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ペトレンコ・マーラー交響曲第7番 バイエルン国立歌劇場管弦楽団 [コンサート]

 ドイツ最終日、期待に違わず、美しく繊細な音楽を聞かせてくれた。今回の旅で実感したことは、世の中の音の嗜好が変わったのではないかということ。20世紀は、大音量で迫り来る迫力がもてはやされたが、今は、天上からあまねく降り注ぐ雄大な大自然の音の全てではなく、その中で、自分が聞きたい音を選び取りに、狩りに行くような気持ちが優位に立つのではないかと思う。ショルティ、アバドなどのマーラーは、私の周囲で崇拝者がいた。マーラーが書いた複雑な声部全てを鳴らし尽くすと、実際には騒音になりかねない気もするが、マーラー自身が体感した、雑踏や生活音は、マーラーの世界観を表わす音と皆信じ、その再現にオケも指揮者も全力で挑んだのが20世紀ではないだろうかと、何となく今感じている。
 ペトレンコは、これまでの音楽体験、記憶の中では、まとまったハーモニーの塊にしか聞こえていなかった音を切り分け、聴衆に新しい世界に目を開かせる。これは、どんな作品においても当てはまる。ベルリンフィルとの組み合わせでも、新しい音の世界を、次々披露してくれると思う。なぜか、人がAIと戦うイメージが頭に浮かぶ。
 遠くで微かに聞こえるカウベル、窓辺で囁くギターとマンドリン、独特のリズム感があるメロディー、どれも自然界のどこからか聞こえてくるようで、新しい体験だった。
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