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新国立劇場-ワルキューレ(ゲネプロ) [オペラ(国内)]

 友人からチケットをいただき、楽しませてもらった。3階正面2列目、舞台は良く見えた。パルケは見える範囲は人を入れておらず、そのため拍手は疎らだった。
 歌手は皆素晴らしい。ブリュンヒルデのテオリンは、優しい感じで、ベルリンやドレスデンで聴いた時と違って、静かだった。ヴォータンも軽い感じ、ジークムントとジークリンデも違和感が無い。いずれにせよ、本気は取ってあると思うので、期待が膨らむ。
 強いて言えば、オケの音量が大き過ぎる。歌手を邪魔しているわけではないが、全体としてダイナミックレンジが狭く、金管が余分にうるさい。バストランペットは今いちで、本番までに改善を求む。
 弦楽器は問題無く、特にチェロはソロ、テュッティとも素晴らしかった。
 平日の昼間なのに、結構知り合いを見かけ、演出については古めかしいという声もあった。音楽を邪魔すること無く、余計なことをしないので、オリジナルのイメージに近い感じがして初めて見る人にはとても良いと思う。歌手も歌い易そうに感じられた。

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ピエタリ・インキネン首席指揮者就任披露 日本フィル [コンサート]

 いったい何年前、サントリーホールで日本フィルを聴いたのか、覚えていない。日フィルには知り合いもおらず、岡本侑也さんのドボコンを近郊まで聴きに行っただけ。そんな訳で、インキネンが以前から日フィルを指揮していることも、気付いていなかった。今年の2月、初めてプラハのスメタナホールでインキネン指揮、プラハ交響楽団のブルックナー9番のステリハを聴き、若くて人気があり、流れる音楽とメリハリのある重厚感がホールの響きとあいまって、心地よかった。日フィルの首席指揮者になると知り、今回聞いてみることにした。http://gruen.blog.so-net.ne.jp/2016-02-24-1
 日本で既にヴァルキューレ一幕は演奏したことがあると終演後教えてもらったが、本番時には知らなかったので、ヴァルキューレでなく、ジークフリートを日本へ持ってきてくれたことに、感動した。3幕を東京のコンサートで聴く機会はめったにないだろう。初めて聴くお客さんもいるかもしれない。
 3幕が始まると直ぐ作品そのものに想いが及び、さすらい人の第一声がなかったところで、上手い編曲だとハットした。その後も、カットに入る最初の一節まで惹き付けて、歌を待ち構える気持ちを膨らまさせられて、さっと次へ飛ぶ。オケは緊張しながらも、ブリュンヒルデの目覚めの場面までくると、幾分開放された感じで、まだ余力がありそうなまま、最後まで到達した。座席のせいか、1.Vnの勢いが今一つに聞こえたが、音楽の流れが良く、弦楽器の音色にヨーロッパの雰囲気がただよっており、意外だった。様子を見ながら、遠慮がちに、小綺麗にまとめたと感じだったが、重厚な部分のエネルギーは、大したものだった。
 後半の黄昏は、オケが作品そのものに慣れ親しんでいるのか、見違えるように、とても生き生きした演奏を聴かせてくれた。他の在京オケと違い、弦楽器の音色に明るさがあり、重厚感は、シベリウスの作品で感じる重苦しい苦悩の感じを連想した。インキネンなら、日本で、リングチクルスのお稽古させてあげてもいいなと聴きながら思った。
 一番心がゆさぶられたのは、実際演奏されている瞬間の音楽が生きていることだ。一音一音のイメージが明確で、方向性を持ち、その音が意図するところ、音楽の行き着く先が音の続きではっきり示されているようで、目の前で物語が進行しているようなワクワク感を体験できる。
 時に、リングの抜粋は、譜面を演奏するだけで、どんどん先を急いで、つじつま合わせで終わり、物足りない感じが残る。全て翌日になって知った話だが、既にオーストラリアでリングチクルスを指揮していることを知り、ヴァイオリニストであることも知り、演奏中抱いた印象の根拠を得た気がした。弦楽器の音色については、自身の奏法を伝え、音色を追求したのかもしれないと、勝手に納得した。ヨーロッパ風の、力業でない深い地中へ誘う重厚さと、天上の神様へ音を飛ばすような、羽のような優しい音を巧みに操り、日本にヨーロッパの音もたらしてくれるかもしれないと願い、他の音楽も聴いてみたいと思った。
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トリスタンとイゾルデ-二期会 [オペラ(国内)]

 二期会のトリスタンを9/17に聴いた。去年の今頃、読響はカンブルラン指揮で演奏会型式のトリスタンを演奏した。今回は舞台付き、演出はライプチヒ歌劇場のもの。
 音楽の印象は、去年と今年で全く違った。去年のカンブルランはトリスタンに不慣れなオケをシュトゥットガルトから来る歌手に迷惑がかからぬよう、とにかく引っ張っていかねばという必死さが伝わってきたが、今年は二期会の歌手、請け負いでなく、皆で作り上げた舞台だった。曖昧とも流れる感じとも言えるが、コボスは歌手にも自由さを許しているようで、オケメンバーも去年とはかなり違っていたようだと感じた人も周囲に多く、これは、確かに二期会のトリスタンだった。
 池田香織さんのイゾルデは、とても良く声が出ていて、最後まで素晴らしかった。イゾルデ役が決まった時、これをステップに世界を目指すのかと思ったら、池田さんと親しい方から、全曲歌えたら、後はもうどうなってもよという命懸けの覚悟だと伺い、凄いエネルギーだと思った。夢に向かって池田さんが何年も努力を重ねたことを心から尊敬し、舞台からその幸福感を客席にむかって振り撒いてくれたことにとても感動した。お弟子さんも、ファンも、素敵なご家族も、皆が応援したくなる、愛すべきお人柄も歌の魅力だ。夢をの階段を着実に上り、"できる" ということを体現して下さった喜びが伝わって来る。以前フィギアスケートの浅田真央さんの頑張りから力をもらい、自分も諦めない決意したというように話されたこととがあったが、才能を磨き、たゆまぬ努力をする方たちから幸せを分けて貰うという実感を、初めて味わった。
指揮: ヘスス・ロペス=コボス
演出: ヴィリー・デッカー
トリスタン 福井 敬
マルケ王 小鉄和広
イゾルデ 池田香織
クルヴェナール  友清 崇
メロート 村上公太
ブランゲーネ 山下牧子
牧童 秋山 徹
舵取り 小林由樹
若い水夫の声 菅野 敦
東京文化会館
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MAROワールド Vol.29 by 篠崎“まろ”史紀 [コンサート]

 初めて噂のMAROワールドを聴くことができた。王子ホールの会員にならないと、なかなかチケットが買えない人気コンサートだ。まろさんの企画や、演奏者へのインタヴューが楽しく、銀座でコンサートを聴き、まろさんお勧めのワインを楽しむという、お客様が気軽に楽しめるイヴェント的なコンサートなのだと分かった。
 この日プログラムはモーツァルトのピアノ4重奏2曲だけだったが、途中でK563のディヴェルティメントの一楽章とメヌエットを演奏してくれた。チェロにとっては、K563はモーツァルトでは格別の曲、メインで聴きたかったほどだ。ピアノ4重奏第1番のチェロは地味なのだが、ディベルティメントを弾いた後の岡本さんは、本来の素晴らしい存在感出してくれて、各楽器が独立して活躍する第2番はとても美しかった。
 一つ気になったのは、ピアノ4重奏第1番でもディヴェルティメントでもそうだっがが、始まってしばらくはは皆がハモらず、繰り返したり、再現部に来るとと俄然美しくなる。常設メンバーでなくとも、もう少し早めに皆さんの音が集中してくれるともっと良かった。
 まろワールドでは、終演後に毎回サイン会があるとのこと。お客さんとの距離を縮め、身近な手作り感のあるコンサートが、人気の理由なのだと思う。ピアニストの清水さんは新幹線の時間があり欠席だったが、私も初めて身近に、お三方のサインを頂戴した。

篠崎史紀(ヴァイオリン)
佐々木 亮(ヴィオラ)
岡本侑也(チェロ)
清水和音(ピアノ)
モーツァルト:ピアノ四重奏曲 第1番 ト短調 K478
       :ピアノ四重奏曲 第2番 変ホ長調 K 493
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江副記念財団45周年記念コンサート [コンサート]

 毎年年末に大勢の奨学生がひとり15分程の演奏を披露してくれるが、今回はオケ伴奏の記念コンサートコンサートだった。江副財団の奨学生は皆さん素晴らしいが、オーケストラとの共演はまた格別で、プログラムだけ見れば、其々の発表の場ではあったが、一晩のコンサートとして満喫できた。
 オケが生き生きと若いソリストたちの情熱に寄り添って、よく歌ってくれて、とても楽しい演奏会だった。指揮のアンドレア・バッティストーニは、初めて聴いたが、ヴェローナ生まれのの29~30歳でソリストと年代も近く、ドイツもの、イタオペ、フランスもの、ロシアものとバラバラのプログラムながら、歌心と音楽の乗りが、さすがオペラ指揮者で、この日の雰囲気をつくったのはまさに指揮者の功績だと思った。

指揮:アンドレア・バッティストーニ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
ソプラノ:砂川 涼子
メゾソプラノ:鳥木 弥生
テノール:樋口 達哉
バリトン:堀内 康雄⇒谷 友博
ピアノ:田村 響
ピアノ:髙木 竜馬
ピアノ:北村 朋幹
ヴァイオリン:弓 新
チェロ:水野 優也

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