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緊急事態宣言2週間 [その他]

 今週から連れ合いが在宅勤務となり、実質自宅待機のようなもの。長期戦の構えで、二人別の部屋で過ごす時間を長くした。しかし、私の雑用は増える一方。一緒に散歩に行きたがり、外に出るのはマズイとは思うのだが、歩いてみて改めて、住まいの周囲がど田舎であると知った。荒川土手以外で人に出合うことは殆ど無いが、緑一杯の河川敷のゴルフ場は営業全開、打ちっぱなしや、釣りが好きな人には最高の季節、自主規制無し。国有地に迷い込み、黄色い菜の花が咲く新緑の草むらから土手に上がると、空は青く遠くには山並みを望み、ここまで徒歩30分圏内とは、今まで気付かなかった。
 飲食店のアルコール提供が18:50までとなり、所帯を持って初めて、夫の家呑み習慣が始まろうとしている。食後に通販で買ったSchlenkerla Rauch Weizen を一本位なら良いかなとも思うが、コロナ後は止めてもらいたい習慣の一つだ。私の世代だと、この自宅勤務体制は、老後生活前倒しのように感じる。
 一方で、ドイツのニュースは気になって毎日ネットで見ている。この5月下旬から6月初めにかけて行くはずだった主要都市のオペラ公演は中止が決まった。州により緩和政策が違うので、まだ中止の発表が無いコンサートもオペラもある。国内のチケット払い戻しは一段落し、これからドイツ各地の払い戻しをし、やがて6月新国立劇場のマイスタージンガーも結局中止になるのだろうか。
 ニューヨークで感染防止より経済活動の自由を求める人々の行動には胸が痛む。医療従事者への敬意と感謝の気持ちを抱きつつも、行動制限により飢え死にするかもしれない恐怖がそこまで来ているのだ。ドイツでも州によっては、経済活動再開に踏み切る勢いも異なる。日本も同じこと。一時閉店した店がすべて再開できるわけではないだろう。長い歴史の中で、飢饉も感染症も乗り越えてきたとはいえ、この半世紀あり得なかった事態に適応することが、やはりどこかで現実離れしている感が拭えない。
 生活の不便さにはふと昭和の頃を思い出す。日々コロナの悲しい事件が起こるが、2020年に生きあわせた一人として、命を大事にしたいと思う。
 ミュンヘン在住の友人情報によると、Oktoberfestは中止になったけれど、最近暖かくなってきて、晴れた日には街中は本当に人だらけで、アイスを食べながら散歩したり、大笑いしたり、警察が来るまで路上でサッカーをやり出したり、大分緩んできているようだ。日本もGWは大丈夫なのだろうか?
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2020年復活祭 [その他]

 Covid19の勢いが収まらない状況下で復活祭を迎えるキリスト教世界の人は、どんな気持ちなのだろう。毎日ネットでARDやZDFのニュースを見ているが、春を祝い心弾む最高の時期に、外出禁止、祖父母の家ででのお祝いも、ミサもすべて中止、旅行もキャンセル、それぞれの人が我慢と工夫でこの1週間を過ごすことになる。バイクに乗って村をまわり、ホルンを吹いて到着を知らせ、道端で復活祭の説教を行う牧師さんのニュース映像も見た。音楽家のネット配信も早かった。行動力のある皆さんを尊敬する。
 神にひたすら祈る、ローマ法王の疲弊したお姿に心が痛むが、コロナは宗教を問わず人類平等に訪れた試練なのだ。ローマ、バチカン、フィレンツェ、ベルリン、ニュルンベルク、NYなど、実際自分が行ったことが場所が閑散としている映像には目を疑うが、実際に旅はできずとも、現時点の世界をとても身近に感じせてくれる。日本では見ない、コロナ犠牲者の映像もありのままに出てくる。日本でも海外のニュースをもっと流して好いのではないかと思う。
 ドイツでのオペラ公演、コンサートは、4/19まで全て休止だが、既にイタリアは期日を延長している。そんな中で、ついにKarfreitagとなり、ネット配信を観ずにはいられなかった。今まで、自宅でWagner をYouTubeで見るのは新演出の予習が必要な時だけで、日常見る習慣は無い。しかし、公然と”家でオペラを観よう!”と劇場の誘いに、つい見始めるとコロナの感染を忘れ、気を紛らわすことができる。
 聖金曜日には、連れ合いも在宅勤務となり、私はおとなしく朝から、ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場、夜はベルリン国立歌劇場の公演、それぞれ1幕だけだが、見てしまった。
 どうもウィーンは指揮者、配役の違うパルジファルを今後も何種類か配信するようだ。凄い。私が観たのは、2015.4.5 Adam Fischer /Michael Volle, Ryan Speedo Green, Stephan Milling, Johan Botha,Boaz Daniel, Angela Denoke この演出はずっと前ティーレマンの指揮で聴いていた。
 バイエルンKirill Petrenko /Jonas Kaufmann (Tenor), Christian Gerhaher (Bariton), Bálint Szabó (Bass), René Pape (Bass), Wolfgang Koch (Bariton), Nina Stemme (Sopran)Anfortas Christian GerhaKaufmann,
 ベルリン国立歌劇場 Daniel Barenboim/Parsifal, 2015 Gurnemanz - René Pape Amfortas - Wolfgang Koch Parsifal - Andreas Schager Kundry - Anja Kampe
 バイエルのペトレンコは2018年の映像で、当時生で聴く機会が無く、YouTubeに上がった時には、小さいiPadで見た。今は60インチのテレビで見られて有難い。
 私の好みは断トツにペトレンコ。人の心の細部に入り込み、心の動揺を誘う。歌や言葉より先に音楽が人の心に入り込み、取りつき、秒刻みで音を膨らませ心を揺さぶる。どうして、こんなことができるのだろう。
 バレンボイムは控えめで美しい。後から言葉を補って音楽が付いてくる感じで、余韻が何ともいえず心を満たしてくれる。
 アダム・フィッシャーは現実的で、今が一番楽しく美しい、まとまった音楽は、安心感を与えてくれる。
 ペトレンコのパルジファルはかなり長くYouTubeに出ていたので、色々な劇場のパルジファルをつまみ食いした音、結局お口なおしで聴きたくななり、途切れ途切れで聴いても、やはり別格だと思う。そういえば、ティーレマンのパルジファルは最近聞いていない。
 こうなると、日本は舞台芸術のネット配信は少ないので、ドイツの友人に、歌舞伎座・義経千本桜の期間限定のYouTubeを紹介した。https://www.youtube.com/watch?v=az2wWl4AY9U
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4月を迎えて [その他]

 1アマオケ奏者としての音楽生活は、昨年12月の第9、2月初めのショスタコ10番の本番で休止となった。2月当時でもクルーズ船問題は既に発生していたが、まだ遥か他人事でしかなく、3月8日自分の所属オケの定演が中止となった当日は、のんびり琵琶湖リングのネット中継を観ていた。しかし、あれよあれよと言う間に新国立劇場、東京の春など期待していた公演が次々中止、ついに3月末、今年の夏のバイロイト音楽祭も中止の発表があった。バイロイトは10年目にして、初めて一般申し込みで当選し、新Ringを含め全演目チケットを入手出来ていた。チケットは来年まで持ち越しできるが、Ringの新演出は2022年まで延期となってしまい力が抜ける。
 3月半ば、ヨーロッパにもコロナウィルスが広がり、ドイツの各劇場、ベルリンフィルなど公演中止となり、すぐに無料ネット配信が始まり驚いた。バレンボイムの決断は早かったと思う。昨年のベルリンシュターツオパーのトリスタンをすぐさま配信してくれて慰められ、復活祭休暇後4/19まで、各劇場の配信を色々見られると、当初は少し嬉しかった。しかし、待ち遠しかった4/2のウィーンの影の無い女を見終えた今、もう十分、早く現実にもどりたい。
 今年は寒暖を繰り返し、突然桜が咲いてしまったようで現実感が無く、ちゃんと珈琲の香はするが、春の気配も香も感じなかった。何年か続けて、復活祭毎にドイツに出かけていた時期があり、日本の桜を見られない寂しさは知っている。それでも今年は桜に喜びを感じなかった。
 Oberammergauの受難劇も、バイロイトのRingと同じく2年延期になっていた。17世紀ペストの流行時、村に死者が出なかった感謝の意から始めたそうだが、2年後の再開はコロナウィルス終息の感謝の意を捧げる、原点回帰となるのだろう。
 10年前の夏、初めてバイロイトに立ち寄り、宿もないのにチケットをゲットしてしまったり、土砂降りの中オーバーアマガウの受難劇を見るために当日券に並んだり、ARD国際コンクールを聴いたりと、良くも悪くも、ひとりで結構な冒険をした。あのコンクールで一位になったチェリストに、今岡本侑也さんが師事しているのも感慨深い。10年ひと昔、次の10年はどんな ”まさか” が待っているのか分からないが、まず今を乗り切らねばならない。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-09-02
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