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ペトレンコのヴァルキューレ [オペラ(海外)]

 メールでの予約に外れ、ネット売り出し日、何とか食い込み手に入れたのは、最後の一枚だった。席は、2列目の端でカテゴリーの境目。運良く、指揮がよく見え、音も、一列目だったラインゴルトより、ずっと良かった。ネット中継される公演だったこともあり、初日のラインゴルトとは、比較にならず、これこそが、ペトレンコだと、感動が蘇えってきた。ドレスデンでは、ワグチューはホルンと一緒だが、こちらは、今回も右手のCbの後ろだったが、ラインゴルトの時のような違和感は無く、ビット全体の音が溶け合っていた。三幕には、ホルンに持ち替え、左側で吹い ていた。
 ペトレンコの音楽は、歌手を邪魔せず、むしろ積極的に歌のよさを引き出し、時々錯覚で、音楽が言葉でしゃべっているように聞こえる。特に、ヴァルキューレは、心の内を語る場面が多く、静かに、優しく、言葉に寄り添って来る音楽が素晴らしい。普通は、歌のオブリガートのように目立つ旋律が、抑えられていたり、気づかなかったところでは、ブリュンヒルデがヴォータンに、本当は、ジークムントをどうしたいのか、尋ねてる場面のホルンアンサンブルが、まるで、人の声のようなニュアンスで絶妙だった。カーテンコールでは、ペトレンコはずっとニコニコしており、ブリュンヒルデのシュテンメも初々しくて、とてもよかったが、やはり、ここはジークリンデのカンペと、深く微笑み合って、満足そうだった。彼女の声は本当に優しくて、ペトレンコの音楽ととても美しい相乗効果を発揮する。最適役だ。オニールも、ペトレンコの音楽なら、ひ弱だ酷評されることはないだろう。コッホが風邪で交代したのは、残念だった。
 ティーレマンの、地の底から湧き上がる音、ペトレンコの天上に届きそうな柔らかな響き、ヴァーグナーの音楽は、どちらも素晴らしい。
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