SSブログ

バイロイト音楽祭ーさまよえるオランダ人 [オペラ(海外)]

 今回最後の演目だが、これだけはチケットを買っていなかったのでsucheを敢行。16時ごろから当日券売り場付近に行って様子を見る。かなりカジュアルな服装の人が10名程度、これは安い券狙いだろうか。中には子供にsucheの紙を持たせている人もおり、いい考えというか・・・
 周りの人も含め少し焦りが出始めた開演30分前になってようやくゲット。定価よりかなり安く買えてしまった。ティーレマンは来年はプレミエのトリスタンに移るので、オランダ人は今回で終わりとなる。この辺も人気のひとつかもしれない。(来年はアクセル・コーバー)
 演奏はティーレマンらしく引き締まって良かったが、リングチクルスの後で聴くとなると、音楽もそうだが何より舞台セットがチープに見えて残念だ。(B)
Bayreuther Weinfest
DSC09106.JPG
ワイン祭だがビールもある
DSC09105.JPGDSC09104.JPG
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

新しいバイロイト音楽祭の観客(地元紙の記事) [ドイツ]

 今年初、限定10演目のネット販売でチケット購入した観客について、8/8以降リング第二チクルスが終わった昨日までの特徴を、地元Nordbayerischer Kurier紙が書いている。導入として、駅近くのホテルWeihenstephanにいる歌手たちに会いにくる観客が、この週はいないという話。
 このチクルス、大きく3つの特徴があると言う。1つは祝祭の観客のうち今回初訪問の人が大幅に増えたこと。毎年延べ6万人の観客のうち、約5%が新人だが、今年はネットで10演目売ったため、さらに15%増と見ると、今年は不慣れなお客さんが多いことになり、実際この週、Blaue Mädchen(ドア係)がギャラリー席、パルケット後方席への入場方法の説明をすることが、多かったと。
 もう1つは観客の年齢層が、若かったこと。といっても10代という訳でなく、30代から50代の夫婦連れが多かった。3番目は、観客の反応が熱狂的だったこと。大歓声をあげ、拍手をし、ブラボーを叫び、床を踏み鳴らしたりすることが、例年になく激しかった。一方休憩時間には、その場で音楽祭のツイッターをチェックする。
 今週のバイロイト音楽祭の様子は、この地域以外の新聞の文芸欄で扱われることは無いだろうから、何より観客の口コミ情報が、リピーターをひき寄せる情報源となる。リピーターになって欲しいという期待と、反対に、インターネットチケット購入者のことを、品を落とす"Kaffeesatzleserei"として排除されるだろうという見方と、新人に容易に席を明け渡す気の無い古参客の存在と、ともあれ今年の音楽祭の新しいタイプの観客が話題になっている。(G)
DSC09124.JPG
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

バイロイト音楽祭ー神々の黄昏 [オペラ(海外)]

 指輪が終わってしまった。去年の印象と同じく、ペトレンコの黄昏の音はとても明るく、天空にかけ上るような勢いと、透明な光のような音の輝きを感じる。目を反らしたくなるような汚い舞台と、真逆の世界だ。
 昨年の舞台を見て、即座に新演出の意味を理解できた日本人は多くなかったと思う。私自身は、バクー油田も名前しか知らず、旧東ドイツも体験したことはない。テキサスや、随所に出てくるパロディー的なイメージを統合できるほどの、バックグラウンドがなく、目立つ舞台や映像セットに振り回さるのみで、惨めな思いがあった。
 今年になって、気づいたのは、ただ舞台展開を知っているだけで、居心地が良いということ。昨年、この舞台でジークフリートが英雄でないことに皆が気付き、戸惑った。あれから一年、昨年は、石油がテーマだと言われつつも、何か腑に落ちない点ばかり指摘されたが、今年はもはや、石油が指輪だと感じる人はいない。カストルフも満足されているのではないだろうか。観客は見事に成長し、旧東西ドイツの人間の問題まで、考えるに至ったように思う。全ての人から即座に賛同を得る舞台など、むしろ表面的なもので、見る人に考えさせる演出とは、こういうものなのかと、当事者として体験した指輪だった。
 例え、演出家の意図とは違っても、ローエングリンのネズミたちのように、段々と皆に受け入れられる慣れや順応という人間の特性もある。「人間」を知り尽くしたワーグナーが描く登場人物は面白い。(G)
DSC09016.JPGDSC08973.JPG
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽