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ドレスデン郊外散策2 [ドイツ]

 前後するが、ドレスデン郊外を歩いた日、あまり行程を詰め込み過ぎて、バスタイ橋を見に行けなかったので、翌日ベルリンへの移動日の朝、行ってみることにした。と言っても予約したハンブルク行ECが11時4分発で、それまでに戻って来られるSバーンが現地駅を10時前に出なければならず、渡し船もあるのでかなりの強行軍だ。おまけに朝から雨模様の最悪の天候。
 昨日より30分早い7時発のSバーンに乗車、ケーニヒシュタイン駅の1駅前のKurort Rathen駅へ。着いたのは7時半で当然まだ真っ暗な上、雨も大分激しい。渡し船は人が来れば出すようで、地元客数人と乗船した。(説明板には4時~24時運行とあり)
 ラーテンの町は昨日のShoenaよりは大きいが、雨の中ゴミの集配車が動いている程度で当然人影は無い。エルベの支流を少し登って、左手の食料品店角を曲がって山道を入る。
 前日の砦へ向かう道よりもはるかに整備されており、途中の駅からエルベ川を隔てて見える尾根筋まで出れば、完全に石段で歩くのは容易。ただ雨がますます激しくなり、傘も1本しかなく完全にずぶ濡れ状態となる。
 周辺は写真のとおり素晴らしい景色で、左側の川筋よりも、右側の中国の墨絵に出てくるような風景がヨーロッパでは珍しい。
 25分ほどで着く頂上には立派な展望台の建物(朝早過ぎてまだやっていない)や、5つ星ホテルもあり、やや拍子抜け。途中有料(冬だからかゲートには人がおらず実質無料)の周回見学コース(地獄覗きみたいなもの?)もあるが、時間も押してきて早々に退散、15分で下山して駅前のガストホフを無理やり開けて貰い、またビールとコーヒーを飲んでドレスデンまで戻った。
 今回気温が高く雨だったから良かったが、雪だと普通の足回りでは危険。事実バスタイ橋上は圧雪状態だった。(B)
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ワーグナー生誕200年開幕とWagner 2013. Künstlerpositionen [美術・博物館]

 2013年はワーグナーとヴェルディの生誕200年記念の年。日本国内では断トツにヴェルディ派が多いと思われるが、ドイツで早速ワグナーの年を実感した。
 たまたま見かけた新年の週刊新聞2紙で、一面にワグナーの顔写真が掲載され、5~6ページの特集が組まれていた。die Zeitでは、ワーグナーを振る外国人指揮者ということで、サイモン・ラトルとアンドゥリス・ネルソンズにインタヴューしている。
 ワーグナーの音楽には精神科医が必要だという見出しで、音楽に麻酔性があること、音楽に逆らって指揮せず、流れに身を任せないと、響きを損なってしまうなど、強烈な作曲家であることが強調されている。
 リングと切り離せない反ユダヤ思想と作品について、ラトルはノーコメントだった。ラトルはバイロイトで振っていないが、ヴォルフガングとは何度か会ったことがあり、反りが合わなかったようだ。
 ネルソンズが言うには、パルジファルだけは、祝祭劇場用に書かれているので、スコア通りで問題ないが、他の作品は多かれ少なかれ苦労が伴い、奈落での大音量で耳をやられることもあるそうだ。ローエングリン第三幕前奏曲で金管が思いっきり鳴らそうものなら、指揮者は、全世界を肩に担うギリシャ神話の巨人アトラスのようで、でも会場の助手からは、もう少し音量出しても構わないと言われたりすることもあるとか。
 確かに客席では決して大音量には聞こえない構造になっているのだが、ピット内はすごいことになっているらしい。二人ともドイツ人でないのにワーグナーを振る重圧を感じていることが伺える。1978生まれのネルソンズは、過去の歴史にとらわれず、苦しみながらも純粋にスコアーの音楽を表現して、2016年にはバイロイトで素晴らしいパルジファルを演奏してくれそうな気がする。ラトルは、社会的存在としての意識が強く、社会情勢を視野にいれた音楽家だと感じた。
【Wagner 2013. Künstlerpositionen】
 ベルリンでは大物のオペラ演出家たちが、ワーグナーの演出について、各自ブースをつくり展示しており、友人に案内してもらった。普段公演プログラムなどに、演出意図が書いてあることは稀で、観る側が考えなければいけない。この展示にはHP上に各人のレジュメが掲載されているので、一応全部目を通して会場へ行ったのに、読んだこととリンクできる人はごく少なかった。見るならとことん見ねばならないが、これは、本当に知っている人がなるほどねと思うような芸術的領域だと思い程々で退散した。2016年からバイロイトのパルジファルを演出する、1970年東京生まれのJonathan Messeの描いた絵を見てすごい演出になりそうだとため息が出た。
 こうやってワーグナーの演出家の展示が、地味に一堂に会するって、さすがベルリンだ。(G)
展示は2月17日までAkademie der Künsteにて(U9、Hansaplatz駅) http://www.adk.de/de/projekte/2012/Wagner/Wagner_Ueberblick.htm
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ベルリン・ドイチェオパー リエンツィ [オペラ(海外)]

 リエンツィはノーカット版で見たことはないが、公演としては、2005年10月エッセンの演奏会形式、2009年4月ブレーメン(カテリーナ演出)、2010年2月ベルリンドイチェオパーのプレミエから4回めの公演を聴いている。3年近く経ち、何回目の公演になるのか、前回見た時よりすごく上手になっていた。当然かもしれないが、ワーグナー年の最初の公演ということもあり、力が入っていた。映像を使っているので、リエンツィ役は常にTorsten Kerlでなければならない、代役がいないというのは珍しい演出ではないだろうか。或いは映像と違う代役を立てたことがあるのだろうか。昨年バイロイトでタンホイザーを歌ったKerlは声が太く安定していて、張った声で、歌い終わりの小節のような節回しが特徴ではないだろうか。
 アドリアーノを演じる女性Daniela Sindramはとても素晴らしく大きな拍手を受けていた。ドイツ人でベルリンで勉強したようで、ファンも多いのだろう。2年前に聴いたときのアドリアーノKate Aldrichはアメリカ人だったがやはり輝いていた。
 Kerlは頑張っていると思う。オーボエ奏者からの転身で、日本の新国立劇場でも2010年にドン・ホセを歌っており、2014年には死の都で来日する予定。
 1996年からバイロイトでマイスタージンガー、オランダ人などに出演している。昨年のバイロイトではタンホイザー、今年パリでジークフリートを歌い、本格的なヘルデンテノールとなるのか、期待したい。(G)
指揮:Sebastian Lang-Lessing
リエンツィ:Torsten Kerl
イレーネ:Manuela Uhl
ステファーノ・コロンナ:Tobias Kehrer
アドリアーノ: Daniela Sindram
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ファミリーコンサート ピーターと狼 [コンサート]

 シラー劇場で土曜の朝11時から、シュターツオパーのファミリーコンサートがあった。最寄りの地下鉄駅から、親子連れが通路一杯だ。入場料はおとな17、子供12オイロ。ほぼ満員だった。
 指揮はWolfram-Maria Märtig、30才の若手でピアノ弾き振り、語りはKlaus Schreiberで俳優のようだ。
 プロコフィエフの2つのピーターの物語ということで、お話の場面のスライドが投影される。語りの男性は、声だけでも、相当話を盛り上げた。一曲目は、聞いたことのない曲だったが、ピーターと狼は良く知っている。でもイメージと一番違っていたのは、初めの、フルートの小鳥のテンポだった。ものすごく速くて、とても勢いのある小鳥だった。期待どおり、楽器やメロディーでメリハリのあるキャラクターを分かりやすく表現する、よいお手本を聴くことができた。(G)
SERGEJ PROKOFJEW
Ouvertüre über hebräische Themen op. 34
DANIIL CHARMS
»Erstens und Zweitens« (Märchen)
SERGEJ PROKOFJEW
»Peter und der Wolf«
Musikalisches Märchen op. 67
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ベルリン・コーミッシェオパー 魔笛(2013年) [オペラ(海外)]

 2012年12月プレミエの公演が評判になり、チケットは完売、当日券に挑戦した。6時半売り出しのところ、雨の中6時過ぎに着くと既に5名ほど並んでいる。その後またたく間に人が増え、正面ドアの空く前には50名ほどとなる。ここまで人気があるのかと驚いたが、通常なら当日券は楽々入手できるので安心していた。
 中に入って窓口に並ぶと、我々3名(現地在住友人含む)の番で、2枚で売り切れと言う。通常当日券として取ってある、2(3)階席の舞台寄りの部分も全部売り切れているのだ。仕方なく、日本から来た我々2名だけが入場、後ろに並んでいた50名は全て徒労となった。
 最近オペラ公演で映像を使うことは珍しくないが、この演出では全てアニメで、歌手はそれに合わせて歌うということになっている。メトの指輪のように歌手の声量で画面が反応するというようなハイテクではなく、歌手の方が予め作られた画面に動きを合わせるので、練習は大変だったと思うが、それなら最初から全編映像でいいのでは?という疑問も出てくる。
 地のセリフの部分は全く無く、画面にセリフ・説明が表示される。なので、パパゲーナが老婆に化けるシーンはない。そのほか、ザラストロ軍団の合唱部分などかなりカットされているようだ。
 いずれにしても、前の日の魔弾に比べたら子供も楽しめるメルヘンで、安心して見ていられた。
 指揮者は左利きの若い女性、この日は夜の女王とザラストロが不調だった。(B)
http://www.komische-oper-berlin.de/spielplan/zauberfloete/132/(アニメの演出)
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