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紀尾井 午後の音楽会 義太夫三味線とチェロ [コンサート]

 紀尾井小ホールに初めて入った。5階にあり、とても眺めが良い。
 初めに、鶴澤寛太郎さんの、義太夫三味線のについての簡単な説明があり、導入としてとても良かった。長い曲で、太夫と三味線が他の組みに交代するときに用いられる、独特の旋律「オクリ」という、決まりがあり、言葉も途中で途切れて次へ送られる。今回は、鶴澤寛太郎さんの作曲した、「雪月花」をオクリから始まめ、次のプログラム、岡本侑也さんが演奏する 黛敏郎のBUNRAKU の冒頭のオクリに受け継がれるよう企画されていた。
 BUNRAKUは、オクリのピッチカートで始まり、三味線の音色は勿論、義太夫の声も表現されている。古典芸能のプロには、聞こえ方も、曲の理解もずっと深いようだ。
 ラメンタティオは、弾いている音と歌う声と音程が違うので、慣れるまで難しいと岡本さんがお話された。悲しむこと、嘆くことという意味だが、岡本さんの弾き歌いが聞く者の心を捉える。今回は舞台に一人だが、コンチェルの後のアンコールでは、オケの皆さんの驚きの表情を客席から見るのも楽しい。
 後半、野平一郎先生の新作は、三味線とチェロの音色が意外にも良く合い、絡み合う音に楽器の差違を感じず、自然だった。演奏前に二人の対談があり、鶴澤寛太郎さんは、五線譜が読めないので、楽譜を三味線用に書き変えるのに苦労されたそうだ。「いろはにほへと」で表わす楽譜には無い音を作り、西洋の音程にピッタリ合わせて演奏されたのは、さすがだと思う。珍しい世界に浸り、充実した、1時間だった。
曲目
三味線組曲「雪月花」/ 鶴澤寛太郎、野澤錦吾、鶴澤燕二郎(義太夫三味線)、
黛敏郎:無伴奏のためのBUNRAKU、G.ソッリマ:ラメンタティオ、/ 岡本侑也(チェロ)
野平一郎:もつれ 義太夫三味線とチェロのための(紀尾井ホール委嘱・初演)/ 鶴澤寛太郎、岡本侑也

建築中の新国立競技場
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