透明感のある声が少し太くなったように聞こえ、ローエングリンからパルジファル歌いに移行するのかなと期待を抱いている。ミュンヘンでは、タンホイザーにも挑戦、日本に持って来るらしい。バイロイトでは、今年一年だけ、パルジファルを歌い、来年から、マイスタジンガーのヴァルターに移る予定。自分にとって、フォークトの最後のローエングリンになるだろうと思う。
 ペトラ・ラングのオルトルートは、この日に限ってのことなのか、期待ほどの迫力が伝わって来なかった。エルザ役、マヌエラ・ウールの声は、密度が高く華やかで、幕が進むほど力強く、オルトルートとエネルギー差は感じられないほどのエルザだった。ちょっと音程が気になったのは、自分の耳のせいだろうか。オケは4階席では全体的に大きく聞こえるのだが、例えば、3幕場面転換の間奏はもっと躍動感をもって音で、ローエングリンの名乗りの場面は、ガチャガチャせずに、もう少し気を付けて美しく演奏してもらえれば、フォークトの歌唱がもっと引き立ったのではないだろうか。(G)
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新国立劇場ーウェルテル② [オペラ(国内)]

 楽日のウェルテルを聞いた。四階席の客は真剣な空気が漂い、歌に耳を傾けているのが分かった。テノールは歌いすぎたのか、高音がしゃがれることがたまにあった。メゾソプラノは、この日も声に重量感があって良かったけれど、言葉(フランス語)ははっきりしなかった。バリトンのエレートの言葉が一番クリアに聞き取れた。
 一幕にも中音域で朗々と歌うのチェロのソロがあった。どの幕も、綺麗なメロディの場面は透明があって気持ちが洗われる。でもどっかんどっかん打楽器が響く場面はちょっと分かりやすすぎる感じもした。
 現代人の視点ではなく、ゲーテの作品成立の時代背景とともに、鑑賞せねばいけないと思った。(G)
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東京春音楽祭ージークフリート [オペラ(国内)]

 二日目の公演日で、アンドレアス・シャーガーの歌唱を初めて聞いた。これが、ヘルデンテノールの喉なのかと、今まで生で聞いたジークフリートの中で、一番強靭に感じた。三幕まで衰えぬエネルギーを、まさにジークフリートだと本人も自負するほど。二幕では、一人になり母を慕う、少しはしおらしい面も見せて欲しいという声も聞こえ、例えばクリスチャン・フランツの二幕は、涙を誘われたなぁとか、このまま突っ走ると、喉を潰すのではないかという意見も多くあり、いつごろバイロイトでジークフリートを聞けるのだろうか。
 全体の印象としては、一幕初めのうちは、歌とオケのテンポが合わずひやっとしたが、調子が出てくると、とにかくシャーガーの声量がすごい。ミーメ役ジーゲルが、目立たなくなるほどで、私には、ソロになるところ以外、ジーゲルは、声量を抑えているように感じられた。
 

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新国立劇場ーウェルテル [オペラ(国内)]

 ニュープロダクションのウェルテルを初めて聞いた。マスネの作品を聞く機会は少なく、ドン・キショットとマノンに次いで、まだ三作目の体験。この日体調が悪く、まともに見ても聴いてもいないが、一幕で重苦しく低弦が目だっていたこと、二幕のチェロのソロが美しかったこと、音楽は幕が進むほど、綺麗な部分が増えた気がした。三幕の低弦は一幕より軽やかだった。
 初めて聞くメゾソプラノ、シャルロット役エレーナ・マクシモアの声が太めで、好きな声だった。そんなに貫禄ある役なのだろうか。アルベール役エレートは前にも聞いたことがあるが、やはり初めて聞く題名役ディミトリー・コルチャックは、スタイルも声も綺麗で、舞台演出も落ち着いており、このニュープロダクションの完成度は高いと思う。お客さんの入りで判断すると、レパートリーになるかどうか分からないが、取り敢えず、もう一度見る予定。
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新国立劇場ーサロメ② [オペラ(国内)]

 およそ4年に一度再演されてきたサロメ、3日目の公演は、初日に比べ、オケも歌手も伸び伸びしていたように感じられた。まずオケの鳴りの良さに驚いた。初めから全開で、先日と逆に、むしろ7つのヴェールの踊り以降おとなしく繊細になっていった印象だ。
 主役4人以外は全部日本人キャストで、演技や台詞の絡みの間合いが良く、とても自然に運んだ。ヘロデ役クリスティアン ・フランツはさすが演技上手で、一瞬たりとも役作りを怠たらなかった。ヘロディアス役のハンナ・シュヴァルツも、歌わない時の動きや顔の表情も、念が入っており、歌手も全身で表現するのが、今日の名人なのだと感じ入った。ラフォルジュルネの時ように、舞台をアップで写し出して欲しいほど、どこを切り取っても好印象だった。
 ベテラン、ニールントのサロメ、10月にヴォータンを歌うグリムスレイも、それぞれの狂気が一層エネルギーを帯びて迫ってきて、世界最高レヴェルの歌手に来てもらえ、贅沢な1時間45分だった。(G)
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新国立劇場ーサロメ [オペラ(国内)]

 プログラム掲載データによるとサロメは4年半ぶり、6回目の公演。新国立劇場のサロメは、自分の中ではスタンダードだ。
 今回主役級4人とも超一流、初日から全員素晴らしい。サロメ役ニールントは、伸びる声も、汚い声も、非の打ちどころがない。娘っぽくはないが、バイロイトのタンホイザーでエリザベートをー歌った時も、怪しい魅力があり、視線の使い方が上手だった。新国立劇場の3階下手階段席からは、双眼鏡を覗かないと表情までは、わからないが、一回席の人が、素足までも色っぽいと言っていた。ヘロディアスの、ハンナ・シュヴァルツは、昨日も今日も、声量が一番あった。頭に抜ける声は、確かに良く通る。ヘロデは結構上品だと思ったら、フランツだった。ヨハナーンのグリア・グリムスレイもまた上品で、痩せており、端正な顔立ちで、少しひ弱な聖人らしい雰囲気を醸し出していた。今度新国立劇場で、ヴォータン、さすらい人を歌う。期待できそうだ。
 音楽は、前半はスカスカな音に感じたが、7つのヴェールの踊りから、どんどん盛り上がったので、ニールントに刺激されて、指揮エッディンガーも熱くなったのではないかと言う人がおり、なるほどと思った。
歌手とオケの相乗効果で、狂気も極まった。(G)
ハンナ・シュヴァルツ マスタークラス(バイロイトにて)
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2012-07-08-2
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新国立劇場ーイエヌーファ [オペラ(国内)]

 ヤナーチェックといえば、昔から聴いていたのが有名なシンフォニエッタ、オペラは経験が少なく、カチャ・カヴァノヴァ、マクロプロス、そして今回初めてのイエヌーファ。小品で記憶があるのは、教会で聞いたオルガン曲くらいだ。
 イエヌーファの音楽は親しみやすく感じた。今回チェコを旅行したこともあり、モルヴィアの民族音楽の旋律や、効果音が、自然や生活の音のようにすっと受け入れられた。ヤナーチェックは、民族の言葉を楽譜に表し、独自の音楽を研究したといわれており、旋律のなめらかさや、ワーグナーを連想する雄大なハーモニーも聞こえた気がする。幕切れが、ラインゴルトのヴァルハラ入場にも似て聞こえたのは、自分だけだろうか。
 ゲネラル・パウゼの舞台上の効果が、今一つだったのは、慣れの問題だろう。ベルリン・ドイチェ・オパーの舞台と歌手を揃え、トーマシュ・ハヌスというチェコの指揮者を迎え、このプロダクションは大成功だったと思う。オケにもお手本があったのか、指揮者が有能だったのか、後期のカチャ・カヴァノヴァ、マクロプロスに出てくるような、息苦しいほどの激しい音が少なく、内容も分かりやすかった。(G)
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新国立劇場ートスカ [オペラ(国内)]

 2000年プレミエから今年で6回目の公演、以前はトスカ公演が待ち遠しくて、何度も通い、友人にも勧めたものだ。ヨーロッパでも幾つか見ているが、最初に見たウィーンの豪華さに負けない、大規模な舞台は、自分にとってスタンダードなトスカとして、これからも共に年を重ねて行きたいプロダクションだ。
 今回、4階階段D席だったため、せっかく舞台前の方で歌ってくれても、視界が塞がれる場面が多く、1幕最後のスカルピアと、2幕で動くトスカがよく見えず残念だった。久しぶりのイタオペを聞いてみると、昔しつこいと感じていたプッッチーニが、あっさり、物足りない気がした。自分が変わってしまったのだ。
 でも、主役3人の美声はイタリアの明るさと、プッチーニの激しさを思い出させてくれた。トスカのオケは、いつも東フィルだが、今回もやはり音がカラッとせず、どんよりした日本的な音に感じられた。日本人のメンタリティなのか、劇場の特徴なのか、音が上へ飛んでいかず、直ぐ落ちてくるようだと、いつも感じる音だった。(G)
トスカ マリア・ホセ・シーリ 
カヴァラドッシ ホルヘ・デ・レオン スカルピア ロベルト・フロンターリ アンジェロッティ 大沼 徹
スポレッタ 松浦 健 シャルローネ 大塚博章 堂守 志村文彦 看守 秋本 健 羊飼い 前川依子
指揮エイヴィン・グルベルグ・イェンセン 演出アントネッロ・マダウ=ディアツ
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新国立劇場ーラインの黄金③(楽日) [オペラ(国内)]

 初日と比較すると、オケのバランスは多少良くはなったと思うが、一階席体験者に聞いたところ、オケの音が弱く聞こえるので、一階席で最善に聴こえるよう音響に合わせたのかもしれないと。それなら仕方ないが、4階席では、残念ながら、緩く密度は薄い大きな音が気になった。
 4階客席で、終演後後ろの席の人に、怒鳴りつけるように激しく苦情を言っている男性を見た。拍手で細かい話までは聞こえて来なかったが、どんな理由だったのだろう。休憩がないので、途中で言うチャンスもなく、あんな形になってしまったのか。本人は言うだけ言うと立ち去ったが、後味の悪さが残った。
 ステファン・グールドのローゲ像は、演出上もキャラクターが目立つ存在で、演出の台詞のような、表現力豊かな歌唱を楽しませてもらった。上り調子のグールドを、向こう3年間、新国立劇場リングで聴けるのは楽しみだ。(G)
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新国立劇場ーラインの黄金② [オペラ(国内)]

 初めてZ券に当選した。何故か第3希望日だ。貴重な土日公演日なのに、第1第2希望を合わせても32人に満たなかったということか?ラッキーだが、オケの練習をサボることになった。
 4階Lの舞台に向いている席では一番前の壁側の席で、下手側半分は見えない。ローゲのグールドが下手で歌うことが多く、ちょっとストレスあり。そのグールドがさすがの歌唱で、余裕の美声かつ見た目も貫録十分で、完全にヴォータンを食った感じ。この面子の中で頭抜けている。ただ、バイロイトのトリスタンと同じというか、全体の印象が被っている感あり。
 初日緊張と力みのあったフローとドンナーの日本人は、かなり普通になったし、席によるのかもしれないがオケのバランスも大分改善され、アルベリヒの高笑いもはっきり聞こえた。
 ただ、演出がつまらないというか何も無い。殆んどセットの無い広い空間を持て余し気味の歌手。と思えば、ニーベルハイムはかなり過剰でキッチュな造りで一貫性がない。ローゲやファーゾルトの性格付けなど、元の演出ではもっとはっきりしていたのだろうが、何せ古くてご本人もいない訳だし。一部の役の衣装がボクサーとか道化師とか消防士のコスプレになっているのも、意味があって本当は演技なりで表現しなければならないのだろうが、もう時代に合わないということか?
 アルベリヒの手首を切り落として指輪を奪ったり、妙にリアルな部分もあれば、最後のヴァルハラ入場の時間を持て余したような動きもあり、初演当時と違ってしまっているのだろうが残念だ。
 ヴァルキューレ以降が心配だが、骨格だけ残して、大幅に現代感覚を取り入れるよう改変した方が良いのでは?無理な話だが...(B)
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新国立劇場ーラインの黄金(プレミエ) [オペラ(国内)]

 1996年ゲッツ・フリードリヒがフィンランド国立歌劇場で演出した、ラインの黄金が、新国立劇場で始まった。舞台は明るく、白が基調になっており、ローゲのみ赤、エルダは、赤黒だったように思う。4階一列目での印象だが、オケの音が全体的にとても大きいのに驚いた。始まりのCbのEsがまず大きい。徐々に音が重なっていく感じではない。バイロイト以外でリングを聞くのは、2012年以来で、自分の耳が変わってしまったのかもしれないが、金管は鳴らし放題、弦は聞こえない、でも、歌は聞こえる、不思議な空間だった。オケが程よくミックスされた音に慣らされていまい、常にドッカン、ドッカンする音に抵抗を感じてしまうのか。
 歌手は、ゲストも日本人も健闘していたと思う。ヴォータン役ラジライネンもアルベリヒも良かったが、ローゲ役シュテファン・グールドが登場すると、聴衆を釘付けにし、舞台を独り占め、断トツの美声を聞かせてくれた。初め、バイロイトで聞き慣れたトリスタンの声だと一瞬とまどったが、軽やかなローゲ役は余裕たっぷりだった。また、これまで気づかなかった、甘い声ももからんで、本当に表情豊かな声の演技だったと思う。言葉もとてもはっきり聞こえた。エルダ役クリスタ・マイヤーは、バイロイトのブランゲーネだ。若いが、深みのあるエルダのイメージだった。妻屋さんは、いつも上手で、日本人が活躍しているのを確認できるのは楽しい。ファフナー役はやはり、歌い憎いメロディーラインなのだと、はっきり認識した。バイロイトでの疑問が解け、音が跳躍せず、これは意図的に、知性を欠いたイメージづくりなのだろう。さすがの作曲テクニックだ。ラインの乙も4階席では良く聞こえた。全体的に、一階席での印象を、今度仲間に聞いてみようと思う。
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クロネコヤマト 新宿で長蛇の列 鼻を押すと、ネコが鳴いて、口からプレゼントが…
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読響・第585回サントリーホール名曲シリーズートリスタンとイゾルデ [オペラ(国内)]

 先週のP席から今度はLA席に移り、見え方も聞こえ方も大分変わった。やはり、オケの演奏している様子が見られると、気持ちが高ぶる。危険な香りを放つ"トリスタン"には深入りしないように、自分を制してきた。疑問が湧いても追究せず、聴いているその時だけ、考えるようにしてきた。でも実際、ヴィオラとチェロが活躍する様子を実感してしまうと、もう他人事ではなくなり、あらがえない。
 舞台正面で聴いておらず、全体像は分からないが、舞台脇座席での印象では、先週より演奏に余裕があり、揺らぐ感じが加わって良かった。歌も良く聞こえ、イゾルデ役のレイチェル・ニコルズは、純情なイゾルデを演じ、声も通っていたように思う。アッティラ・ユン(マルケ王)の声量は凄い。2013~2914 年バイロイトでハーゲン歌っていたが、サントリーホールでは狭すぎる。東京文化の五階席まで、十分表情が伝わると思う。ブランゲーネ役のマーンケは、バイロイトのフリッカ、得な役と損な役があるが、衣装を着けなければ、可愛いらしい女性だ。素の歌手の人柄が垣間見える点でも、演奏会形式は良い。特にトリスタンに舞台は要らないと、いつも思う。先週、カンブルランは、指揮棒を持ったり、置いたりしていたが、この日はずっと握ったままだった。どちらが、本来の姿だったのだろう。指揮者が、棒を握れなくなるほど練習をつけることがあるのだろうか。余計なお世話だが、全員が一週間休んだことが功を奏した、良い演奏会だったと思う。
 今週はフライングでブラボーと叫ぶ人はおらず、観客も落ち着いていたようだ。幕切れでは、舞台を暗転させ、再び明るくなってから、拍手するよう策が講じられた。
 これで、やっと夏が終息した。さよなら"トリスタン"、来月は新国"ラインの黄金"だ。
2幕終了後
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読響・第551回定期演奏会ートリスタンとイゾルデ [オペラ(国内)]

 4月にカンブルラン氏のお話を聞き、Stuttgart歌劇場で共演したの歌手を連れて来るとのことで、密かに期待する気持ちがあったのだが、期待以上に音楽が素晴らしく、オケもよく頑張って練習してくれたと感激した。 弦楽器のffでの全力の刻みは、やはり非力ではあったが、コンマスはじめ、主席奏者の方々は、完璧だった。歌手が聞こえるよう、音量を落とすところは、よく機能していた。バイロイトと比較する必要もないが、あのオケが凄いのは、全員が、主席奏者のレベルで全力で弾くパワーなのかなと改めて思う。
 音楽は明るく、軽やかで、私にとっては、パリで聴くワーグナーに近い。つい重心が高くなる。
 席が舞台裏P席だったため、冒頭の水夫、バンダ、2幕の見張り役のブランゲーネ、3幕イングリッシュホルンなど、思いがけず、近くで聴くことができた。歌手本来の声は、後ろ側では、よく聞こえないが、クルヴェナール役の石野さんは、大健闘したと思う。
 オケの一部に出間違えなどもあったが、まず、何より指揮者が、めげずに、丁寧にオケを振ってくれてて、日本人に対する好意的な雰囲気が、感じ良い。サントリーホールで、ここまでよく準備してくれたワーグナーの演奏会は、私には初めてだ。構えず、緊張せずに聞けるトリスタンに感謝。13日も楽しみ。

指揮=シルヴァン・カンブルラン
独唱=エリン・ケイヴス(トリスタン)
レイチェル・ニコルズ(イゾルデ)
クラウディア・マーンケ(ブランゲーネ)
石野 繁生(クルヴェナル)
アッティラ・ユン(マルケ)
アンドレ・モルシュ(メロート)
男声合唱=新国立劇場合唱団 ほか

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新国立劇場ーばらの騎士 [オペラ(国内)]

 新国立劇場で三度目のレパートリー公演。四階で聴いたが、この劇場としては珍しく、当日舞台上のアナウンスで歌手の交代があって開演も10分ほど遅れたが、公演そのものに、悪い影響は何も無かったと思う。
 力の入ったプロダクションだけあって、上手くいって何よりだ。今回の主要な歌手はドイツ語圏の方ばかりで、安心感があり、ビジュアルもはまっていた。日本人も皆よかった。舞台との距離感や、自分の耳のせいなのか、一人一人の個性まで聞き取れず、役柄のイメージを堪能するところまではいかなかったが。女声陣の声は意外と肉付きのよい感じだった。
 指揮はエッセンのオケを厳しくしごいた、ゾルテス。噂によれば、R.シュトラウスは日本人には無理と思っているのか、本番中にも舌打ちされていたとか。
 それと最近の傾向なのか、各幕で音楽が鳴り終わらない、幕も降りきらないのに拍手をする人が少なからずいる。メトロポリタン方式なのか、いずれにせよばらの騎士のような余韻を楽しむ幕切れにふさわしくないと思う。
 作品自体が好きなので、このオーソドックスなプロダクションは、ずっと続けて欲しい。(G)                                                                              
【指揮】シュテファン・ショルテス
【演出】ジョナサン・ミラー
【元帥夫人】アンネ・シュヴァーネヴィルムス
【オックス男爵】ユルゲン・リン
【オクタヴィアン】ステファニー・アタナソフ
【ファーニナル】クレメンス・ウンターライナー
【ゾフィー】アンケ・ブリーゲル
【マリアンネ】田中三佐代
【ヴァルツァッキ】高橋 淳 ⇒ 大野光彦
【アンニーナ】加納悦子
【警部】妻屋秀和
【元帥夫人の執事】大野光彦 ⇒ 加茂下 稔
【ファーニナル家の執事】村上公太
【公証人】晴 雅彦
【料理屋の主人】加茂下 稔
【テノール歌手】水口 聡
【帽子屋】佐藤路子
【動物商】土崎 譲
【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団

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東京・春・音楽祭ーヴァルキューレ [オペラ(国内)]

 ヤノフスキー/N響のリングチクルス2年目、どの位、期待して良いのかなあと思いながら、4階サイドの席から舞台を見た。
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新国立劇場ーさまよえるオランダ人 [オペラ(国内)]

 楽日に行った。このプロダクション3回目の再演となる。ずっと期待外れの感があり、前回はZ券が当たっても、ありがたみを感じなかった。今年は、パルジファルとの組み合わせセット券で奮発し、3階B席を購入したせいか、音が意外と良かった。新国立劇場では、 自己防衛機能として 嫌なところは聞き流し、良いところだけを拾う姿勢が自分の中で定着してきた。自分の求める音に出会うことは、極稀なのだから、不満一杯で老いて行くより、寛容な気持ちでいよう、と結局自分の中の不協和を減らそうとしているだけなのだが。
 とは言え、今回、男性合唱は、いつもと少し違う感じで、美しさを削り、ドイツっぽく、色々な生声(どら声?)をミックスしてあったように感じ、これは自分には好ましかった。
 3幕のPAは、随分派手だったが、舞台としては、メリハリがあって、良かったように思う。(G)
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新国立劇場ーパルジファル② [オペラ(国内)]

 一週間後、4回目の公演へ、もう一度行った。毎回来ている人の話では、この日が一番良かったとのこと。私たちも、2幕以降、オケの音が集中してきて、スカスカだった音が、密度の濃い音に変化したのを感じ、これなら、最終日は、一幕から満足いく演奏が聴けるかもしれないと、心が動いた。前回あった指揮者へのブーも、この日は無かった。
 今回は上手側の席だったので、左奥の舞台が見えて、奥に泉(湖)が見えること、初めから、3人の僧侶が奥にいたことが分かった。初めから、仏のお導きがあったのだ。B席の階段席を希望したのだから、左側の席がここまで見えないことも、仕方ないかもしれないが、何と一階S席の前の方は、光の道が全く見えないそうだ。一幕後の休憩で会った人が、歌にはご満悦だったが、一幕では、光の道は無いの?と聞かれ絶句してしまった。
 どんなホール、劇場でも、席によって音が違うことは、もう十分承知しているが、舞台視界については、安い席が見えないのは当たり前で、4階席で見えないと文句いう人には、どうぞ、お高い席をご購入下さいと思っていたが、高額なチケットを買ってくれるお客様に満足感を与えないプロダクションは興行として、いかがなものか。今回の舞台は、実際何%の人が、光を楽しめたのか、誰のために国は高額な舞台費用を投じたのか、勿論観客は受け身なので、時として、見たくないものを見せられる場合もあり、演出は誰のためにあるのか、バランスが難しい。(G)
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珍しくビールでなくワイン
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新国立劇場ーパルジファル [オペラ(国内)]

 満を持して登場した新国立劇場の「パルジファル」だが、期待しない、がっかりしないという心構えで臨んでいても、やはり残念な気持ちが残る。
 歌手陣はさすがに、それぞれ素晴らしかった。トムリンソン、フランツ、ヘルリツィウス、皆余裕があった。クリングゾルのロバート・ポークの甘い声と、豊かな声量が、良く通って気持ち良かった。オケの方は、総じて間が持たないのは何故だろう。演出に動きが無いせいもあるが、グルネマンツが登場した瞬間から、音楽の出を待つ感じが伝わってきた。一番気になったのは、一幕のクンドリが慌ててやってくる場面の音楽、リズムが甘いのか、小節ごとのクレッシェンドが無かったせいか、盛り上がらない数小節の後、クンドリが登場した。各場面の練習は丁寧にしたのだと思うが、音楽も空間も連続している。音が途切れても間は生きているのに、残念ながら、幕が上がっている間、隅々まで意識が及んでいる演奏とは感じられなかった。金管の音はどうしてあんなに全開なのだろう。アマチュアでも締まった音を目指すものなのに、音量が必要だったのか、良くわからない。男声合唱はいつものように上手だったが、重苦しい劇中の雰囲気にしては、軽快で美しすぎた気がする。
 お金のかかったLEDの光る道は綺麗だったが、席が下手側だったので、左奥の演技は何も見えなかった。2幕最後のクリングゾルは見えなかったが、聖槍が下から上がってきたところだけは見えた。
 僧侶から慈悲を受け、苦難を乗り越え仏の悟りを開くという選択肢を示した演出は日本人にはわかりやすい。ベルリンでのクプファーのパルジファルは見ていないので、比較はできないが、槍の先が動く舞台は、リングも含めれば、視覚的には馴染んでいる気がする。ともあれ、東京でパルジファルを体験できることは、有難い。(G)
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避難体験オペラコンサート [オペラ(国内)]

 いつ申し込んだか忘れてしまったが、新国立劇場の避難訓練を体験できるらしく、珍しいので参加してみることにした。
 公演途中で地震が来るという設定。場内には、様々なスタッフがいて、消防署の人や、VTR、写真係もおり、ヴェスト着用のスタッフには場内係ではないので、話かけないようにと案内があった。2曲目が終わった時地震音が聞こえ、訓練開始。建物は、震度7まで耐えられる構造になっているので、お客様は、地震が収まるまで、頭を低くして、座席に座っているように、会場係の女性が歩きながら、繰り返し注意を促す。周りを見ると、訓練慣れしている人なのか、椅子を畳んで、座席の位置にしゃがみこむ人、座ったまま、飛行機内の墜落準備のように、頭を抱え込む人が大半、さらに、頭にカバンを載せる人、そして、何もしない人。揺れているのに、ハイヒールで美しく歩く会場係の人は大変だろう。
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 歌手や、オーケストラなど、劇場側の避難が済んだということで、観客の避難。具体的指示は届かなかったが、周りの人にくっついて、会場から出た。私は一階席だったので、喫煙場所に使われている2階バルコニーの扉を通り、建物の向かい側通路に移動。上の階の人は、喫煙場所の屋根付きバルコニーまで。その後、昔ながらの拡声器で、支配人から、いろんな方向を向いて、説明があったが、ほとんど声が届かない。思うに、立ち位置が、池のある一階との間の踊り場だったようで、上向きに声が届きにくいのかもしれない。幸い雨は降っていなかったが、一階席は人数が多いので、屋根付きの通路に避難というわけにはいかないのだろう。向かい側バルコニーは屋根は無い。
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再入場
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 しばらくして、建物内の点検終了をもって、避難体験も終了。全員チケットを持って、通常の入り口から再入場。コンサート再開前に、渋谷区の消防署の方から、訓練について講評があった。頭を低くして待つ間、頭上を守るため、カバンなど載せた方が良いと。修了挨拶後、ブラボーが飛んだのは、劇場ならではの反応。
 劇場支配人の説明で、今回、停電は無かったが、放送が使えない時のため、肉声と、例のメガフォン使用時の、聞こえ具合のアンケートもあった。そしてコンサートの続きを聞いた。コンサートには、オペラ研修所修了生9名出演、有名なアリアを歌った。
 この催しは無料で、ご近所の商店会と、一般、奥には、マスコミや、所関係の受付があり、1000人以上集まったそうだ。
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 余談というか、本題というか、中には、もう少し聞きたいと思う歌手もいたが、改めて、役が付き、オペラ全曲歌いきること、まして、ワーグナー作品に登場できることが、どんなに誇り高いことなのか気づき、皆さんの、今後のご活躍をお祈りしたい気持ちになった。(G)
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新国立劇場ーアラベッラ [オペラ(国内)]

 4日目のアラベッラ公演に行った。今回の公演にお客さんが少ないという話は、何となく聞いていたが、確かに土曜日とは思えないほど、閑散としている。何故だろうか。R.シュトラウスの音楽はとても綺麗だが、筋書きには特に感動的な要素も見出だせず、喜劇と思えるほどの、皮肉も分からず、過去何回かの公演も、印象が無い。単純に、共感できる登場人物が居ないということなのだろうか。他のR.シュトラウスに比べると、言葉はわかりやすいと思うのだが。
 身代が傾いて、娘の結婚相手が借金を肩代わりするという筋書きは古今東西あり、その中で登場する人間の行動や心の動きを詳細に表現しているのだが、オペラとしては、まず、上階まで声が届くかどうかがポイントになる。アラベッラとズデンカの声を比べると、明朗闊達なズデンカの声はハッキリ聞こえるが、アラベッラの声は、上品に演じているから、聞こえづらいのだろうか。歌い始めがハッキリ聞き取れないのは、演技なのだろうか。マンドリカ役のコッホが、舞台をリードしていたことは、確かだ。やはり、自分にはバイロイトのヴォータンの印象が強い。父親の没落伯爵役を演じた妻屋さんを、顔が見える人物の役として見たのは、新鮮だった。これまで、ダーラント、ハフナー、ドンジョヴァンニの騎士長、ザラストラ、など衣装やメイクをつけた、声で勝負する役の印象が強かったが、さすが20年ドイツで歌っているベテラン、喜劇役の身のこなしも、日本人としては堂に入っていると感心した。
 続・アラベッラのような作品がどこかにあるのだろうか、この一家、姉妹のその後が気になる。
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新国立劇場ーヴォツエック [オペラ(国内)]

 楽日に行ってきた。2009年の新国立劇場以来、他の劇場で観る機会もなく、見ていて苦しいこのオペラを追い求めてはいなかった。思えば、この4年余りの間に、悲惨な社会の出来事も数多く、不合理な現実に、自分が鈍感になったようにも感じた。
 終演後、たまたま当日演奏したオケメンバーの複数の方から残念な話を聞いてしまった。指揮者グンター・ノイホルトはに振り間違えが多々あったらしい。私たちは睡魔と戦いながらの四階席で舞台を覗き込んでいたので、ピットまでは見えなかったし、アルバン・ベルクの音に詳しいわけでもなく、特に言いたいことも無いというのが、正直なところだった。でも、舞台近くで聴いたお客さんには、きっと、ピットの内情が分かったと思う。ここ何年か、期待せずに足を運ぶのが当たり前になっており、来年度は、心満たされる公演を聴きたい。(G)
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コニエチュニー、クールマン氏に聞く [オペラ(国内)]

 二人の歌手について、何も下調べせず公演に行き、翌日、インタヴューを聞いた。特に驚いたのは、コニエチュニー氏はポーランド人だが、最初俳優をしていて、ワーグナーはおろかオペラも全く聴いたことがなく、ドイツ語も喋れなかったということだ。(今回のインタビューは全てドイツ語、非ネイティブには完璧に思えた)
 クールマンさんはオーストリア人で、ドイツ語は母国語であり、ワーグナーをレパートリーにするのは当然とのこと。初めはリートが専門、ヴェーゼンドンクの歌は15年も歌っていると。ワーグナーのドイツ語の言葉そのものが文学的で、言葉として興味深いと、作品を歌うことの重要性を強調されていた。クールマンさんは、来年以降も、上野で、ヴァルキューレのフリッカ、ジークフリートのエルダ、黄昏のヴァルトラウテを歌う予定。今回のエルダは歌手の交代により歌うことになったそうだ。
 お二人ともご自身が歌いたい役を歌うという、強い意志が感じられた。表現者としての価値をアピールしたいという印象だった。さすが、ヤノフスキが選んだ歌手陣という感じがする。演出のある舞台を拒み演奏会形式を推奨するヤノフスキ氏、今回の上演を一週間で仕上げたそうで、伸び伸びリラックスしているように感じたとコニチュニー氏が言っていた。
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東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.5 『ニーベルングの指環』 序夜《ラインの黄金》 [オペラ(国内)]

 上野のワーグナーシリーズの指輪上演が始まった。演奏会形式でラインゴルトを聴くのは初めての経験。今回は特に舞台上ならではの、オーケストラの開放感のあるる音が印象に残った。N響はワーグナーに不慣れなオケなのに、とても上手だと言われてもう数年たち、ワーグナーに対する意欲が変化したなら、何だか嬉しい。ヤノフスキ氏が厳しいという噂はよく聞くし、意欲的な弦楽器を見るのは、良いものだ。特にチェロは細部まで全員がぴったり揃っており、素晴らしく、驚嘆した。
 舞台や、歌手の立ち位置が、S席の人が一番楽しめるように演出するのは当然のことで、安い席を買った者としては、見えなかったことは、別にどうとも思わない。上に上がる音そのものは、よく響いて十分楽しめた。歌手も良かった。全てが見えない分、想像力が働き、演奏会形式の意外なメリットがあった。
 ヴァルハラへ橋がかかり、もう序夜が終わり、いよいよ指輪の物語が始まるという、期待感と、すぐ次が聴きたいと、気持ちが高ぶったことは、公演を十分楽しんで、満たされたということだ。
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新国立劇場ー死の都 [オペラ(国内)]

 CDを初めて聴いた時の印象は、軽やかな部分のリヒャルトシュトラウスのようで、決して、息苦しくなるような重圧感がなく、さらっと聞けるなと思った。話の筋も音楽も一度ですんなり体に入ってくる優しさがある。一方、強烈に張った声が、これでもかと続く衝撃は、ワーグナーや、プッチーニも連想される。20歳台で多く人の心を掴むオペラを書いたコルンゴルトが、後にハリウッド映画に活躍の場を得るのも、当代の音楽をごく自然に静かに越えて、さらに広い世界で大勢を虜にする、先取りの才能なのだなあと、プーランクと同時代かと思うと、誰に似ているとかでなく、コルンゴルトという新しい作曲家のイメージが、自分の中にできてきた。
 今回のフィンランドのプロダクションはとても美しく、トルステン・ケルルもミーガン・ミラーも絶好調で、まずまずの、連休初日だった。
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新国立劇場 オペラ研修所公演ーナクソス島のアリアドネ [オペラ(国内)]

 休日のイヴェントとして、新国アリアドネに行ってみた。中劇場は久しぶりだったが、約1200席の客席は満員、2階から舞台もオケピットもよく見え、一つお芝居を見終えて、爽やかな印象が残った。
 まず、良かった点は、若い人は演技が上手で、後半の劇中劇は、不安無しに、お芝居を楽しむことができた。プロローグの執事役が、ドイツ人の元歌手だったことは、この上演の価値を上げたと思う。いつだったか、日本人に執事役は難しいと痛感する公演があった。この日のツェルビネッタは賛助の天羽さんで、勿論とても素晴らしかったが、研修生の同役の方はどうだったのだろうか。コメディアン役の男声陣は身のこなしも軽やかで、役をモノにしたという自信が感じられ好感が持てる。アリアドネとバッカスも、ニンフ役の皆さんも、声が良く出ていて、研修生として日本で色々な役を経験してから、世界へ羽ばたける環境ができて、良かったと思う。
 演出も、すんなり受け入れることができた。登場人物一人一人のキャラクターがよく表現され、楽しかった。その結果、お芝居を見たという印象が残ったのだろう。残念ながら、R.シュトラウスらしい音樂の躍動感は、二階の端では味わうことはできなかった。
 休憩時間に、字幕が映るメガネを体験した。テレビのニュースにもなっていたが、実際かけてみると、私には重く感じた。もう一歩先を期待したい。(G)
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《ラインの黄金》の総譜解題 [オペラ(国内)]

 ワーグナー生誕200年記念懸賞論文で日本ワーグナー協会賞を受賞なさった岡田安樹浩さんが、例会で、ラインの黄金の序奏部についてお話しされた。
 どのように作曲されたかというのは、とても興味深いが、自らそれを探求することはできないので、学者の先生方が、音樂を愛しつつ、研究成果をお話して下さることはとても有難い。手をかえ品をかえ、繰り返し、知ればしるほど、今日では当たり前の音の感覚が、ワーグナーによって、開拓されたことに心動かされる。
 演奏する立場で一番身近に感じた話題は、序奏がEs-durの和音だけで構成されていることを、ワーグナーが豪語したという話。和声進行が無く、音の厚みを増すことを主眼に高揚感を表すのは、当時画期的だったのだ。また、楽器を分けて、主要旋律を吹かせたこと、混沌とした音を楽器で表わそうとしたことなど、奏者として音の渦の中にいるとき、ものすごくよくわかる。
 序奏部のチェロの分散和音は画一的でなく、微妙に音が変わる。なぜなのだろうと思っていたが、それこそが新しさの一端なのか。複雑な音の中で、自分の役割がとても孤独で、自分を見失いそうになる時もあるが、それも音樂が複雑に構成されている新しさなのか。きっとプロ奏者でもスリリングな体験があると思う。
 今日のお話で、少し総譜が見えたようで、パート譜で体感するときの心の不協和を解決してもらえ、体の中がすっとした気がする。

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N響-シモン・ボッカネグラ [オペラ(国内)]

 E席当日券でこの作品を初めて聞いた。外はかなりの強風で、10分早く13時50分開場となり、席について舞台を見ると、かなり太った足下の危ういおじいさんが譜面台の高さを調整している、と思いきや、サンティ氏ご本人がファーストバイオリンのパート譜をチェックしていた。
 演奏はN響の潜在能力を存分に発揮していたように思う。指揮者も歌手陣も暗譜、プロンプター、合唱指揮者も勿論いない。
 ドミンゴのボッカネグラが素晴らしいという話を友人から聞いたことがある。音楽はとても美しく、出だしのささやくような音に、魅了された。イタリアでの、本物のヴェルディの音を指揮者が実現したかったのだろう。休憩後、2幕の前に、オケのメンバーを立たせたのは、サンティがN響に満足していたからだと思いたい。歌手に身内を優遇するので,ちょっと...という話を聞いたことがあるが、私たちも、この日は、友人の身内の吉原輝さんの、パオロを聴きに行ったのだ。
 ヴェルディ作品その物の好き嫌いはあるが、歌も音楽も美しいと思えたので、出かけた甲斐があった。(G)
 NHKホール前ケヤキ並木、ベルリンを思い出すフリマ、客は外国人が多い
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新国立劇場ーリゴレット [オペラ(国内)]

 久々の初台、ヴェルディも生誕200年の今年、まだオペラを観ていなかったかも知れない。
 新年度一作目はリゴレットの新演出。演出家はヴォツェックと同じドイツ人、現代に移したと言う必要も無いくらい、ごく普通だった。
 ヴェルディも、社会と戦い検閲をかいくぐって、場面をフランスからイタリアの田舎に移し、風刺劇のこのオペラを成功させた。胸がえぐられるような、過激な筋書きだが、いつも思うのは、残酷な場面ほど、音楽がとにかく美しい。昔、初めてリゴレットを見たとき、恐怖を感じたものだが、ワーグナー慣れしてしまった今日、3幕のあの重唱が、あの嵐がもっと続けばいいのにと、とてもあっさり終わってしまった感じがする。勿論、言うまでもなく、1851年初演当時は、限界まで挑んだ舞台だったわけだ。ヴェルディもワーグナーも38歳。
 新国立劇場で、韓国人テノールを聴いたのは、初めてかもしれない。マントヴァ公素晴らしかった。気のせいかもしれないが、客席に、韓国からの応援団がかなり居たような気がした。海外のお客様は嬉しい。ジルダ役は美しく、声が意外と太い感じで、安定感もあり、いつかドイツものを聞けるかもしれないと期待。リゴレットの役どころ全てを表現するには、今風の衣装になると、不利かもしれないが、父娘の愛情だけは、4階の隅まで、見えなくとも、伝わってきた。(G)
【指揮】ピエトロ・リッツォ 【演出】アンドレアス・クリーゲンブルク
【リゴレット】マルコ・ヴラトーニャ 【ジルダ】エレナ・ゴルシュノヴァ 【マントヴァ公爵】 ウーキュン・キム 【スパラフチーレ】 妻屋秀和 【マッダレーナ】山下牧子 【モンテローネ伯爵】谷 友博 【ジョヴァンナ】与田朝子 【マルッロ】成田博之 【ボルサ】加茂下 稔 【チェプラーノ伯爵】小林由樹
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