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ワーグナー生誕200周年記念コンサート サントリーホール [オペラ(国内)]

 台風をやり過ごした晩、ワーグナー協会主催の、生誕200年記念コンサートは無事開催され、大盛況だった。私の興味はオケにあり、ほとんど身内意識で、今は自分が演奏した後のような脱力感だ。本番を見事に成し遂げてくれて嬉しい。指揮者の飯守先生の詳解は勿論、副指揮者や、コンマスを引き受けて下さった、戸澤先生の忍耐強い、具体的なご指導の賜物だと思う。
 玄人はだしの技術を持つメンバーだからこそ、体得し、実現できたワーグナー、何を教わったかということが、想像できる、気持ちよいヴァルキューレだった。
 今回、特にワーグナー好きでもない音楽仲間たちが、喜んでくれたのがとても嬉しい。そういうお客さんに聴いていただくことと、若手の歌手に演奏の機会を提供することがこの企画の目的だったのだろうと思うので、お客さんの入りは、成功と言えるだろう。
 プログラムを見たら、オケに知人が何人もおり、人生経験を積んだ、平均年齢の高さが、音楽の理解にも結びついたのではないかとも感じた。大音量の力強い音楽のところは、大きすぎるほどのエネルギーがあった。ジークリンデが盛り上がっていくと、オケもいっしょに大きくなってしまうのは、まあご愛嬌で、もしppに落として感情表現ができるようになれば、一流のワーグナーオケになれる。テンポがゆっくりな分、全部の音を正しく出すと、どうしても大きくなってしまうのだろう。でも、リズム感や、言葉と音楽が関わる歌い方は本物で、心地良かった。一幕最後も、本番では、Vnのきざみが、ぴったり揃って、奇跡のようだった。
 オケの皆さんが費やした時間と労力にお礼を言いたい。東京でワーグナーの音を出せる、ワーグナーの徒が一気に100人増えた。(G)

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