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Richard! Mein Leben! 2013 [演劇]

 昨年プレミエの日に見たが、もっと近くで見たいと思い、今年も行った。暗くて暑いテントでの上演だが、さすが演劇、言葉が凄くよく聞き取れて、行ったかいがあった。
 ドイツでは小さな講演会や、朗読会が頻繁にあり、マイクは使わず、肉声で話す機会が多い気がする。日本では、聞こえないと苦情が出るので、すぐマイクを使うが、こちらでは、音楽ホールが講演会場にもなるため、私には話す声が響き過ぎて、慣れるまでしばらく聞き取れないことがある。コアザールの朝のリング解説もマイクなしなので、始まってから、肉声が直接届く前の方に座るべきだったと気づいた。バウムガルテンの時は、皆横並びなので、ほとんど新しい話はわからなかった。日本では、響く会場を探すのが大変なのに、響きが言葉を聞くのに邪魔になるとは、皮肉な話だ。
 この演劇では、4列目の席で、良く聞こえたので、去年よく分からなかったところも、ほとんど納得できた。
 昨年から、ワーグナー生誕200年を目指して始まった演目であることは明らかだったが、ヴァンフリートが工事中の今、コジマとジークフリートが、これからどこで暮らしたらいいのだろうと話すところが、昨年より、切実に感じる。バイロイト音楽際の資金問題では、今年初期三部作が上演されたオーバーフランケンハレが、収容人数が多く、第二の祝祭劇場になるのかなどと、笑いを得ていた。ワーグナーファンばかりが来ているわけではなく、トリスタンや、ワルキューレを連想する場面は昨年のプレミエほど、反応がなく、後半、色々な歴史上の人物が出て来てからの方が、受けていた。
 コジマはワーグナー命!で、夫のビューローには、家庭を守れと言われ、ワーグナーに走る場面もよく出来ている。ワーグナーのそばで一生懸命日記を書くが、最後に、あとは、好きに書いてくれとワーグナーに言わせたり、ヴェーゼンドンク夫人とのことを踏まえ、ワーグナーの人物像を演技で見る面白さは、日本ではまだ味わえない。
 Geld! とKinder, schafft Neues! というワーグナー自身から引き継いだ、資金繰りと新し物好きの精神、創造性の課題は、いつまでも残りそうだ。(G)
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Axel Kober タンホイザー [オペラ(海外)]

 タンホイザー初日、一回目の休憩時間に、Taffが演出家Baumgarten呼んで話を聞くという案内があり、覗いてみた。するとやはり、舞台観覧席の観客しかおらず、15席くらい弓なりに座談会の席が準備されていた。舞台の席はキャンセル待ちとのことだったが、たまたまこの日、一人来なかった人がいて、二幕から、舞台席最後列で聞かせてもらうことができた。
 アクセルコーバーの腕が太い!これが第一印象で、音楽は至って普通、ティーレマンのような緊張感は、残念ながら望めない。
 演出は、また少し変わっていたように思う。意外と東側から歌手が出入りしていることに気づいた。舞台裏でも、演技が続いており、また救護の人が出入りしたり、裏方の雰囲気を味わうには東側、オケピットを見るなら西側が良さそうだ。
 カーテンコールで姿を現したBaumgartenは、どんなに演出を改良しても、ブーイングを浴び続けるのか。来年でこのプロダクションは終わり、ネズミのローエングリンの方が続くらしい。歌手やコアがどんなに頑張っても、最後まで、演出は受け入れられそうにない。
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