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新国立劇場ーアラベッラ [オペラ(国内)]

 4日目のアラベッラ公演に行った。今回の公演にお客さんが少ないという話は、何となく聞いていたが、確かに土曜日とは思えないほど、閑散としている。何故だろうか。R.シュトラウスの音楽はとても綺麗だが、筋書きには特に感動的な要素も見出だせず、喜劇と思えるほどの、皮肉も分からず、過去何回かの公演も、印象が無い。単純に、共感できる登場人物が居ないということなのだろうか。他のR.シュトラウスに比べると、言葉はわかりやすいと思うのだが。
 身代が傾いて、娘の結婚相手が借金を肩代わりするという筋書きは古今東西あり、その中で登場する人間の行動や心の動きを詳細に表現しているのだが、オペラとしては、まず、上階まで声が届くかどうかがポイントになる。アラベッラとズデンカの声を比べると、明朗闊達なズデンカの声はハッキリ聞こえるが、アラベッラの声は、上品に演じているから、聞こえづらいのだろうか。歌い始めがハッキリ聞き取れないのは、演技なのだろうか。マンドリカ役のコッホが、舞台をリードしていたことは、確かだ。やはり、自分にはバイロイトのヴォータンの印象が強い。父親の没落伯爵役を演じた妻屋さんを、顔が見える人物の役として見たのは、新鮮だった。これまで、ダーラント、ハフナー、ドンジョヴァンニの騎士長、ザラストラ、など衣装やメイクをつけた、声で勝負する役の印象が強かったが、さすが20年ドイツで歌っているベテラン、喜劇役の身のこなしも、日本人としては堂に入っていると感心した。
 続・アラベッラのような作品がどこかにあるのだろうか、この一家、姉妹のその後が気になる。
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