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新国立劇場-松風 [オペラ(国内)]

 細川さんのオペラを初めて見た。ベルリンで、松風も班女を見るチャンスはあったのに、洋物を優先してしまった。細川作品の生演奏を初めて聴きたのは、昨年のエリザベートコンクールのチェロの本選課題曲Sublimationだけだ。何度も聞いて、綺麗で、心洗われるような印象が残っている。武満作品に似ている感じで、松風も無からはじまり無に帰す音楽だった。
 終演後、作曲家、演出家のトークがあり、細川氏は、 オペラと言っても、現代能とオペラをミックスであり、音の橋がかりになりたいと、仰っていた。ヴァルツ氏は、最後のあの世とこの世の境に消えていく感じを、救済ととらえたそうだ。ダンスが主の舞台かと思うほど、サシャヴァルツのカンパニーの肉体美は凄い。オペラの中のバレーは、殆ど好ましく感じたことはないが、今回は、人の気配を消した、人形が踊っているようで、人が無機質に感じるほど、上手だった。初め、新国立劇場のバレエでは無いことを不思議に思ったが、段々と、日本人が真似できるような振り付けではなかったと気づいた。
 ヨーロッパ、香港を回ってきたこの舞台は、ひとまず次のワルシャワで終わるらしい。西洋のオペラは、読み替え演出が長く続いて来たが、この能の精神を内蔵するオペラの新しい舞台演出の可能性は興味深い。
指 揮デヴィッド・ロバート・コールマン
演出・振付サシャ・ヴァルツ
美 術ピア・マイヤー=シュリーヴァー、塩田千春
衣 裳クリスティーネ・ビルクレ 照 明マルティン・ハウクドラマツルグイルカ・ザイフェルト

松風イルゼ・エーレンス
村雨シャルロッテ・ヘッレカント
旅の僧グリゴリー・シュカルパ
須磨の浦人萩原 潤
音楽補冨平恭平
ヴォーカル・アンサンブル新国立劇場合唱団管弦楽東京交響楽団
ダンスサシャ・ヴァルツ&ゲスツ
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