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バイロイト音楽祭-ローエングリン4 [オペラ(海外)]

 日替わりでワーグナー作品を聴くことは、日常ではまず考えられない。この日第一に感じたことは、音楽がオランダ人と随分違うことだ。ティーレマンのオランダ人を聴いて、たくさんの美しいメロディや、イタオペのような生き生きした明るさに気づいた。次のローエングリンは、前奏曲から、とても美しく天上の響きのように誰もが感じる。現代聞く音楽のカテゴリーからすれば、どちらも初期ワーグナーの音楽だが、ローエングリンは、メロディの美しさというより、ハーモニーや音のもつイメージが音楽をつくっていて、新しさへ挑戦した感覚があると思う。黄昏やパルジファルを連想するドラマチックな場面の音楽を聞くのは楽しい。
 フォークトの声は終始美しく鳴り響いていた。ホルン吹きという先入観かもしれないが、この人の安定した声と、安定したホルンの音程と響きは、近いものを感じてしまう。本人も、安定感を重視しているのではないかと感じる。調整自在の音量で吹くことと歌うことは、体と息を使う演奏の根底にある条件かもしれない。(G)
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