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今日からサマータイム [ドイツ]

 今日はリングチクルス最終日の黄昏の日、夏時間の始まりの朝は雪だった。前日夕方部屋に戻ると、夏時間のお知らせと、イースターエッグが置いてあった。今まで何度か夏冬時間の境に居合わせたが、ホテルからお知らせを貰ったのは初めてだ。(G)
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ベルリン・ドイチェオパー―タンホイザー [オペラ(海外)]

 ドイチェオパーのタンホイザーは、前日のパルジファルとうって変わって、何故かとても良かった。席はほとんど同じ3階なのに、ピットのオケの音がよーく響き、この日はパルジファルのときと違い、金管の配置が全部右にまとまっていたと、ちゃんと見ている人がいた。
 歌手陣も有名どころを揃えて、おそらく初めのヴェーヌスベルクの豊満な女性たちの肉体が、まず、第一段階の客寄せになっているのではないかと思った。皆が中世の鎧を身につけていて、馬が動いたり、何となく面白い。真っ暗でほとんど舞台の中が見極められない、パルジファルとは、お客さんの反応も全然ちがう。
 ザイフェルト・シュニッツァー夫妻の演技の距離がとても接近しているのもちょっと面白い。ラニクルズのスキップ調の音楽も、タンホイザーなら、まあ軽やかで嫌悪感は感じず、楽しかった。
 終演後、向かいのイタリアンレストランで、早々とゲストのヘルマン役のAngerが食事をしており、タイミングをみて、サインをもらいに行った。向かい席の男性にどこから来たのか聞かれ、従兄弟が東京に住んでいると、親日の方たちだった。Anger氏は2017年に日本に来るという。
 トイレに立ったときもう一度呼び止めて、詳しく聞くと、2017年は黄昏、ラニクルズ、N響のハーゲンだ。携帯の写真を呼び出してあり、その場で、桜の写真を見せてくれたので、今年行ったのかと聞くと、うかつにも、去年上野のタンホイザーで来ていたそうだ。私たちは聴いていたのに、全く覚えておらず、最上階の席でよく分からなかったと場を取り繕ったら、あのプロダクションはひどかった、指揮者と離れていて、歌いずらかったそうだ。
 一方、日本の魚が美味しいとのこと、リトアニア出身で、お父さんは漁師だし、魚が大好きとのこと、その後、現地在住の日本人が、ドイツでの公演のことなど話し、思いがけない歌手と出会いだった。(G)
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スカラ座管弦楽団―ヴェルディ・レクイエム [コンサート]

 急遽現地調達し、フィルハーモニーでワーグナー仲間の日本人と、ガブリエラと3人並んで聴いた。始まりの囁くような響きと、一瞬、観客のしゃべり声かと聞き違った男声コーラス、席が舞台横だったせいもあるが、とても良く響いて、教会のなかのようだった。
 常々、ベルリンフィルが世界で一番綺麗な音だと思っており、オケの音色があたかも自然界にある音のように、いつも感じる。一方、スカラ座のオケは、楽器の音は、人の声や、話し言葉のように、コーラスの声は子音までピッタリ揃った、おしゃべり声と聞き間違え、何度か焦った。
 繰り返し出てくる怒りの日は、強烈の極み。最近の耳の状態を考慮せず、買ってしまった、Eブロックだったが、フィルハーモニーだけは、本当に最高ランクの席が一番良い音にきこえるよう、設計されていると思う。(G)
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シラー劇場のリング講座 [講演会]

 劇場のドラマトゥルグが、音楽付きでリングの解説をするというので、てっきり演出の話かと思ったら、ベルリンで上演された、過去の名演の録音を、少しずつ聞かせてくれた。
 録音のせいもあるだろうが、昔はテンポがゆったり、ヴォータンの太い声ものびのびしている。フルトヴェングラーは改めて、凄いなあと思った。一番興味をひかれたのは、His Master's Voice の蓄音機に、リングのライトモティーフが、延々何時間も録音されていたという話だった。数小節の楽譜付きで、初めの数曲聞かせてくれたが、あのニッパーとリングにこんな接点があったとは、感無量だ。
 最後の試聴は2002年のバレンボイムのリングだったが、今より、とても若々しい演奏で、当然とはいえ、ちょっと驚いた。"生"の音楽はその場の人間が作り出す奇跡みたいなものだ。バレンボイムには、益々元気で、新リンデンオパーの開幕公演をプロデュースしてもらいたい(G)
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ベルリン・ドイチェオパー―パルジファル [オペラ(海外)]

 復活祭の時期、2006年と2008年に、二度、パルジファル巡礼を決行、ハンブルク、ミュンヘン、ドレスデン、ライプツィヒ、シュトットガルトなどドイツの各都市や、ウィーン、パリ、チューリッヒ、アムステルダムなど回り、復活祭のミサにも出て、無事に一人旅を続けられる感謝の祈りを捧げる気持ちになったりしたものだ。もうできないだろう。
 今年はベルリンで雪の聖金曜日、私には、今回ただ一回のパルジファルなのに、何だか音楽が大味で、公演に一緒に居合わせた日本人4人とも、良かったとは言わなかった。
 アンフォルタス代打のRothは、前の晩チューリヒで歌い、朝ベルリンに来てくれたとのこと、大きな拍手を受けていた。クリングゾールには、バイロイトでオランダ人に抜擢さされた、Youn が来た。
 グルネマンツの Liも良かった。でも題名役のシュテファン・グールドはどうも、ジークフリートに見えてしまうのは、何故だろう。
 今年9月に、ラトルがここでトンネルリングを振るのは、バイロイトからこぼれた人には嬉しい情報だ。(G)
バイロイトと同じMoedel展示パネル
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オランダ大使館見学 [ドイツ]

 集合場所はオランダ大使館前、屋外でまず登録人の身分証明書のチェック、入口で空港と同じ手荷物チェックを受けた後、手ぶらでの見学となる。ドイツ人にとっても、ここは異国、でも年配女性たちが、冷たい扱いに不満を表明、我々は敵かと。
 建物には階段が多く、途中の踊り場が、上下フロアーの入口となり、巨大な金庫の扉のようなぶ厚い壁が、動く。興味津々のおば様たちが、あっちも見たいとか、足の悪いお婆さんがエレベーターを使いたいと言っても、案内の若い女性は、ニコリともせず、冷たく断った。
 建物はシュプレー川沿い、U2のKlosterstrasse にある。建物の外階段はガラス張りで、床もガラス、天候によって変化するというが小雪舞うこの日は、グリーンだった。向かいの住居棟へも、ガラス張りの通路で繋がっていて、その付近では、外敵の侵入を防ぐべく、階段にシャッターが降りるようになっていた。シュプレー川沿いには、ガラス張りの展望室が突き出ていて、この運河の光景がオランダに似ているとのこと。なるほど、それでこの地を選んだのだ。統一前の大使館はボンにあった。
 部屋、カンティーネ、トイレに至るまで、出入口と壁が一体になっているのが、最大の特徴だろう。新しく赴任した職員も、慣れるまで迷子になるそうだ。廊下からいきなりトイレの個室というのも、本当に開けていいのか、不安になる。
 カンティーネでは午後温かい料理が出るそうだ。オランダでは、昼食は普通ドイツでいうAbendbrot、夕方5時頃家族で温かい食事をし、もし、夜8時頃、友達が訪ねて来たりすれば、ケーキとコーヒーを出すとのこと。とは言え、11時近いのに、調理場の気配が何もないカンティーネは不思議な感じだ。
 ともあれ、ドイツ人たちも戸惑うほど、オランダ人とドイツ人は違うという様子を、外国人として間近に見て、一人で笑ってしまった。(G)
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ポツダマープラッツの今と昔 [ドイツ]

 ポツダマープラッツを最初に見たのは90年代半ばで、広大な工事現場を見渡せる、赤い仮設ボックスが建っていた。フィルハーモニーの前の信号機は壊れており、道路を渡るのが怖かった覚えがある。生き残っているのは音楽だけなんだと、ショックだった。
 それ以後、再びベルリンの中心として発展し変貌を続けてきた、ポツダマープラッツも、今またもてあまし気味になっている。
 シュターツオパーのツアーの一環で、この日のガイドさんは、ご両親の代からベルリンに住み、ベルリンに格別の思いのある、かなりお年を召したお婆様だった。
 集合場所は、ティアガルテン側の、フィルハーモニー・カンマーザール入口と指定されていたが、定時に来たのは自分を含め3人、殆どの参加者は大ホール側の入り口と間違えていた。
 早速昔の写真のコピーが回覧された。最初に、Siemens こそがベルリンのBegriffだったのに、本社がミュンヘンに移転してしまい、ベルリンは寂れていったと熱く語るの聞き、これは筋金入りのベルリナーだと鬼気迫るものがあった。強いビル風と零下の気温の中、2時間の外歩きは旅行者にはきつい。
 20世紀初めに、地下鉄が敷かれ、Vaterland という大きな、今で言うならカフェや、レストラン、劇場の入ったショッピングセンターができ、とても賑わっていた。今も、時計のついた、古い信号機が広場にあるが、これはジーメンス社製で、世界初の信号機。
http://www.potsdamer-platz.org/haus_vaterland.htm
 U2入口のBalzac Cofeeがあるところの建物の丸いガラスに、Vaterlandの微かな記憶を残しているとのこと。ちょうど、DB本社の上辺りから見下ろす角度のノスタルジックな写真はよく目にする。 (2番目の写真)
http://www.lsg.musin.de/geschichte/Material/referate/lkg/berlin/potsdamer_platz_bis_1945.htm
 その後、壁ができ、今も壁の緩衝地帯は、誰のものでもなく、日本の土手のような佇まいだ。ソニーセンターの後ろ側も、最先端の素晴らしいデザインの建築やオブジェができ、当時は目を見張ったが、今案内されても、自分の中では、既に過去の歴史に組み込まれている。(G)
赤い帽子のガイドのご婦人
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ベルリンフェストターゲ―ジークフリート [オペラ(海外)]

 バレンボイムの音楽は、ほど良い高さの波を沢山作ってくれるので、ふわっと浮いたり急降下したり、普段聞き流してしまっている音やメロディに意表をつかれた。音楽からジークフリートの弾ける若さを感じたのは、初めてだった。
 Lance Ryanは、スリムで、やはり鬘のとおり小顔で、演技がちょっとシャイで、あまり荒々しさを感じない、演出に合ったコンパクトなジークフリートだった。舞台には、ラインゴルトの時の黒子が五人現れ、大きな布を波うたせて、ファーフナーを表現していた。
 一幕のジークフリートのトンテンカンは上品で、最後住まいをノートゥングで、叩き潰して出ていく舞台に慣れていると、視覚的には物足りなさがある。でも、音楽が舞台を補って余りある、素晴らしいものなので、良しとしよう。アップテンポで、こんな生き生きした演奏もあるのかと、またバレンボイムは凄いと思う。(G)
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リンデンオパーの改修工事現場見学 [ドイツ]

 本日の特別プログラムは、一向に進まないリンデンオパー(ベルリン国立歌劇場)の現状視察。当初、今秋までには終了とのことだったらしいが、素人目にも絶対不可能。(1年延長らしいが、それさえ無理?)新空港の開港遅れといい、どうなっているのだろうか?
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舞台裏最新式の建築プランはまだ穴の状態、地下水が出て、工事が進まないそうだ。
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反対側のロッジェ 、右側が舞台、下はパルケット、やはり地下水で困っているそうだが、シュプレー川も近いこの地区で、掘れば水が出ることぐらい分かっていたはずだが・・
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パルケット
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アポロザール
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通路
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 この後一行は、天井まで上がったはずだが、夜のジークフリートに遅刻したくない人だけ、結局私とドイツ人ご夫妻だけだったが中途退場し、一緒に車に乗せてもらい、シラー劇場までドライブさせて頂いた。(G)
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シラー劇場ツアー [ドイツ]

 今日のフェストターゲ特別プログラムは、フェストターゲ会場のシラー劇場見学。シュターツオパーのガイドの男性は、ウンターデンリンデンの魔笛のショルダーバッグを掛けてきた。何だか以前にも、あちらで説明を受けた方のような気がして、懐かしい。
 リンデンの工事中こちらに引っ越してくるにあたり、シラー劇場改装はかなり大変だったようだ。音響についても音楽に適した残響を作り、椅子も換えたらしい。二階ロビーの絨毯などは、今年フェストターゲのために張り替えたようだ。外から見える、二階のガラスのデザインも、一様ではなく、教会のステンドグラスさながら、テーマのある図柄になっている。オケピットには100人入るが、黄昏では更にプラス数人入ることになる。たまたま、客席では、クラシックでない音楽の音響チェックが、舞台上では4月プレミエの バーゼルのオランダ人の舞台セットが準備されていた。
 楽屋はとても狭い。メイク部屋には、ジークフリートのかつらがあった。意外と頭は小さいようだ。衣装部屋には、ヴァルキューレ、フリッカ、ヴォータン、ジークフリートの衣装があった。ヴォータンの毛皮も、ジークフリートの羽の衣装も相当重たい。歌舞伎役者の衣装のように、重い体で声を出すのは大変な仕事だ。
 奈落には、ジークフリートで剱を鍛える音に使う、鉄のレールがあったり、ラインゴルトでは、舞台に水を張るので、地下の機械が濡れないよう、さりげなくビニールが掛かっていた。
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ジークフリート衣装
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パペ楽屋
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オランダ人セット
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ヴァルキューレのセット
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奈落
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オケ、バレー練習場
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 予定時間を45分オーバーしたので、フィルハーモニーのランチコンサートには間にあわなかった。以前は2階通路で立って聞けたが、最近は、一階ホワイエにステージと客席をセットしているようで、モギリの外では、よく聞こえない。友人のガブリエラと待ち合わせしていたのに、彼女も聴けず悪いことをしてしまった。なので、アルカーデンでお寿司をつまみ、カフェでエプレッソを飲んで、ボーデミュージアムに行った。
 彼女はアルカーデンの寿司バーの常連さんなので、いつものフレッシュなサーモンや、小さなエビフライやら、 日本より美味しいものを口にすることができた。
 新しいローマ法王フランシスコ1世は贅沢を嫌い、質素な身なりで、いつも万人と共に有ることを目指す身近な法王だ。アルゼンチン人である彼女にとっては、目下、法王と、バレンボイムと、オランダの王妃になるマキシマ妃が誇りだ。
 ボーデミュージアムでは、キリスト教の聖人の絵で、質素な、聖フランシスコが出てくると、今度の法王がこれまでと違う庶民と同じ目線の素晴らしい法王だと、語ってくれた。ニュースでも話題になっているが、現代に相応しい方だと感じる。私が認知している法王は、ここ3代の方だが、それぞれ違いを感じる。(G)
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ジーメンスシュタット [ドイツ]

 「ベルリンのモダニズム集合住宅群」として、世界遺産に登録されている。ベルリンで6ヶ所の集合住宅Siedlung(ジードルンク)がセットで登録されている中の1つで、ベルリンの西にある。
 シュターツオパー主催のフェストターゲ特別プログラムの一つ、ジーメンスシュタットのツアーで、この回の参加者は18人、午前中もあったらしい。申し込みの時の時間と変わっていた。フェストターゲの事務局から、事前に案内文書が来て、11のツアーの中から、希望するものを、寄付を添えて申し込む。ツアーの言語選択肢は無く全てドイツ語、参加者は皆ドイツ人だったと思う。
 管理棟入口が待ち合わせ場所で、シュターツオパーの経理部長の女性と落ち合い、ジーメンスの受付で、まず名前のチェック、ジーメンスのガイドの人が来て、一緒に中へ入り、会社の歴史や工場、初期の製品を説明してくれた。ジーメンスから多額の寄付を受けているので、シュターツオパー側の人は、立派な肩書きの、特別プログラムの企画書発信人の人だったと思う。中での説明の後、小一時間町歩きとなる。全部で、二時間半、零下の雪道の散歩は、骨が凍る寒さだった。(G)
 本社管理棟:第二次大戦の爆撃で、ライヒスタークのような、2つのドーム天井は壊れたが、大理石モザイクの床や、石作りの階段など、幸い無事だったとのこと。
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 最初のテレグラム:アルファベットを打ち込むもの、50kmの距離届いた。それ以前は手旗信号なので、画期的発明
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 世界遺産に最初に登録された建物
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 通りのアーチも建物の一部になっている
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 Sバーンも敷いた
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 綺麗な建築物、教会、給水塔、工場、学校などがある
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ベルリンフェストターゲ―ヴァルキューレ [オペラ(海外)]

 ベルリンまで来ると、本当にいろんな音色を楽しめるものだと、バレンボイムのワルキューレを聴いて、しみじみ思った。シラー劇場という、小さな空間で、どこまで繊細にワーグナーを表現できるのか、大指揮者にとっても、喜ばしい挑戦ではないだろうか。聴衆にとっても、贅沢な体験であり、本来劇場であるが故の視界のよさは、まるで自分だけのために舞台が進行しているような、嬉しい錯覚すら感じる。
 元々、バレンボイムのPPは美しくて、私は大好きだ。久し振りのバレンボイムのワルキューレ、特に一幕は、水彩画のような淡い色彩と、透明感のある音色が本当に美しく、春の日差しの中で、菜の花畑にたたずんでいるような、特別な心地がした。こんな音もあるのだという驚き。スカラ座では、違う音色を堪能できるだろうが、ここで紡ぎ出される音は格別だ。
 演出も前日の連鎖はなく、ほっとした。やはり、劇に関係ない人の動きは、慣れてないので、どうも気になって、舞台への集中を邪魔する。でも、ワルキューレの演出は、美しくてよかった。歌手陣も素晴らしいが、今日の主役は、何と言ってもジークリンデを歌ったマイヤーだろう。一番大きな拍手を受けていた。
 一つおかしかったのは、3幕のワルキューレたちで、なぜか皆調子が悪くて声が良く出ず、改めて、テオリンのブリュンヒルデの突き抜けた迫力ある声を凄いと思った。とても満足した公演だった。(G)
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ベルリンフェストターゲ―ラインゴルト [オペラ(海外)]

 バレンボイム指揮、ベルリンフェストターゲで、スカラ座とシュターツオパーの共同製作のリングチクルスを上演、シラー劇場で見るか、後でミラノへ行くか迷った末、やはりドイツを選んだ。でも気づけば、このプロダクションを個別にひとつも見ておらず、シラー劇場自体もまだたった3度目、シュターツオパーから、すっかり気持ちが離れていたことに驚いた。
 オケピットがとても深く、二階席から指揮者の登場も見えず、多分先に座っていたのだろう、拍手もなく静かに序奏が始まった。こじんまりとした舞台で。背後に映像を使い、8人の男女のダンサーが、踊ったり、繋がったりして、ラインの流れや、地下のニーベルンゲン族の動き、登場人物の心理状態などを表現していく。間接的に、話の流れを人の動きでイメージ作る。歌手はあまり動かず、何だか夢の中のように"、ふにゃふにゃ"していて、メリハリのあるドイツっぽさからはなく、むしろスカラ座で見た方がきっと心地よいだろうなというのが第一印象だった。
 日本からの知人にばったり出会ったら、今年は特別な年なので、バイロイト含めワーグナー公演に4回ドイツ遠征されるとのこと。何と素晴らしいこと。この幸せを分かち合える仲間は有難い。
 ラインゴルトの開演に先立ち、17時から、ドイチェオパーのトリスタンを一幕だけ見た。2011年3月プレミエVick演出、舞台はともかく、ラニクルズの眼差しのテーマ(正確には何というのか...)メロディーラインにちょっと癖があって、途中巻くのがおもしろかった。
 この日は、甘いラインゴルトより、どっしりしたトリスタンの方が、聞き応えがあったかもしれない。しかし、せっかくの復活祭休暇入りの土曜、ワーグナー公演が被って劇場ごとにお客さんの奪い合いになるのは、もったいない。
 フェストターゲのチケットは、普通のチクルスより値段が高い。出遅れた私には、選択の余地が無かったが、祝祭の特典もある。まず、プログラムが付いてくる、初日はシャンパングラスを渡され、うかつにも一口、二口目で目が回りだし、すぐにお返ししてしまった。(G)
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ベルリン・ドイチェオパー―ニュルンベルクのマイスタージンガー [オペラ(海外)]

 昨日のローエングリンは、遅刻するかと思い、2R後方の一番安い席を買った。飛行機の離着陸で、耳がおかしいのと、座席のランクのせいか、あまり美しい音とは感じなかった。ところが、今日の席は2R前方、驚くほど、オケの音がクリアに聞こえる。
 暖かみのあるPrickの音楽は、とても心地よかった。 序曲が始まるとすぐに、あれ、何か違うと感じた。軽やかなのに、セクションごとの音がよく分離して聞こえてくる。冒頭の合唱も綺麗で、かなり力強かった。一幕の間に、この音楽の軽妙さをこんなに楽しく感じたことはない。2幕以降も合唱とオケがずれたり、ブレンデルの音程がよろめいたりしても、そんなことが気にならない位、演技上手な人たちの総力を結集した、人間中心の舞台だった。あらためて、ワーグナーの音楽が語る心理描写はすばらしいと思う。それを積極的に気づかせてくれる、Prickがよかった。
 Götz Friedrichの1993年の演出は今見ればすごくノーマルで、穏やかで、人間味溢れている。3年前見たときより、ずっと心ひかれた。その間、色々過激な演出を観てきたせいかもしれないが、正直さに心打たれるこの舞台が一番好きかもしれない。これも、長く保存してもらいたい舞台の一つだ。(G)
Musikalische Leitung Christof Prick,
Inszenierung Götz Friedrich
Hans Sachs Wolfgang Brendel
Veit Pogner Michael Eder
Sixtus Beckmesser Markus Brück
Walther von Stolzing Robert Dean Smith
David Thomas Blondelle
Eva Martina Welschenbach
Magdalena Jana Kurucová
Ein Nachtwächter Tobias Kehrer
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朝食のテーブル 最高気温
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ベルリン・ドイチェオバーーローエングリン [オペラ(海外)]

 小雪の舞う中、せっかく定刻に着陸するも、狭いテーゲルは15分以上到着ゲートの順番待ち。ミニチュア飛行機が沢山並んでいるようで、不思議な光景だった。先日、日刊Spiegelだったか、テーゲル発着のドイツ国内線からLHは近く撤退する考えというような記事を見た。国内線だけなら、エアベルリンでも良いけれど、国外からは気持ちよく乗り継ぎせてもらいたいものだ。新年帰国の便が急にキャンセルになったのも、思えば単なる間引き運航で、空港が混んでいるのに、新空港工事が遅れに遅れて、どうしようもないしわ寄せかもしれない。この状態では、今後、最初と最後の発着地はベルリンにしない方が無難かも。
 それでもタクシーでドイチェオパーに直行し、18時のローエングリンに十分間にあった。今シーズン最後の公演で、この後フォークトもそろそろ日本へご出発だろうか。時に一本調子ともいわれるフォークトのローエングリンだが、3幕ではかなり、激しさと優しさを歌い分けているように伝わってきた。演出によって、歌い分けると以前本人は言っていたが、 もし、本当にそうなら、ミュンヘンの人間臭いローエングリンも、カウフマンの後に挑戦してもらえたらいいなと思う。(G)
フランクフルト空港
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雪で、耳が冷たいベルリンの異常気象
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フレッシュ名曲コンサート 西東京の音楽家 [チェロ]

 日本フィルと岡本侑也さんが、保谷こもれびホールで、ドヴォルザークのチェロコンチェルトを共演した。客席はほぼ満席、指揮者の海老原さんも優しそうで、良い雰囲気のコンサートだった。
 爽やかで、伸びやかで、軽々と天空への階段をかけ上がるような、流れる軽快感、全ての音がクリアに聴こえ、音楽はいつものように心から歌い、高校を卒業した"喜びの春"の気持ちのお裾分けを頂いた気分。初めてのドボコンとは思えない。いつものように、苦労のあとは、全く感じさせない。高校生活の集大成のドボコンの後、来週は札幌で山崎先生との共演、それで本当の卒業なのかもしれない。
 ドボコンを聴くと、そのチェリストの思い入れ、個性や技量、人柄までも伝わってくるようにいつも感じる。濁りの一切ない音程とハーモニーは、コンチェルトの最高峰の魅力を雄弁に語ってくれた。私の知る限りで連想するのは、やはり巨匠ペレーニだが、広い世界には、若くて魅力に溢れたチェリストが、どれくらいいるのだろう。今日聴いたドボコンは、忘れないだう。(G)
http://www.rokkatei.co.jp/cultual/index2.html 3月27日(水)19時 於:札幌 真駒内六花亭ホール
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2013都民芸術フェスティバル 室内楽の夕べ チェロ岡本侑也 ピアノ清水和音 [コンサート]

 完璧な技術を具えた演奏の心地よさと、チェロを弾くことの喜びを四方に振りまくような、純粋でひたむきな姿が、会場の隅々まで、満ち足りた幸福感をもたらせてくれるようだった。全曲暗譜で、各作品の個性を、狂いのないテクニックで弾き分け、ベテラン清水さんのピアノは頼もしく、お二人ともきっと、音楽に向う時の苦しさより大きい喜びを、本番で感じるタイプなのだろうなと感じる。
 ベートーヴェン、ストラヴィンスキー、デュティーユ、ショスタコーヴィッチと時代も国の特徴も異なる作曲家に対し、これでいかがでしょうかと、敬愛の気持ちをこめて挨拶を送っているかのような謙虚さを感じさせるところが、また心憎い。
 3月20日保谷でのドボコンで、高校生は卒業だ。どんどん逞しくなって、世界へ羽ばたいて欲しいと思う。(G) 
http://www.komorebi-hall.jp/event/event.cgi?mode=view&no=236
ベートーヴェン:チェロソナタ第3番 イ長調 作品69
ストラヴィンスキー:イタリア組曲
デュティユー:ザッハーの名による3つのストローフェ
ショスタコーヴィチ:チェロソナタ ニ短調 作品40
アンコール ショパン:序奏と華麗なるポロネーズ
2/17浜松でのインタヴュー記事 
http://www.hcf.or.jp/information/2013/02/_act_new_artist_series_20124-2.php
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