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2013バイロイト指環報告会 [その他]

 東条 碩夫さんのバイロイト指環新演出の対談形式の報告会を聞きに行った。評論家としての厳しいご意見が出るのかと思ったら、意外と正直で、分からないことは、はっきりそうおっしゃる。皆も一番聞きたかった、ジークフリートにワニが登場する理由は分からなかった。
 演出について憤慨すれば、カストロフの思うつぼと思うが、指環を石油に置き換え、世界を制覇の象徴とするアイデアは面白いが、舞台上、上手く反映されず、リアリティーを追及しながら、詰めが甘く、演出意図が読めない、驚きの舞台だと集約される感じの対談だった。
 "演出家の意図"という言葉を良く使うが、一方で、演出家は、聴衆に問題を投げ掛けるだけで、各自が考えればそれで良いと考えているという話も聞いたことがある。
 今日聞いた話では、歌や音楽だけでは面白くないので、舞台に動きを入れるだけという人が居り、指揮者が怒ってその演出を止めさせたとか。もしそんな理由で、無意味な映像を使うなら、舞台上の動きが音楽を邪魔することを、誰か良く演出家に説明してほしいものだ。ドラマトゥルグのいないオペラ演出は、宜しくない。
 バイロイトのDr.フリードリヒが話した、ワーグナーに対する敬意も無い、ジークフリートを英雄とも思わない演出だという大前提を、常に念頭に置かねばならないだろう。日本流に言えば土俵が違うというところか。
 ペトレンコの音楽は、大絶賛だった。よく制御された、引き締まった音が素晴らしいと。私は、ペトレンコだけで、満足だ。(G)

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