SSブログ

MET パルジファル―ライブビューイング [映像・放送]

 新宿まで行ってMETパルジファルの映像を見た。序奏では、復活祭最初のパルジファルみたいに練習不足で、弦楽器の音の変わり目が合わないと思ったが、その後も度々そう聞こえたので、動きが早いのではなく、遅れる人がいるのかとの認識を改めた。
 2幕以降、映画館の巨大な音量に耐えられず、何度も耳を覆ったが、どんどん舞台は盛り上がり、とても真面目な取り組み方で、歌手一人一人が役づくりにとても真剣なので、ぐいぐい劇中に引き込まれた。強い信念を躊躇なく押し出し、こんなに2幕を哲学的に感じたのは初めてだ。余計な演出が無いので、じっくり考えながら見ることができる。音楽もゆっくり目だったが、演出にあったテンポのように感じる。結構色々な演出を見てきたが、作品に対し、真摯に取り組んだプロダクションだと、安堵と感謝の気持ちだ。
 カウフマンがパルジファルを歌うのは、7年ぶりで、チューリッヒ以来とのこと。私は、それを現地で聞いている。当時まだ、そんなに太い声ではなかった。この頃声が老けたように感じていたが、映画館のボリュームでは、強靭な美声はサイボーグ並み、多分これは、映像の感動であり、生の舞台はもっと繊細なのではないかと思う。そう分かっていても、アップの映像の迫力は凄い。(G)
指揮:ダニエレ・ガッティ 演出:フランソワ・ジラール
パルジファル:ヨナフ・カウフマン 、グルネマンツ:ルネ・パーペ 、アンフォルタス:ペーター・マッティ 、クンドリ:カタリーナ・ダライマン 、クリングゾル:エフゲニー・ニキティン
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽