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ドイツで市民権を得るための100の質問-授業修了 [ドイツ語]

 最後の授業では、移民が、ドイツ市民になるための100の質問(Einbuergerungstest)を体験した。答え方はマークシートではなく、全て筆記スタイル。再統一前後の新旧の州の数と各州都から始まって、ナチス時代の重要な事実、戦中戦後の記念日、ドイツの建国、憲法、選挙、政党、EU、知識人、歴史的文化人、国旗、国歌など、ドイツ人でもとても全問正解は難しいと、先生が言っていた。
 ドイツ語を学び始めたとき、言葉だけでなく、いかにしてドイツ人になる(近づく)かも強制的に教えこまれるのが不思議だったが、目指すところはここだったのかなと、今なら思える。
 韓国は競争社会、学生はものすごく勉強する。大学受験のため、朝8時から夜10時まで、学校にいるとのこと。彼女らは、そういう優等生なので、点数や評価にとてもこだわる。
 水曜にテストがあり、お国の大学に提出するこの10ヶ月の成果を示さねばならない。私は2週間しか参加していないが、一応参戦した。ドイツと日本、韓国では、評価基準が違うので、成績を貰ってから、自分の答案を見せろという学生もいる。採点ミスで貰った高得点の成績表の返却もしなかった。
 読解、聞き取り、文法、作文、しゃべりの合計点が90%を越すと、Sehr gut なので、私はむしろ救われた感じがしたが、彼女らは、自分に見えない部分の得点比重が高いことが、気に入らないようだ。
 韓国人5名の中で仲良しトリオは騒々しくて、3カタストロフィと先生から呼ばれていた。後の2人の韓国人は、落ち着いている。でもいつも皆韓国語で話していた。
 最終日20日から、先生がラマダンに入るので、木曜日に近くの伝統あるカフェに皆で行った。そこでまた韓国語を話し出したので、さすがに私もまずいと思い、ドイツ語で話すようにと、初めて注文した。すると素直に、ちゃんと話すではないか。初めて彼らとコミュニケーションが取れた気がした。最後には、今日は沢山ドイツ語を話しました!と嬉しそうに先生に向かって言っていた。
 最後の金曜日、セリーナは、誰だか分からないほど美しくメイクしてきた。スーミンも、細い目にアイラインを入れてきた。でも、3人とも涙を流して先生と別れを惜しんだので、せっかくのメイクが流れてしまった。
 先生も、スーミンのことを、来たときには、子供だったが、立派な若い女性に成長したと、目頭を押さえていた。若いっていいなと思う。ここでの経験は、彼らの一生の宝、先生は、彼らの親代わり、唯一甘えられる場所だったのだ。
 日本人会でも、留学を終え、晴れ晴れとした気持ちで、帰国する人たちがいる。ドイツでは今が別れと旅立ちの季節だ。(G)
 クラスメート、手前韓国人、奥はカメルーン人、ギリシャ人とトルコ人(先生)
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