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若きチェリストたちの響演 Ⅳ  JTアートホール [コンサート]

 下は高校生から最高齢で26歳以下という、若々しいチェロアンサンブルを聴いた。これまで、聴いたことのある大人のチェロアンサンブルは、ともすると、テクニックの競演と感じてしまうことが多く、今回7人の名手がどのような音楽を聴かせてくれるのか、ちょっと不安だった。でも山崎伸子さんプロデュースの若い音楽家たちは、言うまでもなく、テクニックがあり、ハートがあり、さすが、コンクール入賞者、統制がとれていて、お互いの響きをさらに美しく高めあうような、一つの作品を作り上げるひたむきな気持が、ホールに満ちていた。
 このホールは会場がフラットなので、後ろの席だと、舞台が観え難い。そこで、前半後半で友人と席を交換し、前と後ろ、両方で聴いてみた。すると、意外な発見があった。近くで聴くと、一人一人の個性がとてもよくわかる。弾き方、音質、歌い方、近鳴りの具合など。ところが後ろに行くと、あえて観る必要も無く、ホール全体に響きが広がり、細かい差は感じず、奏者の響きが全てを語っていた。後ろの方で素晴らしい音楽を感じる場合は、大ホールでコンチェルトが映えるのかなかとか、近くで感じる繊細な演奏は室内楽向きなのかななどと、これからの若い方々の活躍の舞台がどのように広がっていくのか楽しみだ。
 もう一つ、ベルリンフィル12人のチェリストの演奏会では、全員が鏡を見ているように、そっくりに演奏するのに驚嘆したものだが、ひょっとして、近くで聴いたら、今日みたいに、それぞれの違いがはっきり分かるものだろうか。意図的に、同じように弾くのかと思っていたが、今度は12人の近くで聴いてみたいものだ。(G)
D.フンク : 組曲
B.バルトーク : 三重奏曲
J.クレンゲル : 4本のチェロのための4つの小品
N.パガニーニ : ロッシーニの「モーゼ」の主題による変奏曲
D.D.ショスタコーヴィチ : プレリュードとフーガ
A.ドヴォルザーク : 「新世界より」第2楽章
プロデューサー・チェロ:山崎伸子
伊藤文嗣・伊東 裕・岡本侑也・加藤陽子・上村文乃・西方正輝・三井 静
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