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新国立劇場ー世界若手オペラ歌手ガラゴンサート [コンサート]

 この日は、読響/カンブルランのロココとチャイ4、N響/ヤルヴィのウィンナワルツ+マラ4と、魅力的なコンサートがあり、朝読響に電話したところ、当日券があると言われたものの、早くから並ぶほどの意欲が無く、結局電話で席まで指定できる、楽な新国立劇場に行くことにした。
 新国立劇場研修生の発表会は何度か聞いて来ているので、今回世界若手オペラ歌手と銘打っているが、出来栄えには懸念があった。でも、結果的に素晴らしいガラコンサートだった。まず舞台の花のデコレーションに驚き、オペラ研修所20周年記念コンサートだったと気づく。舞台の進行がとても手際よく、代理で登壇した指揮者が慣れていて、雰囲気もとても良かった。海外からのゲストも日本人歌手も、十八番の曲を思う存分歌い、小品18曲、どれも楽しかった。芸大フィルもキッチリ演奏してくれて、お客さんの入りが半分では、もったいない。多分2日目の方が盛況だったことと思う。
 特に目立って素晴らしいと思ったのは、バイエルンの研修所からのテノール チャン・ロンさんだった。日本人ではメゾの清水さんが自分は好みだった。日本人と外国人との差が無くなってきていると訴えかけるように、20年の研修所の実績を示す、良いコンサートだった。

【指 揮】ダグラス・ボストック (※飯守泰次郎より変更になりました。(2018年9月13日))
【管弦楽】藝大フィルハーモニア管弦楽団
【合 唱】新国立劇場合唱団 二期会合唱団 藤原歌劇団合唱部

ゲスト出演
※オペラ研修所修了生
安藤赴美子(第3期修了)ソプラノ
清水華澄(第4期修了)メゾソプラノ
城 宏憲(第10期修了)テノール
桝 貴志(第5期修了)バリトン
※ロンドン・ジェッテパーカー・ヤングアーティストプログラム(JPYAP)
マイケル・モフィディアン(バスバリトン)
パトリック・テリー(カウンターテナー)
※ミラノ・スカラ座アカデミー
サラ・ロッシーニ(ソプラノ)
アンナ・ドリス・カピテッリ(メゾソプラノ
※ミュンヘン・バイエルン州立歌劇場研修所
张 龙(チャン・ロン)(テノール)
セレーネ・ザネッティ(ソプラノ)
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岡本侑也チェロ・リサイタル [コンサート]

 山形でロココを聴いた一週間後、練馬で岡本さんのリサイタルがあった。ピアニスト小林海都さんは、2年前江副財団のコンサートで室内楽を共演して以来とのこと。ベルギーつながりを感じさせる、二人の綺麗な音がまず印象的だ。
 出光音楽賞受賞頃から正式に発表しているが、岡本さんの楽器が変わり、去年、先生も変わり、力強さ、逞しさが加味された方向へ音が向かっている感じがする。シューマンが、かなり硬い音に聞こえ意外だった。
 ベートーヴェンは軽やかと重さのバランスが絶妙で流麗で、ピアノもチェロも音がとても透明で綺麗だった。持ち前の繊細さはさらに音色の幅が出て磨きがかかっている。ヤナーチェックはちょうど今年5月にミュンヘンの教会で、物語の朗読付きで聴いたことがあった。その時は、各楽章の演奏が話の後に来るので、とても短く感じられたが、今回は3つの楽章が一つの流れの中にあって、続けて演奏され、この方が私は好みだ。最後のショパンは凄かった。深刻な曲でありながら、ピアノとチェロが溶け合う美しい世界へ若い二人がグイグイ引き込んでいく。巨匠の演奏を聴いた後のような、恐れ入りましたという感覚だった。さらにこの少し重苦しい興奮状態をクールダウンしてくれる、美しいアンコールは、タイスの瞑想曲と、白鳥。後半冒頭には奏者自身のお話も入り、至れり尽くせり、行き届いた配慮を感じる、聴き応えのある演奏会だった。22〜23歳の若者達であることを忘れる、老成した音楽を聴かせてもらった。

■日時 2018年9月9日(日) 15:00開演(14:30開場)
■場所 練馬文化センター 小ホール(つつじホール)
■出演 岡本侑也(チェロ)、小林海都(ピアノ)
■曲目 
シューマン:アダージョとアレグロ 変イ長調Op.70
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番 ト短調Op.5-2
ヤナーチェク:おとぎ話
ショパン:チェロ・ソナタ ト短調Op.65
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「わ」の会 第5回公演 Erwachen:覚醒 [コンサート]

 調布市文化会館たづくり くすのきホールへ「わ」の会のコンサートを聞きに行った。年々歌手の方々が身近な存在になってきて楽しい。偶然所属のアマオケに出て頂いた先生方もいらして、さらに、今年バイロイトデヴューされた、金子先生もエルダとして出演され、役作りがさすが、上手だと思った。
 今年のジークフリート3幕は、本当に期待していたのだが、お気の毒に、4日前に名古屋でジークフリート全曲歌われた片寄先生が急な体調不良で、後半が、昨年と同じプログラムの黄昏のブリュンヒルデの自己犠牲に変更された。でも、池田先生は去年よりもっと素晴らしかった。輝けるディーヴァの風格で、ちょっとした身のこなしも、ゾクッとする迫力があり、客席にいてとても誇らしかった。
 前半は、マイスタージンガー3幕前半、ハンスザックスとベックメッサーの好きな場面で、つい3週間前に見てきたバイロイトの舞台と結びつき、何ともいえない美しい記憶が甦った。演技指導があったにしても、大沼先生のベックメッサーの演技は、身のこなしの軽やかさが、素晴らしく日本人離れしていて、適役だと感動したのは、私だけではないだろう。全幕通して是非ご出演頂きたい。段々と聴衆も欲張りになり、ヴァーグナーを聞ける有り難さだけで満足せず、買ってながら、抜粋でなく、全曲演奏を聞ける時が来るのが、待ち遠しい。
 ピアニストはたった一人で、超絶技巧で弾き続け、指揮者が入って連弾になると、さらに盛り上がり、オケの音が聞こえてくる。観客数は200人ちょっと。もっと沢山の方に聞いて頂きたい。
 
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ジークフリート3幕3場は、神々の黄昏3幕3場に変更になりました
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山形交響楽団ー岡本侑也 ロココ風の主題による変奏曲 [コンサート]

 山形交響楽団の定期演奏会で、土日2日続けて、岡本さんがロココを協演し、私は2日目を聞きに行った。この日の雰囲気がとても良く、本番を聴く時の緊張感はほぐれ、岡本さんも、とても楽しそうにリラックスしている様に見えた。
 このホールは自分の席では音が良く響き、去年初台でロココを聴いた時より、どの変奏曲も一層歌い込んでいて、若い岡本さんの姿に、早くも風格を感じた。これは、自分にとっては、初めての感覚だ。もう超絶技巧に驚くこともなく、音楽平安を感じる。こちらが、一音一音に感嘆していた頃は、全部の音を完璧にサラッと弾く様に感動したが、今は本番を幾つもこなす演奏家として、少し位、A線高音の発音が悪くても、本人が神経質な様子をあまり見せなくなったので、客席でも安心して音楽の流れに身を任せることができる。
 自然に湧き上がる音楽に思わず引き込まれていた時代から、大きく一段と包容力が増し、声色のような、安らぎを感じる穏やかな音に包まれるとき、これからもこの幸福感を皆さに運んでほしいと切に願う。
  アンコールがまた、生き生きと躍動感があり、本当に素晴らしかった。ラメンタチオの本人の歌声とチェロの音が、ハモって聞こえたし、昔から重音のハーモニーが完璧だったが、重音の威圧感は皆無で、アローンでは、更に各声部を歌い分け、音の重なりに色調が加味され、決して濁らず、例えるなら、オケの指揮者がスコアから選び取るハーモニーにより、それまでと違う音楽に聞こえるマジックのような驚きを感じた。
 指揮者の阪さんも、熱く歌う指揮者なので、どのプログラムも、楽しかった。インタビューで、岡本さん一家とご自身とレーゲンスブルグの関係に触れられたこと、阪さんのご両親が山形ご出身であることなど、演奏者側の人のことを言葉で紹介するのは、聴衆へのアピールになるし、この演奏会にいらした方々は、岡本さんのことを覚えて下さったに違いない。
 山形交響楽団は人数は少ないが、アットホームな雰囲気が良い。開演前のロビーコンサート(ビオラパート素晴らしい!)、開演直前の指揮者インタヴュー、終演後の親睦会など、地元を大事にした経営努力に頭が下がる。
 山形駅に降りたのは初めてで、中心地をぐるっとバスで見物したに後、駅西側の高層ビルに行ってみると、24階に展望台があり、周囲の景色が見渡せた。城跡が霞城公園になっており、ビルの名も霞城ビルだ。駅の東側は、繁華街、西側は新しく、広々としており、コンサートホールがある。帰り道、ようやく、山形駅の正面の駅名が見えて、山形に来た実感がわいた。
 次の日曜は、東京でリサイタル。また、題名の無い音楽会の放送もある。10月にも4回生演奏が聞ける。
 
指揮 阪 哲朗
チェロ 岡本 侑也

ワーグナー/ジークフリート牧歌 作品103
チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33
メンデルスゾーン/交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」作品56 
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