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シラー劇場―ヴァルキューレ [オペラ(海外)]

 前日の反省から、完璧に体調を整えて出掛けた。隣のご夫妻には、前日の失態で邪魔したことを一応詫びた。奥さんも暑くてキツかったと。昨日の開演直前の事件が明らかになった。注意を促す携帯の音を大きくホールに流してから、扉を閉じる手順が正しいのだ。昨日は、誰かが何処かでミスをして、指揮者にGoサインを出してしまったのかもしれない。皆昨日の事故を理解した。
 1幕は、隅々まで指揮者の思いが届いているようで、歌手もオケも全員が最高のパフォーマンスだった。バイロイトが登竜門なら、ここはあらゆる経験を積んできた歌手仲間の、同窓会のような舞台だ。それぞれが、役を演じている。オケの音量は、登場人の心の内を反映するかのように変幻自在だ。激しい場面は限界まで強く、ささやく場面では耳をそばだてたくなように、でもしっかり主張している。このホールで、音の美しさで勝負できるのは、さすがバレンボイム。ハープはずっと6台のまま、素晴らしいCbは6人だった。
 2幕はやはりオケの集中力が完璧とは言えなかったが、オケと舞台と客席で協力して盛り上げたような一体感があった。3幕は、世界最強のヴァルキューレたちに感動した。かくまっているブリュンヒルデを出すようヴォータンが 迫ってきた時の重唱の迫力は耳に突き刺さるようだった。カンペは美しく、テオリンは生き生きと、オニールは誠実に、ヴォータン役パテーソンは、佇まい自体に風格があり、フンディング役のシュトゥルクマンは、役の設定より徳がありそうに、それぞれの醸し出す雰囲気も素晴らしかった。個人的には英語的な発音が気にならないわけではないが、日常的に聴いている人にとっては、インターナショナルなチームの良さも歓迎すべきなのかもしれない。
 休憩時間には、3階にサッカー中継画面が用意されており、皆さんヨーロッパ選手権スロヴァキア戦を観戦していた。(G)

指揮:Daniel Barenboim
Siegmund:Simon O'Neill
Hunding:Falk Struckmann
Wotan:Iain Paterson
Sieglinde:Anja Kampe
Brünnhilde:Iréne Theorin
Fricka:Ekaterina Gubanova
Gerhilde:Sonja Mühleck
Helmwige:Vida Mikneviciute
Ortlinde:Anna Samuil
Waltraute:Anja Schlosser
Schwertleite:Anna Danik
Siegrune:Julia Rutigliano
Grimgerde:Anna Lapkovskaja
Rossweiße:Heike Grötzinger
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