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山形交響楽団ー岡本侑也 ロココ風の主題による変奏曲 [コンサート]

 山形交響楽団の定期演奏会で、土日2日続けて、岡本さんがロココを協演し、私は2日目を聞きに行った。この日の雰囲気がとても良く、本番を聴く時の緊張感はほぐれ、岡本さんも、とても楽しそうにリラックスしている様に見えた。
 このホールは自分の席では音が良く響き、去年初台でロココを聴いた時より、どの変奏曲も一層歌い込んでいて、若い岡本さんの姿に、早くも風格を感じた。これは、自分にとっては、初めての感覚だ。もう超絶技巧に驚くこともなく、音楽平安を感じる。こちらが、一音一音に感嘆していた頃は、全部の音を完璧にサラッと弾く様に感動したが、今は本番を幾つもこなす演奏家として、少し位、A線高音の発音が悪くても、本人が神経質な様子をあまり見せなくなったので、客席でも安心して音楽の流れに身を任せることができる。
 自然に湧き上がる音楽に思わず引き込まれていた時代から、大きく一段と包容力が増し、声色のような、安らぎを感じる穏やかな音に包まれるとき、これからもこの幸福感を皆さに運んでほしいと切に願う。
  アンコールがまた、生き生きと躍動感があり、本当に素晴らしかった。ラメンタチオの本人の歌声とチェロの音が、ハモって聞こえたし、昔から重音のハーモニーが完璧だったが、重音の威圧感は皆無で、アローンでは、更に各声部を歌い分け、音の重なりに色調が加味され、決して濁らず、例えるなら、オケの指揮者がスコアから選び取るハーモニーにより、それまでと違う音楽に聞こえるマジックのような驚きを感じた。
 指揮者の阪さんも、熱く歌う指揮者なので、どのプログラムも、楽しかった。インタビューで、岡本さん一家とご自身とレーゲンスブルグの関係に触れられたこと、阪さんのご両親が山形ご出身であることなど、演奏者側の人のことを言葉で紹介するのは、聴衆へのアピールになるし、この演奏会にいらした方々は、岡本さんのことを覚えて下さったに違いない。
 山形交響楽団は人数は少ないが、アットホームな雰囲気が良い。開演前のロビーコンサート(ビオラパート素晴らしい!)、開演直前の指揮者インタヴュー、終演後の親睦会など、地元を大事にした経営努力に頭が下がる。
 山形駅に降りたのは初めてで、中心地をぐるっとバスで見物したに後、駅西側の高層ビルに行ってみると、24階に展望台があり、周囲の景色が見渡せた。城跡が霞城公園になっており、ビルの名も霞城ビルだ。駅の東側は、繁華街、西側は新しく、広々としており、コンサートホールがある。帰り道、ようやく、山形駅の正面の駅名が見えて、山形に来た実感がわいた。
 次の日曜は、東京でリサイタル。また、題名の無い音楽会の放送もある。10月にも4回生演奏が聞ける。
 
指揮 阪 哲朗
チェロ 岡本 侑也

ワーグナー/ジークフリート牧歌 作品103
チャイコフスキー/ロココ風の主題による変奏曲 イ長調 作品33
メンデルスゾーン/交響曲 第3番 イ短調「スコットランド」作品56 
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