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4月を迎えて [その他]

 1アマオケ奏者としての音楽生活は、昨年12月の第9、2月初めのショスタコ10番の本番で休止となった。2月当時でもクルーズ船問題は既に発生していたが、まだ遥か他人事でしかなく、3月8日自分の所属オケの定演が中止となった当日は、のんびり琵琶湖リングのネット中継を観ていた。しかし、あれよあれよと言う間に新国立劇場、東京の春など期待していた公演が次々中止、ついに3月末、今年の夏のバイロイト音楽祭も中止の発表があった。バイロイトは10年目にして、初めて一般申し込みで当選し、新Ringを含め全演目チケットを入手出来ていた。チケットは来年まで持ち越しできるが、Ringの新演出は2022年まで延期となってしまい力が抜ける。
 3月半ば、ヨーロッパにもコロナウィルスが広がり、ドイツの各劇場、ベルリンフィルなど公演中止となり、すぐに無料ネット配信が始まり驚いた。バレンボイムの決断は早かったと思う。昨年のベルリンシュターツオパーのトリスタンをすぐさま配信してくれて慰められ、復活祭休暇後4/19まで、各劇場の配信を色々見られると、当初は少し嬉しかった。しかし、待ち遠しかった4/2のウィーンの影の無い女を見終えた今、もう十分、早く現実にもどりたい。
 今年は寒暖を繰り返し、突然桜が咲いてしまったようで現実感が無く、ちゃんと珈琲の香はするが、春の気配も香も感じなかった。何年か続けて、復活祭毎にドイツに出かけていた時期があり、日本の桜を見られない寂しさは知っている。それでも今年は桜に喜びを感じなかった。
 Oberammergauの受難劇も、バイロイトのRingと同じく2年延期になっていた。17世紀ペストの流行時、村に死者が出なかった感謝の意から始めたそうだが、2年後の再開はコロナウィルス終息の感謝の意を捧げる、原点回帰となるのだろう。
 10年前の夏、初めてバイロイトに立ち寄り、宿もないのにチケットをゲットしてしまったり、土砂降りの中オーバーアマガウの受難劇を見るために当日券に並んだり、ARD国際コンクールを聴いたりと、良くも悪くも、ひとりで結構な冒険をした。あのコンクールで一位になったチェリストに、今岡本侑也さんが師事しているのも感慨深い。10年ひと昔、次の10年はどんな ”まさか” が待っているのか分からないが、まず今を乗り切らねばならない。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2010-09-02
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 自分の旅行のことも考えると、当初はドイツの復活祭休暇が終わる4月19日まで社会的接触禁止という措置を、いささか大胆に感じたが、毎日、世界のニュースを見ていると、人々のコロナへの対応は様々で、先進国の医療崩壊を上回る、地球上最悪の事態が訪れるとするならば、SF映画さながら、2020年以降の世界中の時間を無かったことにし、今年持ち越された物事全てを、何年か後に、そのまま引き継いで一から行なうという、どこか海外首脳の、ありそうでなさそうな記者発表風景が、一瞬頭をよぎった。
 
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