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St.Georgen Swingt 2015 [ドイツ]

 St.Georgenは、バイロイト駅裏から、坂を上がったところにある、中世のような空間(田舎)。2011年から7月に町のジャズフェスティバルを開いている。今年で5年目ということで、2年前に来た時に比べ、運営にも慣れて、参加バンドも洗練された印象だった。住人や、企業の中庭にテントを張り、椅子を並べ、PAをセットした小さな空間が5箇所、通行止めにした通りの両端には、大きな舞台がある。
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2013-07-13-3
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2012-07-14-1
 今年気づいたのだが、各テントにあるピアノが、Niedermeyerという、この通りにあるピアノ工房のものだった。だからここでジャズフェスティバルが開かれるのかと、腑に落ちた。
 今年一番感動した演奏は、KEYS'N' DRUMSというピアノとドラムのセッションだった。でも、ドラマーは写真の若者でなく、何故かベテランのお爺さん。語るようなピアノの音に、静かなドラムの囁きを乗せていく。シンバルを撫でる音が、あんなに綺麗とは知らなかった。ぶっつけでお互いを予想する絶妙な呼吸、同じ瞬間に二人の音が合うことが不思議なほど、外界とかけ離れた異質な世界だった。ピアノも凄く上手い。ドラムは力強い興奮の象徴のように思っていたが、禅の境地のような落ち着いたドラムを初体験できた。最後の10分しか聞けなかったのが残念だ。
 他には、HILDEGARDPOHL TRIOという女性ピアニストと、自己陶酔系ドラム、弓も使えるベースのバンドに親しみを感じた。ベースはピッチカートだけでなく、コルレーニョも上手で、ピアニストが、ベートーベン、チャイコフスキー、バッハなどクラシックの曲を編曲しているのが面白く、ドラムが鳴り物を吹いたり叩いたり、色々な音がして、全体がクラシック出身者の安心感があった。
 日曜朝Ordenkirche のゴスペル礼拝も、二年前より穏やかなグループだった。ショッキングピンクの髪をした女の子が教会に入ってきたので、ゴスペル好きなのかなと思ったら、教会の聖歌隊の上着を着て歌う側だった。最後は決まって 参加者全員でWe shall oberconeを5番まで歌う。これもなかなか気持ちよい。
 各バンドにはレパートリーがあり、古めの音楽には年配のお客さんが集まっている。一番上手だったVnは、大きな舞台で演奏したGRNDESSAという5人のバンドの若者で、ジプシー音楽、シャンソンなど、ハートがあるVnだった。他のメンバーは、年配でアコーディオンからアフリカの楽器まで、なかなか聞かせるレパートリーだったが演奏は単調だった。以前はロックっぽいジャズ?グループが多かった気がするが、個人的には、今年の雰囲気が好きだ。エキストラなのか、ジャズには不可欠な、ベーシストは掛け持ちしている人もいた。
 出店している店の全メニューが載っているメニュー表が置いてあり、飲み物の料金も統一されている。町のイヴェントとして、定着した安心感が良い。
 夜は、酔っぱらいが騒ぐこともなく、整然と後片付けされ、月曜日には静かな朝を迎えた。http://www.stgeorgen-swingt.de/das-event/die-idee/
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神々の黄昏、ラインの黄金ードレスリハーサル [オペラ(海外)]

 TAFF会員の催しで、黄昏の2、3幕、ラインの黄金の衣装つき舞台リハーサルを見学した。カストルフのリングが始まって、一番舞台に近い列(18~19列)で見たので、舞台の様子がよく見えた。毎度のことだが、あちこちで音楽を邪魔する騒音が嫌だ。
 最近ティーレマンとの確執が話題のEva Wagner-Pasquier だが、黄昏2幕開始前に、手を振りながら明るく普通に客席に入ってきたと思ったら、中央のモニター席前で、突然大きな音とともに姿を消した。どうやら転倒したらしく、私の近くに座っていた男性、エヴァ反対派なのか、"この女、全く…"みたいな独り言が聞こえた。
 黄昏2幕は、午後1時音出し。始まっても、あれっと思うほど不慣れな感じだった。まず、ハーゲン役のStephen Milling が、ほとんど歌わない。不調なのか、セーヴしているのか、そのことだけで、舞台が沈んでくる。男声合唱は、まあ普通に聞こえ、この部分の大音量のオケも、オケピットの屋根のせいか、程よい音量になっていた。一番熱気を帯びていたのが、ブリュンヒルデ役の Catherine Foster 。体型も声も迫力を増したようで、2幕の登場以降、怒りに震える金色のドレスまで、凄く効果を出していた。
 3幕のリハーサルは夜7時。これは良かった。1時間半見ているだけで、体力を使い果たした感があったが、帰り道、夕日が背中から照り、体をあたためてくれて気持ちが良かった。Stephen Millingはまだこのプロダクションに慣れていないのか、舞台に出遅れたり、最後、ブリュンヒルデに促され、やっと "Zurueck vom Ring"と言ったどうか、定かではない。ジークフリートの死以降、Catherine Fosterのはきっちり演じ分け、威厳を持った 演技に、役を物にしたという自信が溢れていた。
 翌日は午後1時から、ラインゴルト。始まってすぐ、まだラインの流れが静かなうちに、無駄な騒音を出さないでほしいものだ…。一人心配な歌手が、ファーフナー役のAndreas Hörl。この人もキャリアがある人のようだが、失礼ながら、どうした訳か調子っぱずれ。本番までには、上手くまとめて欲しい。着々と開幕に向け準備が進んでいるのだろう。
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