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バイロイト音楽祭ーヴァルキューレ [オペラ(海外)]

 1幕はジークムントのボータとジークリンデのカンペが、相変わらず素晴らしい。聴いていて熱くなる歌唱だった。ただボータは、「冬の嵐」のところで舞台セットが1/4回転する時に、20mほど歩くだけで、それ以外のところは、半径3mの範囲で立ったり座ったりするだけ。まあそこに居るだけで存在感は抜群だが。
 階段を上がったり下りたり、舞台狭しと動き周り、ノートゥングを派手に振り回したりと、アクション部分は全てカンペの担当だ。
 2幕、ヴォータンのコッホが押し出しが良いので、マーンケのフリッカがどうしても劣勢に見えてしまい、いまいち説得力が無い。(歌も見た目も)
 3幕出だしの騎行でトランペットが派手に落ちる。これは珍しい。終盤に掛けて、コッホとブリュンヒルデのフォスターは十分に健闘していると思うが、周りの映像やら大道具の意味の分からない動きがどうにも気になって集中出来ない。立ち回り部分も室内の動きを実況映像で映していて、狙いは良いが見ていて疲れるだけで、目を閉じて音楽だけ聴く。
 黄金のような群像劇では、舞台上の歌っていない役まで細かい演技を付け、全体として緊張感溢れる舞台となっているが、ヴァルキューレとなると殆ど1対1で歌う場面なので、演出家として打つ手無しなのか。昨年も感じたが、ヴァルキューレ以降の演出が奇を衒い過ぎで、はっきり言って落ちる。
 内容の改善もあまり無いようで、ヴァルキューレたちの動きなど、昨年よりおとなしくなっていて、かえって残念だ。(B)
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