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ニコラウス・バッハラー氏(ワーグナー都市ミュンヘン-舞台芸術の今) [演劇]

 ニコラウス・バッハラー氏(バイエルン国立歌劇場総裁)をお迎えしての国際シンポジウムということで、聴講に行った。しかし2時間で基調講演、通訳付でいくつかの質問を投げかけるというという構成は時間が足りず、質疑応答も無かった。山崎太郎先生、池上純一先生が準備された「ワーグナー都市ミュンヘン」という視点について、バッハラー氏は距離を置いておられるようで、総裁としての「舞台芸術の今」ついてのお考えを拝聴することになったと思う。
 印象に残ったことの一つは、「伝統と革新」について、ワーグナー自身が革新的演出家であったことをふまえ、時代に合う新解釈は常に必要だということ、今日、視覚的Regietheaterについては批評が激しいが、実は音楽の解釈も変化しており、専門知識が必要なため大きな議論にはならないが、Dirigententheaterと言われないのが不思議だというようなコメントがあった。音楽と舞台は別ものとして観て聴くのが普通かと思っていたが、劇場総裁として並列に捕らえているのだというのが新鮮に思えた。総じて、斜に構えたコメントが多かったように感じたのは、勘ぐれば来日公演についての質問をシャットアウトできるか、実は針のむしろだったのかもしれない。私は公演に行っていないけれど・・・(G)
 
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あらかわバイロイト-神々の黄昏 [オペラ(国内)]

 「あらかわバイロイト」を初めて聴きに行った。毎年一作品ずつ取り組んでおり、第一回パルジファル、第二回ヴァルキューレ、そして今年第三回が神々の黄昏。この夏本家のバイロイトに行ったこともあり、日本でバイロイトと名乗る舞台を観てみたくなった。率直な感想として、オケが頑張ってくれてとても嬉しい。弦楽器奏者の大多数が女性だったことも嬉しい驚きの一つだ。サンパール荒川というホールも初体験だが、響きが良いと思う。
 若い奏者たちの、ワーグナーを好きなんだという真剣さが、まさにバイロイトと名乗るに相応しいポイントだと納得。休憩時間終了を知らせる客席でのファンファーレも、元気があって好感をもてる。
 財源については全く知らないが、舞台にもお金がかかっており、今日程度の入り具合ではちょっと心配になる。歌手はトリプルキャストで、私は二日目Bキャストを佐々木修氏の指揮で聴いた。自分はアマチュアながら、マゼール版リング抜粋を苦労して演奏した経験から、複雑な楽器同士のからみについても、今日の指揮がとても分かりやすく、歌手陣にとっても、オケにとってもこの上なく貴重な経験だろうなと、少し羨ましい気がした。
 歌手も奏者も、若いうちに、日本でワーグナーを経験してから世界へ羽ばたいていくことは20世紀にはありえなかっただろう。大所帯のプロオケと一味違い、少人数で気持ちを一つに本気で合わせようとする意気込みに感動した公演だった。困難に負けず今後も続けて行っていただきたいと祈る気持ちだ。(G)
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 3日連続公演なのに指揮者が2人、歌手は毎日全員入れ替わるのでは、練習も含め確かにオケに一番負担が掛かる。おまけに幕間のファンファーレまで担当した金管隊は本当にご苦労様だった。最後まで緊張感を持って弾いてくれて満足感があった。(B)
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