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今年のバイロイト [ドイツ]

 戻ってきて10日ほど経ち、気付いた点をいくつか…
①警備状況
 チケット購入者には事前にメール、封書で厳しくなるよと連絡があったが、初日パルジファルの警備は特に厳しかった。ともかく警官の数が多い。坂の下の公園に入るところから、2〜3人徒党を組んで巡廻している。
 劇場正面には、上手側シュタイゲンベルガー横の階段と、下手側元タクシー乗り場付近にバリゲートがあり、警官がチケットを確認し持っている人しか入れない。(正面道路は通行止めなので、タクシー乗り場はかなり遠くに移動、階段登り下りがあり老人に不評)
 2日目リングチクルスになって以降はバリゲードも無くなり、見た目は元に戻ったが、警官の数は多いまま。昨年までと違うのは、劇場裏は仮設の柵ができて、休憩時間にグルッと回遊できなくなった。駐車場からの道すがらも警官がたくさんいるので、劇場の上の方まで散歩する人も減ったようだ。ヴァルハラレストランも客が大分減ったのではないか?
②Liebesbier(新しいビアホール)
 街中で観光客向けの大きいヤツはOskerしかなく、Herzogkellerは少し離れていて祝祭の後に行くのはきつかったが、今年からロートマインセンター裏に新規オープンした。
http://www.liebesbier.de/
 バイロイトでは誰でも知っているマイゼルの直営で、工場のすぐ下のロートマイン川の段丘(ブラタモリか?)に沿って造られた。そう言えば去年は工事中だったかもしれない。
 これまでマイゼル工場を見学して、最後にビールを試飲するところで、ビールは飲めないのか?(ビアホールは無いのか?)聞いても、隣のレストラン(Goldener Löwe)へ行けと言われたが、今年からは工場見学コースとエレベーターで直結した。
 ただ、内装は全くドイツ風ビアホールでなく、おしゃれな感じでアメリカ風ハンバーガーなどメニューにある。庭のビアガーデンもきれいに整備されていて、ビールも500種とか!
 広過ぎて、シーズンオフはどうするのか余計な心配をしてしまうが、いずれにせよ、日本人団体客の多いホテル、アルベナやラインゴルトからは近くて便利だ。(特にラインゴルトからはごく近い)
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③Festival Junger Künstler Bayreuth(国際青年芸術祭)でのバンコクオペラ
 毎年祝祭の時期に、若い音楽家を対象としたワークショップが開かれており、その中のイベントとして、今年はタイのバンコクから招かれた。私は日程上本公演を聴くことはできなかったが、練習をちょっと見せて頂いた。10代の若者中心の小編成のオーケストラで、奏者はバイオリンとビオラを持ちかえたり大変だが、達者で生き生きとしていた。
http://www.youngartistsbayreuth.de/
 実はバンコクオペラは知人が所属しており、ヴァルキューレ初演を見にバンコクまで行っている。大変懐かしかった。
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2007-12-01
http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2007-12-06
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バイロイト音楽祭2016ーパルジファルⅡ [オペラ(海外)]

 バイロイト最終日、ついに終日傘が手放せず、気温も低い。今年から祝祭劇場周囲のオープンスペースに、白い大きなパラソルが立っており、初めての雨天公演でとても役立った。今年は休憩時間に自由に劇場の二階バルコニーに上がれないこともあって、カフェテリアも含め、外が利用しやすくなっていたように思う。
 前日のトリスタンとこのパルジファルには、メルケル首相夫妻が来臨しており、偶然席が近く入口ドアが隣だったため、休憩時間にかなり近距離でご夫妻を見ることができた。(席は多分9列の20番くらい)私たちのように、近くから見たいというお客さんは結構いるが、人だかりになることはなく、誰に制止されることもなく、一定の距離からお姿を拝むだけだ。
 初日にも思ったことだが、Zeppenfeldの、メガネを掛けた若々しいグルネマンツがとても新鮮だ。今回、フンディング、マルケと合わせ3役も歌い分けているが、これが一番素顔に近いのかなと想像している。Vogtもクンドリ役Pankratovaともに初日の印象通り、落ちついて美しい声だった。3幕の年老いたクンドリの衣装と演技がとてもしっくり合っていて、テレビでも見ているのに、また本人なのか覗きこんでしまった。
 一方あまり起伏のない音楽の方は、残念ながら、自分の好みではなかった。もう10年位前になるが、アムステルダムでHaenchenのリングチクルスを聴いたが、その時も音楽が軽く、拍ごとに浮き上がるリズム感は今も変わっていなかったというのが今年の印象だ。
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Amfortas Ryan McKinny
Titurel Karl-Heinz Lehner
Gurnemanz Georg Zeppenfeld
Parsifal Klaus Florian Vogt
(Andreas Schager 06.8)
Klingsor Gerd Grochowski
Kundry Elena Pankratova
1. Gralsritter Tansel Akzeybek
2. Gralsritter Timo Riihonen
1. Knappe Alexandra Steiner
2. Knappe Mareike Morr
3. Knappe Charles Kim
4. Knappe Stefan Heibach
Klingsors Zaubermädchen Anna Siminska
Klingsors Zaubermädchen Katharina Persicke
Klingsors Zaubermädchen Mareike Morr
Klingsors Zaubermädchen Alexandra Steiner
Klingsors Zaubermädchen Bele Kumberger
Klingsors Zaubermädchen Ingeborg Gillebo
Altsolo Wiebke Lehmkuhl

Musikalische Leitung Hartmut Haenchen
Regie Uwe Eric Laufenberg
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バイロイト音楽祭2016ートリスタンとイゾルデⅠ [オペラ(海外)]

 "人の口に戸は立てられぬ"というが、いくらティーレマンがBR-KlASSiKのインタヴューで、ネルソンズの練習時に何も言ってないと言ったとしても、その場に居た人たちが、いつか本当のことを語るのではないかと勝手に思っている。ティーレマンは、トリスタンで最高の演奏をするしか、自己を正当性を訴えることは出来ないと私は思う。
 この日のトリスタンは、一分の隙もない、圧倒的な支配感があった。トリスタンの音楽に身も心も捧げる心地良さを超え、音楽に支配される自分を感じた。Gouldは最後まで余裕があり、凄かった。Langは思った以上に声が柔らかく、何か一味足りない気がした。昨年のHerlitziusは金切り声が不評だったが、今となってはどうなのだろう。Zeppenfeldは本来はマルケ1役だったわけで、グルネマンツ、フンディングと3役を本当に上手に歌い分けていると思う。すっかりファンになってしまった。
 この日、今年初めて下手側の席だったので、Ⅰ幕後の休憩に、ヴァルハラレストランの方へ、初めて散歩に行った。すると、駐車場方面からピクニックバスケットを持って、戻って来る人は、バスケットを開けさせられ、隅々までチェックされ、普通のお客さんのほんの小さなイヴニングバックでも、開けさせられている。私達も勿論開けてみせた。こう厳しいのは、翌日のパルジファルにメルケル首相が来るからかもしれないと話していたら、何とこの日のトリスタンから来ていたと、後でニュースで知った。

Tristan Stephen Gould
Marke Georg Zeppenfeld
Isolde Petra Lang
Kurwenal Iain Paterson
Melot Raimund Nolte
Brangäne Claudia Mahnke
Ein Hirt Tansel Akzeybek
Ein Steuermann Kay Stiefermann
Junger Seemann Tansel Akzeybek

Musikalische Leitung Christian Thielemann
Regie Katharina Wagner

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バイロイト音楽祭2016ー神々の黄昏Ⅰ [オペラ(海外)]

 リング第一チクルスの中では、黄昏のオケが圧倒的に心に響いた。これは上演が良かったというのとはちょっと違い、指揮者よりコンマスが音楽をリードしているようで、音楽が生き生きとして、勢いがあり、集中力があったように感じたからだ。
 Fosterは年々素晴らしくなる。良い役をものにした。初年度言葉や発音の問題などあったようだが、外国人にとっては、もう気になることはない。Vinkeも二年目で伸び伸びしている。ハーゲン役Pesendolferはハイホー第一声前、緊張が見えたが、歌いだすとすぐ調子が出て、体格もよく、大きな拍手を得ていた。客席から見て、歌手に余裕を感じるのはいいものだ。
 3幕冒頭、ラインの乙女の一人が歌いだすことが出来なかった。これは前代未聞、指揮者の責任なのか、自分の耳を疑ってしまった。作品は長いが、音楽は一瞬ごとの連続。たとえ指揮者に何かあたっても止まることが許されない、オケの底力はやはり、バイロイトならではのものだと思う。

Siegfried Stefan Vinke
Gunther Markus Eiche
Alberich Albert Dohmen
Hagen Stephen Milling のところ この日は
Albert Pesendorfer(31.7)
Brünnhilde Catherine Foster
Gutrune Allison Oakes
Waltraute Marina Prudenskaya
1. Norn Wiebke Lehmkuhl
2. Norn Stephanie Houtzeel
3. Norn Christiane Kohl
Woglinde Alexandra Steiner
Wellgunde Stephanie Houtzeel
Floßhilde Wiebke Lehmkuhl

Musikalische Leitung Marek Janowski
Regie Frank Castorf

右の建物は市立美術館(旧市庁舎)
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1階はオスカー(ビアホール)と共用
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シュタイングレーバー・ピアノ工房、プッチーニ展をやっている(戦後すぐ祝祭劇場でマダムバタフライが上演されたことがあるらしい)
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バイロイトLandesgartennschauとエルミタージュ [美術・博物館]

 オランダ人の公演日だがチケットを買っていないので、町周辺を散歩することにした。Sankt Georgen地区に宿があるので、朝9時過ぎ出発してエルミタージュ目指して歩く。晴れているが、気温は低く快適だ。
 エルミタージュ通りを曲がって田園風景を行くと、右側緑地が柵に覆われている。キャンプ場かと思ったが、そこがLandesgartennschauの会場で、せっかくだから入ってみるが、10時になるのに人が殆どいない。ブラバンのステージも観客より団員の方が多いくらいだ。
http://www.landesgartenschau2016.de/home.html
 チケットがひとり16ユーロとかなり高く、そのせいで客が入っていないのかと思ったが、我々が入場したのが言わば裏門で、正面入口付近はカフェや売店もあり、かなりの人出だった。
 会場はローターマイン川の洪水調節用の遊水地らしく、小規模な堰もある。起伏のあるかなり広大な土地で、ところどころお花畑があり、造園会社が掲示されているが、ほとんど自然のままだ。遊園地的な遊戯施設は一切無いが、天気の良い日にぶらつくのは気持ちが良い。もちろん要所々々でマイゼルビアも飲める。
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 2時間ほどで中を1周し、最初に入ったゲート付近まで戻った。近くの養蜂の展示を冷かしてから外に出る。なお、腕にスタンプを押して貰えば再入場可だ。
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素朴な手造り遊具はあって、かなりの人気
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 会場を出ると少しずつ上り坂で、アウトバーンの下をくぐり15分ほどでエルミタージュに到着。日差しは大変強いが気温は快適だ。
 まず名物の噴水を見てから、旧宮殿(Altes Schloss)にガイドツアー付で入場(ドイツ語)。参加者は15名くらいで、フランス人親子4人連れがいて、親は質問したりしてドイツ語ペラペラだが、子供(小学生くらい?)もかなり理解しているようだ。さすがだ。
噴水全景
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定時に水が出る
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旧宮殿外観
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祝祭劇場が見えるよう木が切ってある
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旧宮殿内部ガイド
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噴水の部屋
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見学開始
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内部の部屋①
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内部の部屋②
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台所
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仮装
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 夜に花火大会があるとのことで、準備の人がだんだん多くなる。入場は有料だそうでで、ゲートを組み立て始めたので退散することにした。帰りはバス使用で、街中まで10分程度とかなり便利。(B)
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