SSブログ

新国立劇場-ローエングリン ゲネプロ [オペラ(国内)]

 友人からチケットを譲り受け、ローエングリンのゲネプロを鑑賞させてもらった。今回は力が入っているようで、とても素晴らしい。まず、ペーター・シュナイダーの導く、ちょっと無骨な重厚感が自分には心地良い。そして、ようこそ日本へ、フォークトさん!日本人のために十八番のローエングリンを歌ってくれて、心ときめく。甘い声が好みの人なら、一瞬で惹きつけられるだろう。元ホルン奏者ということも、興味深い。声がのびやかで、声量や息遣いの調節がとても自然な感じがする。この二人の存在だけで、何だかドイツで聴いているような錯覚に陥るが、否、ベルリンでもバイロイトでもなく、東京なんだという現実に、改めて感動する。
 合唱は出番が多く、演出上の立ち位置(空間)で、バイエルン国立歌劇場ですら、オケとずれていたことがある。今回は、演技や被り物もなく、一段とよく練習してあるので、舞台上を移動しても、ずれたりしなかった。本当によく揃っていて、さすがだ。
 話題の光の演出は、美しくて分かりやすく、何より音楽を邪魔しないので、良いと思う。ちょうど、座席近くのスタッフのパソコンディスプレイで元のデザインが見えたので、舞台では、はっきり判別できないとこともあるなと気づかされた。
 3幕の舞台転換のところのバンダも、重い音で、かっちりと期待以上の迫力だった。ベルリンのリンデン(バレンボイム指揮)では、鼓膜が破れんばかりの、恐怖を感じるような最強音だったことを思い出す。
 いろいろ過去に観た舞台に似ているかなというパーツは感じるが、別段かまわない。実はワーグナー作品だからというのが何よりの理由だけれど、始まる前から、終わってしまうことが惜しいようなプロダクションだ。全公演の成功を祈りたい。(G)

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽