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ベルリンでイタリア人の誕生パーティー [ドイツ]

 夏至の日の夜、イタリア人独身男性、大企業勤務の方の40才の誕生パーティーに、連れていってもらった。ドイツでは、年齢の節目に当たる誕生日は盛大に祝うことは聞いていたが、実際に体験するのは、初めてだった。
 夏至の日に、野外コンサートは沢山あり、ベルリン東郊外のフォルクスパークのビアガルテンでもライブ演奏があった。その隣の一角の木立の中、テント席50席が設置され、ケータリングの焼きヴルスト、サラダ、イタリアンの野菜の前菜、焼いたじゃがいも、パン、勿論生ビールサーバーから、各自飲み放題、ワインとノンアルコール希望者にはチケットが渡され、コンサート横の一般スタンドで受けとる、豪華な祝宴だった。
 開宴は7時だが、8時ごろ着くと丁度料理が運ばれて来た。お客さんはプレゼントを渡しお祝いの抱擁をし、プレゼントはその場で開封される。私も日本の物を持参した。
 ほとんどがイタリア人で、アルゼンチンの友人は、タンゴ仲間だ。食べて、飲んで、歓談して、ハッピーバースデーの歌をイタリア語で歌った。10時になって暗くなると、テーブルに、小さなキャンドルが運ばれ、気づけば、街灯はついておらず、テント中央の天井電気だけだ。野外バンドのコンサートは10時過ぎまで続き、一般のお客様が帰ると、パヴィリオンに移るという。そこはなんと、ディスコだった。DJが居て、バーカウンターがあり、テーブルには、デザートの丸いケーキが3つ、ケーキには誕生祝いのメッセージが書かれていた。
 そして二次会タンゴパーティーが始まった。プロのダンサーや、タンゴの先生、主宰者も踊りが上手で、兄弟たちは、ダンサーらしい。全ての女性とワンフレーズずつ、入れ替わり、立ち替わり踊るのが、誕生日祝いの慣わしのようだ。皆汗だくになり、外へ出て一息いれては、躍りに戻ってくる。合間には、相手不用の一人のダンスの曲もあり、ほぼ全員ホールに出てきて、輪になったり、向かい合ったり、思い思いに体を揺らす。ダンスがこんなにポピュラーなものとは、知らなかった。
 タンゴ用の靴を履いた女性たちも、段々足が疲れてくるようで、夜中1時ごろになると、皆裸足になる。男性もスニーカーやサンダルを脱いで裸足で踊りはじめる。
 40才の誕生日に、ここまで立派な会を開ける人は、ごく一部のだろうと思う。プレゼントを持って行くと言っても、相当な費用がかかっている。本気で踊っている男性陣は、大体髪が薄く、不惑の大人のパーティーだった。働き、踊り、楽しむ、正直な人生を送っているのだろうなあと、羨ましい。
 セミプロタンゴ歌手の友達は、今膝を痛めているので、ほとんど踊らなかったが、午前2時少し前、10年来のダンス友だちを呼んだ。
 私がついに睡魔に襲われたとき、真っ白いスーツの金髪ポーランド人男性が飛び込んできて、彼女を抱きしめ、勢いよく踊りはじめた。これが、驚異のダンスで、ホールいっぱいに動き、ひざまづいたり、寝転んだり、彼女を空中で回したり、私のところへも、駆け寄ってきて、ひざまづき、次は、強引に、手を引かれそうになり、凄いエネルギーで迫ってくるので、思わず柱にしがみついてしまった。
 彼女が、ここ一週間ダイエットして、たんぱく質と油だけを摂ってきた理由がここにあったのかもと、彼女の笑顔を見て思った。
 午前2時過ぎに、おいとまし、普通に道路でタクシーを拾った。するとポーランド人男性がベルリンの夜景を一望できる屋上へ連れていってくれるという。酔っぱらいのダンサーは、段々上半身がはだけてきて、何者なのかと思いきや、連れていかれたところは、アレキサンダープラッツ近くのSOHO HAUS 会員制ホテルのような場所で、9階位だったろうか、屋上のオープンテラスには、プールや、日焼け用の寝椅子、素晴らしい高級バーがあった。途中の階段は、コンクリートの旧東時代そのままのようで、豪華さとのギャップが、いかにもベルリンだ。パークイン、テレビ塔、お月様が綺麗に並ぶ夜景は最高で、日本と違い、屋上金網も無いので、本当に空近くで、お月見をした気分になる。日本にも、こんな場所があったら、どんなによいだろう。
 この十四夜くらいの月は、とても明るく見え、パーティー会場では、木立の向こうの月が、丸い電灯かと思うほど、眩しい光を放って見えた。月を見て眩しく感じた記憶は、これまであっただろうか。
ヴァルプルギスの夜ではないが、夏至の夜は本当に特別な生気があるように感じる。
 午前3時過ぎ、普通にタクシーを拾い、トラム、U2、ショッピングモールの電光を普通に見ながら、3時半に帰宅、空前絶後のパーティー体験だった。(G)
デジカメを持って行くのを忘れたので、iphoneで撮った写真、かなりブレている
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