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バイエルン国立管弦楽団ーヴァルキューレ1幕  NHKホール [オペラ(国内)]

 タンホイザーの公演を終え、最後にペトレンコはヴァルキューレ1幕を演奏会形式で披露してくれた。オケピットでなく、舞台上のペトレンコのワーグナーではあるが、NHKホールの観客3000人で共有できたことはとても嬉しい。初めてペトレンコを聴いた複数の人から感想が届いたが、皆、感動を言葉にせずにはいられないというという驚きと満足感に溢れていた。2004年ベルリン・コミシェ・オパーのインテンダンド時代、初めてペトレンコのモーツアルトを聴き、現地の人を捕まえて、興奮して感想を聞いてもらった自分を思い出す。私よりもっと前からペトレンコを良いと思っていた方々も、今の私のように、ようこそ日本へ、ありがとう!という気持ちだろう。ペトレンコの振るベルリン・フィルを生で聴いてみたいという願いが叶う日もそう遠くない。
 ペトレンコの創造する音楽の時空に身を置くと、構えていても、やはり驚嘆する。瞬間刻みとでも言おうか、どんどん形や色彩が変化しながら、美しく調和した異次元の世界を行くような感覚に捕らわれ、自分としては、もうマエストロに対して、完璧なコントロールされた音などと批評がましい言葉は、おこがましくて使えない。真の芸術家だと思う。作曲家でなく、指揮者が芸術家と言われるのはあまり聞いたことがないが、スコアの縦線の、刻々と変化する音のイメージを実現させるなら、ベルリンフィルが最適だろうことは想像できる。
 今回一幕のみということで、比較的落ち着いた演奏だったように感じた。全曲演奏では、一幕はまだ序奏であるかのように、遥か遠く、視野に入らない獲物を追うような気持ちにさせられ、二幕への期待へと続く。

指揮:キリル・ペトレンコ
管弦楽:バイエルン国立管弦楽団
バリトン:マティアス・ゲルネ*
ジークムント:クラウス・フロリアン・フォークト
ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ
フンディング:ゲオルク・ツェッペンフェルト

【プログラム】
マーラー:「こどもの不思議な角笛」より*
 ラインの伝説
 きれいなラッパの鳴るところ
 地上の暮らし
 原光
 むだな骨折り
 死んだ鼓手
 少年鼓手

ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」第1幕 演奏会形式(ドイツ語上演)

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