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ウィーン国立歌劇場ートリスタンとイゾルデ [オペラ(海外)]

 午後1時レーゲンスブルクから、ウィーン西駅に到着、荷物を持ったまま、シュターツオパーに直行し、1時半に、当日立ち見席の列に並んだ。意外と人が少なく、初めて、パルケット後ろの、一階の立ち見席、しかも2列目に入ることができた。私が並んだ直後に見えた、デュッセルドルフ駐在の日本人の方のご厚意に甘え、待ち時間に、宿へチェックインしに行くことができ、とても有難い思いをした。もうひと方、パリ在住の以前バイロイトで一度お目にかかった日本人の方に遭遇し、3人並んで、聴いた。
 このトリスタンを聴いて、ウェルザーメストの印象が激変した。ウィーンは、2008年以来で、それ以前のウェルザーメストの印象を、上品で爽快感のある音楽だと感じていた。ところが今回、何と狂おしいトリスタン!上品さを保ちつつ、乱暴で、無防備、ティーレマンのような"ため"無しで、盛り上がる。前奏曲から圧倒され、4時間半の立ち見が短く感じられ、終わってしまうのが残念で、もう一度、初めから繰り返して欲しいと思った。私がウィーンに来なかっただけで、この頃は、ウェルザーメストはこのように熱い演奏をするということだ。復活祭の途中で倒れたのも、これならうなずける。
 ウィーンフィルは、どんな指揮者が来ても、伝統的な自分たちの流儀で演奏をするものだと刷り込まれる演奏ばかりを聴いて来たが、時代の流れでウィーンフィルも何かが変わりつつあるのだろうか。聴いた位置が初めてということにも影響しているかと思うが、初めて聴く響きで、こんな荒々しい、ウィーンフィルの音を体験したのは初めてだった。それにしても、これほど人の心に訴えるというか、心をかき乱す音楽を創ったワーグナーは、本当に天才だと思う。ワーグナーを取り巻く歴史的なことにとらわれず、ドイツ人も、もっと純粋に音楽を聴けば良いのにと思う。
 歌手陣は、イゾルデ役のシュテンメが、とても素晴らしく、絶叫しない、美しいイゾルデを、これまた初めて聴いた気がする。トリスタン役のザイフェルトも、慣れていて、そつ無くこなしている感じだった。メロート役で日本人のKai Eijiroさんが活躍していた。演出は東京の新国立劇場と同じだ(と思う)が、東京で不評だった、一幕の水夫のダンスは、目立たないコスチュームと目立たない動きになっていた。この作品に舞台は要らないと思うのは毎度のことだが、初めて見る人には、やはりどんな演出でも、あった方がベターなのかもしれない。こんなに、荒々しいトリスタンを、聴けるとは予想外の体験だった。(G)
立ち見券に並ぶ人たち
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立ち見席の視界
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展示パネル
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さよならレーゲンスブルク [ドイツ]

 ベルリンよりICEでニュルンベルクを経由して、1年ぶりにレーゲンスブルクに来た。いつものシュテファン家に、今年は一泊だけウィーンへ行く途中でお世話になった。もうすぐドナウ川に面した郊外の大きな家へ引っ越すとのこと。写真を見せてもらったら、門の両側にライオンが居る、昔の渡し船の船主か何かの家らしい。洪水地帯によくある木枠の洪水止めが、昨年新しくパネル嵌め込み式でできたので、安心とのこと。水を逃がすだけのための地下室もある。次に寄せてもらったときは、大豪邸だ。
 この家に10年いた、猫チンチャーが、後から来た猫に追い出されて、近くのホテル地下の調理場で太っちょおばさんに可愛がってもらってるとのこと。去年も会わなかったので、どうしたのか聞いてみると、生きてるとの答えだった。後から来た猫は二匹だったが、一匹死んでしまい、その後残ったリッピーは急に人懐っこく、機嫌よくなり、すりよって来るようになった。あんなにかわいかったチンチャーも10歳、黄昏て来たと言うことか。もう、会うこともないだろう。(G)
リッピー
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