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アウフゼス ビール巡り [ビール]

 フランケン地方はワインとともにビールも有名で、音楽祭の合間に是非行きたいと思ってはいたが、交通の便が悪く、かと言ってレンタカーでは肝心のビールが飲めないのであきらめていた。今回現地ドイツ人の友人の方が車で連れて行ってくれるということで、大変ありがたい。奥様(日本人)がお酒を飲まないとのことで、運転手に専念してくれる由。
 朝10時に出発し、アウフゼス(Aufseß)に向かう。天気も良くアウディのオープンカーなので、とても快適。小1時間で1軒目Brauereigasthof Rothenbachに到着、昼飯にマス料理を食べてビールを軽く2杯(1l)。お城の麓の小川沿いのビアガーデンで最高。
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 Aufseß からSachsendorfまで約5kmのWanderung、小さな集落が点在する起伏のある田園風景で、ときおりカルスト地形の奇岩も見える。
 ほどなく2軒目のBrauerei-Gasthof Stadterに到着、ここはかなり小さな店だが、乳母車と犬を引いた家族と、自転車の若者2名の先客がいた。ビールを1杯と少し。(同行者の分)
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 Sachsendorf からHochstahlの5km は、一転して麦やトウモロコシ畑の中をのんびり歩く。人家は一軒も無い。日差しは強いが爽やかで、北海道のような風景だ。
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 Hochstahl のBrauerei Reicholdはバイロイトからの街道沿いで明るい雰囲気だ。そろそろ夕方だが、まだまだ明るい。ビールが大分苦しくなってくる。次のHeckendorfまでは約2km。
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 最後はKathi-Bräu、少し奥まったところにあるが、行ってびっくり、これまでで1番大きなビアガーデンだ。バイクの大きな駐車場があり、ライダーが大勢いる。ノンアルコールビールなのか、外観からは分からないが・・
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 Heckendorfから出発地のAufsessまではゆっくり下って約2km、車でバイロイトへ戻る。これが4醸造所制覇の証明書、最後の店で発行してくれる。
 バイロイトでも市内のビアガーデンで更にマイゼルを1杯、満喫した。(B)
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バイロイト音楽祭ーパルジファル4 [オペラ(海外)]

 Herheim演出はとても評判が良いが、今年で最後ということで、GPの時から、演出家に対する拍手は熱狂的だった。フィリップ・ジョルダンの指揮は今年一年だが、とても良かったと思う。美しく流れる音楽はとても心地よい。一幕の鐘の音に初めエコーがかからず、もろに電子音で鳴ってしまったというハプニングがあったが、そろそろ舞台裏も疲れの出る頃かもしれないと、むしろミスに同情してしまう。
  祝祭劇場は、客席で聞いていて、決してオケがうるさいということはない。この劇場の音響を日本の大学が研究しているという話が聞こえてきた。こんな音響の劇場が再現できたら、夢のようだ。(G)
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バイロイト音楽祭ータンホイザー4 [オペラ(海外)]

 ローエングリンの翌日は、ティーレマンのタンホイザー。ルバートしたり、ためがあったりしながら、力強く流れて行く。この前聴いたオランダ人も、1週目のタンホイザーも決して重々しいとは感じず、むしろ、流れの心地よさの方に感動した。しかし、昨日のローエングリンが、表面的で、薄っぺらな印象だったせいか、改めて、ティーレマンのタンホイザーを通して、音ひとつひとつが生きていて、物語り、音楽を導く、この指揮者に対する深遠さ痛感した。棒と体で、あそこまで訴えかけてくるティーレマンは、本当に凄い。(G) 
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バイロイト音楽祭ートリスタンとイゾルデ4 [オペラ(海外)]

 ペーターシュナイダーは、地味だが味わいのある指揮者だと、勝手に思っていただけなのだろうか。今日のトリスタンは初めから感情を抑えられない、我慢できないエネルギーが常にちいさな爆発をあちこちで起こしながら破滅に突き進むような、私にとっては、驚きの演奏だった。
 歌手も素晴らしかった。テオリンも絶好調、絶叫だけでなく、小声のところも、とても美しく、今回ばかりは、船底へ下る言い様のない、ストレスを感じる舞台も、気にならなくなった。結局、演出は、慣れということなのか、普遍的な音楽と歌詞と美しい声で、十分満足できた、バイロイトのトリスタンだった。(G)
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バイロイト音楽祭-ローエングリン4 [オペラ(海外)]

 日替わりでワーグナー作品を聴くことは、日常ではまず考えられない。この日第一に感じたことは、音楽がオランダ人と随分違うことだ。ティーレマンのオランダ人を聴いて、たくさんの美しいメロディや、イタオペのような生き生きした明るさに気づいた。次のローエングリンは、前奏曲から、とても美しく天上の響きのように誰もが感じる。現代聞く音楽のカテゴリーからすれば、どちらも初期ワーグナーの音楽だが、ローエングリンは、メロディの美しさというより、ハーモニーや音のもつイメージが音楽をつくっていて、新しさへ挑戦した感覚があると思う。黄昏やパルジファルを連想するドラマチックな場面の音楽を聞くのは楽しい。
 フォークトの声は終始美しく鳴り響いていた。ホルン吹きという先入観かもしれないが、この人の安定した声と、安定したホルンの音程と響きは、近いものを感じてしまう。本人も、安定感を重視しているのではないかと感じる。調整自在の音量で吹くことと歌うことは、体と息を使う演奏の根底にある条件かもしれない。(G)
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バイロイト音楽祭ーさまよえるオランダ人4 [オペラ(海外)]

 4週目のオランダ人、運よくチケットsucheに成功して、到着した連れ合いも、パルケット後方中央で鑑賞でき、私も譲ってもらった初めてのギャラリー席で、聴くことができた。
 ギャラリー席は、オケの音は遠くなるが、歌は良く聞こえるので、十分楽しめる。ティーレマンの音楽は、離れて聞いても、とても力強く説得力があると思う。代役オランダ人Samuel Youn は、2週目の公演の時より、確実に自信をつけ、役に入りこんでいる感じがした。カーテンコールでも、この前は聴衆に評価を問いかけるような、控えめなお辞儀だったが、先週のサイン会を経て、聴衆の心をがっちり掴んだようで、今回は、堂々と歓声に応えていた。新しいスター誕生の経過を目の当たりにできるのも、公演回数の多い、バイロイト音楽祭の楽しみの一つなのだ。(G)
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ニュルンベルクにて [ドイツ]

 今年はスポンサーがいなくなってパブリックヴューイングは無いが、日本でも月末に放送されるパルジファルが、生でドイツ各地の映画館で上映される。(ドイツ国内では、テレビの生中継もあったようだ。)
  バイロイトの会場はロートマインセンター隣のシネコンだが、チケットは早々に売り切れており、映画にsuche も何なので、ニュルンベルクへ観光に行って来た。町は観光客であふれていた。(B)
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パルジファルの鐘の音 [ドイツ]

 パルジファルを何度か聴くうちに、鐘の音の違いが自然と気になってくる。Steinbraeber
での Stephan Jöris 氏の講演を夢中になって聞いてしまった。
 そもそも、鐘の音は、一小節ドソラミとあるだけで、ワーグナー自身がその理想の音を求め、ロンドンで中国の銅鑼(タムタム)を見つけたり、教会の鐘の音を研究したが、残響で音が濁ることもあり、初演では、Steingraeberに製作を依頼し、4音のみの鍵盤のピアノのような楽器で演奏した。楽器の写真を見たが、一音は、6本の弦をハンマーで叩く。すると豊かな響きが生まれる。
 次は、巨大なドラム缶を横にし、平らな面の、特定の打点をハンマーで叩くメタルの楽器だ。一つ一音なので、舞台裏に4つ並べて横たえ、Steingraeberの二種類の鍵盤楽器と、副指揮者と最低7人の奏者が必要になる。オケピットとケーブルがつながっていて、ピットから、客席に音を流すということだろうか、ケーブルの役割は、確信がない。
 電子音を初めて使ったのは、 1931年Jörg Mager、写真では、鍵盤が見え、音量と音の長さをコントロールできるようだ。確かに、鐘の音はppからffまで、あちこちに使われている。コジマは、女性コーラス前の、静かな鐘の音をガラスの鐘で試したのか、考えたのか、書き残しているそうだ。
クナッパーツブッシュは、自分で弾いたとのこと。
 ダニエレ・ガッティは、自分の音を模索した。コアザールの映像で、Cb2台、金属板4枚の鐘、銅鑼、ピアノで、音を作った。細長い金属棒の鐘もあったが、使われていないように見えた。
他にも、バスクラが使われることもあるとか。
 何れにしても、あの鐘の音が100年以上追究され、今後も研究が続くと思うと、冷静でいられなくなる。(G)
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バイロイト博物館めぐり [美術・博物館]

【Freimaurermuseum】
 フリーメイスンは日本では馴染みが薄いが、英国中世の石工と建築士のBrudefschaftが起源と書いてあった。博物館の記述を読んでみて、なるほど、モーツァルトの魔笛がフリーメイスンのあり方を要約している感じ実感できる。
 ノーベル平和賞を受けたアルフレート・フリートもフリーメイスンだったという、特別展示もあった。現代の有名人Bruderの顔写真も展示され、別にカルトでも秘密結社でもない。今年の月刊会報を購入してみた。
【Neues Schloss】
 18世紀の新宮殿は、外観は地味だが、中は一見の価値がある。一階は、Wilhermine の可愛いくて豪華な小部屋が並び、ウィーンやパリのお城のミニチュアを見るようだ。陶磁器でつくった壁の花柄、天使の彫刻、扉の色使いで、隣の部屋の色彩感をチラッと見せたり、本当に可愛らしい。2階は、Friedlich大王の館で、またとても豪華だ。奥まったパーティールームでは、フリーメイスンのミーティングも行われていた。雰囲気が伝わってくる。
【Historisches Museum】
 Stadtkircheの裏にある歴史博物館は、最高に面白い。バイロイトの歴史全てがわかる。7月にジャズフェスティヴァルのあった、St.Georgenにも、Markgrafen の子息のお城があり、人造湖を作って、船を浮かべ興じていた。どこの王様も、同じようなことをし、文化を育てた反面、財政破綻を誘発したということか。お城の周囲に、陶磁器の職人を集め、工場もできた。
 例えば、バイロイトのStadthalleも、初めて見たとき、とてもコンサートホールには見えず、古くて怖い感じがしたが、元は馬術場だったのだ。黒っぽい、石作りの怪しげな建築物こそ、町歩きの楽しみを豊かにしてくれる。(G)
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リストコンクール優勝者 Gábor Farkas [コンサート]

 リストコンクールの2009 年の優勝者が、Steingraeber Rokokosaal のフランツ・リストが弾いたピアノで演奏するというので、マチネのコンサートへ行った。 Gábor Farkas (ハンガリー人)は体格が良く、重たい音で、ピアノが揺れ、床が振動するほど、力強い演奏だった。
 シューベルト、シューマン、リストと、3人の作曲家の曲を演奏したが、不思議と、リストの曲だけは、音が全く濁らず、鍵盤が空回りすることもなく、とても美しいと思った。勿論ピアノはきちんと整備されているはずなので、Impromtusが、転がって聞こえたり、シューマンの音が綺麗に聞こえなかったのは、何か理由があるのだろう。とにかくリストのAve MariaとAprès une Lecture de Dante: Fantasia quasi Sonata はリストの激しさと優しさが調和し、ピアノとの相性が理想的で、最高にすばらしかった。(G)
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Steingraeber 工場

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マエストロのサイン会 [ドイツ]

 恒例の本屋さんのサイン会、今年はお店の前の広場というか、通行人の目の前に机を置いて暑い中申し訳ない。時刻はそれぞれ正午、日替わりで、歌手や指揮者が来てくれる。日本だったら、100人以上並ぶのではないだろうか。マエストロたちの笑顔が嬉しい。(G)
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Mickischの怪我 [ドイツ]

 Stefan Mickischは毎年バイロイト音楽祭の期間中、当日の演目をピアノで弾き、面白い解説をする、現地では誰もが知るイヴェントだ。でも、私が知ったのは去年のことで、以前ウィーンでリエンツィの解説を聞いた時には、そんな人とは知らなかったが、すごく面白く、他の曲も聞いてみたいと思っていた。去年、その人だと知りつつも聞けなかったので、今年こそ全曲制覇するつもりだった。ところが、どうやら手を怪我したらしく、一度もライヴ演奏はせず、いつもの教会で、同じ時刻にその日の演目のCDを流している。
 お話と演奏のライヴ録音らしいので、一応覗いてみると、幕の向こうは祭壇なのだろうか、手前にワーグナーの胸像と、ミキッシュの写真があり、ちょっと言いにくいが、妙な感じがする。入場は無料で、入口でCDの販売をしている。
 トリスタンとタンホイザーを聞いたが、途中で他の作品も弾くので、また次も来たくなる。Mikischがすごいのか、Wagnerが凄いのか、CDでも気持ちが高ぶってくる。(G)
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Steingbraeber & Soehne ピアノ工房見学 [ドイツ]

 シュタイングレーバーのピアノのことは、バイロイトに来るまで全く知らなかった。18世紀に2代目がバイロイトに工場を作ったそうだ。ここのピアノは、全て手作りなので、つい工房と呼びたくなる。逐一HP に載っているが、全従業員の顔写真を掲載できるほどアットホームなところで、世界に類の無いピアノを製作している。
 初めの工程で、Fluegel(グランドピアノ)の枠や底板を木から作るのを見て、弦楽器の製作を連想してしまった。
 シュタイングレーバー家の住まいだったところが、美しいロココ建築の内装で、当時も今もサロンコンサートが開かれている。リストが弾いたピアノや、ここでの製作第一号のピアノが、今日でも演奏に使用されているのがすごい。第一号ピアノの音は、ちょっとチェンバロのような柔らかい音がする。
 ワーグナーも1881年パルジファルのGrarlglockeをここで作らせている。あの聖堂の鐘だ。今日では、電子音が使われることもあり、気になる場面だ。(G)
http://www.steingraeber.de/deutsch/home_10.html
 完成後の試奏部屋
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マラ1・ボレロ・イタリア奇想曲の連弾 [コンサート]

 Kammermusiksaal Steingraeberでプログラムを見ると、演奏者の年配の女性二人は、知った顔だった。日本で、テレビ放映されたと思う。この前、二台のピアノに編曲された第9は、演奏が自分の好みには合わなかったので、今回は少し不安だったが、この4本の手の意味は、二台のピアノではなく、連弾だった。
 Sontraud SpeidelさんとEvelinde Trenknerさんは、真っ赤なドレスで現れ、Speidelさんが、年季の入った楽譜を用意し、Trenker さんが、椅子の向きを変えたりと、担当があるようだった。ベテランの演奏は、何の迷いもつまずきもなく、身をまかせて楽しめた。 前プロがマラ1なのかと意外だったが、全て聴き終えて思うことは、大曲だと、原曲のイメージが強すぎて、私の場合、自然とオ ケの音と同時進行してしまう。ワルターの編曲はオケと同じ緊張感を味わえた。4楽章で、GPの後Vlaが緊張して入るところは、トレモロの伴奏が入っていた。 ボレロの盛り上がりは、凄かった。自分がオケで弾いているとき、ピッチカートしながら各楽器のソロを聴いているのだが、だんだん複雑に音が重なってくると、ついまだ終わらないかな..というネガティブな気分になってくる。ところが、耳をつんざくような、ピアノの音で迫られると、そのエネルギーにひれ伏してしまう。
 イタリア奇想曲も、自分がオケで弾いている時より、はるかに楽しかった。大勢で方向転換し動き回るのは大変でも、4本の手な ら、自由自在に空間を飛び回り、手品のように、様々な音を聞かせてくれた。これは、ボレロ以上に表現が変化するので、テンションが上がりとても楽しかった。(G)
マーラー交響曲 第一番"Titan" ブルーノワルター 編曲
ボレロ ラベル編曲
イタリア奇想曲 チャイコフスキー編曲
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さまよえるオランダ人 ティーレマン [オペラ(海外)]

 新演出オランダ人第二回の公演の日に、劇場前でチケットをsucheし、運よく短時間で、自分の分と知人の分と2枚手に入った。演出が最悪と言われており、ハーケンクロイツの刺青問題で、オランダ人役が交代したことは、今年の音楽祭で最悪の話題だろうと思う。というのも、今年、verstummte stimmenと銘打ち、1876年~1945年までの、バイロイト音楽祭とユダヤ人との関わりの特別展示をしているからだ。第三帝国のプロパガンダにワーグナーが利用されたこと、ヴィニフレートとヒットラーとの関係、音楽祭に参加し、後に犠牲になった指揮者、音楽家、歌手などの紹介パネルが、祝祭劇場下の公園に展示されている。せっかく真摯に反省しているところに水をさす、スキャンダルだった。
 ティーレマンのオランダ人は、私が今まであちこちで聞いた、オランダ人公演と全く違って聞こえた。歌手が、絶叫しない、合唱も全体的に軽やかだ。二幕の女性合唱も、3幕の水夫と幽霊船の合唱も一糸乱れず、 各人が楽に、一番歌いやすい形で、一番美しく歌ってくれた気がする。
 エリック役のMichael Koenigがとても甘い声で、3幕で愛を語り、オランダ人に見つかる前の場面は、音楽もとても、感情豊かで、初めて、オランダ人を聴いて、Romantisce Operという側面を体感した。これまで、オランダ人といえば、大音量の怖くて激しい音楽、叫ぶ歌手、3幕のずれてしまうオケと合唱、救済のハープがあるか否かだったが、ティーレマンが全てを払拭し、新しいオランダ人のイメージを、教えてくれたように感じる。勿論劇場の特性もあると思う。いくら演出が最悪と言われても、結局は音楽と言葉がワーグナーを語るのではないだろうか。タンホイザー公演も、ティーレマンによって、生まれ変わったと思う。どんなに不評の舞台でも、音楽が素晴らしくて、満足させてくれるマエストロ・ティーレマンは、本当に素晴らしい。(G)
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