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岡本さんのロココ(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団定期) [コンサート]

 シティーフィルのオペラシティでの定期演奏会で、岡本さんが、ロココを協演した。開演前のロビーコンサートに集まったお客さんは良い雰囲気だった。先日の読響の若者三大コンチェルトと比較すれば、客席には余裕があったけれど、定期会員の方が多いのか、客席はゆったりとした時間を楽しんでいるように感じられた。私たちにとっても、普段オケトレーナーでお世話になっているコンマス・戸澤先生始め、身近に感じる方が何人か舞台にいらっしゃるので、見ていても楽しい。
 岡本さんのロココを聴くのは、5年ぶりだ。エリザベートコンクールを経て、純粋で心打たれる少年らしさと決別し、繊細さはそのまま、大胆さが加味された歌心満載の演奏を楽しませてもらった。中間部のカデンツァの後、エネルギーがはちきれんばかりに、岡本さんらしい、堂々としたアクロバットテクニックを聴かせてくれて、感動。この曲はともすると、歌心よりテクニックのお披露目みたいになってしまいがちだが、目を閉じて音だけ聴いて、こんなんに心に羽が生えたように軽やかに、優雅さを感じるところが、まさに岡本さんの音楽だと思う。
 アンコールのジョヴァンニ・ソッリマのLamentatio (嘆き?)は、始めと終わりに声が入る。歌いながら弾くのは、余興でもない限り、珍しいと思う。意表をつかれ、岡本さんの声が聞けて、会場もオケのメンバーも興奮気味だった。ハートが溢れた演奏は、音程もテクニックも完璧、余韻の残るアンコールに、拍手喝采。この曲は、当分の間、リクエストがあるだろう。私もまた聴きたい。
 チャイ4は、楽章の切れ目がなく演奏され、一気に駆け抜けるエネルギーに、自分らが若い頃から、何度となく参加してきた、アマオケのチャイ4の練習場面が懐かしいく思い出された。楽しい定期演奏会だった。

指揮:飯森範親
チェロ:岡本 侑也

チャイコフスキー:イタリア奇想曲 作品45
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33
チャイコフスキー:交響曲第4番 へ短調 作品36
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