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バイロイト音楽祭2016ージークフリートⅠ [オペラ(海外)]

 この演出も何度も見ているうちに、慣れてしまったが、性悪なジークフリートが容赦なく描かれている。でも音楽は、1、2幕の森の描写も、ノートゥングを鍛える場面も、3幕のブリュンヒルデの目覚めも、聞けば聞くほどよく出来ているなあと改めて感心する。ヴァーグナーがジークフリートだけ、独立して、公演することを想定していたのも腑に落ちる。
 2幕のイングリッシュホルンは、GPの時の方が舞台とのコンビネーションは絶妙だったが、次のジークフリートの角笛を軽視するような演出は、音楽ファンとしては、未だに愉快でない。
 歌手は皆良かった。2幕初めの方で、到着したミーメ一行に、アルベリヒが鉢合わせして慌てて戻っていったのが、演出だったのか、Dohmen が退出口を勘違いしたのか、ちょっと気になった。Lundgrenの甘い声は、場面に色彩感を与えるようで、私はいいと思った。Vinke も最後までFoster にひけをとらず、去年と比べ、何かふっ切れたかのように、性悪を体現していたように見えた。
 幕切れのワニの一家は、GPでは5匹に増えたのを確認できたが、今日の席は上手寄りで、よく見えなかった。
Siegfried Stefan Vinke
Mime Andreas Conrad
Der Wanderer John Lundgren
Alberich Albert Dohmen
Fafner Karl-Heinz Lehner
Erda Nadine Weissmann
Brünnhilde Catherine Foster
Waldvogel Ana Durlovski

Musikalische Leitung Marek Janowski
Regie Frank Castorf

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殆どの人が動画で撮っている
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手荷物預け用コンテナの案内
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バイエルン国立歌劇場ーペトレンコ指揮ニュルンベルクのマイスタージンガー [オペラ(海外)]

 バイロイト音楽祭の休演日、DBのバイエルンチケットでミュンヘンまで3時間、ペトレンコのマイスタージンガーを聴きに行った。ミュンヘン中央駅では、特にテロの影響は感じられずいつもの賑わいだった。
 宿に荷物を置いて、ボックスオフィスにチケットを取りに行った。今回やっと購入したのが、最上階の聴くためだけの席、座席はふかふかだが、座ると舞台は見えないのだ。念のため、今回も戻りチケットがあるか聞いてみると、バルコニー席中央という、最高ランクの席が2枚あると言う。この前ばら騎士のとき、この席の良さについて、日本人の友達に聞いていたので、思い切って購入した。立ち見席は今日なら売れると窓口の女性に言われた。
 開演一時間前になり、立ち見券を売りにいくと、何とチケットを売りたい人が山ほど居た。ホテルの制服の人もおり、なんだ買い占められていたのかと、小さな怒りがこみ上げてきた。自分は最高の席を入手できてラッキーだったが、テロの後にキャンセルが出たのだろうか、とてもその日の全部は売れなかっただろうと想像する。私も開演30分前には売るのを諦めて中に入った。
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 ペトレンコのマイスタージンガーは、これまで聴いたことがない精緻な演奏で、素晴らしかった。始まりから違う。前奏曲の後の教会ミサのコーラスからして、耳慣れたハーモニーとは違って聞こえた。二幕の最後の場面は、オケも合唱もパワー全開で、しかも乱れのない、完璧な見せ場を作ってくれた。
 録音でミキシングという作業があるが、ペトレンコは生の音を瞬時に取捨選択し、複雑にミキシングもして、美しい旋律とハーモニーを構築しているように思える。耳で覚えている音楽はスコア上の音のごく一部であり、本当はこんなにクリアに音が絡み合っているのかと驚かされる。オケの音は、バラ騎士のときは繊細さを感じたが、今回は、去年のバイロイトで感じたように、音の密度が高いというか、伸ばしている音が、瞬間の連続として躍動感を持っているのがとにかく素晴らしい。こういう音は聞き手の体の中に入ってきて、感性を目覚めさせてくれる。今年の夏の一番の収穫は、このペトレンコのマイスタージンガーだろう。昨年は帰国したあとも、自分の体の中にペトレンコの躍動感が残っており、アマオケの練習で、自分もそう弾きたいという衝動に駆られた。今帰国して2日目だが、忘れたくないと念じたマイスタージンガーがの感動も遠くなっており、バイロイトでむしろエネルギーを消耗した年となった気がしてならない。
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楽屋口で出待ち(Okka von der Damerau)
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バイロイト音楽祭2016ーヴァルキューレⅠ [オペラ(海外)]

 朝から小雨が降り、気温は低い。10時より友の会総会があるので、劇場横のシュタイゲンベルガーレストランに行く。例年ならカタリーナに加えティーレマンも来るが、今年はいろいろあるからか欠席?そのことに対する質問に、カタリーナは、私が来ているからいいでしょといつもより落ち着いて着席しているようにも見えた。
 例年新演出の演出家が来て、内容について説明するが、パルジファルの演出家Laufenberg氏は劇場のインテンダントという立場からか、芸術家というより、外見は普通の人だ。既にプレミエの舞台を映画館やインターネットで見た人も多く、1幕と2幕の舞台上部聖堂のドームに後ろ向きに座っているのは誰かという質問に、皆 "神"だろうと思いつつ、神ならティーレマンだという会場からの声を演出家は笑って受け流した。例年のように、演出家を厳しく問い詰める場面は無かった。
 警備の厳しさについては、バイロイト市長(女性)も補足し、必要なことだと主張した。タクシー乗り場が遠くなったことにお年寄りからクレームが出た。全て、安全への配慮ということで仕方がない。
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蒸し暑いのか、カタリーナは持っている書類でしきりに扇ぐ
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 夕方からヴァルキューレ、天候は回復した。こちらも配役は当初からかなり変わっている。1幕の3役は全て交代、外見的には、ジークムントとジークリンデの体型が昨年と逆転した。VentrisとZeppenfeldは冬に観たドレスデンと同じ配役。特にVentrisは矢野先生の快速テンポにあえて抵抗していたのだろうか、ついていか(け?)ず、今年の主導権は歌手と指揮者、どちらにあるのか気になるところだ。Meltonの声は素晴らしいが、…段々と動きも馴染んでいくだろう。まだ、第一チクルスなので。
 ヴァルキューレたちはあのテンポで演技しながら歌うのは、さぞ大変だったと思う。荒々しくならざるを得なかったのか、1ヶ月前ベルリンのバレンボイムの美しさとは好対象で、これもまた良かった。フォスターの安定感にはこの先の期待がふくらむ。今年のヴォータンLundgrenの声が、甘く若々しく感じられ、ジークフリートGPのヴァンドラーの好印象を確信した。
 全体的には、荒削りもまた可なりというところか。一つ一つの公演を比較する気になれない。観客はあくまでも受け身の立場、楽しんだ人たちは、盛大に足を鳴らし盛り上がっていた。

Siegmund Christopher Ventris
Hunding Georg Zeppenfeld
Wotan John Lundgren
Sieglinde Heidi Melton
Brünnhilde Catherine Foster
Fricka Sarah Connolly
Gerhilde Caroline Wenborne
Ortlinde Dara Hobbs
Waltraute Stephanie Houtzeel
Schwertleite Nadine Weissmann
Helmwige Christiane Kohl
Siegrune Mareike Morr
Grimgerde Wiebke Lehmkuhl
Rossweisse Alexandra Petersamer

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バイロイト音楽祭2016ーラインの黄金Ⅰ [オペラ(海外)]

 今日からリング第1チクルス、午前中は町をぶらついてみた。気候も良く、まだ人もあまりいない。
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迷い猫探し
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 劇場周りはプレミエのパルジファル警備の厳しさが嘘のように、ごく普通の音楽祭の雰囲気に戻っていた。と言っても、例年とは違い警官が歩きまわり、身分証の提示は求められる。
 今年の歌手たちは、のびのびしていると、やはり感じた。テンポはとても早く、上演時間はかなり短めだ。20時20分には終了した。まだ十分明るい。昨年は暑さで意識が朦朧としたが、今年は程好い環境だ。
 役者が変わると舞台も新鮮で、GPにはまだ来て居なかったらしいが、グロイスベックが、ファーゾルトを歌い、盛大な拍手をもらっていた。アルベリヒ役のドーメンは風格があり、あわてず騒がずのアルベリヒだった。
Wotan Iain Paterson
Donner Markus Eiche
Froh Tansel Akzeybek
Loge Roberto Saccà
Fricka Sarah Connolly
Freia Caroline Wenborne
Erda Nadine Weissmann
Alberich Albert Dohmen
Mime Andreas Conrad
Fasolt Günther Groissböck
Fafner Karl-Heinz Lehner
Woglinde Alexandra Steiner
Wellgunde Stephanie Houtzeel
Floßhilde Wiebke Lehmkuhl

Musikalische Leitung Marek Janowski
Regie Frank Castorf

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手荷物を預けるコンテナ、あまり利用者はいないようだ
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バイロイト音楽祭2016 プレミエ parsifal [オペラ(海外)]

 いよいよ、開幕の日、さすがにプレミエチケットは未入手でsucheするため、開演2時間少し前に祝祭劇場に行った。今年はレッドカーペット中止で有名人が歩くことはなく、例年とほぼ同じあたりで車を降りると警察がガードしながら、横の扉から劇場内へ通す。プレスのカメラマンは、ずっとカメラを担ぎ、丘の上の駐車場から歩いて来る有名人と両方を待ち構えている。正面には柵ができ、開演前の一般人の見物が許される雰囲気では無かった。
 公園から上がって来るお客さんは、Steigenbergerの階段で、チケット携帯者のみ、先へ通してくれる。その手前の荷物預けコンテナーは、中に棚があり、既に荷物預かりが始まっていた。西側の道路を徒歩で上がって来るお客さんは、本屋前の横断歩道で警官のチェックを受ける。私はsuche Karte すると説明したがなかなか理解してもらえず、仕事熱心な婦警さんが一番口うるさく、通行止めの道路を歩いている人も、いちいち歩道を歩くよう皆注意された。
 当日売りには10名ほど並んでいたが、結局1枚も出ず、物々しい雰囲気の中、sucheするのも憚れたので当日売りの窓口の女性に確認すると、全然構わない、券面の名前と本人が違っていても問題無い。この紙に書けばいいよと、Bayreuth Festspieleの透かしが入った便箋までくれた。親切だ。
 私は、西側通路の始まりあたりでsucheしていたので、柵があるときよりむしろ、たくさんの有名人を近くで見られたし、チケットもたまたま良い結果に恵まれた。ただ混乱の中、私以外に成功した人はあまりいなかったようだ。
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開幕前の劇場 [ドイツ]

 いよいよ明日から祝祭なので、散歩がてら行ってみた。今年は赤絨毯が無いそうだが、正面には既に立ち入りを仕切る柵の準備が出来ている。上手側には中継車も入り、劇場裏の通行は幕を張られて完全に出来ない。
 去年までと違うのは、雨よけ用巨大なパラソルが多数設置されていること。正面ファサードの仮設足場隠しのシートも撤去され、すっきりした。
 散歩している人は多いが、雰囲気は物々しい。またテロがあって、警官の数は更に増強されるようだ。規模の大きいザルツブルクやルツェルンはどうなっているのだろうか?
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バイロイト音楽祭2016―神々の黄昏(ゲネプロ) [オペラ(海外)]

 黄昏の一幕は実際長く、席を立つ人、チケットでパサパサ扇ぐ人など、ミュンヘンの事件とは無縁のバイロイトの時間経過だった。私はゲネプロが終わって帰宅するまで大変な事件があったことを知らなかった。
 特に印象に残ったのは、ホルンを使った場面転換のところで、2回ともクレッシェンドが利いて、とてもきれいだった。全曲通して、普通にきれいで、何も残念な感じは特に湧いてこなかった。これが東京だったら、大満足だろう。一つ不愉快だったのは、やはり映像だ。歌や音楽より先に映像が目につくのか、大笑いする観客が近くにいた。どうでも良いことに目を奪われるのは、もったいない。個人的には今年はじめて、バイロイトでオペラグラスを使い、舞台の内容が良く見えて、今年はそちらを楽しんでも良いかなと、今の気持ちとしては、過大な期待を慎みたい。(G)
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バイロイト音楽祭2016ゲネプロトリスタンとイゾルデ [オペラ(海外)]

 今年の期待が一番高いのは、間違いなく、ティーレマンのトリスタンのはずだ。GPでは、歌手が変わっても、意外と全体のどんよりした雰囲気は変わらなかった。オケのメンバーなど変わったのかどうかわからないが、何人かの人と話した印象は、オケがあまり集中できていなかった感じがしたと。今年の状況はあらゆる点で、マイナス効果を発揮しているだろう。トリスタンは特に舞台が暗く、双眼鏡を使ってもあまり効果が無い感じだ。パルケットは意外に空気の通りの悪く、酸欠の疲労感が襲ってくるようで、気を付けねばならない。
 ペトラ・ラングは、セーヴしていたかもしれないが、きれいだが、少し地味な印象だった。
警備員に制止され、歪んだ配役表
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バイロイト音楽祭2016のゲネプロ ジークフリート [オペラ(海外)]

 ゲネプロが始まり、運よく、ジークフリート、トリスタン、黄昏と3演目見ることができた。今年は、劇場外壁の工事はすっかり済み、シートが取り払われて窓から外もきれいに見える。一方劇場裏側にはフェンスが張られ、安全対策で、 色々注意事項がある。GPの雰囲気は、特に不愉快なこともなく、持ち物検査はなく、早い時間に召集がかかったのは、飲食代を落として欲しいためではないかと思うほど、Steigenberger カンティーネレストランもやる気一杯だった。レストランは、GP期間中飲食代半額だったが、殆ど効果無しに見えた。
 ヤノフスキは、バイロイトは初めてとはいえ、日本でも練習が厳しいことで知られており、ベルリンでも演奏会形式でリング全曲演奏していて、こだわりのある頑固な指揮者ではないかと想像している。GPまでに、きっと一つ一つの問題をしつこく解決してきたのではないだろうか。ペトレンコとはとても比較できないが、テンポはペトレンコよりは遅く、縛りも緩く、歌手が主導権を握っている印象を受けた。特に、ジークフリート一幕は、頼りなく聞こえたが、二幕では、歌手陣が音楽をリードしていると感じられ、歌手優位の音楽も安心して聞けるものだと、意外だった。ジークフリートのホルンの前に、イングリッシュホルンが、調子っぱずれの音程で吹くところが、とても難しいと聞いているが、今回、舞台演出に驚くほど、ぴったりマッチしていて、これが一番驚いた。角笛のHrは、相変わらず、注目を浴びない演出だ。3幕のブリュンヒルデの目覚めは、Vnの音の張りが限界に至る緊張感にもの足りなさがあったが、本番ではきっとやってくれるだろうと期待したい。幕切れ、アレキサンダープラッツのワニの一家は、益々大所帯になっていた。
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バイエルン国立歌劇場-ペトレンコ薔薇の騎士 と ミュンヘンZOB [オペラ(海外)]

 ペトレンコが指揮するバラ騎士は、とても繊細で、どっかんどっかんした音は一切無かった。オケも指揮者の要求通り、今まで聞いたことのないほど細やな演奏だった。当初より更に良い席に変更した日本人から買ったチケットの席は1Rang2列目、日本では3階席。隣の貴賓席のドアにルネ・パペが入って行くのにすれ違った。この劇場は席により本当に音が違うので、この日はペトレンコの音を頭から全身に浴びたわけではなく、少し離れた窓越しに聞いたという感じ。一幕始まりも三幕のどたばたも隅々までコントロールされていて、全曲通じて歌と音楽の表情が同じで、一体感があり、素晴らしい体験だった。詳しい人の話では、ノーカットだったと。
 マルシャリンの憂いを秘めた場面にいつも聞き耳を立てるが、この日は、すべてが自然で誇張なく穏やかに進行していった。上品に演じてしまうかと思ったオックス役のグロイスベックが、きっちり品を落とし、タンホイザーのヘルマンを演じた凛々しさとは別人のようで、さすが、インタビュー映像で、堂々ととにかく見てほしいと言っていただけのことはある。決して自転車ばかりこいでいる訳ではないのだなと感心した。
 オデオンプラッツではBr-klassikの野外コンサートの録画が日曜月曜とあったようだ。
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リヒャルトワーグナーミュージアム ヴァンフリート 2016 [美術・博物館]

 去年の夏再開したRWMをゆっくり見ようと、お昼少し前に入った。入館証のシールは一日有効で、何度も出入りできる。カフェもできて、ゆったりした雰囲気になった。ヴァンフリートの地下にインタラクティヴの大きなテーブルのような、本のようにページをめくる装置があり、それがとても面白いと聞き、自分で試しに行った。
 最初はラインゴールドのスコアから始まり、コントラバスとファゴット、ホルンが加わり、スコアが大きくなっていき、演奏されているところのスコアが明るく光る。次のページはモティーフ、ハーモ二ー、響き、と三項目あり、黄昏の最後の部分のスコア上にライトモティーフが示される。ハーモニーはローエングリンのスコアが現われ進行している部分が白く光る。響きはトリスタン和音の説明。
 次のページはオーケストラの映像が出て、タンホイザー序曲、マイスタージンガー前奏曲、ジークフリートのラインへの旅のオーケストラの楽器の音を、ホルン、金管、、木管、Vn,Vla,低弦とハープ、打楽器などTuttiを含め10パート位に分けてあり、音を重ねたり減らしたりして聞くことができる。次のページはマイスタージンガー演奏曲の演奏の違いをフルトヴェングラーからティーレマンまで4人の指揮者を比較できる。最後はワーグナー作品を使った映画の紹介。ざっとこんなところだ。他のお客さんをやり過ごしつつ、1時間くらい居たところで、入り口で会った年配の係員のおじさんが椅子を持って来てくれた。何と親切なこと。
 2階の展示は去年詳しく見たのでまだ覚えていたが、今回はオーディオガイド(英独仏語、日本語版は無い)を借りたので、さらに内容が充実して良かった。身分証と交換で、無料で借りられる。オーディオガイドはスマホなので、写真なども出てきて、あった方が良い。
 地下から上がったところで、あの係員の人に呼びとめられ、見学中の日本人ご夫妻に、ジークフリートワーグナーハウスと、隣のリストハウスも見るよう言ってほしい、また、写真は撮って構わないと伝えてくれとドイツ語で言われた。知らない日本人から日本語で話し掛けられても、旅先ではぴんと来ないこともあるなと思い、リストハウスはちょっと入りにくいが無料ですからと付け加えた。田舎の博物館や美術館の係員の人は熱心だ。マイニンゲンやエアフルトを思い出す。
 そうこうしているうちに、4時半になり、舞台セットを見ようと新しい建物へ戻ると、あのおじさんが待ち構えていてフィルムは見たかと聞かれた。映像なんかあったかなと思ったら、録音のアーカイヴのことで確かに画面で操作するから映像なのかなと思った。これは去年結構聞いたが、タッチはダブルなのでちょっと使いにくく感じた。最後に聞いた、フィッシャーディースカウ指揮のトリスタンとイゾルデ、前奏曲と愛の死が結構良くて、結局6時間位滞在したことになる。
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ラインゴルド
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1920年頃のパルジファルの鐘
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Ammeiel Bushakevitz (Bayreuther Klavierfestival ) [コンサート]

 シュタイングーレバーハウスのロココザールでのサロンコンサートがあった。1986年イスラエル生まれのにこやかな男性ピアニストで、2013年ワーグナー生誕200年の新人賞他、シューベルト、ブラームスなどの冠コンクールで受賞している。ここのピアノはリストも弾いたもの。
 ロココザールはいつもアットホームな雰囲気で、今回もピアニストが好きな、きれいな曲を、選んで弾いたという感じだ。ドイツ語で紙に書いた曲目解説を上手に読み上げる姿に謙虚さを感じる。リストは若い頃ロックスターのように派手にもてはやされた。と始まり、シューベルトとリストはウィーンで親交があり、シューベルトの歌曲をリストがピアノに編曲した「水の上で歌う」も演奏された。眠るには、リヒャルトシュトラウスの子守歌が一番だと思うと、最後のアンコールを演奏してくれた。
 個人的にはエステ荘の噴水を生で聞きたいと思っていたこともあり、毎年シュタイングレーバーで、必ずアンプロムプチュも聞くので、いつのまにかピアノはバイロイトで聞くものだという習慣が出来てしまった。夏のバイロイトで毎年演奏する人もいたが、新しく出会う、若くて純粋な気持ちの演奏家は、聞いていて気持ちが良いものだ。
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バイロイト音楽祭の警備 [ドイツ]

 今年のバイロイト音楽祭は警備が厳しい。建物の周りにフェンスが張られており、一般人は建物の裏側を通り抜けできない。西側には警備の人が二人おり、私は一応音楽祭の客で、まだ早いのですが、と言うと、自分たちの写真は撮らないでくれと言われた。
 チケット購入者全員に出したのだろうか。音楽祭から手紙が来て、安全確認のため、身分証を持って、開演45分前に来るようにとのこと。会場への持込不可アイテムは、ペットボトル、先の尖ったもの、大きいバッグ、クッション。新聞では傘が追加されていた。女性のイヴニングバッグはOK。どんな混乱がおこるのか、開演が遅れないと良いが、大変なことになりそうだ。
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 ドイツ人の女医さんと、東京を案内したご縁で再会し、Wiegnerという地中海料理の店へ連れて行ってもらった。旅の思い出のアルバムが出来ていて、二度会っただけなのに、とても気持ちの通じあう友達になったと彼女の方が驚いている。とても有難い話だ。
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毎日食べているパン
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2016夏 Sinzing の 猫たち [ドイツ]

 今年は日帰りで、レーゲンスブルクからSバーンで2駅離れた、ドナウ川沿いのSinzing の家族を訪ねた。私がドイツ語を始めて最初にホームステイしてから既に15年の付き合いになり、私はもうお客さんではなく友達なので、特に構われることはない。お客さんだったら、途中で昼寝なんてしないわ、と奥さん。確かに夫婦それぞれ、庭やソファーでうとうとしていた。
 ご主人は相変わらずマメで、庭のさくらんぼに、アメリカンチェリーを混ぜて、あっという間にジャムを作ってくれたり、私のインターネットGメール問題を解決してくれたり、ここに来ると、本当にに心が休まる。
 静けさを破る騒音と、敢えていうなら、さくらんぼの種を一粒ずつ抜く、手動の種抜き器の音が大きく、日本だったらまず、家族から苦情が出そうで笑ってしまった。
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 生後6週間半になる、子猫が4匹と去年赤ちゃんだった母ネコ、その兄弟(子猫たちには、叔父さんにあたる)と、総勢6匹おり、子猫を庭に出すときは、家族皆で、所在を確認する。
 子猫は二階で生まれ、囲いを作ってあげていたが、暫くするといなくなり、一階のソファーの引き出しの中に、勝手に引っ越していたそうだ。どの猫も人懐っこく、一日中見ていても飽きない。この日の朝、初めて母ネコが子猫たちに鳥を捕獲し、キッチンに運んできたそうだ。直ぐ、庭に出して、お昼の運動時間に、子猫たちは、初めてのご対面。初めはあまり関心がなさそうだったが、夕方もう一度庭に出したときは、一匹ずつ、交代で鳥をオモチャにして積極的に遊んでいた。お昼のとき、叔父さん猫が、子猫の交頭を一匹ずつ叩いていた。こんなのは、初めだが悪いことではないと、奥さんが言っていた。
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 この日は、とてもお天気がよく、奥さんは日本人からみれば、ほとんど裸状態だ。ドナウ川ではモーターボートで水上スキーしたり、泳いでいる人もいた。今年は雨は多いが目下川の氾濫はなく、水を逃がす地下室には、50cmくらい、水が溜まっているそうだ。
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Keita Obushi大伏啓太 (Bayreuther Klavierfestival) [コンサート]

 日本人ピアニスト大伏啓太さんのコンサートがあると、シュタイングレーバー夫人から連絡があり、聞かせて頂いた。初めて聞いたピアニストだが、とてもロマンティックで、心がとても優しい方に違いないと、最初のベートーヴェンの曲が始まってすぐ感じた。えっ、ベートーヴェンだよねと、プログラムを確認し、そのままObushiさんの世界に、身をまかせた。ブラームスもまた、一つずつの音がきれいで、心のこもったプレゼントを大切にに聴き手の心まで運んでくれるような、人を包み込む優しさにあふれていた。
 後半、バイロイトでのシューマンに、特別な思いがあったのか、少し緊張しているように感じた。
 テクニックを披露する若いピアニストが多い中、音符の数が少ない曲で、思いの丈を打ち明けるような、こういう演奏はとても癒される。若くて素敵な奥様とドイツの演奏旅行をされているとのこと。バイロイトで素敵なご縁ができて嬉しい。(G)
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 その晩は、EMドイツ対フランスの準決勝戦。ベルリンに比べ、レストランの雰囲気はかなり静かだ。
ドイツが負けるとあっという間に、お客さんがいなくなり、空しくTVがフランスのゴールを解説していた。かと思うと、手際良く仮設テレビが片付けられ、後ろにあったビールケースもチャッチャと運ばれて行き、静かな夜更けとなった。
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バイロイトのドイツ・アメリカ協会バーベキューパーティー [ドイツ]

 毎年、7月第一週目の週末に開催されるバイロイト市民祭では、各国とドイツの交流協会が、屋台で自国の料理を提供している。それとは別に、ドイツ・アメリカ協会では、毎年7/4独立記念日近辺で、バーベキューパーティーを開くという。場所は、ロートマインセンター近くの野外野球場だ。料理は持ちよりで、肉や魚を焼く炭火のバーベキューコンロが用意される。バイロイトに住むドイツ人夫と日本人妻の夫婦も参加していた。18時から、総勢30人近く集まった。飲み物は売店で買う仕組み。
 野球場といっても、日本と違い細長い芝のグラウンドで、ゴールを置けば、どう見ても、サッカー場にしか見えない。
 協会会長は、ザンクトゲオルゲンにある刑務所の所長だ。(まさか名前はフランク?)そろそろ引退したかもしれないが、8/3には刑務所見学があるそうだ。パーティーもあると以前聞いたことがある。地元へのサービスだろうか。
 誘ってくれた日本人奥様は、ドイツ語より英語が得意で、今年金婚式のドイツ人夫、アメリカ人妻のご夫妻と、流暢な英語でしゃべっていた。娘も婿もアメリカ人医師だが、EUではないので、ドイツで医者の資格を取得するに苦労し、ゲーテ・ インスティテュートB2の試験をパスしなければならなかったと言っていた。(G)
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ベルリン~バイロイト・バスの旅 [ドイツ]

 今回は、安さに釣られてベルリンからバイロイトまでFlixbusを使ってみた。良くチケットを見てなかったので、出発時間になってもバイロイト行きの掲示が無く、焦って聞きに行ったら、チューリッヒ行きのバスだった。
 定刻に出発したが、1時間走ったところで、ドライブインに立ち寄るというアナウンスがあり、病人が出たとのこと。立ち上がって覗くと、前方の通路に女性が横たわっているようで、話しかけても反応が無い様子だ。10分ぐらいして救急隊の人が担架で運び出した。30分遅れたので、各停車場所の到着時間修正のアナウンスが一度だけあり、その後は、ずるずると遅れ、バンベルクの近くではないかと思うのだが、給油と運転手交代のため停車し、結局1時間遅れて、出発から7時間で、バイロイト駅の近くに到着した。
 乗り換えが無いのはありがたいし、バスの中も静かだ。でもインターネットはいつも接続できるわけではなく、去年乗ったDBのバスの方が乗り心地は良かった。まあ、ベルリンからチューリッヒまでバスで行けるなんて凄い。Flixbusは路線を拡大しており、安全さえ保ってくれるなら、本当に便利だ。(G)
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ベルリン雑感 [ドイツ]

 黄昏が終わって、日本人と食事をして戻って午前1時半、ちょうどEMドイツ対イタリアの準決勝が終わって家路に向かう人々と一緒になり、ベルリンの町は真夜中とは思えない賑わいだった。帰宅すると程なく彼女も友達を連れて戻ってきて、暫し雑談、翌朝の出発時間について、せっかちな日本人の行動が、居候3年目にしてようやく理解してくれるようになった。まあ、これはお互い様。毎度一緒に出かける時間は、相互に譲歩するようになった。結局寝たのが3時。
 彼女は、毎週パリからベルリンに戻って来るわけではなく、私がベルリンに着いた時は、部屋は冬のままで、クリスマス以来と思われる埃がたまっていた。これは大変と思い、一週間少しずつ掃除をしたら、かなりきれいに光り、帰って来た彼女もビックリ、とても喜んでくれた。
 古い住まいは、使い続けないと故障が起こるようで、電気が突然付いたり、ガス湯沸かし器も機嫌が良いときだけ付いてくれる。その古い湯沸し器が遂に火曜日の夜を最後に、全く稼働しなくなった。水、木、金と三日間工事の人が来て、古い部品ナンバーをあちこち電話して探し、ベルリン中から3つの部品を集めた。金曜日午前では終わらず、4つ目の部品は午後取り付けて、ようやく工事完了。念のため修理代を尋ねると、約600ユーロ。湯沸し器全部交換すると、1000ユーロ以上だそうだ。こうして3日ぶりにシャワーを浴びることができた。何だかお湯の質まで良くなったようで、幸せだった。彼女に修理代を聞いてみた話をすると、修理代は、家主持ちなので負担はほとんど無いそうだ。10年前入居したときから、すでに古ぼけていて、昨年11月にも修理してもらったとのこと。
 去年聞いた話だが、髪のチリチリした民族の人は、乾燥していて、髪も汚れないというか、自分も他人にも、1週間なら洗髪せずとも、全く分からないそうだ。何だか羨ましい。(G)
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シラー劇場―神々の黄昏 [オペラ(海外)]

 ベルリン最後の晩は神々の黄昏、この日はジークフリートの日に比べ、シャーガーがとても丁寧に歌っていた。大人になったジークフリートという演技なのだろうか。
 1幕2場までは普通に進んできたが、3場はガラッと変わり、演劇のような雰囲気になった。これまで体験してきた3場は、お互いの話が噛み合わない怒りと焦り、諦めのようなやり取りだったので、この場面の良さが分からなかった。どういう訳なのか、ここの舞台では人を諭すように、心の底から語り合っているように受け取られ、これは初めて味わう雰囲気だった。語りに合わせて随分音楽も揺れていた。もう、ここまで来ると、バレンボイムを大仰だとは全く感じない、スウィングする心地良さに身を任せるのみだ。
 2幕のハーゲンは、悪役らしさはなく、人間味あふれる、むしろ好い人だった。やはり声が優しいのだ。このプロダクションの歌手陣は、皆さん好い人の役が似合う人ばかりだ。
 テオリンの絶叫も、後ろから二列目で聞くとちょうどよく、今回音や声についての不満は、皆無だ。舞台からの距離が程よく、周囲にオペラグラスを使っている人は不思議といない。今の自分には、全て大満足のリングチクルスだった。バレンボイムが、代打として混乱しているバイロイトで振ることはないのだろうか…(G)
指揮:Daniel Barenboim
Siegfried:Andreas Schager
Gunther:Roman Trekel
Alberich:Jochen Schmeckenbecher
Hagen:Falk Struckmann
Brünnhilde:Iréne Theorin
Gutrune:Ann Petersen
Waltraute:Ekaterina Gubanova
Erste Norn:Anna Lapkovskaja
Zweite Norn:Ekaterina Gubanova
Dritte Norn:Ann Petersen
Woglinde:Evelin Novak
Wellgunde:Anna Danik
Flosshilde:Anna Lapkovskaja
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コンツェルトハウス・ベルリン シモーネ・ヤング・シューマン [コンサート]

 コンサート前の解説で、Vito Zurajというスロヴェニアの作曲家のインタヴューがあった。今日のホルンコンツェルトは、鵜の目鷹の目のような意味合いの副題がついている。作曲家になるには音に敏感で、音で表現可能なイメージの追究しているのだろう。ホルンの音色、奏法も多岐にわたり、ミュートも色々、打楽器のバチ置きに楽器をのせたまま演奏することもあった。客席一列目のご婦人方は、ずっとずっと苦笑いしていた。3階席では、程よい音量と、打楽器が見える楽しみで、美しい音の探求を体感できた。
 最近ハンブルクへ行っていないので、ヤングは久しぶり。体格がスッキリし、エネルギー一杯に弾む指揮は綺麗だ。シューマン4番の指揮は暗譜で、凄いパワーだった。
 チェロのトップは、これが自分の シューマンだという全身の主張で、物凄い刻みが聞こえてくる。ヤングからの感謝の握手に見えたが、がっちり手を握られた。こんな演奏を目指せるなら、自分らのアマオケでも挑戦してみたいと思った。オケのテクニック云々ではなく、ストレートな情熱が前面に出る演奏も気持ちが良い。
 改装後のコンツェルトハウスは、赤絨毯を上がったパルケット入り口でもチェックインできるようになっていた。階段テラスでは飲み物販売にも余念がない。(G)
KONZERTHAUSORCHESTER BERLIN
SIMONE YOUNG Dirigent
SAAR BERGER Horn
Alexander Zemlinsky
Sinfonietta op. 23
Vito Zuraj
„Hawk-eye“ - Konzert für Horn und Orchester
Robert Schumann
Sinfonie Nr. 4 d-Moll op. 120
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ベルリン・シラー劇場―ジークフリート [オペラ(海外)]

 その様に作曲されていると言えばそれまでだが、深い森の奥へ誘い、自然への畏れ抱かせるような始まりだった。続く打楽器のリズムも微妙にふくらみ、森の空気がよどむ。ここ何年かで実感するようになった、"凄い"音楽とは、間よりもっと繊細な、微妙な揺らぎなのだと確信してきた。それは、歌でも楽器でも共通しており、何度も繰り返されるが、同じでない人間の営みが音の中に象徴されている気がする。予測できない微妙な反応が、新鮮な感覚につながる。
 1幕でこんなに、甘く優しい声のミーメを聞いたのも初めてだ。ジークフリートに母親のことを語り始める囁きが、あまりにきれいで、こんな声のジークフリートも聞いてみたいと思った。一方シャーガーは 、東京でジークフリートを聞いた時より乱暴な歌い方で、少しぐらい声が裏返っても、野生児らしくガンガン叫んだ。舞台セットのせいもあるが、意外にも、1幕では大きな体を真っ正直に正面を向いて歌う場面が多く、ミーメ役リュガマーの演技がどれ程秀でているか良くわかった。
 2幕は終止暗い森の中で、オペラグラス無しでは、良く舞台が見えず、息苦しくなったのは、自分一人では無かったようだった。2幕のミーメは、今度は聞きなれたしゃがれた声でアルベリヒとのやり取りはさすがだ。ジークフリートは同じ調子で突進し、森の小鳥はピット端で歌い、舞台上は、羽をつけたダンサーが演じた。
 3幕までシャーガーの声は全く疲れ知らずで、テオリンと二人とも演技も歌も満足だった。
 3幕の始まりのテンポが少しゆっくりめで、リズムが理想的でとても感激した。行進曲にならない演奏が出来ることを、バレンボイムも披露してくれた。やはり音楽が自分に語りかけてくれていると感じる至福の時を求めて、ドイツ各地を訪ね歩いたのかなと、今になって気づく。芸術家に感謝。
 3年前のチクルスは、シラー劇場に移ったばかりで、まあ普通の演奏だった。今回は、この劇場に相応しいような、綿密に練られ、最高の仕上りだったと思える。2002年バレンボイムのリンデンのチクルスを聞いた人によると、以前はもっとすごい迫力だったが、むらがあったと。
 マエストロは右耳に何か入れていて気になるが、これからも益々元気で意欲的な公演を続け欲しいと願っている。(G)
指揮:Daniel Barenboim
Siegfried:Andreas Schager
Mime:Stephan Rügamer
Der Wanderer:Iain Paterson
Alberich:Jochen Schmeckenbecher
Fafner:Falk Struckmann
Erda:Anna Larssoy
Brünnhilde:Iréne Theorin
Der Waldvogel:Christina Gansch
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