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MAROワールド Vol.32 王子ホール25周年(二日目) [コンサート]

 昨日に引き続き王子ホールへ。前半は、1日目と同じチャイコフスキーの弦セレ。初日は宮田さんがチェロトップだったが、今日は桑田さん。昨日気づいたのだが、N響では目立たないが、ここではソリステックに、身をよじらせ、熱演している。今日の席は、演奏者の顔が、結構見える。
 昨日清水和音さんが仰ったのだが、王子ホールは、ピアノの状態がいつもとても良いそうだ。ピアノが悪くなるのは、ほとんど調律が原因で、調律師がピアニストの希望に応じるからだそうだ。やり過ぎると、ピアノが元の状態に戻らなくなると、話して下さった。
 今日はついに、まろさんが、無茶振りの対象となった。初めてらしい。昨日の仕返しに、崎谷さんが、英雄の生涯の楽譜を持ってきた。とはいえ、手心を加え、要望箇所について、"ここは嫌だ"と拒否されると、最後の部分に落ち着いた。途中からカルテットの伴奏が入り、まろさんは、周到な準備に、二度びっくりされた。
 岡本さんは、思った通り、"この前歌ったんだって"と先週シティーフィルのロココのアンコール、ジョバンニ・ソッリマ"ラメンタチオ"の抜粋を披露。先週も思ったが、和音が本当に正確で美しく、まるでギターの音のように、鮮明に聞こえる。アクロバットテクニックに、またも大絶賛、良い雰囲気だった。
 アンコールのハッピーバースデー変奏曲も、とても面白かった。様々な名曲アレンジで、テーマが演奏され、ドボルザークのアメリカ風は、Vlaの熱演に、涙が出るほど笑ってしまった。また、低弦がトレモロしているところに、即興でVnのカデンツァが入るところでは、まろさんが奏者を弓で指名する。小林さん、崎谷さん、大江さんが、順に指名され、きっちり英雄の生涯の仕返しをされた。三人三様の反応に、心の内が垣間見えた。
 22時終演、帰り道、プログラムの冒頭挨拶を見ると、25周年記念の大パーティーと書いてあり、なるほど、あれはパーティーの余興の楽しさだった。本気で、楽しんでいるメンバーを見て、2日間で、急にメンバーの方々と知り合いになったような気がした。

篠崎“まろ”史紀(ヴァイオリン)
<MAROカンパニー>
大江 馨、小林壱成、崎谷直人、白井 篤、伝正秀、戸澤哲夫、水谷 晃、長原幸太(ヴァイオリン)
鈴木康浩、佐々木 亮、中村翔太郎(ヴィオラ)
岡本侑也、桑田 歩、宮田 大(チェロ)
西山真二(コントラバス)
清水和音(ピアノ)

王子ホール 25周年ハッピーバースデイ・コンサート
MAROワールド Vol.32 by 篠崎“まろ”史紀&MAROカンパニー
【第2部】
J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲 ニ短調 BWV1043 より 第1楽章(小林、大江、清水)
シューベルト:弦楽三重奏曲 第1番 変ロ長調 D471 (戸澤、中村、宮田)
クライスラー:美しきロスマリン Op.55-4(崎谷、清水)
クライスラー:愛の悲しみ(白井、清水)
クライスラー:愛の喜び(長原、清水)
クライスラー:弦楽四重奏曲 イ短調より 第1楽章 (MARO、水谷、佐々木、桑田)
ドホナーニ:ピアノ五重奏曲 第1番 より 第1楽章 (長原、伝田、鈴木、宮田、清水)
ブラームス:「5つの歌」より Op.105-1 『旋律のように』 (岡本、清水)
ブラームス:ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34 より 第1楽章 (MARO、小林、佐々木、岡本、清水)
【アンコール】
ハイドリッヒ:ハッピー・バースデー変奏曲
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MAROワールド Vol.32 王子ホール 25周年ハッピーバースデイ・コンサート [コンサート]

 Maroワールドは王子ホールの人気シリーズなので、会員だけでチケットが完売になってしまうことが多い。しかし今回は、王子ホール25周年のお祝いイヴェントとして二晩にわたり催され、しかも通常よりさらに高価なチケットであるためか、両日残席あり、プログラム未定のまま、2日買い、連れ合いと1日ずつ行くことにした。特別にシャンパン等のウェルカムドリンクと、休憩時恒例のヨックモックの小さなケーキが供された。
 チャイコフスキーの弦セレは、さすが、マロさんに皆の神経が集まり、各々が存分に楽器を鳴らしつつ、素晴らしいアンサンブルだった。ヴィオラ奏者の背中で深みのある音が轟いていた。
 後半のプログラムは事前に発表されず、作曲家の年代順に、過去のコンサートと縁がある曲が、演奏されたようだ。まろさんが奏者を紹介し、インタヴューしながら進められた。このマロワールド名物で、突然マロさんが奏者にリクエストして演奏させる”無茶振り”企画があり、メンバーの人柄や生の声が聞けておもしろい。特に若者Vn弾きは、マロさんに逆らえない。勿論ある程度覚悟して出演するのだが、一人目の標的は神奈フィルコンマスの崎谷さん、”この前、英雄の生涯やったんだって?”と譜面台にソロパートの譜面が置かれており、弾くべき箇所が赤で囲ってあった。マロさんが読響コンマス長原さんに指令し楽譜を持って来てもらったとのこと。皆に最近やった演奏や最近や、近々やるという"宣伝"もさせ、"無伴奏弾くの?じゃあ、バッハ弾いてみようか”と。普段は演奏を聴くだけだが、近況や、王子ホールの印象など聞きながら、皆さんと一緒に笑うと、音楽も二倍楽しい。
 アンコールのホルベルク、パワー全開で最高だった。途中、コンマスを交代し、若者に1Vnソロを弾かせたり、いつ何時、不意討ちがあるか、油断できない。なるほど、エンターテインメントだった。終演は22時。
 宮田さんの全身全霊で歌うように弾く姿に感動。"もう一歩前へ出なさいよ、今旬だよね"と言われ、照れる岡本さんは、純粋すぎて、過度なイタズラはできないだろう。凛々しく歌う旋律が美しい。
篠崎“まろ”史紀(ヴァイオリン)
<MAROカンパニー>
大江 馨、小林壱成、崎谷直人、白井 篤、伝正秀、戸澤哲夫、水谷 晃、長原幸太(ヴァイオリン)
鈴木康浩、佐々木 亮、中村翔太郎(ヴィオラ)
岡本侑也、桑田 歩、宮田 大(チェロ)
西山真二(コントラバス)
清水和音(ピアノ)

10/24(火)プログラム
王子ホール 25周年ハッピーバースデイ・コンサート
MAROワールド Vol.32 by 篠崎“まろ”史紀&MAROカンパニー
第1部   チャイコフスキー:弦楽セレナード ハ長調Op.48 (全員)
第 2 部
ヘンデル/ハルヴォルセン:ヘンデルの主題によるパッサカリア (小林・岡本)
ハイドン:ピアノ三重奏曲 第39番ト長調 より 第3楽章(大江、宮田、清水)
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第28番 ホ短調 K304 より 第2楽章(MARO、清水)
ベートーヴェン:弦楽三重奏のためのセレナーデ ニ長調 Op.8 より 第4楽章 アレグロ・ア・ラ・ポラッカ(崎谷、鈴木、桑田)
ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲 ハ長調 WoO36-3 より 第3楽章(長原、中村、岡本、清水)
ドヴォルザーク/ヴィルヘルミ:ユーモレスク(伝田、清水)
ドヴォルザーク:弦楽五重奏曲 第2番 ト長調 Op.77 B49 より 第2楽章(水谷、白井、佐々木、岡本、西山)
メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲 第1番 ニ短調 Op.49 より 第1楽章(戸澤、宮田、清水)
メンデルスゾーン:チェロとピアノのための無言歌 ニ長調 Op.109(桑田、清水)
シューマン:ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44 より 第1楽章(MARO、大江、鈴木、桑田、清水)
【アンコール】
グリーグ:「ホルベルク組曲」 より 前奏曲

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岡本さんのロココ(東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団定期) [コンサート]

 シティーフィルのオペラシティでの定期演奏会で、岡本さんが、ロココを協演した。開演前のロビーコンサートに集まったお客さんは良い雰囲気だった。先日の読響の若者三大コンチェルトと比較すれば、客席には余裕があったけれど、定期会員の方が多いのか、客席はゆったりとした時間を楽しんでいるように感じられた。私たちにとっても、普段オケトレーナーでお世話になっているコンマス・戸澤先生始め、身近に感じる方が何人か舞台にいらっしゃるので、見ていても楽しい。
 岡本さんのロココを聴くのは、5年ぶりだ。エリザベートコンクールを経て、純粋で心打たれる少年らしさと決別し、繊細さはそのまま、大胆さが加味された歌心満載の演奏を楽しませてもらった。中間部のカデンツァの後、エネルギーがはちきれんばかりに、岡本さんらしい、堂々としたアクロバットテクニックを聴かせてくれて、感動。この曲はともすると、歌心よりテクニックのお披露目みたいになってしまいがちだが、目を閉じて音だけ聴いて、こんなんに心に羽が生えたように軽やかに、優雅さを感じるところが、まさに岡本さんの音楽だと思う。
 アンコールのジョヴァンニ・ソッリマのLamentatio (嘆き?)は、始めと終わりに声が入る。歌いながら弾くのは、余興でもない限り、珍しいと思う。意表をつかれ、岡本さんの声が聞けて、会場もオケのメンバーも興奮気味だった。ハートが溢れた演奏は、音程もテクニックも完璧、余韻の残るアンコールに、拍手喝采。この曲は、当分の間、リクエストがあるだろう。私もまた聴きたい。
 チャイ4は、楽章の切れ目がなく演奏され、一気に駆け抜けるエネルギーに、自分らが若い頃から、何度となく参加してきた、アマオケのチャイ4の練習場面が懐かしいく思い出された。楽しい定期演奏会だった。

指揮:飯森範親
チェロ:岡本 侑也

チャイコフスキー:イタリア奇想曲 作品45
チャイコフスキー:ロココの主題による変奏曲 イ長調 作品33
チャイコフスキー:交響曲第4番 へ短調 作品36
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新国立劇場ー神々の黄昏③ [オペラ(国内)]

 黄昏の楽日、思った通り、ラングはもはや躊躇なく、一幕から全開で、素晴らしかった。バイロイトのような感動を味わえて、感謝。
 オケも全体的に慣れてきて、音量バランスも大分良くなった。もっとも、こちらの耳がこのプロダクションに、適応してきた面もあり、苦痛でなければ、今、この場の大音量を受け入れるのが、幸せとというものだ。楽日は最後なので、出演者はかなり自由にやると聞いたことがあるが、むしろ後半に来て統一感が出てきたのではないか。
 平日午後の最終日だったが、思いきって行って良かった。連れ合いは2幕からとなったが。
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エベーヌ弦楽四重奏団 [コンサート]

 エベーヌ弦楽四重奏団 、日本公演最終日の演奏を、武蔵小金井の宮地楽器ホールまで聴きに行った。かなり評判のカルテットで、ダメ元で前日電話してみたら、4列目中央の絶好の席が空いていた。ホールもエベーヌも初めてで、大ホール客席は500~600の間位、ステージが広く、フルオケが乗れそうな、雰囲気の良いホールだった。
 話題のクァルテット、まず最弱音から始まったモーツァルトに驚いた。フランス人とはいえ、古典的演奏ではなく、滑らかにボリュームを上げ下げするような、新しい表現なんだなぁと、耳を傾けた。ベートーヴェンは、激しくとも、4つの楽器の音色が融合し、まとまって変化するといった感じの音だった。後半は、チェロ奏者が、英語で曲の解説しながら進行した。ラテン系の明るさと、アメリカっぽいリズム感が心地よく、作品もジャズのジャンルも良く知らないが、世界のビートを体験した気分だ。後半を聴けば、このモーツァルトも同一線上の音楽だと感じられてしまうところが、凄い。
 とても上手なのに、地味で控え目、一人が突出せず、4人で寄り添い、調和を保ち、一つの楽器となることを理想としてきたのだろうか。これからどんな風に年を重ねていくか気になる。
 終演後、ゆらゆらした波のような余韻が体に残った。私にとっては、知らない世界の音楽体験であり、何か語ることができない。編曲も、メンバーがやっているのだろうか。これから、色々情報収集だ。

モーツァルト:弦楽四重奏曲 第15番 ニ短調 K.421
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第11番 ヘ短調 Op.95「セリオーソ」
後半は、Jazz アンコールにピアソラのりベルタンゴ

ピエール・コロンベ(ヴァイオリン)Pierre Colombet , violin
ガブリエル・ル・マガデュール(ヴァイオリン)Gabriel Le Magadure , violin
アドリアン・ボワソー(ヴィオラ)Adrien Boisseau, viola【手の故障で来日中止】
ラファエル・メルラン(チェロ)Raphael Merlin , cello
マリー・シレム(ヴィオラ)Marie Chilemme , viola【ボワソーに代り出演】
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新国立劇場ー神々の黄昏② [オペラ(国内)]

 1週間後、10/14の黄昏を聞いた。オケの音が集約されてきて、正統な音量に近くなり、たまに、行きすぎるところを除けば、音楽に身を任せても良いかなという気分になる。10/11の公演も、かなり評判がよかったようだ。そうなると、ニュープロダクションの公演前半は、チケット代を安くしたらどうかと思う。ヨーロッパではプレミエの日だけ、値段が高いことも普通で、未完成でも、ニュース性に価値があるのだ。でも、オペラ後進国の日本では、謙虚に、まだ完成に程遠いのでという良心を示しても良いのではないだろうか。ハラハラしながら、全公演聞いている人たちが気の毒に感じる。
 この日はラングが調子を取り戻していた。前回は絶叫が目だってしまったが、この日は、バイロイトのイゾルデのような、滑らかで強靭な声に戻り、3幕では輝かしいブリュンヒルデになりきっていた。2幕のハーゲンと男声合唱も、少し前へ出たのか、聞きやすくなり、良くなった。ただし、声質は依然として、美しく透明過すぎる印象。ラインの乙女たちは、グールドの大声量に伍して、美しいハーモニーを聞かせてくれた。本公演では、日本人歌手の活躍も見事で、ゲストとの落差は感じない。
 この日、バックステージツアーに当選した人から聞いた話では、3幕でラインの乙女がジークフリートに手渡す三角形の板は、未来を映す鏡、度々出てくるレンズは、後ろに立つと人が歪んで見えるが、心も歪むという意味。最後炎がジークフリートを包む場面では、奥に人形を横たえてあると。4階席からは見えないが、逆に見えてはいけないものが、見えてしまうことがある。ト書きでは、最後ブリュンヒルデはグラーネに股がり、燃え盛る薪の山に飛び込むことになっているが、この舞台では、群衆に紛れて、白い布を被り動かなる。そして幕切れに白い布を広げ起き上がり「救世主」となるらしい。1階席では、布を被るところは視界に入らないので、甦る姿に驚くことになるが、上階からは全て見えているので、解説を読むまで、最後の意味が分からなかった。
指揮:飯守泰次郎
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲンアルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田のり子
ヴェルグンデ加納悦子
フロスヒルデ:田村由貴絵
第一のノルン:竹本節子
第二のノルン:池田香織
第三のノルン:橋爪ゆか
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団IMG_3288.JPG
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新国立劇場ー神々の黄昏 [オペラ(国内)]

 10/7の公演を聴いた。まず言えるのは、マイヤーが素晴らしかった。
 席は四階一列目中央右寄り。聞こえてくる音は大分予想と違っていた。この席での印象だが、どの幕も初めの音を発する瞬間がぴったり合っていないように聞こえる。冒頭では意図的なのだろうが、木管の音が突出していて、待ち構えていた響きとは違っていた。全体にオケの音量が大き過ぎて聞こえるのは、飯守マエストロ新国立のリングの特徴で、金管、打楽器は音色、音質より音量が重視されているのだろうか。
 ペトレンコがスコアを分析して予想外のハーモニーを聞かせてくれるのとは別の意味で、予期しない音に驚く場面に何度も出会った。一階席で聴いたこともないくせに、4階席のオケの大音量を嘆くのは間違った感想かもしれないが、全ての指揮者で思うことではないので、やはりこれは、好みの差はあっても飯守先生の音なのだろう。3幕ジークフリートの死以降、初めてオケの音量が、相対的にppp位まで落ち、幕切れまで、ものすごいクレッシェンドが持続されて、昔だったら、私も大喜びしただろう、巨大な音楽だった。
 一幕でラングが声をセーヴしていたのが、ちょっと残念。イゾルデ役ではさほど感じなかったが、ブリュンヒルデではもう少し声の幅が必要なのか、激しさみなぎる絶叫場面の方が本領発揮してるようだった。グールドも声量が落ちないことは、バイロイトのトリスタンで証明済みだが、この二人と飯守先生の大音量オケの取合せは、自分の経験内では、珍しいタイプの公演だった。
 マイヤーのヴァルトラウテの場面では、独立したマイヤーの世界が広がり、やはり別格、飛び抜けて素晴らしかった。歌詞も4階まではっきり聞こえ、この場に居あわせて、幸せだと痛感した。ラングはマイヤーに伍してというより、演出上も、マイヤーに花を持たせたのか、控え目な印象だった。
 演出上舞台が奥深いせいもあるが、2幕のハーゲンの号令も男声合唱も声が遠く、迫力が出なかった。合唱の人数は相当いたようだし、バンダのスティアホルンは素晴らしかったが、弦楽器は聞こえず、バランスが難しい。ここはもっと前方で、歌ってもらいたいものだ。と言うより、全体にオケの音量が大き過ぎる。
ジークフリートのホルンは、なめらかで、勢いがあって、素晴らしかった。
 この日、本公演3回目の方々にも会い、だんだん良くなっているとのこと。一週間後には、どんな変化があるだろうか。

指揮:飯守泰次郎
ジークフリート:ステファン・グールド
ブリュンヒルデ:ペトラ・ラング
アルベリヒ:島村武男
グンター:アントン・ケレミチェフ
ハーゲンアルベルト・ペーゼンドルファー
グートルーネ:安藤赴美子
ヴァルトラウテ:ヴァルトラウト・マイヤー
ヴォークリンデ:増田のり子
ヴェルグンデ加納悦子
フロスヒルデ:田村由貴絵
第一のノルン:竹本節子
第二のノルン:池田香織
第三のノルン:橋爪ゆか
合 唱:新国立劇場合唱団
管弦楽:読売日本交響楽団
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バイエルン国立管弦楽団ーヴァルキューレ1幕  NHKホール [オペラ(国内)]

 タンホイザーの公演を終え、最後にペトレンコはヴァルキューレ1幕を演奏会形式で披露してくれた。オケピットでなく、舞台上のペトレンコのワーグナーではあるが、NHKホールの観客3000人で共有できたことはとても嬉しい。初めてペトレンコを聴いた複数の人から感想が届いたが、皆、感動を言葉にせずにはいられないというという驚きと満足感に溢れていた。2004年ベルリン・コミシェ・オパーのインテンダンド時代、初めてペトレンコのモーツアルトを聴き、現地の人を捕まえて、興奮して感想を聞いてもらった自分を思い出す。私よりもっと前からペトレンコを良いと思っていた方々も、今の私のように、ようこそ日本へ、ありがとう!という気持ちだろう。ペトレンコの振るベルリン・フィルを生で聴いてみたいという願いが叶う日もそう遠くない。
 ペトレンコの創造する音楽の時空に身を置くと、構えていても、やはり驚嘆する。瞬間刻みとでも言おうか、どんどん形や色彩が変化しながら、美しく調和した異次元の世界を行くような感覚に捕らわれ、自分としては、もうマエストロに対して、完璧なコントロールされた音などと批評がましい言葉は、おこがましくて使えない。真の芸術家だと思う。作曲家でなく、指揮者が芸術家と言われるのはあまり聞いたことがないが、スコアの縦線の、刻々と変化する音のイメージを実現させるなら、ベルリンフィルが最適だろうことは想像できる。
 今回一幕のみということで、比較的落ち着いた演奏だったように感じた。全曲演奏では、一幕はまだ序奏であるかのように、遥か遠く、視野に入らない獲物を追うような気持ちにさせられ、二幕への期待へと続く。

指揮:キリル・ペトレンコ
管弦楽:バイエルン国立管弦楽団
バリトン:マティアス・ゲルネ*
ジークムント:クラウス・フロリアン・フォークト
ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ
フンディング:ゲオルク・ツェッペンフェルト

【プログラム】
マーラー:「こどもの不思議な角笛」より*
 ラインの伝説
 きれいなラッパの鳴るところ
 地上の暮らし
 原光
 むだな骨折り
 死んだ鼓手
 少年鼓手

ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕 演奏会形式(ドイツ語上演)

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