SSブログ

ベルリンフェストターゲ―神々の黄昏 [オペラ(海外)]

 いよいよ最後の演目、黄昏の日が来た。前奏が始まり、ひょっとしたら調子悪いかもと不安がよぎる。音ががさついていて、いつものバレンボイムの透明感がなく、オケの中で音程もバラバラ、Vnも揃わず、悲鳴のようなラインの流れだった。
 ノルンも不調で、第二ノルンのマイヤーも不安定な音程が伝染したみたいで、なかなか舞台全体の音程というものが、収束しなかった。休暇の途中の公演だし、プレミエが3/3だから、まだ十分慣れていないのか、はたまた、前日のスカラ座のヴェルディが何か影響したか、ネガティブな気持ちだった。
 それでも、浮き沈みしながら、上り調子で、マイヤーのヴァルトラウネの場面は、さすがに良かった。ハーゲンの音程も今ひとつ決まらず、ギービヒの館の男性合唱は、初め召集がかかった時は、抑え気味で、こんなものかと思ったら、グンターの花嫁を迎えるとハーゲンが知らせたあとの合唱はパワー全開で、喜び溢れた演出だった。2幕の黒子たちは、ブリュンヒルデを連れにいく、配役ジークフリートの隠れマントにまとわりつき、がんじがらめの指輪の呪いを体現している感じだった。
 3幕前に、劇場の人が出てきて、お分かりでしょうが、ジークフリートは体調が悪いが、頑張って歌うと伝達した。劇中でも、水筒の水を飲み頑張ったが、小鳥とのいきさつのところは、声にならなかった。
 歌手が不調だとオケもなかなか集中してこない。今日はもうだめかとあきらめたが、ジークフリートの死以降は、急に目がさめたように、オケが集中してきて、ブリュンヒルデの絶叫が、全てを補ってくれたと思う。席が遠かったため、テオリンの耳をつんざく不快感はなく、むしろ、あのまま舞台を終わらせず、最終日を盛り上げた功績は大きかったように思う。
 チクルスの間、平土間に下りたことがなかったが、ピットには、指揮者の背後の壁は、バイロイトのような、緩やかカーブになっていた。ピットにラインゴルトからずっとハープが6台あり、壮観なので、最終日ようやく下りていったら、3幕前の休憩で6人の練習を聞くことができた。本番ではほとんどかき消されてしまうのだが、ハープだけ聞くととても綺麗だった。とにかく久々に集まっていきなり本番だったのだろうと想像できる箇所が目についた公演だった。(G)
DSC02575.JPGDSC02584.JPGDSC02589.JPGDSC02582.JPG
DSC02578.JPG
 黄昏の日夜中1:30にトラックが劇場裏に到着した。色々な場所に舞台セットをコンテナのまま保管しており、大体毎朝8時前にトラックが来る。
DSC02526.JPG
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽