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「マエストロ ヤノフスキに訊く」   [その他]

 ベルリン放送交響楽団の芸術監督・主席指揮者であるマレク・ヤノフスキ氏の講演があった。ベルリンで昨年から年3演目ずつ、ワーグナーのオペラ10作品(オランダ人以降)をコンサート形式で上演するスケジュールが進行中で、順次ライヴCDも出る。2012~13年がリングだ。氏が話されたのは、昨今ワーグナーのオペラは演出過多で、舞台に気をとられて、目で聴くことを余儀なくされ、音楽に集中できないとのこと。思考プロセスが目に左右されるのではなく、耳で集中して聴いてもらいたい。歌と音楽をよく聴けば、頭の中に自ずと場面浮かぶだろうと。
 指揮者は長い時間をかけて成熟するもので、見栄えのする若い指揮者が、経験を積まず急にオペラを指揮するのは難しい。音楽の解釈こそが指揮者の仕事であり、出てきた音には全責任を負うべきだ。こうして費やしてきた時間こそが指揮者としての自信につながると、とても真面目に丁寧にお話して下さった。音楽は動きの芸術であり、止まってはならない。自分を客観的に見つめながら指揮するという謙虚さを持ち、整然と音をコントロールする真摯な取り組みようにとても感心した。
 東京の春音楽祭で2014年からリングを一作づつ振る予定だと明かされた。日本で本格的なリングが聴けるのだ。待ち遠しい。(G)

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