フェルメール 修復後の「窓辺で手紙を読む女」-東京都美術館 [美術・博物館]
2021年9月フェルメールの「窓辺で手紙を読む女」の修復が完了し、ドレスデンで公開された。その後所蔵している美術館から外に出たのは日本が最初。日本人はフェルメール好きだが、招致にどれほど支払ったのだろう。
公開初日9:30入場の予約をし、9時に着いたが、9:30とは東京都美術館の開門時間だった。既に7〜8人並んでいたが、みぞれ降る中、外で待つのはかなり寒かった。開門前に、担当の方が出てきて、一列体制の入館の流れについて、検温から傘の処理、ロッカーの位置なども含め、丁寧に説明してくれ、準備の出来た方は自分に付いてくるようにとのことだった。
入館前に、まず長傘は鍵付き傘立てに納めねばならない。雪予報で、大きな傘をさしている方が多かったが、私は折り畳み傘をバックに入れ、案内の方に付き従って行くと、地下入り口で2番目になっていた。展示室に入ると、先頭の方がずんずん先に進んで行くので、私も後を追って行くと、エスカレータを上がった1階にフェルメールがあった。そして日本で一般公開後、2人目の来場者になってしまった。
目に入った瞬間、これは素晴らしい!と感じた。修復して明るい美しさが蘇ったと思う。左側の壁には、修復前の模写が飾ってある。そうだ、もう前の作品は存在しないのだ。
17世紀のオランダ絵画は暗めの印象があり、この絵画も修復以前は全体が薄暗く、織物の柄がよくわからなかった。若い女性が部屋に閉じ込められているかのような、黄ばんだ壁が背景になっており、見る側はその時代に様々な想像をめぐらしていた。勿論それも素晴らしいのだが、キューピットの絵の塗りつぶしが、後の時代の人が行なったことが明らかになり、修復作業が始まった。
修復の仕方として、まず、絵全体の古いニスをはがし、キューピットの絵に上塗りきされている壁の部分は顕微鏡を覗きながら、少しずつ削り、絵を復元した。
ニスを落とすと元の壁の色も白くなり、絵全体が明るくなり、他の画中画がある作品の仲間となったようだ。こうなると、他の無地壁の絵画にも、何か下に描かれていたらいいなあと想像してしまう。
フェルメールは2005年アムステルダムにリングチクルスを見に行ったとき、美術館巡りをしてから、旅先で探して観るようになった。2012年ドレスデンでこの作品を観たときは、窓ガラスに映る女性の姿が淋しげで、地味な悩める女性のイメージだったが、実は幸せな人だったようだ。自分が生きている時代に、名画が大規模に修復されるこんな機会に出会うとは思わなかった。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2005-09-30 アムステルダム
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2005-09-29 アムステルダム
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2012-01-06 ドレスデン ツヴィンガー宮殿
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2005-08-21 2005年にも「窓辺で手紙を読む女」が来日
公開初日9:30入場の予約をし、9時に着いたが、9:30とは東京都美術館の開門時間だった。既に7〜8人並んでいたが、みぞれ降る中、外で待つのはかなり寒かった。開門前に、担当の方が出てきて、一列体制の入館の流れについて、検温から傘の処理、ロッカーの位置なども含め、丁寧に説明してくれ、準備の出来た方は自分に付いてくるようにとのことだった。
入館前に、まず長傘は鍵付き傘立てに納めねばならない。雪予報で、大きな傘をさしている方が多かったが、私は折り畳み傘をバックに入れ、案内の方に付き従って行くと、地下入り口で2番目になっていた。展示室に入ると、先頭の方がずんずん先に進んで行くので、私も後を追って行くと、エスカレータを上がった1階にフェルメールがあった。そして日本で一般公開後、2人目の来場者になってしまった。
目に入った瞬間、これは素晴らしい!と感じた。修復して明るい美しさが蘇ったと思う。左側の壁には、修復前の模写が飾ってある。そうだ、もう前の作品は存在しないのだ。
17世紀のオランダ絵画は暗めの印象があり、この絵画も修復以前は全体が薄暗く、織物の柄がよくわからなかった。若い女性が部屋に閉じ込められているかのような、黄ばんだ壁が背景になっており、見る側はその時代に様々な想像をめぐらしていた。勿論それも素晴らしいのだが、キューピットの絵の塗りつぶしが、後の時代の人が行なったことが明らかになり、修復作業が始まった。
修復の仕方として、まず、絵全体の古いニスをはがし、キューピットの絵に上塗りきされている壁の部分は顕微鏡を覗きながら、少しずつ削り、絵を復元した。
ニスを落とすと元の壁の色も白くなり、絵全体が明るくなり、他の画中画がある作品の仲間となったようだ。こうなると、他の無地壁の絵画にも、何か下に描かれていたらいいなあと想像してしまう。
フェルメールは2005年アムステルダムにリングチクルスを見に行ったとき、美術館巡りをしてから、旅先で探して観るようになった。2012年ドレスデンでこの作品を観たときは、窓ガラスに映る女性の姿が淋しげで、地味な悩める女性のイメージだったが、実は幸せな人だったようだ。自分が生きている時代に、名画が大規模に修復されるこんな機会に出会うとは思わなかった。
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2005-09-30 アムステルダム
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2005-09-29 アムステルダム
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2012-01-06 ドレスデン ツヴィンガー宮殿
https://gruen.blog.ss-blog.jp/2005-08-21 2005年にも「窓辺で手紙を読む女」が来日
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